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Title:
VALVE SPRING DEVICE, AND VALVE TRAIN MECHANISM ADAPTED FOR USE IN ENGINE AND HAVING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/022606
Kind Code:
A1
Abstract:
A valve spring device (16A) has a first coil spring (41) and a second coil spring (42) that are combined in series with each other. The inside diameter (coil inside diameter) of the second coil spring (42) is larger than the outside diameter (coil outside diameter) of the first coil spring (41). That part of the first coil spring (41) which extends in the direction of its axis (X) and includes its end portion (41c) is inserted into the inside of the second coil spring (42) to form a combination spring. The end portion (41c) of the first coil spring (41) and an end portion (42b) of the second coil spring (42) are connected together by a connection member (43). The first coil spring (41) and the second coil spring (42) are arranged in series between a cylinder head (10) and a retainer (22) while being compressed in the direction of the axis (X). A shaft portion (20) of a valve (15) is inserted into the inside of the coil springs (41, 42).

Inventors:
IWATA KAZUO (JP)
TAKAMURA NORITOSHI (JP)
TOMINAGA JUN (JP)
TAJIMA NORIHITO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/064134
Publication Date:
February 19, 2009
Filing Date:
August 06, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NHK SPRING CO LTD (JP)
IWATA KAZUO (JP)
TAKAMURA NORITOSHI (JP)
TOMINAGA JUN (JP)
TAJIMA NORIHITO (JP)
International Classes:
F01L3/10; F16F3/04
Foreign References:
JPS55112008U1980-08-06
JPH08177422A1996-07-09
JPS549207U1979-01-22
Attorney, Agent or Firm:
SUZUYE, Takehiko et al. (1-12-9Toranomon, Minato-ku, Tokyo 01, JP)
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Claims:
 エンジンのポート(11)に設けられたバルブ(15)を閉弁方向に付勢する弁ばね装置(16A,16C,16D)であって、
 該弁ばね装置は、
 前記バルブ(15)のリテーナ(22)側に配置される第1のコイルばね(41)と、
 シリンダヘッド(10)側に配置されかつ前記第1のコイルばね(41)と直列に接続される第2のコイルばね(42)とを具備し、かつ、
 前記第2のコイルばね(42)の内径が前記第1のコイルばね(41)の外径よりも大きく、
 前記第1のコイルばね(41)の端部(41c)を含む軸線(X)方向の一部が前記第2のコイルばね(42)の内側に挿入され、
 前記第1のコイルばね(41)の端部(41c)と前記第2のコイルばね(42)の端部(42b)とが接続部材(43)によって互いに接続され、
 前記バルブ(15)の軸部(20)が前記第1のコイルばね(41)と第2のコイルばね(42)の内側を挿通し、
 前記第1のコイルばね(41)と第2のコイルばね(42)が前記リテーナ(22)と前記シリンダヘッド(10)との間に圧縮した状態で取付けられている。
 エンジンのポート(11)に設けられたバルブ(15)を閉弁方向に付勢する弁ばね装置(16B,16E)であって、
 該弁ばね装置は、
 前記バルブ(15)のリテーナ(22)側に配置される第1のコイルばね(41)と、
 シリンダヘッド(10)側に配置されかつ前記第1のコイルばね(41)と直列に接続される第2のコイルばね(42)とを具備し、かつ、
 前記第1のコイルばね(41)の内径が前記第2のコイルばね(42)の外径よりも大きく、
 前記第2のコイルばね(42)の端部(42b)を含む軸線(X)方向の一部が前記第1のコイルばね(41)の内側に挿入され、
 前記第1のコイルばね(41)の端部(41c)と前記第2のコイルばね(42)の端部(42b)とが接続部材(43)によって互いに接続され、
 前記バルブ(15)の軸部(20)が前記第1のコイルばね(41)と第2のコイルばね(42)の内側を挿通し、
 前記第1のコイルばね(41)と第2のコイルばね(42)が前記リテーナ(22)と前記シリンダヘッド(10)との間に圧縮した状態で取付けられている。
 請求項1または2に記載された弁ばね装置において、
 前記バルブ(15)のリフト量が所定の値を超えたとき、前記第1のコイルばね(41)と前記第2のコイルばね(42)のいずれか一方の素線(41a,42a)の少なくとも一部が密着する。
 請求項1または2に記載された弁ばね装置において、
 前記バルブ(15)が閉弁位置にあるときに前記第1のコイルばね(41)と前記第2のコイルばね(42)のいずれか一方の素線(41a,42a)の少なくとも一部が密着する。
 請求項1または2に記載された弁ばね装置において、
 前記第2のコイルばね(42)が圧縮され予荷重が与えられた状態で該コイルばね(42)が所定長さ以上伸びないようにストッパ(60)によって拘束され、前記バルブ(15)のリフト量が小さいうちは前記第1のコイルばね(41)のみが圧縮されて撓み、前記バルブ(15)のリフト量が所定値を越えたときに前記第2のコイルばね(42)が前記所定長さ以下に圧縮されて撓む。
 エンジンの動弁機構であって、
 請求項1に記載された弁ばね装置と、
 エンジンのシリンダヘッド(10)に形成されたポート(11)を開閉する弁体(21)と軸部(20)およびリテーナ(22)を有するバルブ(15)と、
 回転するカム(31)によって前記バルブ(15)の前記軸部(20)を前記弁体(21)の開弁方向に駆動する駆動機構(17)とを具備している。
 エンジンの動弁機構であって、
 請求項2に記載された弁ばね装置と、
 エンジンのシリンダヘッド(10)に形成されたポート(11)を開閉する弁体(21)と軸部(20)およびリテーナ(22)を有するバルブ(15)と、
 回転するカム(31)によって前記バルブ(15)の前記軸部(20)を前記弁体(21)の開弁方向に駆動する駆動機構(17)とを具備している。
 エンジンの動弁機構であって、
 請求項3に記載された弁ばね装置と、
 エンジンのシリンダヘッド(10)に形成されたポート(11)を開閉する弁体(21)と軸部(20)およびリテーナ(22)を有するバルブ(15)と、
 回転するカム(31)によって前記バルブ(15)の前記軸部(20)を前記弁体(21)の開弁方向に駆動する駆動機構(17)とを具備している。
 エンジンの動弁機構であって、
 請求項4に記載された弁ばね装置と、
 エンジンのシリンダヘッド(10)に形成されたポート(11)を開閉する弁体(21)と軸部(20)およびリテーナ(22)を有するバルブ(15)と、
 回転するカム(31)によって前記バルブ(15)の前記軸部(20)を前記弁体(21)の開弁方向に駆動する駆動機構(17)とを具備している。
 エンジンの動弁機構であって、
 請求項5に記載された弁ばね装置と、
 エンジンのシリンダヘッド(10)に形成されたポート(11)を開閉する弁体(21)と軸部(20)およびリテーナ(22)を有するバルブ(15)と、
 回転するカム(31)によって前記バルブ(15)の前記軸部(20)を前記弁体(21)の開弁方向に駆動する駆動機構(17)とを具備している。
Description:
弁ばね装置と、それを用いたエ ジンの動弁機構

 本発明は、例えば自動車等のエンジンに けられる弁ばね装置と、該弁ばね装置を用 た動弁機構(valve train)に関する。

 内燃機関(以下、単にエンジンと称する) 動弁機構は、吸気(intake)用および排気(exhaust) 用のバルブと、弁ばねと、駆動機構などを含 んでいる。前記各バルブは、それぞれ、シリ ンダヘッドに形成されたポートを開閉する。 前記弁ばねは、前記バルブを閉弁方向に付勢 する。前記駆動機構は、前記バルブを開弁方 向に駆動するカムを備えている。弁ばねの取 付け荷重および最大荷重は、エンジンの高回 転時にバルブがジャンプ(jump)やバウンス(bounc e)を起こさないように適切な値に設定されて る。ジャンプは、カムによって高速で開閉 れるバルブが、最大リフト付近において所 の開弁位置よりも跳ね上がる現象である。 ウンスは、カムの回転に伴ってバルブが閉 たときにバルブが弁座から反発し、全閉状 を維持できなくなる現象である。

 エンジンの高回転時に弁ばねが高速で駆 されると、弁ばねがサージングを起こすこ が知られている。サージングが起きると、 ばねの荷重が変動する。特に、サージング よって弁ばねが自ら圧縮する方向に撓むこ による荷重の低下が、ジャンプやバウンス 原因となる。このため弁ばねの最大荷重は ージングを考慮して高めに設定されている しかし弁ばねの荷重が高くなればなるほど 動弁系のフリクションロスが大きくなり、 ンジンの燃費を悪化させる原因となる。こ ため、弁ばねの荷重を小さくすることが望 れている。

 一方、サージングが増大することを防ぐ めに、不等2段ピッチの弁ばねが提案されて いる。不等2段ピッチの弁ばねは、素線の巻 部間のピッチが小さい密巻き部分と、ピッ が大きい粗巻き部分とを有している。サー ングが発生したときに、前記密巻き部分が 触と離反を繰り返すことにより、サージン をある程度抑制することができる。

 しかし前記不等2段ピッチの弁ばねは、サ ージングが増大したときに共振振動数によっ ては前記密巻き部分と粗巻き部分の双方が振 動し、荷重が低下する。このため、ジャンプ やバウンスを抑制できないことがある。しか も不等2段ピッチの弁ばねは、サージングの り波が、粗巻き部分から密巻き部分に伝播 る。このため、特に大きなサージングに対 てサージング抑制効果が小さいという問題 あった。

 サージングを防止するための弁ばね装置 、日本の特開2000-240705号公報に記載されて る。この弁ばね装置では、圧縮コイルばね らなる弁ばねと、弾性変形可能なワッシャ が直列に配置されている。そして弁ばねに じるサージ波を前記ワッシャによって弾性 に吸収するように構成されている。

 前記の特開2000-240705号公報の弁ばね装置 、2種類のばね(圧縮コイルばねと、弾性変形 可能なワッシャ)が直列に配置されるため、 ばね装置の軸線方向の長さ(セット高さ)が大 きくなる。このためエンジンの高回転時等に 大きな慣性力が発生し、種々の問題を生じる だけでなく、動弁機構が大きくなるためエン ジン上部が大きくなるという問題がある。

 従って本発明の目的は、サージングを抑 でき、しかも軸線方向の寸法を小さくする とができる弁ばね装置と、それを用いたエ ジンの動弁機構を提供することにある。

 本発明は、エンジンのポートに設けられ バルブを閉弁方向に付勢する弁ばね装置で って、該弁ばね装置は、前記バルブのリテ ナ側に配置される第1のコイルばねと、シリ ンダヘッド側に配置されかつ前記第1のコイ ばねと直列に接続される第2のコイルばねと 具備している。第1の発明では、前記第2の イルばねの内径が前記第1のコイルばねの外 よりも大きく、前記第1のコイルばねの端部 を含む軸線方向の一部が前記第2のコイルば の内側に挿入されている。第2の発明では、 記第1のコイルばねの内径が前記第2のコイ ばねの外径よりも大きく、前記第2のコイル ねの端部を含む軸線方向の一部が前記第1の コイルばねの内側に挿入されている。いずれ の場合も、前記第1のコイルばねの端部と前 第2のコイルばねの端部とが接続部材によっ 互いに接続されている。また、前記バルブ 軸部が前記第1のコイルばねと第2のコイル ねの内側を挿通し、前記第1のコイルばねと 2のコイルばねが前記リテーナと前記シリン ダヘッドとの間に圧縮した状態で取付けられ ている。第1のコイルばねと第2のコイルばね 、互いに異なるばね特性を有している。

 本発明によれば、互いにばね特性が異な 第1のコイルばねと第2のコイルばねを直列 組合わせたことによりサージングの発生を 制することができる。しかも2種類のコイル ねが「入れ子」状に配置されるため、軸線 向の合計長さ(セット高さ)が大きくなるこ を抑制でき、高速で往復運動する動弁機構 慣性力を小さくすることができる。これら 1のコイルばねと第2のコイルばねは互いに別 体である。このため弁ばね装置に要求される 耐サージング特性およびセット高さ等に応じ て、互いに異なるばね特性を有する第1のコ ルばねと第2のコイルばねを適宜に選択して 合わせることにより、所望の弁ばね装置を ることができる。

 この発明の好ましい形態の弁ばね装置で 、前記バルブのリフト量が所定の値を超え とき、前記第1のコイルばねと第2のコイル ねのいずれか一方の素線の少なくとも一部 密着する。あるいは、前記バルブが閉弁位 にあるときに前記第1のコイルばねと前記第2 のコイルばねのいずれか一方の素線の少なく とも一部が密着するように構成されていても よい。

 また、前記第2のコイルばねが圧縮され予 荷重が与えられた状態で該コイルばねが所定 長さ以上伸びないようにストッパによって拘 束され、バルブのリフト量が小さいうちは前 記第1のコイルばねのみが圧縮されて撓み、 ルブのリフト量が所定値を越えたときに前 第2のコイルばねが前記所定長さ以下に圧縮 れて撓むように構成されていてもよい。

 本発明の動弁機構は、前記弁ばね装置と エンジンのシリンダヘッドに形成されたポ トを開閉する弁体と軸部およびリテーナを するバルブと、回転するカムによって前記 ルブの前記軸部を前記弁体の開弁方向に駆 する駆動機構とを具備している。

図1は、本発明の第1の実施形態に係る ばね装置を備えた動弁機構の断面図である 図2は、本発明の第2の実施形態に係る ばね装置を備えた動弁機構の断面図である 図3は、本発明の第3の実施形態に係る ばね装置を備えた動弁機構の断面図である 図4は、本発明の第4の実施形態に係る ばね装置を備えた動弁機構の断面図である 図5は、本発明の第5の実施形態に係る ばね装置を備えた動弁機構の断面図である

 以下に本発明に係る弁ばね装置の第1の実 施形態について、図1を参照して説明する。 1に示されるように、エンジンのシリンダヘ ド10に吸気ポート11が形成されている。シリ ンダヘッド10に吸気用の動弁機構12が設けら ている。吸気用の動弁機構12は、バルブ(吸 バルブ)15と、弁ばね装置16Aと、駆動機構17な どを含んでいる。バルブ15は、吸気ポート11 開閉する。弁ばね装置16Aは、バルブ15を閉弁 方向に付勢する。駆動機構17は、バルブ15を 弁方向に駆動する。

 シリンダヘッド10に、排気ポート(図示せ )と、排気ポートを開閉するための排気用の 動弁機構(図示せず)が設けられている。排気 の動弁機構は吸気用の動弁機構12とほぼ同 に構成されているため説明を省略し、以下 吸気用の動弁機構12を代表して説明する。

 吸気ポート11に設けられたバルブ15は、軸 部20と、弁体21と、リテーナ22などを備えてい る。軸部20は軸線Xを有している。弁体21は、 気ポート11を開閉する。ばね受け部材とし 機能するリテーナ22は、軸部20の端部に取付 られている。軸部20は軸線X方向に延びてい 。軸部20は、シリンダヘッド10に設けられた 筒形のバルブガイド23に挿入されている。軸 20はリテーナ22と一体に軸線X方向に往復移 することができる。

 駆動機構17は、カムシャフト30と、カムシ ャフト30に取付けられたカム31と、伝達部材32 とを含んでいる。伝達部材32は、バルブ15と ム31との間に配置されている。カム31は、エ ジンのクランクシャフト(図示せず)の回転 伴って、カムシャフト30を中心として図1に 印Aで示す方向に回転する。

 カム31が矢印A方向に回転すると、バルブ15 軸部20が伝達部材32を介して軸線X方向に往復 運動する。すなわちこのバルブ15は、矢印Bで 示す開弁方向と、矢印Cで示す閉弁方向に往 移動する。駆動機構17の他の形態は、カムに よって駆動されるロッカアーム(図示せず)を え、ロッカアームによってバルブ15を軸線X 向に押すように構成される。この場合には ッカアームが伝達部材として機能する
 弁ばね装置16Aは、シリンダヘッド10に設け れたばね受け部40と、前記リテーナ22との間 配置されている。この弁ばね装置16Aは、圧 コイルばねからなる第1のコイルばね41と、 縮コイルばねからなる第2のコイルばね42と 接続部材43とを備えている。接続部材43は、 コイルばね41,42どうしを直列に接続している 第1のコイルばね41と第2のコイルばね42は、 テーナ22とばね受け部40との間に、圧縮され た状態で配置されている。バルブ15の軸部20 は、駆動機構17によって軸荷重Pが加わる。 荷重Pは、軸線Xに沿って、第1のコイルばね41 と第2のコイルばね42を圧縮する方向に加わる 。

 第1のコイルばね41は、ばね鋼からなる素 41aを螺旋状に巻回してなる。このコイルば 41は、図1において上側に位置する第1の端部 41bと、下側に位置する第2の端部41cとを有し いる。第1の端部41bの端面は、リテーナ22に 接している。第2のコイルばね42も、ばね鋼 らなる素線42aを螺旋状に巻回してなる。こ コイルばね42は、図1において上側に位置す 第1の端部42bと、下側に位置する第2の端部42c とを有している。第2の端部42cの端面は、ば 受け部40に当接している。本実施形態では、 第1のコイルばね41の巻き数が第2のコイルば 42の巻き数よりも多い。しかし第1のコイル ね41と第2のコイルばね42の巻き数が同等であ ってもよいし、あるいは第2のコイルばね42の 巻き数が第1のコイルばね41の巻き数より多く てもよい。

 第2のコイルばね42の内径(コイル内径)は 第1のコイルばね41の外径(コイル外径)よりも 大きい。第1のコイルばね41の下部、すなわち 第2の端部41cを含む軸線X方向の一部が、第2の コイルばね42の内側に挿入されている。つま 第1のコイルばね41と第2のコイルばね42とが 入れ子」状に配置されている。しかもこれ コイルばね41,42が直列に接続されている。

 接続部材43は、内側のばね座44と、外側の ばね座45と、連結部46とを有している。連結 46は、ばね座44,45間に位置している。連結部4 6は、軸線X方向に延びている。内側のばね座4 4に、第1のコイルばね41の第2の端部41cが当接 ている。外側のばね座45に、第2のコイルば 42の第1の端部42bが当接している。接続部材4 3によって、第1のコイルばね41と第2のコイル ね42の径方向の相対位置が規制されている

 接続部材43の中心部に貫通孔47が形成され ている。この貫通孔47に、バルブ15の軸部20と バルブガイド23が挿通されている。バルブ15 軸部20とバルブガイド23は、コイルばね41,42 内部を軸線X方向に挿通している。

 第1のコイルばね41の取付け状態での長さ S1である。第2のコイルばね42の取付け状態 の長さはS2である。本実施形態では、第1の イルばね41の一部が第2のコイルばね42の内側 に挿入されている。このため、弁ばね装置16A の長さS3は、第1のコイルばね41の長さS1と第2 コイルばね42の長さS2の和よりも短い。よっ て2種類のコイルばね41,42を備えていながら、 弁ばね装置16Aのセット高さを低くすることが できるとともに、バルブ15の軸部20を短くす ことが可能である。このため高速で往復運 する動弁機構12の慣性力を低減させることが できる。

 本実施形態の第2のコイルばね42の素線42a 径は、第1のコイルばね41の素線41aの径と同 である。しかし第2のコイルばね42の素線42a 径が第1のコイルばね41の素線41aの径よりも きくもよいし、第1のコイルばね41の素線41a 径が第2のコイルばね42の素線42aの径よりも きくてもよい。要するに弁ばね装置16Aの仕 に応じて、各コイルばね41,42の素線径と巻 数、コイル径などが選択される。

 以下に本実施形態(図1)の弁ばね装置16Aを備 た動弁機構12の作用について説明する。 
 エンジンが回転すると、クランクシャフト 回転に連動して駆動機構17のカム31が図1に 印Aで示す方向に回転する。カム31が回転す ことにより、バルブ15が図1に2点鎖線で示す 弁位置に向かって移動する。

 例えば、図1に示す状態からカム31が矢印A 方向に回転すると、第1のカム面31aに連なる 2のカム面31bによってバルブ15の軸部20が矢印 B方向に押される。このことにより、バルブ15 が図1に2点鎖線で示す開弁位置に向かってリ トするとともに、第1のコイルばね41と第2の コイルばね42が同時に圧縮される。

 バルブ15のリフト量が所定値を越えると 第2のコイルばね42の素線42aの少なくとも一 が密着する。そしてカム31の頂部31cがバルブ 15を押したときに、コイルばね41,42の圧縮量 最大となり、バルブ15が開弁位置(最大リフ 位置)に達する。バルブ15が最大リフト位置 過ぎると、前記とは逆に第1のコイルばね41 第2のコイルばね42が伸び側に撓むことによ 、バルブ15が図1に実線で示す閉弁位置に戻 。

 このように本実施形態のコイルばね41,42 荷重-撓み特性は、バルブ15のリフト量が小 いうちはコイルばね41,42が圧縮されて撓み、 リフト量が増大する途中で第2のコイルばね42 の素線42aが密着するように設定されている。

 エンジンが高回転数で運転されると、第1 のコイルばね41と第2のコイルばね42が軸線X方 向に高速で振動することにより、サージング を生じる可能性が出てくる。第1のコイルば 41にサージングが生じると、サージ波が第2 コイルばね42に伝播する。そして第2のコイ ばね42が密着と離反を繰り返すことにより、 弁ばね装置16Aの固有振動数が変化する。この ため第1のコイルばね41のサージングが抑制さ れる。このことにより、バルブ15の慣性力が 大となる最大リフト付近での弁ばね装置16A 荷重を安定させることができる。

 本実施形態の弁ばね装置16Aは、バルブ15 リフトする途中で第2のコイルばね42の素線42 aが密着するように構成されている。しかし れとは逆に、バルブ15がリフトする途中で、 第1のコイルばね41の素線41aが密着するように 構成されていてもよい。

 図2は、本発明の第2の実施形態に係る弁 ね装置16Bを備えた動弁機構12を示している。 弁ばね装置16Bは、第1の実施形態の弁ばね装 16Aと同様に、第1のコイルばね41と、第2のコ ルばね42とを備えている。第1のコイルばね4 1は、リテーナ22に当接している。第2のコイ ばね42は、シリンダヘッド10によって支持さ ている。コイルばね41,42は、リテーナ22とば ね受け部40との間に、圧縮された状態で直列 配置されている。

 この実施形態の場合、第2のコイルばね42 外径(コイル外径)が第1のコイルばね41の内 (コイル内径)よりも小さい。第2のコイルば 42の端部42bを含む軸線X方向の一部が、第1の イルばね41の内側に挿入されている。それ 外の構成は第1の実施形態の弁ばね装置16Aと 通である。

 図2に示す閉弁位置からカム31が矢印A方向 に回転する。バルブ15が開弁位置に向かって フトする途中で、第2のコイルばね42の素線4 2aの少なくとも一部が密着する。この実施形 の弁ばね装置16Bは、第1の実施形態の弁ばね 装置16Aと同様に、ばね特性が異なる2種類の イルばね41,42が直列に配置されている。この ことにより、サージングを抑制することがで きる。しかも弁ばね装置16Bの軸線X方向の長 S3が大きくなることが抑制されている。なお 、バルブ15がリフトする途中で、第1のコイル ばね41の素線41aが密着するように構成されて てもよい。

 図3は、本発明の第3の実施形態に係る弁 ね装置16Cを備えた動弁機構12を示している。 この弁ばね装置16Cは、バルブ15が閉弁位置に るときに第2のコイルばね42の素線42aが密着 ている点で、第1の実施形態(図1)の弁ばね装 置16Aと相違している。すなわちこの弁ばね装 置16Cは、バルブ15がリフトする前に、第2のコ イルばね42の素線42aが密着する。それ以外は 1の実施形態の弁ばね装置16Aと共通である。

 図3に示す閉弁位置から、カム31が矢印A方 向に回転する。カム31によって軸部20が押さ 、第1のコイルばね41が圧縮されることによ 、バルブ15がリフトする。エンジンが高回転 数で運転され、第1のコイルばね41が軸線X方 に高速で振動することによってサージ波が じると、サージ波が第2のコイルばね42に伝 する。そうすると第2のコイルばね42が密着 離反を繰り返し、高回転数域で弁ばね装置16 Cの固有振動数が変化する。このことにより サージングが抑制される。この実施形態の ばね装置16Cも、ばね特性が互いに異なる2種 のコイルばね41,42が、直列に配置されてい 。しかし軸線X方向の長さS3が大きくなるこ を抑制できる。

 図4は、本発明の第4の実施形態に係る弁 ね装置16Dを備えた動弁機構12を示している。 この弁ばね装置16Dにおいて、第1の実施形態 弁ばね装置16Aと共通の部位には、第1の実施 態の弁ばね装置16Aと共通の符号が付されて る。

 この弁ばね装置16Dも、前記それぞれの実 形態と同様に、第1のコイルばね41と、第2の コイルばね42とを備えている。第1のコイルば ね41は、リテーナ22に当接している。第2のコ ルばね42は、シリンダヘッド10によって支持 されている。コイルばね41,42は、リテーナ22 シリンダヘッド10との間に圧縮された状態で 、直列に配置されている。

 第2のコイルばね42の内径は、第1のコイル ばね41の外径よりも大きい。第1のコイルばね 41の端部41cを含む軸線X方向の一部が、第2の イルばね42の内側に挿入されている。コイル ばね41,42によって、いわゆる「入れ子」状の 合わせばねが構成されている。第1のコイル ばね41の端部41cと第2のコイルばね42の端部42b が、接続部材43によって直列に接続されて る。

 第1のコイルばね41は、リテーナ22と接続 材43の内側のばね座44との間に圧縮した状態 配置されている。第1のコイルばね41の取付 状態での長さはS1である。第1のコイルばね4 1が駆動機構17によって押されていないとき、 このコイルばね41の長さはS1である。第1のコ ルばね41の取付け荷重は、このコイルばね41 が長さS1のときに、軸線X方向に生じる反力で ある。

 第2のコイルばね42は、ストッパ60を有す 保持部材61によって、予め圧縮された状態、 すなわち予荷重を与えた状態で保持されてい る。第2のコイルばね42の取付け状態での長さ はS2である。第2のコイルばね42に与えられた 記予荷重は、第1のコイルばね41の前記取付 荷重よりも大きい。第2のコイルばね42の予 重は、第1のコイルばね41の素線41aの少なく も一部が互いに密着するまで圧縮されたと の軸荷重Pよりも大きい。または、第2のコ ルばね42の予荷重は、第1のコイルばね41の素 線41aが完全密着状態近くまで圧縮されたとき の軸荷重Pよりも大きい。

 コイルばね41,42の荷重-撓み特性は、軸荷 Pが所定値以下のときに第1のコイルばね41の みが撓み、軸荷重Pが前記所定値を越えた状 において第1のコイルばね41と第2のコイルば 42の双方が撓む特性である。

 以下に本実施形態(図4)の弁ばね装置16Dを備 た動弁機構12の作用について説明する。 
 エンジンが回転すると、駆動機構17のカム31 が、図4に矢印Aで示す方向に回転する。バル 15は、図4に実線で示す閉弁位置から、2点鎖 線で示す開弁位置に向かって矢印Bで示す方 に移動する。第1のカム面31aは、第1のコイル ばね41の素線41aの少なくとも一部が密着また 密着に近い状態になるまでは、第1のコイル ばね41のみを撓ませる。すなわち軸荷重Pが小 さいうちは、第1のコイルばね41のみが圧縮さ れてその長さS1が短くなってゆく。

 軸部20が第2のカム面31bによって押され、 荷重Pが増大すると、第1のコイルばね41の素 線41aの少なくとも一部が互いに密着する。そ うすると第1のコイルばね41の荷重(反力)が急 大きくなる。このため第2のコイルばね42も 縮され、その長さS2が短くなってゆく。そ てカム31の頂部31cがバルブ15を押したときに バルブ15が開弁位置(最大リフト位置)となる 。

 バルブ15が最大リフト位置を過ぎると、 記とは逆に、第2のコイルばね42が伸びるこ により、接続部材43がストッパ60に当る。こ ため第2のコイルばね42は、取付け長さS2ま 伸びた時点でストッパ60によって保持される 。さらにカム31が回転してバルブ15が閉弁方 に移動する。このことにより、第1のコイル ね41が取付け長さS1に復帰するとともに、バ ルブ15が全閉状態となる。

 エンジンが高回転数で運転され、第1のコ イルばね41が軸線X方向に高速で振動すると、 サージングを生じる可能性が出てくる。仮に 第1のコイルばね41にサージングが発生しても 、バルブ15のリフト中に第1のコイルばね41の 線41aの少なくとも一部が密着する。このこ により、圧縮方向(軸線X方向)の変位が拘束 れる。このためバルブ15に対する荷重の低 を抑制でき、バルブ15がジャンプやバウンス を生じることを抑制できる。すなわちサージ ングを無害化することができる。

 しかも本実施形態の弁ばね装置16Dは、前 それぞれの実施形態と同様に、コイルばね4 1,42が互いに軸線X方向に分かれている。この め、サージング発生時に第1のコイルばね41 発生するサージ波が、第2のコイルばね42に 播することを防止できる。よってバルブ15 慣性力が最大となる最大リフト付近での弁 ね装置16Dの荷重を安定させることができる

 これらのことにより、第1のコイルばね41 荷重を従来の弁ばねと比べて低く設定する とが可能となり、フリクションロスを低減 ることが可能である。また、ばね特性が互 に異なる2種類のコイルばね41,42を備えてい がら、コイルばね41,42が「入れ子」状に配 されているため、軸線X方向の長さS3を小さ することができる。

 図5は、本発明の第5の実施形態に係る弁 ね装置16Eを備えた動弁機構12を示している。 この弁ばね装置16Eも、前記弁ばね装置16Dと同 様に、ストッパ60によって、第2のコイルばね 42に予荷重を与えている。第2のコイルばね42 、ストッパ60によって、取付け長さS2に保持 されている。第2のコイルばね42の外径(コイ 外径)は、第1のコイルばね41の内径(コイル内 径)よりも小さい。第2のコイルばね42の端部42 bを含む軸線X方向の一部が、第1のコイルばね 41の内側に挿入されている。コイルばね41,42 、いわゆる「入れ子」状の組合わせばねを 成している。それ以外の構成と作用は第4の 施形態(図4)の弁ばね装置16Dと共通である。

 この弁ばね装置16Eも、ストッパ60によっ 第2のコイルばね42に予荷重が与えられてい 。このため、バルブ15のリフト量が小さいう ちは、第1のコイルばね41のみが圧縮されて長 さS1が小さくなってゆく。リフト量が大きく って、第1のコイルばね41の少なくとも一部 密着状態になるかまたは密着状態近くにな と、第2のコイルばね42も圧縮されるため、 2のコイルばね42の長さS2が小さくなってゆ 。

 この実施形態(図5)の弁ばね装置16Eも、第4 の実施形態(図4)の弁ばね装置16Dと同様の理由 により、サージングを抑制することができる 。しかもコイルばね41,42が「入れ子」状に配 されているため、2種類のコイルばね41,42を えていながら、軸線X方向の長さS3を小さく ることができる。

 本発明は前記実施形態に限定されるもの はなく、本発明を実施するに当たって、例 ばバルブや駆動機構、第1のコイルばね、第 2のコイルばね、接続部材をはじめとして、 明の構成要素を適宜に変形して実施するこ ができる。