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Patent Searching and Data


Title:
VEHICULAR BRAKING FORCE CONTROL DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/031587
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a vehicular braking force control device comprising an engine (11) for applying a driving force to vehicular drive wheels (17L and 17R), a control differential (15) for distributing the driving force to the left and right drive wheels (17L and 17R), and an electronic control type brake device (18) for applying a braking force independently to the left and right drive wheels (17L and 17R). An ECU (31) is constituted to control the engine (11), the control differential (15) and the electronic control type brake device (18) in accordance with the running state of the vehicle. The ECU (31) quits the action of the control differential (15), when the electronic control type brake device (18) acts, thereby to avoid an abrupt load input to a driving force distributing mechanism irrespective of the running state of the vehicle and to make the device simple and light.

Inventors:
MIZOGUCHI YOJI (JP)
TAGUCHI KOJI (JP)
KATO HIROKAZU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065895
Publication Date:
March 12, 2009
Filing Date:
September 03, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
MIZOGUCHI YOJI (JP)
TAGUCHI KOJI (JP)
KATO HIROKAZU (JP)
International Classes:
B60K23/04; B60T8/1755; B60W10/04; B60W10/06; B60W10/12; B60W10/18; B60W10/188; B60W30/02; B60W30/184; F16H48/20; F16H48/22
Foreign References:
JP2000344077A2000-12-12
JPH1029557A1998-02-03
JP2002120711A2002-04-23
JP2004161197A2004-06-10
JPH08108775A1996-04-30
Attorney, Agent or Firm:
SAKAI, Hiroaki (Kasumigaseki Building2-5, Kasumigaseki 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo 20, JP)
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Claims:
 車両に搭載された駆動源と、該駆動源の駆動力を左右の車輪への配分を行う駆動力配分機構と、左右の車輪に対して独立して制動力を付与する制動力付与機構と、車両の運転状態に応じて前記駆動力配分機構及び前記制動力付与機構を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記制動力付与機構の作動状態に応じて前記駆動力配分機構の作動を制御する駆動力配分制御部を有することを特徴とする車両の制駆動力制御装置。
 前記駆動力配分制御部は、前記制動力付与機構が作動するときに前記駆動力配分機構により左右の車輪の駆動力配分比が小さくなるように制御することを特徴とする請求項1に記載の車両の制駆動力制御装置。
 前記駆動力配分制御部は、前記制動力付与機構が作動するときに前記駆動力配分機構の作動を中止することを特徴とする請求項1に記載の車両の制駆動力制御装置。
 前記駆動力配分制御部は、現在の車両の運転状態が継続されると前記左右の車輪の速度差が予め設定された基準速度差を超えるかどうかを予測する速度差予測制御部を有し、該速度差予測制御部が、前記左右の車輪の速度差が前記基準速度差を超えると予測したときに、前記駆動力配分制御部は、前記駆動力配分機構の作動を中止することを特徴とする請求項3に記載の車両の制駆動力制御装置。
 前記駆動力配分制御部は、現在の車両の運転状態に基づいて前記左右の車輪の速度差が予め設定された基準速度差を超えたかどうかを判定する速度差判定制御部を有し、該速度差判定制御部が、前記左右の車輪の速度差が前記基準速度差を超えたと判定したときに、前記駆動力配分制御部は、前記駆動力配分機構の作動を中止することを特徴とする請求項3または4に記載の車両の制駆動力制御装置。
 前記駆動力配分機構は左右の駆動輪へ駆動力の配分を行うものであり、前記駆動力配分制御部は、前記駆動力配分機構が駆動力を配分する左右の駆動輪に対して、前記制動力付与機構が制動力を付与するときに、前記駆動力配分機構の作動を中止することを特徴とする請求項3から5のいずれか一つに記載の車両の制駆動力制御装置。
 前記駆動力配分制御部は、前記左右の車輪のいずれか一方に対して前記制動力付与機構が作動するときに、前記駆動力配分機構の作動を中止することを特徴とする請求項3から6のいずれか一つに記載の車両の制駆動力制御装置。
 前記駆動力配分制御部は、前記左右の車輪の両方に対して前記制動力付与機構が作動するときに、該制動力付与機構による前記左右の車輪のブレーキ圧の偏差が予め設定された所定値以上のときに前記駆動力配分機構の作動を中止することを特徴とする請求項3から7のいずれか一つに記載の車両の制駆動力制御装置。
 前記駆動力配分制御部が前記駆動力配分機構の作動を制御したとき、前記制御部は、前記駆動源と前記制動力付与機構により車両の制駆動力を制御することを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の車両の制駆動力制御装置。
Description:
車両の制駆動力制御装置

 本発明は、車両の制駆動力制御装置に関 、特に、左右の駆動輪への駆動配分を行う 動力配分機構を有する車両の制駆動力制御 置に関するものである。

 車両における左右の駆動輪の駆動力を配 するものが提案されている。この車両の左 駆動力配分機構としては、左右の駆動輪の 方側の回転速度を所定の変速比で増速また 減速して出力し、この出力部分と左右の駆 輪の他方側とを係合することで、高速回転 から低速回転側へと駆動トルクを伝達する のがある。例えば、左右の駆動輪のうちの 方の駆動輪の回転速度を増速して出力する 、左右の駆動輪の回転速度差の小さい通常 行時には、この出力部分が他方の駆動輪の 転速度よりも高速回転となるので、この出 部分と他方の駆動輪とを係合することで、 方の高速回転側の駆動輪から他方の低速回 側の駆動輪へ駆動トルクが伝達され、所望 駆動力の配分を行うことができる。

 一方、車両には、急制動時や滑りやすい 面での制動時の車輪のロックを防止し、ブ ーキ性能を確保するABS機能と、ステアリン 操作及び車両の安定性を確保するブレーキ シスト機能を有する電子制御ブレーキ装置 搭載されている。また、この電子制御ブレ キ装置は、駆動輪の油圧制御によりエンジ 出力を制御し、駆動輪のスリップを抑え、 面状況に応じた駆動力を確保し、車両の発 加速性、直進性及び旋回安定性を確保するT RC機能を有している。更に、電子制御ブレー 装置は、路面状況や車速、緊急旋回時など 不足な状況、または外的要因などにより車 の横滑りが発生しやすい場合に、エンジン 力とブレーキ制御を協調してこれを緩和す VSC機能を有している。

 そのため、車両の駆動力配分機構により 右の駆動輪の駆動力を配分しているとき、 子制御式ブレーキ装置によりエンジンによ 駆動とブレーキによる制動力が制御される 、車両の運動制御において、電子制御ブレ キ装置により車両全体のモーメントや各車 のスリップ速度の目標値が重視されること ら、駆動力配分機構により分配される左右 駆動輪の速度差を管理することが困難とな 。

 この場合、電子制御式ブレーキ装置によ 制動制御と駆動力配分機構による左右の駆 輪の駆動力配分制御が同時に実行されると 、左右の駆動輪の速度差が大きくなり、目 の車両挙動とすることが困難となる。

 そこで、この問題を解決するものとして 下記特許文献1に記載されたものがある。こ の特許文献1に記載された車両用左右駆動力 整装置では、車両の左右の回転軸間に左右 の駆動力を調整しうる駆動力伝達制御機構 設け、左右輪の回転速度比が変速機構の出 部側と他方の回転軸側とで回転速度の大小 係の変わる境界値よりも大きくなったら、 ルク伝達機構による駆動力伝達制御を中止 ている。

特許第2848126号公報

 上述した従来の車両用左右駆動力調整装 にあっては、左右輪の回転速度比が境界値 りも大きくなったときに駆動力伝達制御を 止しており、駆動力伝達制御機構における 久性の低下を防止することができる。とこ が、車輪がスリップやロックしたり、車両 横滑りしたとき、電子制御ブレーキ装置は これらを抑制するために左右の駆動輪に対 て駆動力または制動力を入力する。この場 、車輪のスリップやロックを抑制するため 、左右の駆動輪に対して入力される動力が 激に変化することとなり、装置の耐久性を げるためには大型化が必要となり、結果と て、駆動力伝達制御機構の簡素化や軽量化 困難となってしまう。

 本発明は、このような問題を解決するた のものであって、車両の走行状態に拘らず 動力配分機構へ急激に変化する荷重入力を 避すると共に装置の簡素化や軽量化を可能 する車両の制駆動力制御装置を提供するこ を目的とする。

 上述した課題を解決し、目的を達成する めに、本発明の車両の制駆動力制御装置は 車両に搭載された駆動源と、該駆動源の駆 力を左右の車輪への配分を行う駆動力配分 構と、左右の車輪に対して独立して制動力 付与する制動力付与機構と、車両の運転状 に応じて前記駆動力配分機構及び前記制動 付与機構を制御する制御部とを備え、前記 御部は、前記制動力付与機構の作動状態に じて前記駆動力配分機構の作動を制御する 動力配分制御部を有することを特徴とする のである。

 本発明の車両の制駆動力制御装置では、 記駆動力配分制御部は、前記制動力付与機 が作動するときに前記駆動力配分機構によ 左右の車輪の駆動力配分比が小さくなるよ に制御することを特徴としている。

 本発明の車両の制駆動力制御装置では、 記駆動力配分制御部は、前記制動力付与機 が作動するときに前記駆動力配分機構の作 を中止することを特徴としている。

 本発明の車両の制駆動力制御装置では、 記駆動力配分制御部は、現在の車両の運転 態が継続されると前記左右の車輪の速度差 予め設定された基準速度差を超えるかどう を予測する速度差予測制御部を有し、該速 差予測制御部が、前記左右の車輪の速度差 前記基準速度差を超えると予測したときに 前記駆動力配分制御部は、前記駆動力配分 構の作動を中止することを特徴としている

 本発明の車両の制駆動力制御装置では、 記駆動力配分制御部は、現在の車両の運転 態に基づいて前記左右の車輪の速度差が予 設定された基準速度差を超えたかどうかを 定する速度差判定制御部を有し、該速度差 定制御部が、前記左右の車輪の速度差が前 基準速度差を超えたと判定したときに、前 駆動力配分制御部は、前記駆動力配分機構 作動を中止することを特徴としている。

 本発明の車両の制駆動力制御装置では、 記駆動力配分機構は左右の駆動輪へ駆動力 配分を行うものであり、前記駆動力配分制 部は、前記駆動力配分機構が駆動力を配分 る左右の駆動輪に対して、前記制動力付与 構が制動力を付与するときに、前記駆動力 分機構の作動を中止することを特徴として る。

 本発明の車両の制駆動力制御装置では、 記駆動力配分制御部は、前記左右の車輪の ずれか一方に対して前記制動力付与機構が 動するときに、前記駆動力配分機構の作動 中止することを特徴としている。

 本発明の車両の制駆動力制御装置では、 記駆動力配分制御部は、前記左右の車輪の 方に対して前記制動力付与機構が作動する きに、該制動力付与機構による前記左右の 輪のブレーキ圧の偏差が予め設定された所 値以上のときに前記駆動力配分機構の作動 中止することを特徴としている。

 本発明の車両の制駆動力制御装置では、 記駆動力配分制御部が前記駆動力配分機構 作動を制御したとき、前記制御部は、前記 動源と前記制動力付与機構により車両の制 動力を制御することを特徴としている。

 本発明の車両の制駆動力制御装置によれ 、駆動源と駆動力配分機構と制動力付与機 とを有し、制御部は、車両の運転状態に応 て駆動力配分機構及び制動力付与機構を制 し、駆動力配分制御部は、制動力付与機構 作動状態に応じて駆動力配分機構の作動を 御する。従って、車両の走行状態に拘らず 制動力付与機構が作動して左右の駆動輪の 度差が急激に大きくなるときには、事前に 動力配分機構の作動を制御するため、駆動 配分機構への急激な荷重入力を回避して駆 力配分機構の大型化を抑制し、装置の簡素 や軽量化を可能とすることができる。

図1は、本発明の一実施例に係る車両の 制駆動力制御装置を表す概略構成図である。 図2は、本実施例の車両の制駆動力制御 装置による車両挙動制御を表すフローチャー トである。

符号の説明

 11 エンジン
 12 自動変速機
 15 制御デフ(駆動力配分機構)
 17L,17R 駆動輪(車輪)
 18 電子制御式ブレーキ装置(制動力付与機 )
 31 電子制御ユニットECU(制御部、駆動力配 中止制御部、速度差予測制御部、速度差判 制御部)
 39L,39R 車輪速センサ
 44L,44R  ブレーキホイールシリンダ

 以下に、本発明に係る車両の制駆動力制 装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明 る。なお、この実施例により本発明が限定 れるものではない。

 図1は、本発明の一実施例に係る車両の制 駆動力制御装置を表す概略構成図、図2は、 実施例の車両の制駆動力制御装置による車 挙動制御を表すフローチャートである。

 本実施例の車両の制駆動力制御装置にお て、図1に示すように、車両には、駆動源と してのエンジン11が搭載されており、このエ ジン11には、自動変速機12が装着されている 。自動変速機12の図示しない出力軸にはプロ ラシャフト13の前端部が連結され、このプ ペラシャフト13の他端部は、ビスカスカップ リング14及び本発明の駆動力配分機構として 制御デファレンシャル(以下、制御デフと称 する。)15が連結されている。そして、この制 御デフ15の左右両側にドライブシャフト16L,16R が一端部が連結され、この左右のドライブシ ャフト16L,16Rの他端部に駆動輪17L,17Rが連結さ ている。

 この制御デフ15は、その詳細を図示しな が、リヤデフに対してその左右に変速機構 トルク伝達機構(クラッチ)が設けられ、この トルク伝達機構は、電動ポンプからの油圧が 油圧制御弁により調圧されて供給することで 、作動することができる。従って、エンジン 11の駆動力が自動変速機12により減速され、 ロペラシャフト13及びビスカスカップリング 14を介して制御デフ15に入力される。すると この駆動力は、リヤデフを介して左右のド イブシャフト16L,16Rに伝達されると共に、一 のドライブシャフト16L(16R)の回転速度が変 機構により増速または減速され、トルク伝 機構を介してリヤデフの入力側へ循環され 。そして、増速または減速された駆動力が ヤデフを介して左右のドライブシャフト16L,1 6Rに伝達される。即ち、他方のドライブシャ ト16R(16L)に対してその回転速度が増速また 減速されることとなり、左右の駆動輪17L,17R 対して駆動力を所望の割合で配分すること できる。

 また、車両には、各駆動輪17L,17Rに対して 制動力を付与する本発明の制動力付与機構と しての電子制御式ブレーキ装置18が搭載され いる。この電子制御式ブレーキ装置18は、 制動時や滑りやすい路面での制動時の車輪 ロックを防止し、ブレーキ性能を確保するAB S機能と、ステアリング操作及び車両の安定 を確保するブレーキアシスト機能と、駆動 の油圧制御によりエンジン出力を制御し、 動輪のスリップを抑え、路面状況に応じた 動力を確保し、車両の発進加速性、直進性 び旋回安定性を確保するTRC機能と、路面状 や車速、緊急旋回時などの不足な状況、ま は外的要因などにより車輪の横滑りが発生 やすい場合に、エンジン出力とブレーキ制 を協調してこれを緩和するVSC機能を有して る。

 即ち、この電子制御式ブレーキ装置18に いて、ブレーキペダル19には、運転者による このブレーキペダル19の踏み込み操作に応答 て作動油を圧送するマスタシリンダ20が接 されており、このマスタシリンダ20は、油圧 ポンプ、増圧弁、減圧弁などから構成される ブレーキアクチュエータ21に連結されている そして、このブレーキアクチュエータ21に イールシリンダ22L,22Rが接続されている。こ ホイールシリンダ22L,22Rは、ブレーキキャリ パを作動させることで、ドライブシャフト16L ,16Rと一体回転するブレーキディスクを挟持 ることで、駆動輪17L,17Rに対して制動力を付 することができる。

 車両には、本発明の制御部としての電子 御ユニット(ECU)31が搭載されており、このECU 31は、CPUを中心とするマイクロプロセッサと て構成されており、CPUの他に処理プログラ を記憶するROMと、データを一時的に記憶す RAMと、入出力ポート及び通信ポートを有し いる。従って、このECU31は、エンジン11、自 動変速機12、制御デフ15、電子制御式ブレー 装置18などを制御可能となっている。

 即ち、ECU31には、イグニッションキース ッチ32と、吸入空気量を検出するエアフロー センサ33と、スロットル操作によるスロット 開度を検出するスロットルポジションセン 34と、アクセルペダル操作によるアクセル 度を検出するアクセルポジションセンサ35と 、エンジン11のクランク角度を検出するクラ ク角センサ36と、車速を検出する車速セン 37が接続されている。

 従って、ECU31は、検出された吸入空気量 スロットル開度、アクセル開度、クランク 度(エンジン回転数)などに基づいてインジェ クタによる燃料噴射量や燃料噴射時期、点火 プラグによる点火時期を設定し、エンジン11 制御している。

 また、ECU31には、シフト位置を検出する フトポジションセンサ38が接続されている。 従って、ECU31は、検出されたスロットル開度 アクセル開度、クランク角度(エンジン回転 数)、車速、シフト位置などに基づいて変速 、変速時期を設定し、自動変速機12を制御し ている。

 また、ECU31には、駆動輪17L,17Rの回転速度( 以下、車輪速と称する。)を検出する車輪速 ンサ39L,39Rと、ステアリングによる操舵角を 出するステアリングセンサ40と、車両の加 度及び減速度を検出するGセンサ41、車両の ー角を検出するヨーレイトセンサ42が接続さ れている。従って、ECU31は、検出された車輪 、操舵角、加速度及び減速度、ヨー角など 基づいて左右の駆動輪17L,17Rへの駆動力配分 を設定し、制御デフ15を制御している。

 更に、ECU31には、ブレーキペダル19の踏み 込み量(ブレーキペダルストローク)を検出す ブレーキペダルストロークセンサ43と、ホ ールシリンダ22L,22Rの油圧(ホイールシリンダ 圧)を検出する圧力センサ44L,44Rが接続されて る。従って、ECU31は、検出したブレーキペ ルストローク、ホイールシリンダ圧、車輪 などに基づいて左右の駆動輪17L,17Rの制動圧 設定し、油圧ポンプ、増圧弁、減圧弁を作 して電子制御式ブレーキ装置18を制御して る。

 即ち、ECU31は、運転者によるアクセルペ ル操作やステアリング操作に基づいて、エ ジン11及び自動変速機を駆動制御することで 、出力する駆動力を調整し、制御デフ15を制 することで、左右の駆動輪17L,17Rへの駆動力 配分を調整し、運転者によるブレーキペダル 操作に基づいて電子制御式ブレーキ装置18を 御することで、駆動輪17L,17Rの制動力を制御 している。また、ECU31は、車両の運転状態、 まり、駆動輪17L,17Rのロックやスリップ、路 面状況、外的要因などに基づいて制御デフ15 電子制御式ブレーキ装置18を制御している

 ところで、ECU31が、制御デフ15を作動して 左右の駆動輪17L,17Rの駆動力を配分している き、電子制御式ブレーキ装置18を作動し、左 右の駆動輪17L,17Rに対して制動力を付与する 、車両の運動制御において、電子制御ブレ キ装置18により車両全体のモーメントや各駆 動輪17L,17Rのスリップ速度の目標値が重視さ ることから、制御デフ15により分配される左 右の駆動輪17L,17Rの速度差が急激に大きくな 。このように左右の駆動輪17L,17Rの速度差が 激に大きくなると、制御デフ15に対して急 に大きな負荷が作用するため、装置の耐久 を確保するためには大型化が必要となって まう。

 そこで、本実施例の車両の制駆動力制御 置では、ECU(制御部)31は、電子制御式ブレー キ装置(制動力付与機構)18が作動するときに 制御デフ(駆動力配分機構)15の作動を中止(駆 動力配分中止制御部)するようにしている。 ち、ECU(駆動力配分中止制御部)31は、現在の 両の運転状態が継続されると、左右の駆動 17L,17Rの速度差が予め設定された基準速度差 を超えるかどうかを予測(速度差予測制御部) 、左右の駆動輪17L,17Rの速度差が基準速度差 を超えると予測したときには、事前に制御デ フ15の作動を中止するようにしている。なお この基準速度差は、装置自体の特性、例え 、降伏応力などの耐久性や車両の挙動特性 どに基づいて設定されるものである。

 具体的には、左右の駆動輪17L,17Rのいずれ か一方に対して電子制御式ブレーキ装置18が 動して制動力を付与しているときには、制 デフ15の作動を中止している。また、左右 駆動輪17L,17Rの両方に対して電子制御式ブレ キ装置18が作動して制動力を付与している きには、電子制御式ブレーキ装置18による左 右の駆動輪17L,17Rのブレーキ圧(ホイールシリ ダ圧)の偏差が予め設定された所定値以上の ときに、制御デフ15の作動を中止している。

 なお、ECU31は、左右の駆動輪17L,17Rの速度 が基準速度差を超えるかどうかを予測する に、現在の車両の運転状態に基づいて左右 駆動輪17L,17Rの速度差が基準速度差を超えて いるかどうかを判定(速度差判定制御部)し、 右の駆動輪17L,17Rの速度差がこの基準速度差 を超えたと判定したときには、制御デフ15の 動を中止している。

 そして、ECU31は、制御デフ15の作動を中止 したとき、エンジン11と電子制御式ブレーキ 置18により車両の駆動力と制動力を制御す ようにしている。

 ここで、上述した本実施例の車両の制駆 力制御装置による車両挙動制御について、 2のフローチャートに基づいて詳細に説明す る。

 本実施例の車両の制駆動力制御装置によ 車両挙動制御において、図2に示すよう、ECU 31は、ステップS11では、駆動輪17L,17Rの目標制 駆動力を演算する。この場合、アクセル開度 、操舵角、ヨー角、車速、加速度及び減速度 、ブレーキペダルストローク(または、ブレ キ踏力)などに基づいて目標制駆動力を演算 る。続いて、ステップS12では、左右の駆動 17L,17Rの速度差を演算する。この場合、駆動 輪17L,17Rの車輪側の偏差に基づいて演算する

 そして、ステップS13にて、ECU31は、現在 左右の駆動輪17L,17Rの速度差が基準速度差を えているかどうかを判定する。ここで、現 の左右の駆動輪17L,17Rの速度差が基準速度差 を超えていると判定したときには、ステップ S17に移行し、制御デフ15の作動を中止し、駆 輪17L,17Rの目標制駆動力を、総駆動力制御、 ブレーキ制御のみにより配分する。この配分 方法については、後述する。

 一方、ステップS13にて、ECU31は、現在の左 の駆動輪17L,17Rの速度差が基準速度差を超え いないと判定したときには、ステップS14に 、左右の駆動輪17L,17Rの速度差が基準速度差 を超えるかどうかを予測する。この場合、2 の判定処理により左右の駆動輪17L,17Rの速度 が基準速度差を超えるかどうかを予測する 第1の判定処理では、例えば、駆動輪17L,17R 車輪速と車両の速度とを比較して予測する 即ち、駆動輪17L,17Rの車輪速をV H とし、車速から求めた駆動輪17L,17Rの位置の 輪速換算値をV B とすると、下記数式1に基づいて判定するこ ができる。

 ここで、V H が0.95V B 以下の場合、駆動輪17L,17Rがスリップしてい ことが推定でき、V H が1.1V B 以上の場合、駆動輪17L,17Rがロックしている とが推定できる。従って、上記数式1を満た ていないときは、左右の駆動輪17L,17Rがスリ ップしていると判定することができる。

 また、例えば、路面摩擦係数μ及び駆動 17L,17Rの制駆動力Fx、横力Fy、接地荷重Fzを用 て予測する。即ち、これらを用いて、下記 式2に基づいて判定することができる。この 場合、車両重量と各駆動輪17L,17Rの制動力ま は駆動力に基づいて路面摩擦係数μを算出し ている。この場合、駆動輪17L,17Rの制駆動力Fx 、横力Fy、接地荷重Fzは、予め車両に装着さ たセンサにより計測してもよく、また、Gセ サ41の検出値に基づいて車重、エンジン出 、ブレーキ力などを考慮して算出してもよ 。

 ここで、路面摩擦係数μと駆動輪17L,17Rの 駆動力Fxの乗算値が駆動輪17L,17Rの制駆動力F xと横力Fyの加算値以上の場合には、スリップ が発生するものと予測することができる。従 って、上記数式2を満たしていないときは、 右の駆動輪17L,17Rがスリップしていると判定 ることができる。

 続いて、第2の判定処理では、第1の判定 理で、駆動輪17L,17Rのスリップが判定された き、そのスリップが発生した駆動輪17L,17Rの 数に応じて左右の駆動輪17L,17Rの速度差が基 速度差を超えているかどうかを予測する。 ち、駆動輪17L,17Rのうちスリップ輪が0輪であ ると判定された場合、左右の駆動輪17L,17Rの 度差が基準速度差を超えると予測しない。 た、駆動輪17L,17Rのうちスリップ輪が1輪であ ると判定された場合、左右の駆動輪17L,17Rの 度差が基準速度差を超えると予測する。

 更に、駆動輪17L,17Rのうちスリップ輪が2 であると判定された場合、下記数式3に基づ て左右の駆動輪17L,17Rの速度差が基準速度差 を超えるものと予測するかどうかを判定する 。この場合、左右の駆動輪17L,17Rにおけるホ ールシリンダ圧をPL,PRとし、左右の駆動輪17L ,17Rにおける路面摩擦係数をμL,μRとし、判定 値をcとする。

 ここで、左の駆動輪17Lにおけるホイール リンダ圧PLと路面摩擦係数μLとの換算値と 右の駆動輪17Rにおけるホイールシリンダ圧PR と路面摩擦係数μRとの換算値との偏差の絶対 値が判定閾値c以下であると、電子制御式ブ ーキ装置18は、左右の駆動輪17L,17Rで異なる 御をしているものと推定することができる 従って、上記数式3を満たしていないときは 左右の駆動輪17L,17Rの速度差が基準速度差を 超えると予測する。

 なお、ここで、左の駆動輪17Lにおけるホ ールシリンダ圧PLと路面摩擦係数μLとの換 値、右の駆動輪17Rにおけるホイールシリン 圧PRと路面摩擦係数μRとの換算値は、下記数 式4を用いて算出することができる。

 そして、ステップS15にて、左右の駆動輪1 7L,17Rの速度差が基準速度差を超えると予測し たときには、ステップS17に移行し、制御デフ 15の作動を中止し、駆動輪17L,17Rの目標制駆動 力を、総駆動力制御、ブレーキ制御のみによ り配分する。一方、左右の駆動輪17L,17Rの速 差が基準速度差を超えることはないと予測 たときには、ステップS16に移行し、駆動輪17 L,17Rの目標制駆動力を、総駆動力制御、制御 フ15、ブレーキ制御により配分する。

 ここで、ステップS16にて、駆動輪17L,17Rの 目標制駆動力を、総駆動力制御、制御デフ15 ブレーキ制御により配分する方法について 明する。

(1)駆動輪17L,17Rの目標制駆動力が最低駆動力 上の場合であって、左右の駆動輪17L,17Rの駆 力FxRL,FxRRの差が制御デフ15の許容基準値D以 の場合は、エンジン11の総駆動力制御と制 デフ15の車輪速度差制御と電子制御式ブレー キ装置18のブレーキ(制動力)制御とに対して 記のように配分する。なお、最低駆動力と 、エンジンブレーキにより発生する制動力 ある。また、制御デフ15の許容基準値Dとは 制御デフ15が制御可能な左右の駆動輪17L,17R 速度差の上限値である。
 エンジン:FxRL+FxRR
 制御デフ:FxRL-FxRR
 電子制御式ブレーキ装置:
左駆動輪:0
右駆動輪:0

(2)駆動輪17L,17Rの目標制駆動力が車両の最低 動力以上の場合であって、左右の駆動輪17L,1 7Rの駆動力差FxRL,FxRRの差が制御デフ15の許容 準値D外の場合は、エンジン11と制御デフ15と 電子制御式ブレーキ装置18とに対して下記の うに配分する。
 エンジン:FxRL+FxRR+|FxRL-FxRR|-D
 制御デフ:D
 電子制御式ブレーキ装置:
FxRL<FxRRのとき
左駆動輪:-(FxRR-FxRL-D)
右駆動輪:0
FxRL>FxRRのとき
左駆動輪:0
右駆動輪:-(FxRL-FxRR-D)

(3)駆動輪17L,17Rの目標制駆動力が車両の最低 動力以下の場合は、エンジン11と制御デフ15 電子制御式ブレーキ装置18とに対して下記 ように配分する。
 エンジン:0
 制御デフ:0
 電子制御式ブレーキ装置:
左駆動輪:Min(0,FxRL)
右駆動輪:Min(0,FxRR)

 次に、ステップS17にて、駆動輪17L,17Rの目 標制駆動力を、総駆動力制御、ブレーキ制御 により配分する方法について説明する。

(1)駆動輪17L,17Rの目標制駆動力が最低駆動力 上の場合は、エンジン11と電子制御式ブレー キ装置18とに対して下記のように配分する。
 エンジン:FxRL+FxRR+|FxRL-FxRR|
 電子制御式ブレーキ装置:
FxRL<FxRRのとき
左駆動輪:-(FxRR-FxRL-D)
右駆動輪:0
FxRL>FxRRのとき
左駆動輪:0
右駆動輪:-(FxRL-FxRR-D)

(2)駆動輪17L,17Rの目標制駆動力が車両の最低 動力以下の場合は、エンジン11と電子制御式 ブレーキ装置18とに対して下記のように配分 る。
 エンジン:0
 電子制御式ブレーキ装置:
左駆動輪:Min(0,FxRL)
右駆動輪:Min(0,FxRR)

 このように本実施例の車両の制駆動力制 装置にあっては、車両の駆動輪17L,17Rに駆動 力を付与するエンジン11と、この駆動力を左 の駆動輪17L,17Rへの配分を行う制御デフ15と 左右の駆動輪17L,17Rに対して独立して制動力 を付与する電子制御式ブレーキ装置18とを設 、ECU31は、車両の運転状態に応じてエンジ 11と制御デフ15と電子制御式ブレーキ装置18 制御可能に構成し、このECU31は、電子制御式 ブレーキ装置18が作動するときに制御デフ15 作動を中止するようにしている。

 従って、車両の走行状態に拘らず、電子 御式ブレーキ装置18が作動して左右の駆動 17L,17Rの速度差が基準速度差を超えるような きには、事前に制御デフ15の作動を中止す ため、制御デフ15への急激な荷重入力を回避 し、この制御デフ15の耐久性が向上し、装置 大型化を抑制して小型軽量化を可能とする とができる。なお、ここで、急激な荷重入 とは、入力される荷重の変化量が大きいこ であり、本実施例では、この変化量を抑え ことができる。

 この場合、ECU31は、現在の車両の運転状 が継続されると、左右の駆動輪17L,17Rの速度 が予め設定された基準速度差を超えるかど かを予測し、左右の駆動輪17L,17Rの速度差が 基準速度差を超えると予測したときには、制 御デフ15の作動を中止するようにしている。

 従って、電子制御式ブレーキ装置18が作 するとき、左右の駆動輪17L,17Rに速度差が発 することが推測されることから、左右の駆 輪17L,17Rの速度差が基準速度差を超えるかど うかを予測することで、早期に制御デフ15へ 急激な荷重入力を予測し、これを回避する とができ、簡単な構成で制御デフ15の耐久 を向上することができる。

 具体的に、ECU31は、左右の駆動輪17L,17Rの 方に対して電子制御式ブレーキ装置18が作 するときに、制御デフ15の作動を中止し、左 右の駆動輪17L,17Rの両方に対して電子制御式 レーキ装置18が作動するときには、左右の駆 動輪17L,17Rのホイールシリンダ圧の偏差が予 設定された所定値以上のときに制御デフの 動を中止している。従って、スリップ輪や 動輪17L,17Rのホイールシリンダ圧に応じて制 デフ15の作動及び停止を判定することがで 、制御性を向上することができる。

 また、本実施例にて、ECU31は、現在の車 の運転状態に基づいて左右の駆動輪17L,17Rの 度差が予め設定された基準速度差を超えた どうかを判定し、この駆動輪17L,17Rの速度差 が基準速度差を超えていないと判定したとき には、現在の車両の運転状態が継続されると 、左右の駆動輪17L,17Rの速度差が基準速度差 超えるかどうかを予測するようにしている 従って、制御デフ15への急激な荷重入力を適 正に判定し、制御デフ15の作動及び停止を高 度に判定することができる。

 そして、本実施例では、ECU31は、制御デ 15の作動を中止したとき、エンジン11と電子 御式ブレーキ装置18により車両の制駆動力 制御するようにしている。従って、制御デ 15に負担をかけずに運転者の希望にそって車 両を安定走行させることができる。

 なお、上述した実施例では、電子制御式 レーキ装置18が作動するときに制御デフ15の 作動を中止するようにしたが、この構成に限 定されるものではない。即ち、本発明の車両 の制駆動力制御装置は、電子制御式ブレーキ 装置18の作動状態に応じて制御デフ15の作動 制御するものであることから、例えば、電 制御式ブレーキ装置18が作動するときに、制 御デフ15により左右の車輪の駆動力配分比が さくなるように制御してもよい。即ち、制 デフ15への急激な荷重入力を回避できるよ に、左右の車輪の駆動力配分比が1:1に近く るように制御すればよい。更に、左右の車 の駆動力配分比が小さくなるように制御す だけでなく、制駆動力制御装置が要求する 動力配分に近づけるように、この駆動力配 を補正してもよい。つまり、電子制御式ブ ーキ装置18の動作状況に応じて、制御デフ15 制御を補正する構成であれば、いかなる構 でもよい。

 なお、上述した実施例では、本発明の車 の制駆動力制御装置を、駆動源をエンジン けとする車両に適用して説明したが、駆動 をエンジンとモータとするハイブリッド車 に適用することもできる。

 以上のように、本発明に係る車両の制駆 力制御装置は、制動力付与機構の作動状態 応じて駆動力配分機構の作動を制御するこ で、車両の走行状態に拘らず左右の駆動輪 速度差による急激な荷重入力を回避して装 の簡素化や軽量化を可能とするものであり 駆動力配分機構及び制動力付与機構を有す 車両に適用して有用である。