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Patent Searching and Data


Title:
VOLTAGE-TO-CURRENT CONVERTER AND FILTER CIRCUIT USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149881
Kind Code:
A1
Abstract:
A voltage-to-current converter is provided with a converter input terminal, a converter output terminal, a voltage-to-current converting section for converting a voltage inputted to the converter input terminal into a current, and a current taking out section for intermittently taking out the current from the output terminal of the voltage-to-current converting section and outputting the current from the converter output terminal.

Inventors:
KITSUNEZUKA MASAKI (JP)
HORI SHINICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060259
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
June 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NEC CORP (JP)
KITSUNEZUKA MASAKI (JP)
HORI SHINICHI (JP)
International Classes:
H03F3/72; H03F3/34; H03G3/10; H03H11/04; H03H11/12; H03H17/02
Foreign References:
JP2000049661A2000-02-18
JP2000101394A2000-04-07
JPH0661791A1994-03-04
JP2007088699A2007-04-05
JP2002043893A2002-02-08
JP2005538597A2005-12-15
JP2003198283A2003-07-11
Attorney, Agent or Firm:
MIYAZAKI, Teruo et al. (16th Kowa Bldg.9-20, Akasaka 1-chom, Minato-ku Tokyo 52, JP)
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Claims:
 入力された電圧を電流に変換して出力する電圧電流変換器であって、
 変換器入力端子と、
 変換器出力端子と、
 前記変換器入力端子に入力された電圧を電流に変換する電圧電流変換部と、
 前記電圧電流変換部の出力端子から電流を間欠的に取り出し、前記変換器出力端子から出力するための電流取出部と、を有することを特徴とする電圧電流変換器。
 前記電流取出部は、
 第1の開閉素子と、
 前記第1の開閉素子の開閉を制御する開閉制御部と、を含み、
 前記電圧電流変換部の出力端子から電流を間欠的に取り出す際の間欠動作比率は、前記第1の開閉素子の開閉率によって制御されることを特徴とする、請求項1に記載の電圧電流変換器。
 前記第1の開閉素子は、前記変換器出力端子と前記電圧電流変換部の出力端子の間に接続され、
 前記電流取出部は、前記第1の開閉素子と逆のタイミングで開閉し、前記電圧電流変換部の出力端子と固定電位の間に接続される第2の開閉素子をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の電圧電流変換器。
 前記電圧電流変換部は、前記第1の開閉素子と同一のタイミングで間欠的に駆動されることを特徴とする、請求項2に記載の電圧電流変換器。
 前記第1の開閉素子は、矩形波によって開閉が制御され、該矩形波のオン時間の比率によって開閉率が制御されることを特徴とする、請求項2に記載の電圧電流変換器。
 前記電圧電流変換部は、変換利得が有限インパルス応答フィルタ特性を有することを特徴とする、請求項2に記載の電圧電流変換器。
 前記電圧電流変換部は、前記変換器入力端子に入力された電圧を標本化・保持するための標本化・保持手段と、前記標本化・保持手段によって標本化・保持された電圧を電流に変換するための電圧電流変換手段と、をそれぞれN(Nは2以上の自然数)個有し、
 N個の前記標本化・保持手段の各々をN相の異なるタイミングで動作させ、N個の前記電圧電流変換手段の各々の出力端子を流れる電流を加算することによって、前記電圧電流変換部の変換利得がN次の有限インパルス応答フィルタ特性を有することを特徴とする、請求項6に記載の電圧電流変換器。
 請求項1から7のいずれか1項に記載の電圧電流変換器と、
 前記電圧電流変換器の前記変換器出力端子に接続された容量素子と、を有することを特徴とするフィルタ回路。
 前記フィルタ回路は、前記電圧電流変換器を複数有し、前記複数の電圧電流変換器の各々の電流取出部の間欠動作を独立に制御することにより、複数のフィルタ特性をそれぞれ独立に可変とすることを特徴とする、請求項8に記載のフィルタ回路。
 前記フィルタ回路は、前記電圧電流変換部を複数有し、前記複数の電圧電流変換部の出力端子から、電流を、1つの電流取出部で取り出すことを特徴とする、請求項8に記載のフィルタ回路。
 前記フィルタ回路は、前記電圧電流変換器を縦続接続する構成において、いずれかの段間に少なくとも1つの演算増幅器をさらに有することを特徴とする、請求項8に記載のフィルタ回路。
Description:
電圧電流変換器およびこれを用 たフィルタ回路

 本発明は、電圧電流変換利得が可変の電 電流変換器およびこれを用いたフィルタ回 に関し、特に、低電圧下でも小面積でかつ 圧電流変換利得の可変範囲が広い電圧電流 換器およびこれを用いたフィルタ回路に関 る。

 近年、IEEE(Institute of Electrical and Electroni c Engineers)802.11a/b/gや、GSM(Global System for Mobil e Communications)/WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)等に代表される複数の無線通信方式に1 台で対応可能なマルチモード対応の送受信機 の開発が盛んに行われている。

 このような送受信機においては、面積や 費電力を抑えつつ、複雑な信号処理を高速 行うことが求められるため、微細CMOSプロセ スを用いた設計が不可欠である。しかし、微 細CMOSプロセスを用いる場合、電源電圧の低 や性能ばらつきの増加といった新たな問題 発生する。

 このような中で、マルチモード対応の送 信機にフィルタ回路として内蔵されるチャ ル選択フィルタには、帯域幅や利得、Q値、 次数といったフィルタ特性が低電圧下でも広 範囲で可変であること、および小面積である ことが求められている。現在、上述した無線 通信方式による無線通信に用いられている無 線規格においては、チャネルの帯域幅は数kHz から数100MHzにまでわたっている。

 チャネル選択フィルタとしては、電圧電 変換器(=Gmアンプ)と容量素子とで構成され Gm-Cフィルタが一般的である(例えば、非特許 文献1)。マルチモード対応のGm-Cフィルタにお いては、Gmアンプの電圧電流変換利得や容量 子の容量値を制御することでフィルタ特性 可変としている。一般には、Gmアンプの電 電流変換利得をバイアス条件を変化させる とによって制御することで、フィルタ特性 可変とする方法が用いられている。しかし 電源電圧の低下に伴い、バイアス電圧の可 範囲が狭くなり、Gmアンプの電圧電流変換利 得を広範囲で可変とすることが困難となって いる。

 低電圧下でも電圧電流変換利得を広範囲 可変とするためのフィルタ回路の第1の従来 例を図1Aに示す(例えば、非特許文献2)。第1の 従来例は、電圧電流変換器(=Gmアンプ)と容量 子Cとで構成されるGm-Cフィルタであり、Gmア ンプを電圧電流変換部と図1Bに示す電流ミラ 回路とを組み合わせた構成となっている。 1の従来例では、電流ミラー回路の内部のパ スをスイッチ回路SWで切り替えることで、Gm ンプの電圧電流変換利得を可変としている

 同じく、フィルタ回路の第2の従来例を図 2に示す(例えば、非特許文献3)。第2の従来例 、オペアンプOA、抵抗素子R,Rx、および容量 子Cで構成されるアクティブRCフィルタに、 らにスイッチ回路SWを設けた構成となって る。第2の従来例では、スイッチ回路SWの開 を制御するクロックのデューティ比を制御 ることで、電圧電流変換を行っている抵抗R 実効的な抵抗値を可変としている。

 しかし、第1および第2の従来例のフィル 回路には、次のような課題がある。

 第1の従来例の課題は、チップ面積の増大 を招くことなくフィルタ特性の可変範囲を広 げることが困難なことである。その理由は、 第1の従来例では、可変範囲に比例する数だ 電流ミラー回路を並置する必要があるが、 々の電流ミラー回路は、MOSFETの閾値電圧の らつきを小さく抑えるために、微細CMOSプロ スによる微細化が進んでも面積の縮小が難 いからである。

 第2の従来例の課題は、帯域幅以外のフィル タ特性が可変ではないことである。この構成 で利得やQ値を可変とする方法としては、抵 を並置してスイッチ回路で切り替える方法 、MOSFETを可変抵抗として用いる方法が考え れるが、それぞれ面積が増大する、線形性 悪化するという欠点がある。また、第2の従 例の別の課題は、デューティ比制御によっ 、性能ばらつきも補償しなければならない とである。つまり、デューティ比制御によ 可変範囲を、ばらつき補償とマルチモード 応という異なる2種類の目的で分け合うこと になるため、マルチモード対応のための可変 範囲は狭くなる。その結果、マルチモードに 対応するための十分な可変範囲を得ることは 困難となる。
R. Schaumann and M.E. van Valkenburg, Design of  analog filters, Oxford University Press, 2001. IEEE JSSC Vol.37. No.2, pp. 125-136, Feb, 2002. IEEE ISCAS Vol.1, pp. I-433-436, May, 2004.

 本発明の第1の目的は、低電圧下でも面積 の増大なしで電流電圧変換利得の可変範囲の 拡大が可能な電圧電流変換器およびこれを用 いたフィルタ回路を提供することある。

 本発明の第2の目的は、低電圧下でも面積 の増大なしで各フィルタ特性を独立に制御可 能なフィルタ回路を提供することである。

 本発明の電圧電流変換器は、入力された 圧を電流に変換して出力する電圧電流変換 であって、変換器入力端子と、変換器出力 子と、前記変換器入力端子に入力された電 を電流に変換する電圧電流変換部と、前記 圧電流変換部の出力端子から、流れる電流 間欠的に取り出し、前記変換器出力端子か 出力するための電流取出部と、を有するこ を特徴とする。

 本発明のフィルタ回路は、前記電圧電流 換器と、前記電圧電流変換器の前記変換器 力端子に接続された容量素子と、を有する とを特徴とする。

 本発明の電圧電流変換器においては、電 電流変換部の出力端子から、流れる電流を 欠的に取り出すための電流取出部を設けて るため、その間欠動作比率によって電圧電 変換利得が制御可能となる。この間欠動作 率は、微細CMOSプロセスを用いることによっ て高い精度で制御可能であり、また、低電圧 下でも性能劣化を招くことなく広範囲で可変 である。また、電流取出部は微細CMOSデバイ で構成可能な論理回路とすることができる め、ほとんど面積を増加させない。したが て、低電圧下でも面積の増大なしで電圧電 変換利得の可変範囲を拡大することができ という効果が得られる。

 本発明のフィルタ回路においては、電圧 流変換器の電圧電流変換利得を間欠動作比 によって制御することによりフィルタ特性 可変にできるため、各フィルタ特性を独立 制御することができるという効果が得られ 。

第1の従来例のフィルタ回路の構成を す図である。 図1Aに示した電流ミラー回路の構成を す図である。 第2の従来例のフィルタ回路の構成を示 す図である。 本発明の第1の実施形態の電圧電流変 器の構成を示す図である。 図3Aに示したCLKのタイミングチャート ある。 図3Aに示した電圧電流変換器の具体的 回路例を示す図である。 図3Aに示した電圧電流変換器の電圧電 変換利得の時間変化を示す図である。 本発明の第2の実施形態の電圧電流変 器の構成を示す図である。 図4Aに示したCLKおよびCLK_INVのタイミン グチャートである。 図4Aに示した電圧電流変換器の具体的 回路例を示す図である。 本発明の第3の実施形態の電圧電流変換 器の構成を示す図である。 本発明の第4の実施形態の電圧電流変換 器の構成を示す図である。 本発明の第5の実施形態の電圧電流変換 器の構成を示す図である。 本発明の第6の実施形態の電圧電流変 器の構成を示す図である。 図8Aに示したCLKB1~CLKB4のタイミングチ ートである。 図8Aに示した電圧電流変換部の周波数 性を示す図である。 本発明の第7の実施形態の電圧電流変 器の構成を示す図である。 図9Aに示した電圧電流変換器の具体的 回路例を示す図である。 本発明の第8の実施形態の電圧電流変 器の構成を示す図である。 本発明の第9の実施形態のフィルタ回 の構成を示す図である。 図11に示したフィルタ回路において、C 2 =0とした場合の構成を示す図である。 本発明の第10の実施形態のフィルタ回 の構成を示す図である。 本発明の第11の実施形態のフィルタ回 の構成を示す図である。 本発明の第12の実施形態のフィルタ回 の構成を示す図である。

 以下に、本発明を実施するための最良の 態について図面を参照して説明する。なお 以下で説明する全ての図面において、同一 構成要素には同一の符号を付し、適宜説明 省略する。

 (第1の実施形態)
 図3Aに、本発明の第1の実施形態の電圧電流 換器の構成を示す。

 本実施形態の電圧電流変換器は、入力端 11と、出力端子12と、電圧電流変換を行う電 圧電流変換部13と、出力端子12と電圧電流変 部13の出力端子の間に接続されたスイッチ回 路(SW)14と、スイッチ回路14の開閉を制御する 閉制御部15と、を有している。

 なお、入力端子11は変換器入力端子であ 、出力端子12は変換器出力端子である。また 、スイッチ回路14は第1の開閉素子の一例であ る。また、スイッチ回路14および開閉制御部1 5は、電流取出部の構成要素となるものであ 。

 スイッチ回路14は、開閉制御部15が出力す る制御信号CLKが1のときに閉状態、0のときに 状態となる。このとき、制御信号CLKを、一 周期で0(オフ)と1(オン)を繰り返す矩形波と ることで、スイッチ回路14の開閉率をCLKの ン時間比率によって決めることができる。 3Bに、CLKのタイミングチャートを示す。

 開閉制御部15においては、所望のオン時 比率を持つ制御信号CLKを得る方法として、 部で生成する方法や、外部から供給される 数の制御信号CLKから選択する方法がある。

 本実施形態の電圧電流変換器の動作原理 図3Aおよび図3Bを用いて説明する。

 入力端子11に入力された電圧は、電圧電 変換部13により電流に変換される。

 スイッチ回路14が閉状態にあるとき、電 電流変換部13の出力端子から流れる電流は、 そのまま出力端子12から出力され、本実施形 の電圧電流変換器の出力電流となる。

 一方、スイッチ回路14が開状態になると 出力端子12は電圧電流変換部13から切り離さ 、本実施形態の電圧電流変換器の出力電流 0となる。

 以上の動作において、本実施形態の電圧 流変換器の出力電流を時間平均したときの 効的な電圧電流変換利得Gmは、以下の式(1) 表される。

 ここで、式(1)において、Gm 0 は電圧電流変換部13の電圧電流変換利得、T CLK はCLKの周期、T ON はCLKのオン時間である。式(1)は、本実施形態 の電圧電流変換器の実効的な電圧電流変換利 得Gmが、CLKのオン時間比率(T ON とT CLK の比)、すなわちスイッチ回路14の開閉率で決 まることを意味している。

 図3Cに、図3Aの電圧電流変換器の具体的な 回路例を示す。

 電圧電流変換部13は、電圧電流変換を行 CMOSインバータで実現でき、スイッチ回路14 、CMOSによる伝送ゲートで実現できる。この うに、本実施形態の電圧電流変換器に新た 追加されるスイッチ回路14は全て微細CMOSデ イスで構成可能なため、スイッチ回路14分 面積の増大は無視できる。

 なお、本実施形態の電圧電流変換器は、 イッチ回路14の開閉率が固定で、電圧電流 換利得が可変でない場合も、従来技術と比 して小面積化が可能となる。従来技術では 小さな電圧電流変換利得を実現する場合、MO SFETのW/Lを小さくする必要があるが、Wの下限 プロセスで決まってしまうため、Lを大きく しなければならず、その結果、面積が大きく なる。これに対して、本実施形態の電圧電流 変換器では、スイッチ回路14の開閉率を小さ することで小さな電圧電流変換利得を実現 きるため、MOSFETのサイズをそのままにでき 。

 図3Dに、入力端子11への入力電圧を一定値V IN とし、出力端子12からの出力電流をI OUT としたときのI OUT /V IN の時間変化を示す。

 図3Dにおいて、上から順に、実線は、スイ チ回路14の開閉率を100%、75%、50%、25%とした きのI OUT /V IN の時間変化を表し、点線は、I OUT /V IN を時間平均したときの実効的な電圧電流変換 利得Gmを表している。

 Gmは、スイッチ回路14の開閉率が100%のとき Gm 0 (=電圧電流変換部13の電圧電流変換利得)であ のに対し、開閉率を75%、50%、25%と制御する とで、それぞれ0.75Gm 0 、0.50Gm 0 、0.25Gm 0 と設定できる。

 本実施形態の電圧電流変換器においては 電圧電流変換部13の出力端子から流れる電 を間欠的に取り出し、その間欠動作比率に ってGmを制御している。ここで、間欠動作比 率は、微細CMOSプロセスを用いることによっ 高い精度で制御可能であり、また、低電圧 でも性能劣化を招くことなく広範囲で可変 ある。また、スイッチ回路14は微細CMOSデバ スで構成可能であるため、ほとんど面積を 加させない。したがって、低電圧下でも面 の増大なしでGmの可変範囲の拡大が可能であ る。

 なお、スイッチ回路14の開閉率の可変範囲 上限は常時閉状態の100%であり、下限は常時 状態の0%である。したがって、式(1)より、Gm の可変範囲は0以上Gm 0 以下となるが、Gm=0の電圧電流変換器は実用 意味がない。Gmの実際の可変範囲の下限はCLK の立ち上がり時間および立ち下り時間によっ て決定される。CLKの立ち上がり時間および立 ち下がり時間に起因するスイッチ回路14の開 率の誤差は、CLKの周波数(=1/T CLK )が低いほど小さくなるため、Gmの可変範囲は CLKの周波数が低いほど広くなる。また、CLKの 周波数が低いほど、CLKを生成する開閉制御部 15の消費電流は減少する。一方、本実施形態 電圧電流変換器で処理できる信号の帯域は 折り返しの影響を防ぐ必要があるため、CLK 周波数の2分の1以下の範囲となる。すなわ 、CLKの周波数が高いほど、より広い帯域の 号を処理できる。

 本実施形態の電圧電流変換器を用いてフ ルタ回路を構成する場合、フィルタ回路の 域幅は100kHzから100MHz程度が適当である。そ 理由は、100kHz以下の狭帯域では、容量素子 面積が支配的となることから、チップ面積 大を抑えられるという利点が小さくなるた である。また、100MHz以上では、スイッチ回 14の開閉率制御の精度が悪化してGmの可変範 囲が狭くなり、また、開閉制御部15の消費電 が増加するためである。

 また、電圧電流変換部13に対しては、従 のバイアス電圧制御によって電圧電流変換 得を可変とする方法も併せて適用可能であ ため、この従来方法で性能ばらつきは十分 補償することができる。したがって、スイ チ回路14の開閉率制御による電圧電流変換利 得の設定の際に、性能ばらつきの余計なマー ジンを見積もる必要がなく、より広い範囲で フィルタ特性が可変となる。

 以上のことから、フィルタ回路の帯域幅 100kHzから10MHz、CLKの周波数はフィルタ回路 帯域幅の20倍程度が最適である。その理由は 、チャネル選択フィルタとしては、帯域幅の 10倍程度の範囲の信号を処理できれば十分で り、また、微細CMOSプロセスを用いれば200MHz (最大の帯域幅の20倍)程度のCLKを、十分高い 度、十分低い消費電流で生成することがで るからである。ただし、急峻な前置フィル によってあらかじめ信号帯域が制限されて る場合は、この限りではない。例えば、前 フィルタによって信号帯域が100MHz以下に制 されていれば、200MHzのCLKで帯域幅80MHzのフィ ルタ回路も構成できる。なお、微細CMOSプロ スによる微細化が進めば、さらに広帯域の 号を、高精度、低消費電流で処理すること 可能となる。

 (第2の実施形態)
 図4Aに、本発明の第2の実施形態の電圧電流 換器の構成を示す。

 本実施形態の電圧電流変換器は、図3Aに した第1の実施形態と比較して、固定電位と 圧電流変換部13の出力端子の間に接続され スイッチ回路(SW)16と、開閉制御部15からの制 御信号CLKを反転させて、スイッチ回路16の開 を制御するための反転信号CLK_INVとする反転 素子17と、を追加した点が異なる。

 なお、スイッチ回路16および反転素子17は 、電流取出部の構成要素となるものである。 また、スイッチ回路16は第2の開閉素子の一例 である。

 スイッチ回路16は、反転信号CLK_INVが1(オ )のときに閉状態、0(オフ)のときに開状態と る。図4Bに、CLKおよびCLK_INVのタイミングチ ートを示す。

 スイッチ回路14が開状態になって出力電 が0になるとき、電圧電流変換部13の出力端 の寄生容量に蓄積する電荷は、再びスイッ 回路14が閉状態になったときに誤差電流とな る(実際には、スイッチ回路14は有限のオフ抵 抗を持つため、再び閉状態になる前から誤差 電流は生じうる)。

 そこで、本実施形態の電圧電流変換器に いては、スイッチ回路14が開状態になるの 同時にスイッチ回路16を閉状態にし、電圧電 流変換部13の出力端子から流れる電流を固定 位に流すことで、電圧電流変換部13の出力 子の寄生容量に誤差電流となる電荷が蓄積 るのを防ぐことができる。

 図4Cに、図4Aの電圧電流変換器の具体的な 回路例を示す。

 スイッチ回路16はCMOSによる伝送ゲートで 現できる。このように、本実施形態の電圧 流変換器に新たに追加されるスイッチ回路1 6は全て微細CMOSデバイスで構成可能なため、 イッチ回路16分の面積の増大は無視できる

 (第3の実施形態)
 図5に、本発明の第3の実施形態の電圧電流 換器の構成を示す。

 本実施形態の電圧電流変換器は、図3Aに した第1の実施形態と比較して、電圧電流変 部13の電源端子VDDと電源の間に接続される イッチ回路(SW)18を追加した点が異なる。

 スイッチ回路18は、スイッチ回路14と同様 に、制御信号CLKが1(オン)のときに閉状態、0( フ)のときに開状態となる。

 本実施形態の電圧電流変換器においては スイッチ回路14が開状態になって出力電流 0になるとき、スイッチ回路18も開状態にな ので、電圧電流変換部13に電流が流れず、消 費電流を抑えることができる。

 なお、スイッチ回路18は、電圧電流変換 13の接地端子GNDとグランドの間に接続しても 同様の効果が得られる。

 (第4の実施形態)
 図6に、本発明の第4の実施形態の電圧電流 換器の構成を示す。

 本実施形態の電圧電流変換器は、図3Aに した第1の実施形態と比較して、制御信号CLK 、スイッチ回路14の開閉を制御するためだ でなく、電圧電流変換部13を間欠的に駆動す るためにも用いている点が異なる。

 電圧電流変換部13の電源端子VDDは開閉制 部15に接続され、電圧電流変換部13はCLKが1( ン)のときに駆動状態、CLKが0(オフ)のとき休 状態となる。ただし、CLKは、1のときに電圧 電流変換部13の電源電圧として十分な電圧を 給する信号であることが必要である。

 本実施形態の電圧電流変換器においては CLKが0になると電圧電流変換部13に電流が流 ないため、第3の実施形態と同様に、消費電 流を抑えることができる。

 なお、電圧電流変換部13は、電源端子VDD から駆動するだけでなく、接地端子GND側か 駆動することもできる。この場合、電圧電 変換部13は制御信号が1のとき休止状態、0の き駆動状態になるため、制御信号CLKの反転 号CLK_INVで電圧電流変換部13を駆動する。

 (第5の実施形態)
 図7に、本発明の第5の実施形態の電圧電流 換器の構成を示す。

 本実施形態の電圧電流変換器は、図3Aに した第1の実施形態と比較して、出力端子12 電圧電流変換部13の出力端子の間に接続され たスイッチ回路(SW)14をなくし、電圧電流変換 部13の接地端子GND側に接続されたスイッチ回 51と、電源端子VDD側に接続されたスイッチ 路52と、を追加した点が異なる。なお、スイ ッチ回路51あるいは52は、第1の開閉素子の一 であり、電流取出部の構成要素となるもの ある。

 スイッチ回路51および52の開閉は、制御信 号CLKが1(オン)のときに閉状態、0(オフ)の時に 開状態となる。このとき、電圧電流変換部13 、CLKが1(オン)のときに駆動状態、CLKが0(オ )のときに休止状態となる。

 本実施形態の電圧電流変換器においては CLKが0になると、出力端子12から電圧電流変 部13の接地端子GNDや電源端子VDDに電流が流 込んだり、逆に流れ出したりしないため、 差電流を防ぐためのスイッチ回路14が必要な い。その結果、信号経路に直列に接続される スイッチ回路がなくなり、スイッチ回路のオ ン抵抗が回路に及ぼす雑音特性や非線形性へ の悪影響を除去できる。また、このとき、電 源電圧電流変換部13には電流が流れていない め、第3および第4の実施形態と同様、消費 流を抑えることができる。

 なお、本実施形態では、電圧電流変換部1 3の電源端子VDDと接地端子GNDにスイッチ回路 付加したが、必ずしも電圧電流変換部13の電 源端子や接地端子にスイッチ回路を設ける必 要はなく、電圧電流変換部13のバイアス電流 オン・オフすることによっても同様の効果 得ることができる。

 (第6の実施形態)
 図8Aに、本発明の第6の実施形態の電圧電流 換器の構成を示す。

 本実施形態の電圧電流変換器は、図3Aに した第1の実施形態と比較して、電圧電流変 部13の変換利得が有限インパルス応答(FIR:Fin ite Impulse Response)フィルタ特性を有している と、開閉制御部44を追加した点と、が異な 。本実施形態の電圧電流変換部13は、以下に 説明するとおり、面積や消費電力をほとんど 増加させること無く、電流取出部における標 本化の際に、信号帯域内に折り返す雑音を効 果的に除去することができる。

 本実施形態の電圧電流変換部13は、N(2以上 自然数)個の電圧電流変換素子41 1 ~41 N と、入力端子11と電圧電流変換素子41 1 ~41 N の各々の入力端子との間に直列に接続される N個のスイッチ回路42 1 ~42 N と、電圧電流変換素子41 1 ~41 N の各々の入力端子と固定電位との間に接続さ れるN個の容量素子43 1 ~43 N と、を有している。なお、スイッチ回路42 1 ~42 N の開閉は、開閉制御部44により制御される。 圧電流変換素子41 1 ~41 N の各々の変換利得はGm 0 /Nである。また、電圧電流変換素子41 1 ~41 N の各々の出力端子は短絡され、出力端子12に 続される。

 なお、図8Aでは、N=4としている。また、ス ッチ回路42 1 ~42 N および容量素子43 1 ~43 N は、入力された電圧を標本化・保持する標本 化・保持手段の構成要素の一例であり、また 、電圧電流変換素子41 1 ~41 N は、標本化・保持された電圧を電流に変換す る電圧電流変換手段の一例である。

 開閉制御部44は、図8Bに示すN相の制御クロ ク信号CLKB1~CLKBNを出力し、それぞれスイッチ 回路42 1 ~42 N の開閉を制御する。いずれのスイッチ回路42 1 ~42 N も、制御クロック信号が1(オン)のときに閉状 態、0(オフ)のときに開状態となる。CLKB1~CLKBN オン時間は、スイッチ回路42 1 ~42 N が閉状態になってから、入力端子11の電圧と 電圧電流変換素子41 1 ~41 N の入力端子の電圧とが等しくなるのに要する 時間とする。

 一般に、電圧電流変換に必要な回路の面積 消費電流は、変換利得に比例するため、変 利得がGm 0 /NであるN個の電圧電流変換素子41 1 ~41 N の合計の消費電流や面積は、変換利得がGm 0 の電圧電流変換部13と同等である。また、開 制御部44やスイッチ回路42 1 ~42 N は、微細CMOSデバイスで構成可能な論理回路 ある。さらに、容量素子43 1 ~43 N は、スイッチ回路42 1 ~42 N や電圧電流変換素子41 1 ~41 N に寄生する微小な容量で代替可能である。し たがって、本実施形態の電圧電流変換部13を いることによる、消費電力や面積の増加は とんどない。

 本実施形態の電圧電流変換部13の動作を説 するために、まず、電圧電流変換素子41 1 、スイッチ回路42 1 、および容量素子43 1 のみからなる回路を考える。CLKB1がオンとな と、スイッチ回路42 1 が閉状態となり、容量素子43 1 には入力電圧Vinに比例する電荷が蓄積される 。CLKB1がオフとなってからも、容量素子43 1 にはスイッチ回路42 1 が開状態となった瞬間の電荷が保持されてい るため、電圧電流変換素子41 1 の入力端子の電圧はVinのまま一定である。し たがって、次にCLKB1がオンとなるまでの間、 圧電流変換素子41 1 が出力する電流はGm 0 ・Vin/Nまま一定である。

 電圧電流変換素子41 2 ~41 N 、スイッチ回路42 2 ~42 N 、および容量素子43 2 ~43 N も、各々異なる位相で同様の動作をする。し たがって、本実施形態の電圧電流変換部13は 全体として時間間隔T SB =T CLK /Nに1回の標本化を行っている。すなわち、標 本化周波数はN/T CLK である。1標本分の遅延を表すz -1 =exp(-sT SB )を用いると、例えば、CLKB1がオンのときには 、電圧電流変換素子41 N は時間間隔T SB だけ前の入力電圧に対応する電流z -1 ・Gm 0 ・Vin/Nを保持しており、電圧電流変換素子41 2 は時間間隔(N-1)T SB だけ前の入力電圧に対応する電流z -(N-1) ・Gm 0 ・Vin/Nを保持している。電圧電流変換素子41 1 ~41 N の出力電流は、電圧電流変換素子41 1 ~41 N の各々の出力端子を短絡することで加算され 、電圧電流変換部13の出力端子から出力され 。このとき、本実施形態の電圧電流変換部1 3の変換利得Gm FIR0 は、以下の式(2)で表される。

 式(2)は、本実施形態の電圧電流変換部13の 換利得が、FIRフィルタの一形態である移動 均フィルタの周波数特性を持つことを意味 ている。移動平均フィルタは、N/T CLK 以下の帯域に(N-1)個の零点を有しており、零 周波数はn/T CLK (nはN以外の任意の自然数)で表される。N=4、1/ T CLK =250MHzの場合の移動平均フィルタ周波数特性 図8Cに示す。

 さらに、本実施形態の電圧電流変換器の変 利得Gm FIR は、以下の式(3)で表される。

 本実施形態の電圧電流変換器において、電 取出部の標本化周波数は、電圧電流変換部1 3のFIRフィルタ特性が有するゼロ点の周波数 一致している。すなわち、FIRフィルタが、 流取出部での標本化で帯域内に折り返され 雑音を効果的に除去する。したがって、本 施形態の電圧電流変換器の前置フィルタの 断特性は緩いものでよく、前置フィルタの 積や消費電力を抑えることができる。

 (第7の実施形態)
 図9Aに、本発明の第7の実施形態の電圧電流 換器の構成を示す。

 本実施形態の電圧電流変換器は、図4Aに した第2の実施形態の電圧電流変換器を差動 した全差動電圧電流変換器とした点に特徴 ある。

 図9Aにおいて、全差動電圧電流変換部19が図 4Aの電圧電流変換部13に対応し、入力端子11 1 ,11 2 が図4Aの入力端子11に対応し、出力端子12 1 ,12 2 が図4Aの出力端子12に対応し、スイッチ回路14 1 ,14 2 が図4Aのスイッチ回路14に対応し、スイッチ 路16 1 ,16 2 が図4Aのスイッチ回路16に対応する。なお、 4Aの開閉制御部15は省略されている。また、 9A中の制御信号CLKと反転信号CLK_INVのタイミ グチャートは、図4Bに示したタイミングチ ートと同一である。

 図9Bに、図9Aの電圧電流変換器の具体的な 回路例を示す。

 全差動電圧電流変換部19は、電圧電流変換 行う2つのCMOSインバータと、出力コモンモー ド電圧を一定値VCMに保つためのコモンモード フィードバック(CMFB)回路との組み合わせで実 現でき、スイッチ回路14 1 ,14 2 ,16 1 ,16 2 は、CMOSによる伝送ゲートで実現できる。こ ように、本実施形態の電圧電流変換器に新 に追加されるスイッチ回路14 1 ,14 2 ,16 1 ,16 2 は全て微細CMOSデバイスで構成可能なため、 イッチ回路14 1 ,14 2 ,16 1 ,16 2 分の面積の増大は無視できる。

 なお、第1、第3および第4の実施形態の電 電流変換器も、同様に差動化することがで る。

 (第8の実施形態)
 図10に、本発明の第8の実施形態の電圧電流 換器の構成を示す。

 本実施形態の電圧電流変換器は、図9Aに した第7の実施形態の全差動電圧電流変換器1 9に相当する全差動電圧電流変換器61と並列に 、全差動電圧電流変換器62、63、64を直列接続 した回路を追加した点が異なる。全差動電圧 電流変換器62の差動出力端子は短絡されてい 。また、全差動電圧電流変換器63の入出力 子は短絡されている。

 以下に、本実施形態の全差動電圧電流変 器の動作を説明する。

 全差動電圧電流変換器61は、制御信号CLK 1(オン)のときに動作し、全差動電圧電流変 器62、63、64は、制御信号CLKの反転信号CLK_INV 1(オン)のときに動作する。

 図10において、全差動電圧電流変換器62は、 全差動電圧電流変換器61に設けられたスイッ 回路に寄生する容量を介して信号経路に注 される誤差電流をキャンセルする働きをす 。また、全差動電圧電流変換器62の差動出 端子は短絡されているため、本実施形態の 力端子11 1 と11 2 に入力された電圧に対応する電流が加算平均 される。その結果、差動信号成分はキャンセ ルされ、コモンモード信号成分のみが電流と して検出され、全差動電圧電流変換器62から 力される。

 全差動電圧電流変換器62から出力された モンモード信号電流は、入出力端子が短絡 れた全差動電圧電流変換器63によって電圧に 変換される。このとき、交流的なコモンモー ド電圧の符号は反転する。

 電圧電流変換器64は、電圧電流変換器62と63 よって検出された負のコモンモード電圧に 応する電流を出力する。このとき、全差動 圧電流変換器64は、本実施形態の出力端子12 1 と12 2 から見たときの出力インピーダンスを、CLKが 1(オン)のときも0(オフ)のときも一定に保つ働 きをする。さらに、全差動電圧電流変換器64 、全差動電圧電流変換器61に設けられたス ッチ回路に寄生する容量を介した誤差電流 キャンセルする働きをする。

 以上で示した効果を得るには、全差動電 電流変換器62、63、64は、全差動電圧電流変 器61と同一の回路とすることが望ましい。 に、誤差電流をキャンセルする目的におい は、回路を構成するMOSデバイスの面積を揃 ることが望ましい。

 なお、第1、第3、第4および第5の実施形態 を差動化した電圧電流変換器についても、同 様の構成をとることができる。また、必ずし も全差動電圧電流変換器62、63、64は制御信号 CLK_INVが1(オン)のときのみ動作させる必要は く、常に動作させていてもよい。こうする とで、コモンモード信号を除去する効果を ることができる。さらに、全差動電圧電流 換器62と63を常に動作させ、全差動電圧電流 換器64のみをCLK_INVが1(オン)のときに動作さ る方法や、逆に、全差動電圧電流変換器62 63をCLK_INVが1(オン)のときに動作させ、全差 電圧電流変換器63のみを常に動作させる方法 をとることもできる。

 (第9の実施形態)
 図11に、本発明の第9の実施形態のフィルタ 路の構成を示す。

 本実施形態のフィルタ回路は、シングルエ ド1次フィルタ回路であり、図3Aまたは図4A 示した電圧電流変換器10 1 ,10 2 と、電圧電流変換器10 1 の出力端子とグランドの間に接続される容量 素子20 1 と、電圧電流変換器10 1 の入出力端子間に接続される容量素子20 2 と、を有している。

 このフィルタ回路の伝達関数を式(4)に示 。

 ここで、式(4)において、Gm 1 ,Gm 2 はそれぞれ電圧電流変換器10 1 ,10 2 の電圧電流変換利得、C 1 ,C 2 は容量素子20 1 ,20 2 の容量値である。

 式(4)は、本実施形態のフィルタ回路が、C 2 を0とすることで低域通過型、Gm 1 を0とすることで高域通過型、Gm 1 =-Gm 2 、C 1 =0とすることで、全域通過型のフィルタ回路 して構成できることを表している(非特許文 献1)。C 2 とGm 1 によって零点の位置、C 1 とC 2 とGm 2 によって極の位置が決定される。本実施形態 のフィルタ回路は、このような一般的なGm-C ィルタに適用可能である。

 本実施形態のフィルタ回路において、C 2 を0とすることで得られる低域通過型フィル 回路は、特によく用いられている。この低 通過型フィルタ回路の構成を図12に示す。ま た、このときの伝達関数を式(5)に示す。

 式(5)より、このフィルタ回路のDC利得(Gain) 帯域幅(BW)は、それぞれ以下の式(6)で表され 。

 本実施形態の低域通過型フィルタ回路にお ては、電圧電流変換器10 1 ,10 2 の電圧電流変換利得Gm 1 ,Gm 2 をそれぞれ独立に制御することにより、帯域 幅、DC利得が独立に可変となる。複数の電圧 流変換器の開閉率を制御する方法としては 周期が全て等しく、オン時間が各々異なる 御信号CLKを用いる方法や、オン時間が全て しく、周期が各々異なる制御信号CLKを用い 方法がある。

 なお、本実施形態のフィルタ回路は、ス ッチ回路14の開閉率が固定で、フィルタ特 が可変でない場合も、従来技術と比較して 面積化が可能となる。これは、上述したよ に、フィルタ回路を構成する電圧電流変換 が、従来技術と比較して小面積化が可能な めである。

 (第10の実施形態)
 図13に、本発明の第10の実施形態のフィルタ 回路の構成を示す。

 本実施形態のフィルタ回路は、全差動マル モード対応2次フィルタ回路であり、図9Aに した全差動電圧電流変換器10 3 ~10 6 と、全差動電圧電流変換器10 3 ,10 4 の差動出力端子間にそれぞれ接続される容量 素子20 3 ,20 4 と、を有している。

 このフィルタ回路の伝達関数を式(7)に示 。

 ここで、式(7)において、Gm 3 ~Gm 6 はそれぞれ全差動電圧電流変換器10 3 ~10 6 の電圧電流変換利得、C 3 ,C 4 は容量素子20 3 ,20 4 の容量値である。

 式(7)より、このフィルタ回路のDC利得(Gain )、帯域幅(BW)、Q値(Q)は、それぞれ以下の式(8) で表される。

 本実施形態のフィルタ回路においては、全 動電圧電流変換器10 3 ~10 6 の電圧電流変換利得Gm 3 ~Gm 6 をそれぞれ独立に制御することにより、帯域 幅、DC利得、Q値が独立に可変となる。複数の 全差動電圧電流変換器の開閉率を制御する方 法としては、周期が全て等しく、オン時間が 各々異なる制御信号CLKを用いる方法や、オン 時間が全て等しく、周期が各々異なる制御信 号CLKを用いる方法がある。

 上述した通り、フィルタ回路の帯域幅は100k Hzから10MHzが望ましい。帯域幅の可変範囲と 量値が決まると、Gm 4 およびGm 6 の可変範囲が決まり、さらにGm 3 およびGm 5 の可変範囲が決まると、DC利得とQ値の可変範 囲が決まる。容量値は、雑音とチップ面積の 観点から数pF程度が望ましく、このときのDC 得の可変範囲は、-12~6dB程度、Q値の可変範囲 は、0.5~5程度が適当である。

 (第11の実施形態)
 図14に、本発明の第11の実施形態のフィルタ 回路の構成を示す。

 本実施形態のフィルタ回路は、全差動マル モード対応2次フィルタ回路であり、縦続接 続される図9Aに示した全差動電圧電流変換器1 0 7 ~10 10 と、全差動電圧電流変換器10 7 ,10 8 の段間に接続される演算増幅器30 1 と、全差動電圧電流変換器10 8 ,10 9 の段間に接続される演算増幅器30 2 と、演算増幅器30 1 の入出力端子間に接続される容量素子20 5 ,20 8 と、演算増幅器30 2 の入出力端子間に接続される容量素子20 6 ,20 9 と、全差動電圧電流変換器10 7 の入力端子と全差動電圧電流変換器10 8 ,10 10 の出力端子間に接続される容量素子20 7 ,20 10 と、を有している。

 本実施形態のフィルタ回路においては、全 動電圧電流変換器10 7 ,10 8 の出力端子を、それぞれ演算増幅器30 1 ,30 2 の仮想接地点に接続している。これにより、 全差動電圧電流変換器10 7 ,10 8 の出力端子の寄生容量への電荷の充放電がな くなり、フィルタ回路の伝達関数は、寄生容 量値とは無関係となるため、伝達関数の誤差 を抑えることができる。また、全差動電圧電 流変換器10 7 ,10 8 の出力段において、大信号電圧を処理しなく て済むため、全差動電圧電流変換器10 7 ,10 8 による線形性の劣化を抑えることができる。

 このフィルタ回路の伝達関数を式(9)に示 。

 ここで、式(9)において、Gm 7 ~Gm 10 はそれぞれ全差動電圧電流変換器10 7 ~10 10 の電圧電流変換利得、C 5 ~C 7 は容量素子20 5 ~20 7 の容量値である。

 式(9)より、このフィルタ回路のDC利得(Gain) 帯域幅(BW)、Q値(Q)、零点の角周波数(ω zero )は、それぞれ以下の式(10)で表される。

 本実施形態のフィルタ回路においては、全 動電圧電流変換器10 7 ~10 10 の電圧電流変換利得Gm 7 ~Gm 10 をそれぞれ独立に制御することにより、帯域 幅、Q値、DC利得に加えて、零点の位置も可変 となる。

 (第12の実施形態)
 図15に、本発明の第12の実施形態のフィルタ 回路の構成を示す。

 本実施形態のフィルタ回路は、1次帯域可変 フィルタ回路であり、電圧電流変換部13 a ,13 b と、スイッチ回路14 a ,16 a と、容量素子20と、を有している。

 本実施形態のフィルタ回路は、図4Aで個々 電圧電流変換器の内部に設けられていた2つ 電圧電流変換部13 a ,13 b の各々の出力端子から流れる電流を、1つの 流取出部で取り出す点に特徴がある。なお 図15において、スイッチ回路14 a が図4Aのスイッチ回路14に対応し、スイッチ 路16 a が図4Aのスイッチ回路16に対応し、図4Aの開閉 制御部15は省略されている。

 本実施形態のフィルタ回路においては、2つ の電圧電流変換部13 a ,13 b の各々の出力端子から流れる電流を1つの電 取出部で取り出すことによってスイッチ回 の個数を減少できるため、スイッチ回路分 面積を削減できるほか、スイッチ回路で発 する歪や雑音の影響を低減することができ 。また、スイッチ回路の個数の減少により スイッチ回路を駆動するための消費電流を 減することもできる。

 このフィルタ回路の伝達関数F 1 (s)を式(11)に示す。

 ここで、式(11)において、Gm a ,Gm b はそれぞれ電圧電流変換部13 a ,13 b の電圧電流変換利得、Cは容量素子20の容量値 である。また、Gm a ,Gm b は、以下の式(12)で表される。

 ここで、式(12)において、Gm a0 ,Gm b0 はそれぞれスイッチ回路14 a の開閉率が100%のときのGm a ,Gm b 、T CLK はCLKの周期、T ON はCLKのオン時間である。式(12)より、Gm a およびGm b は、スイッチ回路14 a の開閉率に比例していることがわかる。よっ て、スイッチ回路14 a の開閉率をK倍としたときの伝達関数F 2 (s)は式(13)で表される。

 式(13)は、F 2 (s)が、周波数に関してF 1 (s)をK倍にスケーリングした伝達関数である とを表している。すなわち、スイッチ回路14 a の開閉率を制御することにより、帯域幅を可 変とできることを表している。

 以上、実施形態を参照して本願発明を説 したが、本願発明は上記実施形態に限定さ ものではない。本願発明の構成や詳細には 本願発明の範囲内で当業者が理解し得る様 な変更をすることができる。

 この出願は、2007年6月5日に出願された日 出願特願2007-149221および2007年10月9日に出願 れた日本出願特願2007-263193を基礎とする優 権を主張し、その開示の全てをここに取り む。




 
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