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Patent Searching and Data


Title:
VIBRATION DAMPING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/072512
Kind Code:
A1
Abstract:
A vibration damping device having a tube (3), a mounting member (2), an elastic rubber body (4) for elastically connecting the tube (3) and the mounting member (2) to each other and closing one opening end of the tube (3), a diaphragm (5) for closing the other opening end of the tube (3), and a partition member (7) for partitioning a liquid chamber (6) in the tube (3) into a main liquid chamber (6A) and a sub-liquid chamber (6B). The partition member (7) has an orifice member (70) having an orifice path (81) and a receiving chamber (76), a lid (73) fitted on the orifice member (70), and a movable member (71) received in the receiving chamber (76) and operating with a change in the pressure of liquid in the main liquid chamber (6A). The orifice member (70) has a fitting receiving section (88) formed around the receiving chamber (76), and a peripheral wall (73c) of the lid (73) is press-fitted onto the fitting receiving section (88). A groove (77) is formed in an end surface of the orifice member (70). The fitting receiving section (88) is formed in an outer peripheral section located outwardly of the groove (77). An inner peripheral section located inwardly of the groove (77) is separated from the outer peripheral section.

Inventors:
UEKI AKIRA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071942
Publication Date:
June 11, 2009
Filing Date:
December 03, 2008
Export Citation:
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Assignee:
BRIDGESTONE CORP (JP)
UEKI AKIRA (JP)
International Classes:
F16F13/18; F16F13/10
Foreign References:
JP2007071313A2007-03-22
JP2007100954A2007-04-19
JP2008089133A2008-04-17
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (Marunouchi Chiyoda-k, Tokyo 20, JP)
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Claims:
 振動発生部および振動受部のうちの何れか一方に連結される筒部材と、
 前記振動発生部および前記振動受部のうちの何れか他方に連結される取付部材と、
 前記筒部材と前記取付部材とを弾性的に連結するとともに前記筒部材の一方の開口端を閉塞するゴム弾性体と、
 前記筒部材の他方の開口端を閉塞するダイヤフラムと、
 前記筒部材の内側に形成されて液体が封入された液室を、隔壁の一部が前記ゴム弾性体で形成されて前記ゴム弾性体の変形により内容積が変化する主液室と、隔壁の一部が前記ダイヤフラムで形成された副液室と、に区画する仕切り部材と、
 を備える防振装置において、
 前記仕切り部材には、
 前記筒部材の内側に嵌合され、前記主液室と前記副液室とを連通するオリフィス通路、及び、前記筒部材の中心軸線方向に沿って延びて少なくとも一方側が開口された収容室がそれぞれ形成されたオリフィス部材と、
 前記収容室の一方側の開口端を覆う天壁部、及び、該天壁部から垂設される周壁部をそれぞれ有し、前記オリフィス部材の主液室側の端部に被着される蓋体と、
 前記収容室の内側に収容され、前記主液室の液圧変化に伴って動作する可動部材と、
 が備えられており、
 前記オリフィス部材の主液室側の端部には、前記周壁部が圧入嵌合される被圧入部が前記収容室の周囲に形成され、
 前記オリフィス部材の主液室側の端面において前記被圧入部の収容室径方向の内側には、収容室周方向に沿って延在する溝が形成され、
 前記オリフィス部材の主液室側の端部のうち、前記溝の収容室径方向の外側に設けられた外周部に前記被圧入部が形成され、前記溝の収容室径方向の内側に設けられた内周部は前記外周部に対して離間されていることを特徴とする防振装置。
 請求項1記載の防振装置において、
 前記オリフィス部材には、前記オリフィス通路として、前記収容室を通過する第1オリフィス通路と、第1オリフィス通路よりも液体の流通抵抗の大きい第2オリフィス通路と、がそれぞれ形成され、
 前記収容室の内側には、前記可動部材として、前記主液室の液圧変動に応じて前記収容室の内周面に沿って移動して前記第1オリフィス通路を開閉するピストンが収容されていることを特徴とする防振装置。
 請求項1記載の防振装置において、
 前記収容室の主液室側の開口端の内側には、該収容室の内周形状を保持するための保持部材が嵌合されていることを特徴とする防振装置。
 請求項3記載の防振装置において、
 前記蓋体には、前記主液室と前記収容室とを連通する連通孔が形成され、
 前記仕切り部材には、前記収容室の内側に配設されているとともに、前記連通孔を開閉して前記主液室から前記収容室への方向にのみ液体を流動させる逆止弁が備えられ、
 前記収容室の主液室側の開口端の内側には、前記保持部材として、前記蓋体との間に前記逆止弁が配置されて該逆止弁を支持する逆止弁受け部材が嵌合されていることを特徴とする防振装置。
 請求項1記載の防振装置において、
 前記溝の深さは、前記オリフィス部材に対する前記周壁部の圧入代よりも深くなっていることを特徴とする防振装置。
 請求項1記載の防振装置において、
 前記周壁部には、複数の切り欠き部が形成されていることを特徴とする防振装置。
 請求項6記載の防振装置において、
 前記複数の切り欠き部は、周壁部周方向に沿って等間隔に配設されていることを特徴とする防振装置。
 振動発生部および振動受け部のいずれか一方に連結され、略筒状に形成された第1取付部材と、
 前記振動発生部および前記振動受け部のいずれか他方に連結され、前記第1取付部材の内周側に配置された第2取付部材と、
 前記第1取付部材と前記第2取付部材との間を弾性的に支持する弾性体と、
 隔壁の一部が前記弾性体で構成され、液体が封入された主液室と、
 隔壁の一部がダイヤフラムで構成されるとともに液体が封入され、液圧の変化に応じて内容積が拡縮可能な副液室と、
 前記主液室と前記副液室との間に設けられた仕切部材と、
 前記主液室と前記副液室とを連通するオリフィス通路と、を備えた防振装置であって、
 前記オリフィス通路の中間部を前記副液室にリークさせるリーク孔と、
 前記リーク孔を開放するように付勢され、前記主液室の正圧力の作用により前記リーク孔を閉塞するプランジャと、
 前記プランジャと前記主液室との間に配置され、前記主液室の正圧力のみを前記プランジャに作用させる逆止弁と、
 前記逆止弁を前記仕切部材との間に挟持する押さえ部材と、を備え、
 前記仕切部材に、前記逆止弁を保持する保持部が形成されていることを特徴とする防振装置。
 前記逆止弁には、前記保持部に係合する係合部が形成されていることを特徴とする請求項8に記載の防振装置。
 前記逆止弁の周囲に連結部を介して連結されたリング状のシール部材を備え、
 前記シール部材が前記押さえ部材および前記仕切部材により挟持されて、前記押さえ部材と前記仕切部材との間がシールされていることを特徴とする請求項8に記載の防振装置。
 前記係合部は、前記シール部材に立設された舌片部であり、
 前記保持部は、前記舌片部が挿入される溝部であることを特徴とする請求項10に記載の防振装置。
 振動発生源との連結を司る連結片を埋設固定したゴム弾性部材と、エンジンマウントの本体部分をなし、その一方の開放端にゴム弾性部体を一体連結したケーシングと、このケーシングの他方の開放端に配置され、ケーシングの周壁内面及びゴム弾性部材の先端壁面との囲撓によりケーシングの内側に密閉空間を区画形成するダイヤフラムと、該密閉空間内に主液室を残して配置されるオリフィスとを備え、
 前記オリフィスは、ケーシングの内周壁に固定保持され、ダイヤフラムを隔壁としてその内側に副液室を形成するシリンダーと、このシリンダーの外側壁に設けられ、密閉空間の空隙部分に充填された液体を主液室及び副液室の相互間で行き来させる複数の通路と、主液室につながる複数の開口を有し、該シリンダーの先端部分に適合する仕切り蓋と、主液室からの液体の流入のみを許容する逆止弁を有し、フランジ部をシリンダーの先端部分と仕切り蓋との相互間で挟持して固定保持するホルダーと、該シリンダー内にて往復移動可能に弾性支持され、主液室の液圧変動に伴う往動又は復動によって通路の選択を行いシェイクモード又はアイドルモードへの切り替えを可能とするピストンとからなり、
 前記ホルダーのフランジ部の上下にそれぞれ、液漏れ防止用のシール部材を配置したことを特徴とする防振装置。
 シール部材が、加圧状態にて配置されたゴムシートからなる、請求項12記載の防振装置。
 前記ホルダーは、上端部でフランジ部の末端に一体連結し、シリンダーの内周壁に圧入される環状壁を有する請求項12記載の防振装置。
Description:
防振装置

 本発明は、防振装置に関する。
より具体的には、本発明は、例えば自動車の エンジン等の振動発生部を車体等の振動受部 にマウントする際に用いられる防振装置に関 する。
換言すると、本発明は、エンジンを車体に搭 載する際に用いられるエンジンマウントに関 するものであり、エンジンからの振動を吸収 し車体側への振動の伝達を効果的に軽減しよ うとするものである。

その1
 この種の防振装置として、従来、例えば、 記特許文献1に示されているように、振動発 生部および振動受部のうちの何れか一方に連 結される筒部材と、振動発生部および振動受 部のうちの何れか他方に連結される取付部材 と、筒部材と取付部材とを弾性的に連結する とともに筒部材の一方の開口端を閉塞するゴ ム弾性体と、筒部材の他方の開口端を閉塞す るダイヤフラムと、筒部材の内側に形成され て液体が封入された液室を主液室と副液室と に区画する仕切り部材と、を備えた構成が知 られている。上記した主液室は、隔壁の一部 がゴム弾性体で形成されてゴム弾性体の変形 により内容積が変化する液室であり、上記し た副液室は、隔壁の一部がダイヤフラムで形 成された液室である。

 上記した仕切り部材には、筒部材の内側 嵌合され、主液室と副液室とを連通するオ フィス通路、及び筒部材の中心軸線方向に びた収容室がそれぞれ形成されたオリフィ 部材と、オリフィス部材の主液室側の端部 圧入嵌合されて収容室の主液室側の開口端 覆う蓋体と、収容室の内側に収容されたピ トン(可動部材)と、が備えられている。こ ピストンは、主液室の液圧変動に伴って収 室の内周面に沿って移動可能になっている

 上記した構成の従来の防振装置では、ピ トンを適正に機能させるために、収容室の 心軸線とピストンの駆動中心軸との同軸性 及び、収容室の真円度について、高精度が 求される。仮に、上記同軸性及び上記真円 のうちの少なくとも一方の精度が悪いと、 容室の内周面とピストンの外周面との間の リアランス精度が低下し、収容室の内周面 ピストンの外周面とが一部で干渉するおそ がある。この場合、その干渉部分によって ストンの動作が阻害され、ピストンがスム ズに動作しなくなり、防振装置が適正に機 しなくなるという問題が生じる。したがっ 、従来、防振装置を適正に機能させるため 収容室及びピストンの駆動軸を機械加工に って形成し、上記同軸性及び上記真円の精 を確保している。

その2
 車両の振動発生部であるエンジンと、振動 け部である車体との間には、エンジンの振 が車体に伝達されるのを抑制するため、防 装置としてエンジンマウントが配設されて る。そのうち液体封入式のエンジンマウン は、主液室と副液室とがオリフィス通路に って連結されたものである。このオリフィ 通路が特定周波数で液柱共振することによ 、特定周波数の振動伝達を抑制しうるよう なっている。
 エンジンの主な振動には、シェイク振動(低 周波数・大振幅)およびアイドリング振動(高 波数・小振幅)がある。これらの振動伝達を 抑制するため、オリフィス通路の長さを切り 換え可能なエンジンマウントが開発されてい る(例えば、特許文献2参照)。

その3
 乗用車等の車輌では、駆動源であるエンジ は、エンジンマウントを介して車体に取り けられており、エンジンからの振動を該エ ジンマウントにおいて吸収し車体側へと伝 される振動を最小限に食い留めるようにし いる。

 エンジンから車体側へと伝達される振動 しては、車輌が所定の速度以上で走行して る時に伝達される振動(周波数(9~15Hz程度)が く振幅が大きい振動(シェイク振動))と、車 のアイドリング時において伝達される振動( 周波数(18~30Hz程度)がシェイク振動に比較して 相対的に高く振幅が小さい振動(アイドル振 ))に大別され、従来は、エンジンマウントの 主要構成部材をなすケーシングの内側に、複 数種の経路を備えたオリフィスを作動流体と ともに組み入れ、入力される振動の種類に応 じて該経路を選択的に切り替える液圧切替式 マウントが適用されていた(例えば、特許文 3参照)。

 上記の防振装置は、ケーシング内に封じ められた液体による共振現象(液注共振)を 用して振動の吸収、軽減を図るものであっ 、その流通経路は、予め、シェイク振動や イドル振動の周波数や振幅に対応した流通 抗に設定(チューニング)されていて、通路の 切り替えは、ケーシング(主液室)内の圧力変 (振動に由来する容積変化)を駆動力として 動させるピストン(オリフィスの構成部材)に より行われていた。

[規則91に基づく訂正 04.02.2009]
 ところで、この種のエンジンマウントは、 動流体を行き来させる流通経路をシリンダ の外側壁を切り欠くことにより形成した通 を通して主液室につなげられているが、シ ンダーの先端部分には狭幅領域が局所的に 成されるのが不可避であることから、その 位に組みつけられる構成部材(逆止弁保持用 のホルダー)との相互間に隙間が生じやすく その隙間を通して作動流体が漏れ出てしま こともあり、振動の吸収、軽減特性を低下 せる原因になっていた。

特開2007-100954号公報

特開2007-71313号公報

その1
 しかしながら、上記した従来の防振装置で 、蓋体をオリフィス部材の端部に圧入嵌合 る際、その圧入による応力によってオリフ ス部材が変形し、収容室の中心軸線が偏心 たり収容室が楕円に変形したりするおそれ ある。これにより、収容室の中心軸線とピ トンの駆動中心軸との同軸性、及び、収容 の真円度についての精度を確保することが きない場合があり、この場合、ピストンが ムーズに動作しなくなり、防振装置が適正 機能しなくなるという問題が生じる。

 本発明は、上記した従来の問題が考慮さ たものであり、可動部材(ピストン)をスム ズに動作させて防振装置を適正に機能させ ことを目的としている。

その2
 図9は、オリフィス通路の長さを切り換え可 能なエンジンマウントの側面断面図である。 このエンジンマウント500は、一対のオリフィ ス通路552,554が形成された筒状の仕切部材550 備えている。仕切部材550の副液室541側は閉 され、主液室531側には逆止弁580が設けられ いる。そして仕切部材550の内部には、プラ ジャ560が上下移動自在に配置されている。

 このエンジンマウント500に大振幅のシェ ク振動が入力され、主液室531の圧力が上昇 ると、逆止弁580が開放されてプランジャ560 下降する。これにより、オリフィス通路の ーク孔553が閉塞されて、一対のオリフィス 路552,554が直列接続される。これにより、低 周波数のシェイク振動の入力時に、一対のオ リフィス通路552,554で液柱共振が発生し、シ イク振動の伝達を抑制することができる。

 一方、小振幅のアイドリング振動の入力 には、逆止弁580が閉塞され、プランジャ560 コイルばね572に付勢されて上昇する。これ より、リーク孔553が開放されて、副液室541 のオリフィス通路554に液体が流入しなくな 。これにより、高周波数のアイドリング振 の入力時に、主液室531側のオリフィス通路5 52で液柱共振が発生し、アイドリング振動の 達を抑制することができるようになってい 。

 上述した逆止弁580は、押さえ部材590および け部材505によって挟持されている。また押 え部材590にはシールゴム599が接着され、押 え部材590と仕切部材550との間が封止されて る。そのためエンジンマウント500は、良好 防振特性を発揮するものの、部品点数が多 高コストであった。
 本発明は、前記の課題に鑑みてなされたも で、部品点数が少なく低コストの防振装置 提供することを目的とする。

その3
 本発明の課題は、液柱共振に影響を及ぼす 記の如き液漏れを回避して、エンジンから 達される振動を確実に吸収、軽減し得る防 装置を提案するところにある。

 本発明に係る防振装置の第1の態様は、振 動発生部および振動受部のうちの何れか一方 に連結される筒部材と、前記振動発生部およ び前記振動受部のうちの何れか他方に連結さ れる取付部材と、前記筒部材と前記取付部材 とを弾性的に連結するとともに前記筒部材の 一方の開口端を閉塞するゴム弾性体と、前記 筒部材の他方の開口端を閉塞するダイヤフラ ムと、前記筒部材の内側に形成されて液体が 封入された液室を、隔壁の一部が前記ゴム弾 性体で形成されて前記ゴム弾性体の変形によ り内容積が変化する主液室と、隔壁の一部が 前記ダイヤフラムで形成された副液室と、に 区画する仕切り部材と、を備える防振装置に おいて、前記仕切り部材には、前記筒部材の 内側に嵌合され、前記主液室と前記副液室と を連通するオリフィス通路、及び、前記筒部 材の中心軸線方向に沿って延びて少なくとも 一方側が開口された収容室がそれぞれ形成さ れたオリフィス部材と、前記収容室の一方側 の開口端を覆う天壁部、及び、該天壁部から 垂設される周壁部をそれぞれ有し、前記オリ フィス部材の主液室側の端部に被着される蓋 体と、前記収容室の内側に収容され、前記主 液室の液圧変化に伴って動作する可動部材と 、が備えられ、前記オリフィス部材の主液室 側の端部には、前記周壁部が圧入嵌合される 被圧入部が前記収容室の周囲に形成され、前 記オリフィス部材の主液室側の端面において 前記被圧入部の収容室径方向の内側には、収 容室周方向に沿って延在する溝が形成され、 前記オリフィス部材の主液室側の端部のうち 、前記溝の収容室径方向の外側に設けられた 外周部に前記被圧入部が形成され、前記溝の 収容室径方向の内側に設けられた内周部は前 記外周部に対して離間されていることを特徴 としている。

 このような特徴により、蓋体をオリフィ 部材に組み付ける際、溝の外側の外周部に 成された被圧入部に蓋体の周壁部が圧入嵌 される。このとき、溝の内側の内周部は、 記した外周部に対して離間されているので 周壁部を圧入する際の応力が内周部にまで 達されにくく、周壁部が圧入されることで 周部が変形しても内周部が変形しにくくな 。すなわち、周壁部を圧入する際の外周部 変形が溝によって吸収され、周壁部の圧入 における内周部の変形が抑えられる。

 また、本発明に係る防振装置の第2の態様 は、第1態様において、前記オリフィス部材 、前記オリフィス通路として、前記収容室 通過する第1オリフィス通路と、第1オリフィ ス通路よりも液体の流通抵抗の大きい第2オ フィス通路と、がそれぞれ形成され、前記 容室の内側に、前記可動部材として、前記 液室の液圧変動に応じて前記収容室の内周 に沿って移動して前記第1オリフィス通路を 閉するピストンが収容されている。

 これにより、ピストンが収容室の内周面 沿って移動することにより、液室内の液体 流通するオリフィス通路が切り替えられる すなわち、主液室に液圧変動によりピスト が収容室の内周面に沿って移動して第1オリ フィス通路を閉塞する位置に配置されると、 液室内の液体は第2オリフィス通路を流通し 主液室と副液室との間で往来する。一方、 液室に液圧変動によりピストンが収容室の 周面に沿って移動して第1オリフィス通路を 放する位置に配置されると、液体は液圧抵 の低い方に優先的に流動するため、液室内 液体は第1オリフィス通路を流通して主液室 と副液室との間で往来する。

 また、本発明に係る防振装置の第3の態様 は、第1態様において、前記収容室の主液室 の開口端の内側に、該収容室の内周形状を 持するための保持部材が嵌合されているこ が好ましい。

 これにより、収容室の内周面の主液室側 端部が保持部材によって収容室の内側から さえられ、収容室の内周面の形状が保持さ る。

 また、本発明に係る防振装置の第4の態様 は、第3態様において、前記蓋体に、前記主 室と前記収容室とを連通する連通孔が形成 れ、前記仕切り部材には、前記収容室の内 に配設されているとともに、前記連通孔を 閉して前記主液室から前記収容室への方向 のみ液体を流動させる逆止弁が備えられ、 記収容室の主液室側の開口端の内側には、 記保持部材として、前記蓋体との間に前記 止弁が配置されて該逆止弁を支持する逆止 受け部材が嵌合されていることが好ましい

 これにより、逆止弁を支持する逆止弁受 部材をオリフィス部材に組み付けることに り、その逆止弁受け部材によって収容室の 周面の主液室側の端部が収容室の内側から さえられ、収容室の内周面の形状が保持さ る。

 また、本発明に係る防振装置の第5の態様 は、第1態様において、前記溝の深さが、前 オリフィス部材に対する前記周壁部の圧入 よりも深くなっていることが好ましい。

 これにより、溝の外側の外周部に形成さ た被圧入部に蓋体の周壁部を圧入嵌合させ 蓋体をオリフィス部材に組み付ける際、周 部圧入時の応力が溝によって確実に吸収さ 、内周部の変形がより確実に抑えられる。

 また、本発明に係る防振装置の第6の態様 は、第1態様において、前記周壁部に、複数 切り欠き部が形成されていることが好まし 。

 これにより、周壁部を被圧入部に圧入嵌 する際に外周部に作用する圧入応力が低減 れる。

 さらに、本発明に係る防振装置の第7の態 様は、第6態様において、前記複数の切り欠 部が、周壁部周方向に沿って等間隔に配設 れていることが好ましい。

 これにより、周壁部を被圧入部に圧入嵌 する際に外周部に均等に圧入応力が作用す 。また、周壁部を被圧入部に圧入嵌合する 、蓋体とオリフィス部材との相対的な位置 めが行い易くなる。

 本発明に係る防振装置によれば、蓋体の 壁部を圧入する際の外周部の変形が溝によ て吸収され、周壁部圧入時の内周部の変形 抑えられるため、蓋体をオリフィス部材に み付ける際に、収容室の中心軸線が偏心し り収容室の内周形状が変形したりすること 防止することができる。これにより、可動 材をスムーズに動作させることができ、防 装置を適正に機能させることができる。

 本発明は、上記課題を解決するため、以下 手段を採用する。
 本発明に係る防振装置の第8の態様は、振動 発生部および振動受け部のいずれか一方に連 結され、略筒状に形成された第1取付部材と 前記振動発生部および前記振動受け部のい れか他方に連結され、前記第1取付部材の内 側に配置された第2取付部材と、前記第1取 部材と前記第2取付部材との間を弾性的に支 する弾性体と、隔壁の一部が前記弾性体で 成され、液体が封入された主液室と、隔壁 一部がダイヤフラムで構成されるとともに 体が封入され、液圧の変化に応じて内容積 拡縮可能な副液室と、前記主液室と前記副 室との間に設けられた仕切部材と、前記主 室と前記副液室とを連通するオリフィス通 と、を備えた防振装置であって、前記オリ ィス通路の中間部を前記副液室にリークさ るリーク孔と、前記リーク孔を開放するよ に付勢され、前記主液室の正圧力の作用に り前記リーク孔を閉塞するプランジャと、 記プランジャと前記主液室との間に配置さ 、前記主液室の正圧力のみを前記プランジ に作用させる逆止弁と、前記逆止弁を前記 切部材との間に挟持する押さえ部材と、を え、前記仕切部材に、前記逆止弁を保持す 保持部が形成されていることを特徴とする
 本発明の第9態様は、第8態様において、前 逆止弁には、前記保持部に係合する係合部 形成されていることを特徴とする。

 この構成によれば、仕切部材により逆止 を保持することで、逆止弁の軸方向および 径方向に加え、周方向の相対位置を簡単に 定することが可能になり、防振装置の組み て時に逆止弁を正確に装着することができ 。これにより、押さえ部材の反対側で逆止 を支持する受け部材を廃止することが可能 なり、部品点数が少なく低コストの防振装 を提供することができる。

 本発明の第10態様は、第8態様において、前 逆止弁の外周に連結部を介して連結された ング状のシール部材を備え、前記シール部 が前記押さえ部材および前記仕切部材によ 挟持されて、前記押さえ部材と前記仕切部 との間がシールされていることを特徴とす 。
 この構成によれば、シール部材が挟持され ことで逆止弁の撓みが規制されるので、押 え部材の反対側で逆止弁を支持する受け部 を廃止することが可能になる。また、シー 部材を逆止弁と一体成型することができる で、押さえ部材のシールゴムを廃止するこ が可能になる。したがって、部品点数が少 く低コストの防振装置を提供することがで る。

 本発明の第11態様は、第10態様において、前 記係合部は、前記シール部材に立設された舌 片部であり、前記保持部は、前記舌片部が挿 入される溝部であることを特徴とする。
 この構成によれば、保持部および係合部を 単に形成することが可能になり、また両者 簡単に係合することが可能になる。したが て、低コストの防振装置を提供することが きる。

 本発明によれば、仕切部材により逆止弁 保持することで、逆止弁の相対位置(周方向 を含む)を簡単に固定することが可能になる これにより、押さえ部材の反対側で逆止弁 支持する受け部材を廃止することが可能に り、部品点数が少なく低コストの防振装置 提供することができる。

 本発明の第12態様は、振動発生源との連結 司る連結片を埋設固定したゴム弾性部材と エンジンマウントの本体部分をなし、その 方の開放端にゴム弾性部体を一体連結した ーシングと、このケーシングの他方の開放 に配置され、ケーシングの周壁内面及びゴ 弾性部材の先端壁面との囲撓によりケーシ グの内側に密閉空間を区画形成するダイヤ ラムと、該密閉空間内に主液室を残して配 されるオリフィスとを備え、
 前記オリフィスは、ケーシングの内周壁に 定保持され、ダイヤフラムを隔壁としてそ 内側に副液室を形成するシリンダーと、こ シリンダーの外側壁に設けられ、密閉空間 空隙部分に充填された液体を主液室及び副 室の相互間で行き来させる複数の通路と、 液室につながる複数の開口を有し、該シリ ダーの先端部分に適合する仕切り蓋と、主 室からの液体の流入のみを許容する逆止弁 有し、そのフランジ部をシリンダーの先端 分と仕切り蓋との相互間で挟持して固定保 るホルダーと、該シリンダー内にて往復移 可能に弾性支持され、主液室の液圧変動に う往動又は復動によって通路の選択を行い ェイクモード又はアイドルモードへの切り えを可能とするピストンとからなり、
 前記ホルダーのフランジ部の上下にそれぞ 、液漏れ防止用のシール部材を配置したこ を特徴とする防振装置である。

 本発明の第13態様は、第12態様において、シ ール部材が、加圧状態(圧入)にて配置された ムシートである。
 本発明の第14態様は、第12態様において、前 記ホルダーは、上端部でフランジ部の末端に 一体連結し、シリンダーの内周壁に圧入され る環状壁を有する。

 ホルダーのフランジ部の上下面に液漏れ 止用のシール部材を配置して該シール部材 シリンダーの上端面と仕切り蓋との相互間 挟持することによりその部位からの液漏れ 確実に回避することができる。

 ホルダーにシリンダーの内周壁に圧入可能 環状壁を設けることで、ホルダーとシリン ーとの接触面積が拡大され、より高いシー が可能となる。
 本発明の上記及び他の目的、作用・効果等 ついては、添付図面及び本発明の実施形態 記載から、当業者に明らかになろう。

本発明の第1の実施の形態を説明するた めの防振装置の断面図である。 本発明の第1の実施の形態を説明するた めの仕切り部材の断面図である。 本発明の第1の実施の形態を説明するた めの仕切り部材の分解斜視図である。 本発明の第2の実施の形態を説明するた めの防振装置の断面図である。 本発明の第3の実施の形態を説明するた めの仕切り部材の分解斜視図である。 第4実施形態に係るエンジンマウントの 側面断面図である。 第4実施形態に係るエンジンマウントの 作用の説明図である。 第4実施形態における押さえ部材および 逆止弁の斜視図である。 エンジンマウントの側面断面図である 本発明に係る防振装置の第5実施形態 その断面について模式的に示した図である オリフィスを分解状態で示した外観斜 視図である。 シリンダーの外観形状を示した図であ る。 シリンダーの外観形状を示した図であ る。 図10に示したエンジンマウントにつき ピストンの作動状況を示した図である。

符号の説明

 1 防振装置
 2 内筒(取付部材)
 3 外筒(筒部材)
 4 ゴム弾性体
 5 ダイヤフラム
 6 液室
 6A 主液室
 6B 副液室
 7 仕切り部材
 70 オリフィス部材
 70a 外周部
 70b 内周部
 71 ピストン(可動部材)
 73 蓋体
 73a 連通孔
 73b 天壁部
 73c 周壁部
 74 逆止弁
 76 シリンダー室(収容室)
 77 溝
 81 オリフィス通路
 81A シェイクオリフィス(第2オリフィス通路 )
 81B アイドルオリフィス(第1オリフィス通路 )
 88 被圧入部
 90 逆止弁受け部材
 201 エンジンマウント(防振装置)
 210 内筒部材(第2取付部材)
 220 外筒部材(第1取付部材)
 230 弾性体
 231 主液室
 240 ダイヤフラム部材
 241 副液室
 250 仕切部材
 252 第1オリフィス通路
 253 リーク孔
 254 第2オリフィス通路
 259 溝部(保持部)
 260 プランジャ
 280 逆止弁
 283 シール部材
 289 舌片部(係合部)
 290 押さえ部材
 301  ゴム弾性部材
 301a 連結片
 302  ケーシング
 302a 絞り部
 303  ダイヤフラム
 304  ゴム被覆層
 305  オリフィス
 305a シリンダー
 305b 通路
 305c 仕切り蓋
 305d 逆止弁
 305e ホルダー
 305f ピストン
 306a、306b シール部材
 307  スプリング
 308  ロッド
 n  ねじ孔
 300h 貫通孔
 300N 前方空間
 300N 後方空間
 300M 主液室
 300M 副液室

 以下、本発明に係る防振装置の実施の形 について、図面に基いて説明する。しかし がら、本発明はこれに限定されるものでは いことはいうまでもない。

[第1の実施の形態]
 まず、本発明に係る第1の実施の形態につい て図1~図3に基いて説明する。
 図1は本実施の形態における防振装置1の断 図であり、図2は後述する仕切り部材7の断面 図であり、図3は後述する仕切り部材7の分解 視図である。
 また、本実施の形態では、図1における下側 がバウンド側、つまり防振装置1を設置した に静荷重(初期荷重)が入力される方向であり 、図1における上側がリバウンド側、つまり 記静荷重の入力方向の反対側であり、以下 説明においてバウンド側を下側とし、リバ ンド側を上側とする。

 図1に示すように、防振装置1は、振動発 部の一例であるエンジンを振動受部の一例 ある車体にマウントさせる際に用いられる のであり、振動発生部の振動を減衰させる めの装置である。図1に示すように、防振装 1は、互いに同軸L上に配置される内筒2(本発 明における取付部材に相当する。)及び外筒3( 本発明における筒部材に相当する。)と、こ ら内筒2及び外筒3に加硫接着により一体的に 成形されるゴム弾性体4と、を備える基本構 である。

 内筒2は、図示せぬエンジンに連結される 部材である。詳しく説明すると、内筒2は、 側に向かうに従い漸次縮径されて下端が球 に丸められた部材であり、ゴム弾性体4内に 設されている。内筒2には、その上端面から 下方に延在する有底の雌ねじ部2aが形成され おり、この雌ねじ部2aに螺合される図示せ ボルトによって、図示せぬエンジンに取り けられた図示せぬエンジン側ブラケットが り付けられる。

 外筒3は、図示せぬ車体に連結される略円筒 形状の部材である。詳しく説明すると、外筒 3は、下側の小径部30と、上側の大径部31と、 径部30と大径部31との間に介在されて径方向 内側に縮径された絞り部32と、を備えている
 大径部31の内周面には、ゴム弾性体4の外周 が加硫接着されている。また、絞り部32及 小径部30の内周面には、内周被覆ゴム33が全 に亘って被覆されている。この内周被覆ゴ 33は、絞り部32及び小径部30の内周面に加硫 着されており、その上端がゴム弾性体4の下 端に連結されてゴム弾性体4と一体に形成さ ている。

 また、外筒3において後述するオリフィス通 路81と後述する主液室6Aとの連通部分(主液室 連通路84)に隣接する部分には、側面開口部3 5が形成されている。具体的に説明すると、 筒3の小径部30に側面開口部35が形成されてい る。
 この側面開口部35は、薄膜状のメンブラン36 によって閉塞されている。メンブラン36は、 述する主液室6Aの内圧の変化に応じて変形 能なゴム膜であり、側面開口部35を閉塞する ように張設されている。このメンブラン36は 上記した内周被覆ゴム33に連結されており ゴム弾性体4及び内周被覆ゴム33と一体に形 されている。

 また、絞り部32及び小径部30の上端部の外 周面には、外周シールゴム34が全周に亘って 設されている。この外周シールゴム34は、 り部32及び小径部30の上端部の外周面に加硫 着されとり、メンブラン36の上端に連結さ て、ゴム弾性体4、内周被覆ゴム33及びメン ラン36と一体に形成されている。

 上記した構成からなる外筒3は、図示せぬ車 体に取り付けられる車体側ブラケット10に装 されている。車体側ブラケット10は、外筒3 保持する略円筒形状のホルダー部11と、図 せぬ車体に連結される脚部12と、を備えてい る。
 ホルダー部11は、上側の小径部13と、下側の 大径部14と、小径部13と大径部14との間に介在 されて小径部13の下端から大径部14の上端に かうに従い漸次拡径されたテーパー部15と、 小径部13の上端部から径方向外側に突出した ランジ部16と、を備えている。
 脚部12は、径方向外側に張り出された縦断 視略L字状の板部であり、大径部14の中心軸 を挟んで左右両側にそれぞれ配設されてい 。脚部12の両側端にはリブ12aがそれぞれ設け られている。

 上記したホルダー部11の内側に外筒3が嵌合 れている。
 詳しく説明すると、外筒3はホルダー部11の 側に圧入されており、ホルダー部11の小径 13の内側に、外筒3の大径部31、絞り部32及び 径部30の上端部が配置され、外筒3の外周シ ルゴム34がホルダー部11の小径部13の内側に 接されている。
 また、ホルダー部11の大径部14の内側には、 外筒3の小径部30が間隔をあけて配置されてお り、ホルダー部11の内周面と外筒3の外周面と の間には全周に亘って隙間Sが形成されてい 。
 すなわち、ホルダー部11の大径部14の内周面 と外筒3の小径部30の外周面との間、及びホル ダー部11の大径部14の内周面とメンブラン36の 外側面との間には隙間Sがあけられている。 の隙間Sには液体等が充填されてなく、当該 間Sは空気室になっている。

 上記した外筒3の外周面とホルダー部11の 周面との間には、上記した隙間Sを封止する シール部材9が嵌合されている。シール部材9 、縦断面視略U字形状のものを外筒3(小径部3 0)の外周面に沿って環状に形成したリング部 であり、車体側ブラケット10や外筒3やゴム 性体4とは別体の部材である。

 ゴム弾性体4は、内筒2と外筒3とを弾性的 連結するとともに外筒3の上側(一方)の開放 を閉塞する部材である。詳しく説明すると ゴム弾性体4は、外筒3の大径部31を閉塞する ドーム状のゴム弾性体であり、大径部31の内 面と、内筒2の胴部21の外周面との間に介在 れている。

 また、防振装置1には、外筒3の下側(他方)の 開放端を閉塞するダイヤフラム5が備えられ おり、このダイヤフラム5と上記したゴム弾 体4との間には、例えばエチレングリコール や水、シリコーンオイル等の液体が封入され た液室6が形成されている。
 詳しく説明すると、ダイヤフラム5は、外筒 3の小径部30の内側に内周ゴム33を介して嵌合 れたダイヤフラムリング50と、ダイヤフラ リング50の内側に形成されたダイヤフラムゴ ム51と、を備えている。
 ダイヤフラムリング50は、金属製の環状部 であり、外筒3の下端部の内側に嵌め込まれ 外筒3の下端部を径方向内側に屈曲させるこ とによりカシメ固定されている。
 ダイヤフラムゴム51は、後述する副液室6B内 の液圧(内圧)の変化に応じて変形可能な薄膜 材であり、ダイヤフラムリング50の内周面 加硫接着されている。

 液室6は、ゴム弾性体4の下面と外筒3の内周 (内周ゴム33)とダイヤフラム5の上面とで囲 れた室である。この液室6は、その内部に配 された仕切り部材7によって、リバウンド側 の主液室6Aとバウンド側の副液室6Bとに区画 れている。主液室6Aは、隔壁の一部(上壁)が ム弾性体4で形成された室であり、主液室6A 内容積は、ゴム弾性体4の変形により変化す る。
 副液室6Bは、隔壁の一部(下壁)がダイヤフラ ム5(ダイヤフラムゴム51)で形成された室であ 、副液室6Bの内容積は、副液室6B内の液圧( 圧)の変化によってダイヤフラム5(ダイヤフ ムゴム51)が変形することで変化する。

 上記した仕切り部材7は、外筒3の内側に配 され、上記した主液室6Aと副液室6Bとの間に 在されている。この仕切り部材7は、図1~図3 に示すように、上端が開口された略有底円筒 状のオリフィス部材70と、オリフィス部材70 内側に上下方向に移動自在に配設されたピ トン71(本発明における可動部材に相当する )と、ピストン71を上方に付勢する付勢部材72 と、オリフィス部材70の上端開口部を覆う蓋 73と、蓋体73に形成された連通孔73aを開閉す る逆止弁74と、オリフィス部材70の内側の底 に配設された緩衝部材75と、を備えている。
 なお、仕切り部材7において、主液室6A側を 側とし、副液室6B側を下側とする。

 オリフィス部材70は、外筒3の内側に嵌合さ た部材であり、中央部分にピストン71を収 するシリンダー室76(本発明における収容室 相当する。)が形成されている。
 シリンダー室76は、上下方向に延在する丸 状の空間であり、上端が開口されて下端が 板部78によって閉塞されている。シリンダー 室76の内側には、底板部78の中央部分から起 された棒状の軸部材79が配設されている。
 軸部材79は、シリンダー室76の中心軸線上に 延設されており、この軸部材79の下端部は、 リフィス部材70の底板部78の中央部分に形成 された円筒状の軸受け部80内に嵌合されてい 。
 底板部78には、軸受け部80の周りに液体が流 通する複数の流通孔87が形成されており、こ 流通孔87を介してシリンダー室76の下部と上 記した副液室6Bとが連通されている。

 上記したオリフィス部材70の上端部には 後述する蓋体73の周壁部73cが径方向外側から 圧入嵌合される被圧入部88が形成されている この被圧入部88は、オリフィス部材70の上端 部の外周面を径方向内側に縮径した構成から なり、オリフィス部材70の全周に亘って形成 れている。

 また、オリフィス部材70の上端面において 圧入部88のシリンダー室76の径方向内側には シリンダー室76の周方向に沿って延在する 77が形成されている。この溝77は、縦断面視 おいて軸線L方向に長く上端が開口された断 面視略凹状のスグリ(オリフィス部材70の一部 を抜き取った肉抜き部)であり、溝77の内側は 液体(液室6内の液体と同一の液体)で満たされ た状態となっている。
 溝77は、オリフィス部材70の上端面における シリンダー室76の径方向の中央部分に配設さ ているとともに、主液室側連通路84の部分 除いてオリフィス部材70の上端面の全周に亘 って一定の溝深さで延設されている。
 この溝77は、縦断面視において、底面側(下 )から開口端側(上側)に向かうに従い漸次拡 されたテーパー状に形成されていることが ましい。
 これにより、上記した溝77を金型で形成す 際、溝77から金型が抜け易くなり、オリフィ ス部材70が成形し易くなる。

 オリフィス部材70の上端部は、上記した溝77 によって外周部70aと内周部70bとに分離されて 二重筒構造になっている。外周部70aは、オリ フィス部材70の上端部のうち、溝77の外側(シ ンダー室76の径方向の外側)に設けられた略 筒形状(平面視C字形状)の筒部であり、その 周に上記した被圧入部88が形成されている
 内周部70bは、オリフィス部材70の上端部の ち、溝77の内側(シリンダー室76の径方向の内 側)に設けられた略円筒形状(平面視C字形状) 筒部であり、その径方向内側にシリンダー 76が形成されている。
 また、内周部70bは、上記した外周部70aの内 に溝77を介して配設されており、外周部70a 対して離間されている。
 溝77の深さH1は、オリフィス部材70に対する 体73の周壁部73cの圧入代H2(周壁部73cのうち 被圧入部88に圧接する部分の軸線L方向の長 )よりも深くなっている。

 また、オリフィス部材70には、上記主液室6A と副液室6Bとを連通するオリフィス通路81が 成されている。
 オリフィス通路81は、防振装置1に振動が入 された際に当該オリフィス通路81を流通す 液体に液柱共振(共振現象)を生じさせて上記 振動を減衰させるための液路である。
 このオリフィス通路81は、車両における低 波域(例えば8Hz~12Hz)の共振振動であるシェイ 振動の周波数及び振幅に対応するようにチ ーニングされたシェイクオリフィス81A(本発 明の第2オリフィス通路に相当する。)と、車 のアイドリング運転時に発生する高周波域( 例えば20Hz~40Hz)のアイドル振動の周波数及び 幅に対応するようにチューニングされたア ドルオリフィス81B(本発明の第1オリフィス通 路に相当する。)と、に分けられている。

 具体的に説明すると、オリフィス部材70の 部の外周面には、オリフィス部材70の周方向 に延在する第1溝82が形成されており、オリフ ィス部材70の下部の外周面には、オリフィス 材70の周方向に延在する第2溝83が形成され いる。
 第1溝82の一端は、オリフィス部材70の上端 に形成された主液室側連通路84を介して上記 した主液室6Aに連通されている。この主液室 連通路84は、上端が主液室6Aに向けて開放さ れているとともに下端が第1溝82の一端部に向 けて開放されており、外側面(オリフィス部 70の径方向外側の面)がメンブラン36で閉塞さ れている。

 また、第1溝82の他端は、第2溝83の一端に連 されており、第2溝83の他端は、オリフィス 材70の下端部に形成された副液室側連通路85 を介して上記した副液室6Bに連通されている また、第1溝82の他端部の内周部分には、オ フィス開口86が形成されている。
このオリフィス開口86は、オリフィス部材70 周方向に長い長孔であり、その面積が第2溝8 3の断面積よりも大きくなっている。第1溝82 他端部とシリンダー室76の下部とは、前記オ リフィス開口86を介して連通されている。

 すなわち、上記したシェイクオリフィス8 1Aは、上記した主液室側連通路84と第1溝82と 2溝83と副液室側連通路85とにより形成されて いる。また、上記したアイドルオリフィス81B は、上記した主液室側連通路84と第1溝82とオ フィス開口86とシリンダー室76の下部と流通 孔87とにより形成されている。つまり、アイ ルオリフィス81Bは、シリンダー室76を通過 るオリフィス通路となっており、また、シ イクオリフィス81Aは、アイドルオリフィス81 Bよりも液体の流通抵抗が大きくなっている

 ピストン71は、主液室6Aの液圧変動に応じ てシリンダー室76の内周面に沿って移動して イドルオリフィス81Bを開閉(開放/遮断)する 動部材であり、シリンダー室76内に収容さ て軸部材79に沿って移動自在に設けられた略 円盤状の部材である。詳しく説明すると、ピ ストン71の外周面はシリンダー室76の内周面 沿って形成されており、ピストン71の中央部 分には軸部材79が挿入された筒部71aが設けら ている。このピストン71は、上記したオリ ィス開口86よりも上方に配置されてアイドル オリフィス81Bを開放する位置(図1に示す位置) と、オリフィス開口86を閉塞してアイドルオ フィス81Bを遮断する位置(図示せず)との間 移動可能になっている。

 付勢部材72は、底板部78とピストン71との に圧縮変形した状態で介装されたコイルス リングであり、予圧縮力が作用した状態で 置されている。この付勢部材72の下端部は 底板部78の中央部分に形成された凹部78aの内 側に嵌合されており、また、付勢部材72の上 部は、ピストン71の筒部71aの外側に嵌合さ ており、付勢部材72の内側には上記した軸部 材79が挿入されている。

 蓋体73は、オリフィス部材70の上端部に被 着される部材であり、上記したシリンダー室 76の上端開口部を閉塞する平面視略円形の天 部73bと、天壁部73bの外縁部から垂設された 円筒状の周壁部73cと、を備えている。天壁 73bの中央部分には、後述する逆止弁74の嵌 部74cが嵌合される嵌合孔73dが形成されてお 、この嵌合孔73cの周りに複数の連通孔73aが 成されている。また、周壁部73cの内径は、 リフィス部材70の被圧入部88の外径よりも若 小さく、周壁部73cは被圧入部88の外側に圧 嵌合されている。また、蓋体73において上記 した主液室側連通路84に対応する部分には、 り欠き部73eが形成されており、蓋体73は、 液室側連通路84を閉塞しないような形状にな っている。

 逆止弁74は、蓋体73の内側(連通孔73aの下方) 配設された部材であり、その概略構成とし は、円環状の外周部74aと、外周部74aの内側 配設された弾性変形可能な略円盤状の弁体 74bと、弁体部74bの上面の中央部分から立設 れた嵌合部74cと、を備えている。
 外周部74aの内縁部と弁体部74bの外縁部とは 性変形可能な連結部74dを介して連結されて る。
 外周部74aは、オリフィス部材70の上端面と 体73の天壁部73bとの間に挟持されており、嵌 合部74cは、蓋体73の嵌合孔73dに嵌合されてお 、弁体部74bの上面は、所定の予圧力で蓋体7 3の天壁部73bの下面に圧接されている。
 また、弁体部74bの下面の中央部分には凹部7 4eが形成されており、この凹部74eの内側に上 した軸部材79の上端が嵌合されている。

 緩衝部材75は、ピストン71がシリンダー室 76の底部まで下降した際の衝撃を緩和するた の弾性部材である。緩衝部材75は円環状に 成されており、平面視において緩衝部材75の 内側に底板部78の流通孔87が配設されている

 次に、上記した構成からなる防振装置1の 製造工程について説明する。

 まず、内筒2と外筒3との間にゴム弾性体4を 成する工程を行う。詳しく説明すると、ゴ 弾性体4の金型の中に外筒3及び内筒2をそれ れ所定位置に配置するとともに、外筒3の内 周面全体、外筒3の絞り部32の外周面、外筒3 小径部30の上端部の外周面、及び側面開口部 35の内周面に、それぞれ接着剤を塗布すると もに、内筒2の外周面に接着剤を塗布する。
 その後、上記金型の中に加硫ゴムを流し込 でゴム弾性体4を加硫成形するとともに、こ のゴム弾性体4と一体に内周被覆ゴム33、外周 シールゴム34、及びメンブラン36をそれぞれ 硫成形する。そして、上記したゴム弾性体4 内周被覆ゴム33等の硬化後に上記金型を取 外す。

 一方、仕切り部材7を組み立てる工程を行う 。
 詳しく説明すると、オリフィス部材70の軸 け部80に軸部材79の下端部を嵌合させてシリ ダー室76内に軸部材79を起立させるとともに 、シリンダー室76の底面に緩衝部材75を配置 る。その後、付勢部材72の内側に軸部材79を 入させつつ付勢部材72をシリンダー室76内に 配置し、付勢部材72の下端をオリフィス部材7 0の底板部78の凹部78aに嵌合させる。

 続いて、ピストン71の筒部71aの内側に軸部 79を挿入させつつピストン71をシリンダー室7 6内に配置し、ピストン71の筒部71aの下端部を 付勢部材72の上端部の内側に嵌合させる。
 一方、蓋体73に逆止弁74を装着させる。すな わち、逆止弁74の嵌合部74cを蓋体73の嵌合孔73 dに嵌合させ、蓋体73の天壁部73bの下方に逆止 弁74を吊持させる。

 その後、蓋体73の周壁部73cをオリフィス 材70の被圧入部88に圧入嵌合させて蓋体73を リフィス部材70の上端に被着させる。このと き、被圧入部88が形成された外周部70aは、周 部73cの圧入時の応力によって変形し、外周 70aの中心軸線が偏心したり外周部70aの内周 状が変形したりする。一方、オリフィス部 70の上端部の内周部70bは、上記した外周部70 aに対して離間されているので、周壁部73cを 入する際の応力が内周部70bにまで伝達され くく、内周部70bは変形しにくい。すなわち 周壁部73cを圧入する際の外周部70aの変形が 77によって吸収され、周壁部73cの圧入時にお ける内周部70bの変形が抑えられる。

 特に、溝77の深さH1が周壁部73cの圧入代H2 りも深くなっているので、被圧入部88に周 部73cを圧入嵌合させて蓋体73をオリフィス部 材70に組み付ける際、周壁部73cの圧入時の応 が溝77によって確実に吸収され、内周部70b 変形がより確実に抑えられる。

 また、逆止弁74が装着された蓋体73をオリフ ィス部材70の上端に被着させる際、逆止弁74 外周部74aが、オリフィス部材70の上端面と蓋 体73の天壁部73bとの間に挟まれ、逆止弁74の 体部74b及び連結部74dが弾性変形して弁体部74 bの上面が蓋体73の天壁部73bの下面に押し付け られる。これにより、上記天壁部73bに形成さ れた連通孔73aが弁体部74bにより閉塞される。 また、このとき、逆止弁74の凹部74eの内側に 部材79の上端が嵌合され、軸部材79の上端が 軸支される。
 以上により、仕切り部材7が組み立てられる 。

 次に、上記した仕切り部材7を外筒3の内 に嵌合する工程を行う。詳しく説明すると 仕切り部材7を外筒3の下端側から外筒3の小 部30の内側に圧入させる。これにより、オリ フィス部材70の第1溝82、第2溝83、及び副液室 連通路85の外周側の開口が内周被覆ゴム33に よって閉塞されるとともに、主液室側連通路 84の外周側の開口がメンブラン36によって閉 される。また、ゴム弾性体4の下面と蓋体73 上面との間に主液室6Aが形成される。

 次に、ダイヤフラム5を外筒3の下端部の 側に嵌合する工程を行う。詳しく説明する 、ダイヤフラム5のダイヤフラムリング50を 筒3の小径部30の下端部の内側に圧入させた 、小径部30の下端を径方向内側に向けて縮径 変形させてダイヤフラムリング50を外筒3にカ シメ固定する。これにより、外筒3の下端が 塞されてダイヤフラム5のダイヤフラムゴム5 1の上面とオリフィス部材70の下面との間に副 液室6Bが形成される。

 次に、液室6内に液体を封入する工程を行 う。詳しく説明すると、図示せぬ液体注入口 から液室6内に液体を注入して液室6内に液体 充填し、その後、前記液体注入口を閉塞さ て液室6を封止する。このとき、メンブラン 36とゴム弾性体4(内周被覆ゴム33)とが一体に 成されているため、メンブラン36のシール性 が向上しており、外筒3の側面開口部35がメン ブラン36によって確実に閉塞されている。

 次に、外筒3を車体側ブラケット10のホルダ 部11内に圧入嵌合する工程を行う。
これにより、外筒3の大径部31がホルダー部11 小径部13の内側に配置されるとともに、外 3の外周シールゴム34の外周面がホルダー部11 の小径部13の内周面に圧接され、ホルダー部1 1の大径部14の内周面と外筒3の外周面(メンブ ン36の外側面)との間に形成された隙間Sの上 側が閉塞される。

 次に、外筒3の外周面とホルダー部11の内 面との間にシール部材9を嵌合する工程を行 う。詳しく説明すると、外筒3の下端側から 筒3の外周面とホルダー部11の内周面との間 シール部材9を差し込む。このシール部材9よ って、メンブラン36の外側に形成された隙間S の下側が封止され、その隙間Sへの外気の侵 が防止される。

 次に、上記した防振装置1の作用について 説明する。

 上記した構成からなる防振装置1では、車 両におけるエンジンからの振動が図示せぬエ ンジン側ブラケットを介して内筒2に伝達さ 、さらに内筒2からゴム弾性体4に伝達され、 ゴム弾性体4が弾性変形する。このとき、ゴ 弾性体4は振動吸収主体として作用し、ゴム 性体4の内部摩擦等に基づく吸振作用によっ て振動が吸収され、外筒3から車体側ブラケ ト10を介して車体側へ伝達される振動が低減 される。

 また、上記した防振装置1に、相対的に周 波数が低く振幅が大きいシェイク振動が入力 されると、このシェイク振動によってゴム弾 性体4が弾性変形し、主液室6A内に、相対的に 大きな液圧変化が生じ、主液室6A内の液圧は 期的に大きな昇降を繰り返す。

 このとき、主液室6A内の周期的な液圧上 時においては、主液室6A内の液圧がシリンダ ー室76の上室(ピストン71の上方のシリンダー )内の液圧よりも大きくなるので、逆止弁74 弁体部74bがその予圧力に抗して押し下げら て蓋体73の連通孔73aが開放される。このと 、シリンダー室76の上室内の液圧が付勢部材 72の付勢力(予圧縮力)よりも大きくなるので ピストン71が付勢部材72の付勢力に抗して押 下げられる。これにより、オリフィス部材7 0のオリフィス開口86がピストン71により閉塞 れてアイドルオリフィス81Bが遮断される。 の結果、液室6内の液体は、主液室6A内の液 上昇に伴って主液室6A側からシェイクオリ ィス81Aを通って副液室6B側へと流通する。

 一方、主液室6A内の周期的な液圧低下時 おいては、主液室6A内の液圧がシリンダー室 76の上室内の液圧よりも小さくなるので、シ ンダー室76の上室内の液圧によって逆止弁74 の弁体部74bが蓋体73の天壁部73bに押し付けら て蓋体73の連通孔73aが閉塞される。その結 、シリンダー室76の上室内の液圧によってピ ストン71が押し下げられた状態を維持し、オ フィス部材70のオリフィス開口86がピストン 71により閉塞されてアイドルオリフィス81Bが 断されたままの状態となる。その結果、液 6内の液体は、主液室6A内の液圧低下に伴っ 副液室6B側からシェイクオリフィス81Aを通 て主液室6A側へと流通する。

 上記したシェイクオリフィス81Aはシェイ 振動に対応するようにチューニングされて るため、上述したように液室6内の液体がシ ェイクオリフィス81Aを通って主液室6Aと副液 6Bとの間を往来する際、当該シェイクオリ ィス81Aを流通する液体に液柱共振が生じる このため、防振装置1に入力されたシェイク 動は、シェイクオリフィス81Aにおける液柱 振によって減衰され、車体側に伝達される ェイク振動は低減される。

 また、上記した防振装置1に、相対的に周 波数が高く振幅が小さいアイドル振動が入力 されると、このアイドル振動によってゴム弾 性体4が弾性変形し、主液室6A内に、相対的に 小さな液圧変化が生じ、主液室6A内の液圧は 期的に小さい昇降を繰り返す。

 このとき、主液室6A内の周期的な液圧上 時において、主液室6A内の液圧がシリンダー 室76の上室内の液圧よりも大きくなるが、逆 弁74の弁体部74bを押し下げるほどの力が生 ないため、逆止弁74の弁体部74bがその予圧力 によって蓋体73の天壁部73bに押し付けられた 態を保持し、蓋体73の連通孔73aが閉塞され ままになる。

 これにより、ピストン71は付勢部材72の付 勢力により上方に付勢された状態を保持し、 オリフィス部材70のオリフィス開口86が開口 れてアイドルオリフィス81Bが開放される。

 このとき、シェイクオリフィス81A及びア ドルオリフィス81Bの両方が、液体が流通可 な状態(開放状態)になっているが、アイド オリフィス81Bはシェイクオリフィス81Aより 液体の流通抵抗が低く設定されているため 液体はアイドルオリフィス81Bの方に優先的 流通する。

 したがって、液室6内の液体は、主液室6A の液圧変化に伴ってアイドルオリフィス81B 通って主液室6Aと副液室6Bとの間を往来する 。

 なお、主液室6A内の周期的な液圧低下時 おいては、主液室6A内の液圧がシリンダー室 76の上室内の液圧よりも小さくなるため、シ ンダー室76の上室内の液圧によって逆止弁74 の弁体部74bが蓋体73の天壁部73bに押し付けら 、蓋体73の連通孔73aが逆止弁74により閉塞さ れたままになり、オリフィス部材70のオリフ ス開口86が開口されてアイドルオリフィス81 Bが開放される。

 上記したアイドルオリフィス81Bはアイド 振動に対応するようにチューニングされて るため、上述したように液室6内の液体がア イドルオリフィス81Bを通って主液室6Aと副液 6Bとの間を往来する際、当該アイドルオリ ィス81Bを流通する液体に液柱共振が生じる このため、防振装置1に入力されたアイドル 動は、アイドルオリフィス81Bにおける液柱 振によって減衰され、車体側に伝達される イドル振動は低減される。

 また、上記した防振装置1では、バウンド 方向に大きな振動が入力されて主液室6Aの液 が急激に上昇した後、リバウンド方向に振 が入力されて主液室6Aが負圧になり、主液 側連通路84において局所的に急激な液圧低下 が起きようとしても、この急激な液圧低下が メンブラン36によって吸収される。

 上記した構成からなる防振装置1によれば 、オリフィス部材70の被圧入部88に蓋体73の周 壁部73cを圧入する際の外周部70aの変形が溝77 よって吸収され、周壁部73cの圧入時の内周 70bの変形が抑えられるため、蓋体73をオリ ィス部材70に組み付ける際に、シリンダー室 76の中心軸線が偏心したりシリンダー室76の 周形状が変形したりすることを防止するこ ができる。これにより、ピストン71をスムー ズに動作させることができ、防振装置1を適 に機能させることができる。また、ピスト 71の外周面とシリンダー室76の内周面とのク アランスが適正に確保され、ピストン71の 周面とシリンダー室76の内周面との干渉が回 避されるので、ピストン71の外周面やシリン ー室76の内周面の磨耗を抑えることができ 防振装置1の耐久性を向上させることができ 。

 また、上記した防振装置1によれば、溝77 深さH1が周壁部73cの圧入代H2よりも深くなっ ており、周壁部73cの圧入時の応力が溝77によ て確実に吸収され、内周部70bの変形がより 実に抑えられるので、シリンダー室76の偏 やシリンダー室76の内周形状の変形をより確 実に防止することができ、ピストン71をより 実にスムーズに動作させることができる。

[第2の実施の形態]
 次に、本発明に係る第2の実施の形態につい て、図4に基いて説明する。
 図4は本実施の形態における防振装置1の断 図である。
 なお、上述した第1の実施の形態と同様の構 成については、同一の符号を付して説明を省 略する。

 本実施の形態における仕切り部材7には、 蓋体73に形成された連通孔73aを開閉して主液 6Aからシリンダー室76への方向にのみ液体を 流動させる逆止弁として、軸線Lに対して垂 に配設された略円盤状の弾性体からなる逆 弁174が備えられている。この逆止弁174の中 部分の上面及び下面には凸部174a,174bがそれ れ形成されている。

 また、逆止弁174は、その厚さが中心軸線L から径方向外側に向かうに従い漸次薄くなっ ており、少なくとも逆止弁174の上面は径方向 外側に向かって下向きに傾斜されている。ま た、上記した凸部174a,174bのうち、上側の凸部 174aは、蓋体73に形成された嵌合孔73d内に嵌合 されており、下側の凸部174bは、後述する逆 弁受け部材190の凹部194内に嵌合されている

 また、本実施の形態における仕切り部材7 には、上記した逆止弁174を支持するための逆 止弁受け部材190が備えられている。この逆止 弁受け部材190は、逆止弁174が載置された受け 皿状のプレートである。詳しく説明すると、 逆止弁受け部材190は、軸線Lに対して垂直に 置された平面視略円形の底板部191と、底板 191の外縁部から立設された周壁部192と、周 部192の上端から径方向外側に突出したフラ ジ部193と、を備えている。

 底板部191の中央部分には、上記した逆止 174の下側の凸部174bが嵌合される凹部194され ている。また、底板部191には、平面視におい て上記した凹部194の周りに貫通孔195が複数形 成されている。上記した構成からなる逆止弁 受け部材190は蓋体73の下方に配置されており 逆止弁受け部材190と蓋体73との間に逆止弁17 4が配置されて挟持されている。

 また、上記した逆止弁受け部材190は、シ ンダー室76内に嵌合されており、シリンダ 室76の内周形状を保持するための保持部材と して機能する。すなわち、周壁部192がシリン ダー室76内に嵌合されており、また、フラン 部193がオリフィス部材70の上端面に載置さ てオリフィス部材70の上端面と蓋体73の天壁 73bの下面との間に挟み込まれている。

 上記した仕切り部材7を備える防振装置1 は、オリフィス部材70に蓋体73を被着させる に、シリンダー室76の上端部に逆止弁受け 材190を嵌合させる。これにより、シリンダ 室76の内周面がシリンダー室76の内側から押 えられ、シリンダー室76の内周面の形状が 持される。その後、蓋体73の周壁部73cをオリ フィス部材70の被圧入部88に圧入嵌合させて 体73をオリフィス部材70の上端に被着させる このとき、オリフィス部材70の上端部の内 部70bは、溝77によって上記した外周部70aに対 して離間されているので、周壁部73cを圧入す る際の応力が内周部70bにまで伝達されにくく 、内周部70bは変形しにくい。さらに、上述し たとおり、逆止弁受け部材190によってシリン ダー室76の内周面がシリンダー室76の内側か 押さえられているので、内周部70bの変形が 実に抑えられる。

 上記した構成からなる防振装置1によれば 、内周部70bの変形が確実に抑えられるため、 シリンダー室76の中心軸線が偏心したりシリ ダー室76の内周形状が変形したりすること 防止することができ、ピストン71をより確実 にスムーズに動作させることができ、防振装 置1を適正に機能させることができる。

[第3の実施の形態]
 次に、本発明に係る第3の実施の形態につい て、図5に基いて説明する。
 図5は本実施の形態における仕切り部材7の 解斜視図である。
 なお、上述した第1、第2の実施の形態と同 の構成については、同一の符号を付して説 を省略する。

 本実施の形態における蓋体173の周壁部173c には、凹状の切り欠き部173eが複数形成され いる。これら複数の切り欠き部173eは、周壁 173cの周方向に沿って等間隔に配設されてい る。すなわち、蓋体173の天壁部173bの外縁部 は、複数の周壁片173fと複数の切り欠き部173e とが交互に配設されており、図5では4つの周 片173fが均等に配設されている。なお、上記 した複数の切り欠き部173eのうちの1つが、主 室側連通路84に対応する位置に形成されて る。

 上記した蓋体173を備える防振装置1では、蓋 体173の周壁部173cに複数の切り欠き部173eが形 されているため、蓋体173の周壁部173cをオリ フィス部材70の被圧入部88に圧入嵌合させて 体173をオリフィス部材70の上端に被着させる とき、オリフィス部材70の上端部の外周部70a 作用する圧入応力が低減される。
また、上記した複数の切り欠き部173eが周方 に等間隔に配設されているので、外周部70a 均等に圧入応力が作用するとともに、蓋体17 3とオリフィス部材70との相対的な位置決めが 行い易くなる。

 上記した構成からなる防振装置1によれば、 蓋体73の周壁部73cの圧入時の応力が低減され ので、蓋体73をオリフィス部材70に組み付け る際に、シリンダー室76の偏心や変形をより 実に防止することができる。
 特に、複数の切り欠き部173eが周方向に等間 隔に配設され、外周部70aに均等に圧入応力が 作用するので、シリンダー室76の偏心や変形 より生じにくくなり、シリンダー室76の形 等をより確実に保つことができる。また、 数の切り欠き部173eが周方向に等間隔に配設 れていることで、蓋体173とオリフィス部材7 0との相対的な位置決めが行い易くなるので 防振装置1(仕切り部材7)の製作工程が容易と り、量産性を向上させることができる。

 なお、上記した実施の形態では、オリフ ス部材70の上端面に形成された溝77は全周に 亘って形成されているが、上述したように、 蓋体173の周壁部173cに複数の切り欠き部173eが 成されている場合、それらの切り欠き部173e の間に形成された周壁片173fに対応する位置 だけ溝を形成することができる。すなわち オリフィス部材70上端面の溝を周方向に断続 的(間欠的)に形成することも可能である。

 以上、本発明に係る防振装置の実施の形態 ついて説明したが、本発明は上記した実施 形態に限定されるものではなく、その趣旨 逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
 例えば、上記した実施の形態では、内筒2に 、振動発生源である図示せぬエンジンがエン ジン側ブラケットを介して連結され、外筒3 、振動受部である図示せぬ車体が車体側ブ ケット10を介して連結されているが、本発明 は、内筒2(取付部材)に振動受部が連結され、 外筒3(筒部材)にブラケット10を介して振動発 源が連結されていてもよい。

 また、上記した実施の形態では、車両の ンジンマウントとして適用される防振装置1 について説明しているが、本発明に係る防振 装置はエンジンマウント以外に適用すること も可能である。例えば、本発明に係る防振装 置を、建設機械に搭載された発電機のマウン トとして適用することも可能であり、或いは 、工場等に設置される機械のマウントとして 適用することも可能である。

 また、上記した実施の形態では、外筒3と 同軸上に内筒2が配設され、この内筒2の雌ね 部2aに図示せぬボルトを螺着させて内筒2に 示せぬエンジン側ブラケットを取り付ける 成になっているが、本発明は、内筒2の内側 にエンジン側ブラケットの圧入部が圧入され る構成であってもよい。また、内筒2が外筒3 直交する方向に延設され、内筒2の内側に図 示せぬエンジン側ブラケットのボルトが挿入 されてナット等で機械的に固定される構成で あってもよい。さらに、本発明は、筒形状の 取付部材に限定されず、例えば、取付部材が 、ボルトが突設された構成からなり、前記ボ ルトによってエンジン側ブラケット等に取り 付ける構成であってよい。

 また、上記した実施の形態では、オリフ ス部材70にシェイクオリフィス81Aとアイド オリフィス81Bとがそれぞれ形成されている ともに、仕切り部材7に、ピストン71を付勢 る付勢部材72と、蓋体73,173に形成された連通 孔73a,173aを開閉する逆止弁74,174と、が備えら ており、主液室6Aの液圧と付勢部材72による 付勢力とによってピストン71が往復動する構 になっているが、本発明は、上述したよう 液圧切換式の防振装置1に限定されるもので はない。例えば、ピストン71がモータ等の機 式の駆動機構によって往復動する構成であ てもよい。この場合、逆止弁74,や付勢部材7 2を用いることなく、ピストン71を往復動させ ることが可能である。

 また、上記した実施の形態では、主液室6 Aの液圧変化に伴って動作する可動部材とし 、シリンダー室76の内周面に沿って軸線L方 に往復動するピストン71が備えられているが 、本発明は、仕切り部材7にピストン71が備え られてなく、シリンダー室76内に収容された 動膜(可動メンブラン)を可動部材とするこ も可能である。例えば、上述した逆止弁74を 上述した可動膜とすることも可能であり、シ リンダー室76の偏心や変形が抑えられること より、逆止弁74をスムーズに動作させるこ ができ、逆止弁74による蓋体73の連通孔73aの 閉が適正に行われる。

 また、上記した実施の形態では、オリフ ス部材70の上端部の外周部70aの外周に被圧 部88が形成されており、蓋体73の周壁部73cが 周部70aの外側に圧入嵌合されているが、本 明は、外周部70aの内周に被圧入部88が形成 れ、蓋体73の周壁部73cが外周部70aの内周に圧 入嵌合された構成にすることも可能である。

 また、上記した第2の実施の形態では、シ リンダー室76の上端部内側に嵌合されてシリ ダー室76の内周形状を保持する保持部材と て、蓋体73との間に逆止弁174が配置されて当 該逆止弁174を支持する逆止弁受け部材190が備 えられているが、本発明は、逆止弁74を支持 ず、シリンダー室76の上端部内側に嵌合さ てシリンダー室76の内周形状を保持する保持 部材が備えられていてもよい。例えば、逆止 弁174が備えられていないが、シリンダー室76 上端部に保持部材が嵌合されていてもよい

 また、上記した第3の実施の形態では、蓋 体173の周壁部173cに形成された複数の切り欠 部173eが周方向に均等に配設されているが、 発明は、上記した切り欠き部173eを周方向に 不均等に配設することも可能である。

 その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲 、上記した実施の形態における構成要素を 知の構成要素に置き換えることは適宜可能 あり、また、上記した各実施の形態や変形 を適宜組み合わせてもよい。

[第4の実施の形態]
 以下、本発明に係る防振装置の第4実施形態 に係るエンジンマウントを、図面に基づいて 説明する。なお以下には、エンジンマウント の中心軸方向における弾性体230側を「上方」 と呼び、ダイヤフラム部材側を「下方」と呼 ぶ場合がある。

 図6は、本実施形態に係るエンジンマウン トの側面断面図である。エンジンマウント201 は、振動発生部であるエンジンに連結される 内筒部材210と、振動受け部である車体に連結 される外筒部材220と、内筒部材210と外筒部材 220との間を支持する弾性体230と、隔壁の一部 が弾性体230で構成された主液室231と、隔壁の 一部がダイヤフラム部材240で構成された副液 室241と、主液室231と副液室241との間に設けら れた仕切部材250と、主液室231と副液室241とを 連通するオリフィス通路252,254と、を備えて る。

 内筒部材210は、アルミニウム合金等の金属 料を射出成形することにより、下方に向か て先細る円錐状や円錐台状等に形成されて る。内筒部材210の上面から内部にかけて、 ンジンブラケットの取付穴212が形成されて る。
 外筒部材220は、鋼板材料等をプレス成形す ことにより、円筒状に形成されている。
上述した内筒部材210は、外筒部材220の上部内 側に同軸状に配置されている。外筒部材の軸 方向中間部には縮径部222が形成され、内筒部 材210の側面と縮径部222の上面とが対向するよ うに配置されている。

 そして、内筒部材210の側面と外筒部材220 内周面との間に、ゴム等の弾性材料からな 弾性体230が射出成形されている。弾性体230 、エンジンの静荷重を負担する本体ゴムと て機能する。この弾性体230および内筒部材2 10により、外筒部材220の上端開口部が閉塞さ ている。弾性体230は、外筒部材220の上端部 ら縮径部222の上面にかけて成形され、さら 縮径部222の下面から外筒部材220の下端部に けて延設されている。なお縮径部222の下方 あって外筒部材220の周方向の一部には、外 部材220の窓部224が形成されている。その窓 224を閉塞するように弾性体230が配設されて 主液室231の圧力上昇を緩和するメンブラン2 34が形成されている。

 外筒部材220の下端開口部は、ダイヤフラム 材240で閉塞されている。ダイヤフラム部材2 40は、金属材料によりリング状に形成された 持部材242と、支持部材242の内周面に固着さ た薄膜状のダイヤフラムゴム244とを備えて る。ダイヤフラムゴム244は同心円の波紋状 形成され、副液室の液圧変化に応じて拡縮 うるようになっている。外筒部材220の下端 を支持部材242に向けて加締ることにより、 イヤフラム部材240が外筒部材220に固定され いる。
 このように、外筒部材220の両端開口部が閉 されて、その内部にエチレングリコールや 、シリコンオイル等からなる液体が封入さ ている。外筒部材220には液体注入孔が形成 れ、液体注入後にリベット228により封止さ ている。

 外筒部材220の内部には、主液室231と副液 241とを仕切る仕切部材250が配置されている すなわち、仕切部材250の上方には弾性体230 隔壁の一部とする主液室231が形成され、仕 部材250の下方にはダイヤフラムゴム244を隔 の一部とする副液室241が形成される。仕切 材250は、外筒部材220の内周面に沿って配置 れる円筒部255と、円筒部255の下端部を閉塞 る底板部256とを備えている。円筒部255およ 底板部256は、アルミニウム合金等により一 的に射出成形されている。

 円筒部255の外周面には、オリフィス通路 して第1オリフィス通路252および第2オリフ ス通路254が直列に連続形成されている。第1 リフィス通路252は主液室231に連通し、第2オ リフィス通路254は副液室241に連通している。 第1オリフィス通路252と第2オリフィス通路254 の間には、円筒部255の内外を連通するリー 孔253が設けられている。なお仕切部材250の 板部256には貫通孔257が形成されている。こ リーク孔253および貫通孔257は、オリフィス 路の中間部を前記副液室にリークさせるも である。

 また底板部256の中央には、下方に向かっ 突出する厚肉部258が形成されている。厚肉 258の中央には貫通孔が形成され、その貫通 に摺動軸270が圧入されている。摺動軸270は 底板部256から上方に向かって立設されてい 。

 摺動軸270に沿って上下移動するプランジ 260が設けられている。プランジャ260は、摺 軸270の外周に嵌合する内筒262と、仕切部材2 50の円筒部255の内周に嵌合する外筒264と、内 262および外筒264を連結するプレート266とを えている。内筒262、外筒264およびプレート2 66は、金属材料等により一体成形されている なお摺動軸の外面および内筒262の内面、並 に外筒264の外面および円筒部255の内面には 相互に摺動自在となるように仕上げ加工が されている。

 プランジャ260の下降は底板部256により規 され、プランジャ260の上昇は後述する逆止 280により規制される。なお底板部256の表面 は、プランジャ260との当接音を防止するた 、シートゴム274が配置されている。プラン ャ260が下端部に位置するとき、外筒264によ リーク孔253が閉塞され、プランジャ260が上 部に位置するとき、リーク孔253が開放され ようになっている。

 仕切部材250の底板部256とプランジャ260のプ ート266との間には、プランジャ260を上方に 勢するコイルばね272が配置されている。す わちプランジャ260は、リーク孔253を開放す 方向に付勢されている。
 またプランジャ260は、主液室231の正圧力が レートの上面に作用すると下降して、リー 孔253を閉塞するようになっている。

(押さえ部材、逆止弁)
 仕切部材250の円筒部255の上端に押さえ部材2 90が配置され、押さえ部材290と摺動軸270との に逆止弁280が配置されている。
 図8は、本実施形態における押さえ部材およ び逆止弁の斜視図である。押さえ部材290は、 鋼板材料からプレス成形され、円盤状の押さ え板部292と、押さえ板部292の周縁部から垂下 された側板部293とを備えている。側板部293の 内径は、仕切部材250の外形より大きくなって いる。なお、仕切部材250の第1オリフィス通 の流入口に対応して側板部293には切り欠き29 3aが形成され、第1オリフィス通路と主液室と の連通が確保されている。押さえ板部92には 複数の開口部295が形成されている。

 逆止弁280は、ゴム等の弾性材料により一体 形され、円盤状の弁部282と、弁部282の周囲 配置されたシール部材283と、両者を連結す 複数の連結部284とを備えている。弁部82の 径は、押さえ部材290の開口部295の形成領域 り大きくなっている。
 シール部材283から下方に向かって、舌片部( 係合部)289が立設されている。各舌片部289は 底面視において厚さ一定の円弧状に形成さ 、側面視において高さ一定に形成されてい 。本実施形態では、複数の舌片部289が、シ ル部材283の周方向に沿って等間隔で形成さ ている。

 仕切部材250の上面78には、舌片部289が挿 される溝部(保持部)259が形成されている。溝 部259は、平面視において幅一定の円弧状に形 成されるとともに、深さ一定に形成されてい る。本実施形態では、複数の舌片部289に対応 する複数の溝部259が、シール部材283の周方向 に沿って等間隔で形成されている。

 逆止弁280は以下のように装着する。まず、 止弁280の舌片部289を仕切部材250の溝部259に 入する。これにより、逆止弁280と仕切部材2 50との半径方向および周方向における相対位 が固定される。
 次に、逆止弁280を覆うように押さえ部材290 装着する。そして、押さえ部材290の押さえ 部292の下面と仕切部材250の上面278との間で 逆止弁280のシール部材283を挟み込む。
 これと同時に、図6に示すように、逆止弁280 の下面中央部に摺動軸270を突き当てる。これ により、押さえ部材290と仕切部材250との間に 逆止弁280が挟持され、両者間がシール部材283 によりシールされる。以上により、逆止弁280 を正確に装着しうるようになっている。

(作用)
 次に、本実施形態に係るエンジンマウント 作用を説明する。
 図6に示すように、仕切部材250の円筒部255の 上端部が逆止弁280により閉塞されて、円筒部 255の内側に中間液室が形成されている。この 中間液室は、プランジャ260の上方の上液室261 と、下方の下液室251とに分離されている。
 図7は、本実施形態に係るエンジンマウント の作用の説明図である。エンジンの主な振動 には、シェイク振動(低周波数・大振幅)およ アイドリング振動(高周波数・小振幅)があ 。図7はエンジンマウントにシェイク振動が 力された場合であり、図6はアイドリング振 動が入力された場合である。

 エンジンマウントにバウンド荷重が入力さ て主液室231の圧力が上昇すると、図7に示す ように逆止弁280が下方に撓む。図8に示す逆 弁280では、シール部材283が固定されている で、隣接する連結部284の間における弁部282 周縁部が下方に撓むことになる。これによ 、主液室と上液室とが連通する。
 逆に、エンジンマウントにリバウンド荷重 入力されて主液室の圧力が低下すると、逆 弁280の弁部282が押さえ部材290の開口部295を 塞する。この場合、主液室と上液室とは連 しない。図7に示すように、逆止弁280は、主 液室231の圧力が上昇した場合のみ主液室231と 上液室とを連通させるので、主液室231の正圧 力のみをプランジャ260の上面に作用させるこ とになる。

 ここで、コイルばね272からプランジャ260に 用する付勢力は、大振幅のシェイク振動の 力時にプランジャ260の上面に作用する力よ 、小さく設定されている。そのため、シェ ク振動の入力時にはプランジャ260が下降し 、仕切部材250のリーク孔253を閉塞する。
 これにより、主液室231から第1オリフィス通 路252に流入した液体は、第2オリフィス通路25 4を通って副液室241に流入する。すなわち、 オリフィス通路252,254が直列接続されて通路 が長くなる。直列接続された両オリフィス 路252,254は、低周波数のシェイク振動におい て液柱共振を発生させるようにチューニング されている。したがって、シェイク振動の伝 達を抑制することができる。

 一方、図6に示すように、小振幅のアイドリ ング振動が入力された場合には、主液室231の 圧力が大幅に変動しない。コイルばね272から プランジャ260に作用する付勢力は、小振幅の アイドリング振動の入力時にプランジャ260の 上面に作用する力より、大きく設定されてい る。
 そのため、アイドリング振動の入力時には ランジャ260が上昇して、リーク孔253を開放 る。これにより、主液室231から第1オリフィ ス通路252に流入した液体は、リーク孔253およ び貫通孔257から副液室241に流入し、第2オリ ィス通路254には流入しない。第1オリフィス 路252は、高周波数のアイドリング振動にお て液柱共振を発生させるようにチューニン されている。したがって、アイドリング振 の伝達を抑制することができる。

 以上に詳述したように、本実施形態に係 エンジンマウントでは、仕切部材250に逆止 280を保持する保持部が形成され、逆止弁280 は保持部に係合する係合部が形成されてい 構成とした。具体的には、逆止弁280に形成 れた係合部は舌片部289であり、仕切部材250 形成された保持部は溝部259である構成とし 。

 この構成によれば、仕切部材250の保持部に 止弁280の係合部を係合することで、逆止弁 軸方向および半径方向に加え、周方向の相 位置を簡単に固定することが可能になり、 ンジンマウント201の組み立て時に逆止弁280 位置ずれや落下を防止して逆止弁280を正確 装着することができる。
 これにより、押さえ部材290の反対側で逆止 280を支持する受け部材を廃止することが可 になり、部品点数が少なく低コストのエン ンマウント201を提供することができる。

 また逆止弁280の周囲に連結部を介して連 されたリング状のシール部材283を備え、シ ル部材283が押さえ部材290および仕切部材250 より挟持されて、押さえ部材290と仕切部材2 50との間がシールされている構成とした。

 この構成によれば、シール部材283が挟持 れることで逆止弁280の撓みが規制されるの 、押さえ部材290の反対側で逆止弁280を支持 る受け部材を廃止することが可能になる。 た、シール部材283を逆止弁280と一体成型す ことができるので、押さえ部材290のシール ムを廃止することが可能になる。したがっ 、部品点数が少なく低コストのエンジンマ ント201を提供することができる。

 なお、本実施形態では逆止弁の周方向に って複数の舌片部を設けたが、逆止弁の全 に連続する舌片部を設けてもよい。また、 切部材の第1オリフィス通路の流入口に対応 する位置を除いて、周方向に連続する舌片部 を設けてもよい。

 なお、本発明の技術範囲は、上述した実施 態に限定されるものではなく、本発明の趣 を逸脱しない範囲において、上述した実施 態に種々の変更を加えたものを含む。すな ち、実施形態で挙げた具体的な材料や構成 どはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能 ある。
 例えば、本実施形態では内筒部材の上方に ンジンが固定されるエンジンマウントを例 して説明したが、これとは逆に内筒部材の 方にエンジンが固定される、いわゆる吊り げ型のエンジンマウントに本発明を適用す ことも可能である。

[第5の実施の形態]
 図10は、本発明にしたがう防振装置の第5実 形態を断面で示した図である。また、図11 オリフィスの外観を分解状態で示した図で り、図12および図13は、オリフィスを構成す シリンダーの外観を示した図である。

 図10における符号301は上端の径が最も小 く、下端に向けて径を漸次拡大した彎曲外 面を有するリング状のゴム弾性部材である このゴム弾性部材301には、下端部へ向けて 細りになる略円錐台状の外観形状を有する 属製の連結片301aが軸芯Lに沿って埋設固定さ れており、その上端部分のねじ孔nにブラケ トステー等を介して締結部材(ボルト等)をね じ込むことによりエンジン側に連結される。

 302はエンジンマウントの本体部分をなす 筒状のケーシングである。このケーシング3 02はその一方の開放端(上部開放端)に上記ゴ 弾性部材301の下側部分が嵌合、一体的に連 されており、ケーシング302そのものを、例 ばカップ状の如きホルダー(図示せず)に嵌挿 、固定保持することにより車体側に連結され る。

 303はケーシング302の他方の開放端(下部開 放端)にかしめ等により抜け止め配置された イヤフラムである。このダイヤフラム303は 薄肉円板状のゴム材料からなっており、そ 外周縁部が全周にわたって支持リング303aの 面に加硫接着されている。304はケーシング3 02の内周面に設けられ、ゴム弾性部材301と一 的につながるゴム被覆層である。

 上記ケーシング302の内側には、ダイヤフ ム303と、ゴム弾性部材301(先端壁面)及びゴ 被覆層304によって囲撓された密閉空間が区 形成される。

 さらに、305は密閉空間内に主液室300M 1 を残して配置されたオリフィスである。この オリフィス305はケーシング302の内周壁にゴム 被覆層304を介して固定保持され、ダイヤフラ ム3を隔壁としてその内側に副液室300M を形成するシリンダー305a(シリンダー305aはケ ーシング302の絞り部302aと下部開放端に配置 たリング3aとの間に挟持されて位置決めされ ている。)と、このシリンダー305aの外側壁に けられ、密閉空間の空隙部分に充填される あるいはエチレングリコール等の液体を主 室300M 1 及び副液室300M 2 の相互間で行き来させる複数の通路305bと、 液室300M 1 につながる複数の開口300hを有し、シリンダ 305aの先端部分に嵌合する仕切り蓋305cと、こ の仕切り蓋305cに隣接配置され、主液室300M 1 からの液体の流入のみを許容する逆止弁305d( 圧により撓み変形可能なゴム弾性体にて構 される。)と、この逆止弁305dを保持するホ ダー305eと、シリンダー305a内にて往復移動可 能に弾性支持され、主液室300M 1 の液圧変動に伴う往動又は復動によって通路 305bの選択を適宜行いシェイクモード又はア ドルモードへの切り替えを可能とするピス ン305fからなっている。

 上記のホルダー305eは、ピストン305fの先端 につながる複数の貫通孔300h 1 を有する底壁部305e 1 (図11参照)と、この底壁部305e 1 に一体連結しシリンダー305aの内周壁に適合( 入によって嵌合している。)する環状壁305e 2 (図10参照)と、この環状壁305eの上端部に一体 結しシリンダー305aの先端部分と仕切り蓋305 cとの相互間で挟持されるフランジ部305e 3 にて構成されている。

 また、ピストン305fはシリンダー305a内でそ 内部空間を前方空間300N 1 と後方空間300N 2 に区分するディスク状の本体部分305f 1 と、この本体部分305f 1 の縁部に一体連結しシリンダー305aの内周壁 極僅かな隙間を残して隣接配置される環状 壁305f 2 にて構成され、本体部分305f 1 には前方空間300N 1 と後方空間300N 2 につながり液体の流通を許容する貫通孔iが 成されている。

 上記の主液室300M 1 はその内容積がゴム弾性部材301の弾性変形に 伴って拡縮し、ダイヤフラム303は十分に小さ い液圧(荷重)により変位し、このダイヤフラ 303の変位にしたがって副液室300M 2 の内容積が拡縮する。

 さらに、306a、306bはホルダー305eのフランジ 305e 3 の上下に圧入状態(加圧状態)で配置された液 れ防止用のシール部材である。このシール 材306a、306bはゴムシートの如き軟質材が適 される。

 307は、ピストン305fを弾性支持するスプリン グである。このスプリング307はピストン305f 常に上死点(逆止弁305dに最も近い位置)に位 するように付勢するものであり、その付勢 は、シェイク振動が入力された場合の前方 間300N 1 の液圧に対応した値よりも小さく、アイドル 振動が入力された場合の前方空間300N 1 の液圧に対応した値よりも大きなばね定数に 設定されている。

 308は、逆止弁305dからシリンダー305aの底壁 ス部305a 1 に至るまでの間で軸芯Lに沿って配置された ッドである。このロッド308はピストン305fの 心部に設けられた貫通孔にスライド可能に り込み、ピストン305fが上死点、下死点間を 往復移動する際に該ピストン305eをガイドす 。

 オリフィス305の通路305bは、シリンダー305 aの外周壁に沿いスパイラル状に設けられた (シリンダー305aの周りを2周するよりも若干 なく周回しており、溝の深さを同じとした 合について表示している)が形成されたもの 例として示してある。

 図12および図13に示す如く溝幅Wが比較的広 溝305b 1 と、この溝305b 1 につながり、該溝305b 1 よりも溝幅W 1 が狭く断面積が小さい溝305b 2 と、溝305b 1 及び溝305b 2 の境界部付近で溝底を通してシリンダー305a 内側へと貫通する開口305b 3 からなる。

 その通路305bの一端は、シリンダー305bの外 壁及び仕切り蓋305cに設けられた切欠部K 1 、K 2 (図11~図13参照)を通して主液室300M 1 に開通し、その他端はシリンダー305bの下部 設けられた切欠部K 3 を通して副液室300M 2 にそれぞれ開通している。

 ここに、上記溝305b 1 はその断面積がアイドル振動の周波数(例え 、18~30Hz)及び振幅に対応した流通抵抗に設定 され、溝305b 2 は溝305b 1 を含め、その全体がシェイク振動(例えば、9~ 15Hz)に対応した流通抵抗になるように断面積 設定され(流通抵抗は、溝305b 1 <溝305b 1 +305b 2 )。さらに開口305b 3 は各溝に沿う長孔形状として溝305b 1 の断面積よりも大きな開口面積を有するもの とする。

 上記の構成になる防振装置は、シェイク振 が入力された場合には、ゴム弾性部材301が 性変形し、これに伴い主液室300M 1 では液圧変化が生じ液圧上昇(周期的な上昇) より逆止弁305dを通して主液室300M 1 からシリンダー305aの前方空間300N 1 に向けて液体が流入し、前方空間300N 1 内も主液室300M 1 と同様に圧力が上昇することとなる。

 ピストン305fを弾性支持するスプリング307の 付勢力はシェイク振動が入力された場合にお ける前方空間300N 1 の液圧(平衡圧)に対応した値よりも小さなば 定数に設定されているので、前方空間300N 1 の圧力によりピストン305fはスプリング307の 勢力に抗してシリンダー305aの下端へ向けて ライドしていき、図14に示すような姿勢(シ ンダー305aの下死点に位置する。)に維持さ る。

 この状態はシェイクモードに切り替わった 態であり、ピストン305eの環状周壁305e 2 により開口305b 3 が閉塞され、液体は通路305の溝305b 1 及び溝305b 2 を通して主液室300M 1 と副液室300M 2 を行き来することとなり、この通路を通過す る際の液注共振によってシェイク振動が速や かに吸収、軽減される。

 上記のエンジンマウントにおいて、アイド 振動が入力された場合にはシェイク振動と 様に、ゴム弾性部材301が弾性変形し、これ 伴い主液室300M 1 では液圧の変化が生じその際の液圧上昇(周 的)により逆止弁305dを通して主液室300M 1 からシリンダー305aの前方空間300N 1 に向けて液体が流入する。

 このとき、前方空間300N 1 内の液圧も主液室300M 1 と同様に圧力が上昇することとなるが、ピス トン305fを弾性支持するスプリング307はアイ ル振動が入力された場合における前方空間30 0N 1 の液圧(平衡圧)に対応する値よりも大きなば 定数に設定されている。

 したがって、ピストン305fが図10に示すよう 状態にある場合(ピストン305eが上死点にあ 場合)にはその状態がそのまま維持される。
 図14に示すようにピストン305fが下死点にあ 場合には、スプリング307の付勢力により下 点から上死点へとスライドし、これにより 路305bの開口305b 3 が開放されアイドルモードへと切り替わる。

 通路305bの開口305b 3 は溝305b 2 よりも流通抵抗が小さく設定されていること から、アイドルモードへ切り替えられると液 体は通路305b 1 から開口305b 3 を優先的に通って主液室300M 1 、副液室300M 2 を行き来し、その際の液注共振によってアイ ドル振動が速やかに吸収、軽減される。

 本発明にしたがう防振装置は、ホルダー305e のフランジ部305e 3 の上下にシール部材306a、306bが加圧状態で配 されており、切欠部K 1 、K 2 によってシリンダー305aの先端部分における 接面積が局所的に小さくなることがあって その部位において確実なシールが可能とな 、液漏れに起因した振動の吸収、軽減効果 低下することはない。

 また、本発明にしたがうエンジンマウン は、液圧変化を駆動力としてピストン305fを 作動させるので、電磁ソレノイドや空圧ソレ ノイド等を用いた制御手段は不要であり、し かも、かかる制御手段が不要な分、エンジン マウントそのものを小型化できる利点がある 。

 なお、本発明においては、液注共振を主 として振動の吸収、軽減を図るものである 、実際には液体が通路305bを通過する際の粘 性抵抗や圧力損失によっても振動は吸収、軽 減される。

 ピストンの上端部において従来生じてい 液漏れを確実に回避できる防振装置が提供 きる。

 以上、特定の実施形態を参照して本発明を 細に記載及び図示したが、其の記載は限定 な意味で解釈されることを意味しておらず 本発明の他の実施形態は、本願明細書を参 することにより、当業者にとって明らかに ろう。
 すなわち、開示した実施形態の様々な変更 可能であり、従って、本願の請求の範囲に 載した発明の範囲から逸脱せずに、其のよ な変更を行うことができる。