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Patent Searching and Data


Title:
TURBO-MOLECULAR PUMP
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/136084
Kind Code:
A1
Abstract:
A turbo-molecular pump comprises plural stages of a rotary vane with blades extending radially from a rotating body and a fixed vane with blades arranged radially relative to the rotation axis of the rotary body, which are arranged alternately to each other. The height of the blade installed on the rotary vane in the direction of the rotation axis becomes smaller toward the outer periphery of the rotor.

Inventors:
OISHI KOUTA (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/058740
Publication Date:
November 13, 2008
Filing Date:
April 23, 2007
Export Citation:
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Assignee:
SHIMADZU CORP (JP)
OISHI KOUTA (JP)
International Classes:
F04D19/04
Foreign References:
JPH0261387A1990-03-01
JPH01195992A1989-08-07
JPH1089284A1998-04-07
Attorney, Agent or Firm:
NAGAI, Fuyuki (1-1-3 Nishishinbashi, Minato-ku, Tokyo 03, JP)
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Claims:
 回転体から放射状に形成された複数のブレードを有する回転翼と、前記回転体の回転軸に対して放射状に配置された複数のブレードを有する固定翼とを交互に複数段備えるターボ分子ポンプにおいて、
 前記回転翼に設けられた前記ブレードの前記回転軸の方向の高さを、前記回転翼の外周に近づくほど小さくしたターボ分子ポンプ。
 請求項1に記載のターボ分子ポンプにおいて、
 前記回転翼に設けられた前記ブレードの翼角度を、前記回転翼の外周に近づくほど小さくしたターボ分子ポンプ。
 請求項1または2に記載のターボ分子ポンプにおいて、
 前記固定翼に設けられた前記ブレードの前記回転軸の方向の高さを、前記固定翼の内周に近づくほど小さくしたターボ分子ポンプ。
 請求項3に記載のターボ分子ポンプにおいて、
 前記回転翼と前記固定翼との隙間がほぼ一定となるように、前記ブレードの前記回転軸の方向の高さを設定したターボ分子ポンプ。
 回転体から放射状に形成された複数のブレードを有する回転翼と、前記回転体の回転軸に対して放射状に配置された複数のブレードを有する固定翼とを交互に複数段備えるターボ分子ポンプにおいて、
 前記固定翼に設けられた前記ブレードの前記回転軸の方向の高さを、前記固定翼の内周に近づくほど小さくしたターボ分子ポンプ。
 請求項3~5のいずれか一項に記載のターボ分子ポンプにおいて、
 前記固定翼に設けられた前記ブレードの翼角度を、前記固定翼の外周に近づくほど小さくしたターボ分子ポンプ。
Description:
ターボ分子ポンプ

 本発明は、ターボ分子ポンプに関する。

 ターボ分子ポンプは、固定翼に対して回 翼を高速回転させて真空排気を行うもので る。従来、回転翼および固定翼は平板翼を 定の翼角度で設けていたため、吸気口側か 翼を見た場合に、隣り合う翼と翼との隙間 外周に近付くほど大きくなっている。一般 には、内周と外周の中間における翼寸法お び隙間寸法に基づく性能が目標性能となる うに設計される。しかしながら、外周側で 隙間寸法が大きすぎるとともに、逆に、内 側では隙間寸法が小さすぎて最適な排気性 が得られなかった。

 近年、上述した平板翼に代えて、翼の角 を外周部と内周部とで変化させた「ねじり 」がターボ分子ポンプに採用されつつある( 例えば、特許文献1参照)。このようねじり翼 採用することにより、外周側および内周側 おける隙間寸法を最適化することが可能で る。

特開平10-89284号公報

 しかしながら、ねじり翼では外周部ほど 角度が小さいので、それに応じて外周部ほ 翼面積が大きくなり、外周部の重量増加に る翼根元部分の応力増加が問題となる。一 、応力が大きくなるのを避けようと翼厚さ 薄くして軽量化すると、根元部分の応力は 減されるが、翼の固有振動数が低くなって 振を引き起こしやすくなるという問題があ た。

 本発明によるターボ分子ポンプは、回転体 ら放射状に形成された複数のブレードを有 る回転翼と、回転体の回転軸に対して放射 に配置された複数のブレードを有する固定 とを交互に複数段備え、回転翼に設けられ ブレードの回転軸の方向の高さを、回転翼 外周に近づくほど小さくした。
 本発明によるターボ分子ポンプにおいて、 転翼に設けられたブレードの翼角度を、回 翼の外周に近づくほど小さくすることがで る。あるいは、固定翼に設けられたブレー の回転軸の方向の高さを、固定翼の内周に づくほど小さくすることができる。さらに 回転翼と固定翼との隙間がほぼ一定となる うに、ブレードの回転軸の方向の高さを設 することができる。
 本発明によるターボ分子ポンプの他の態様 は、回転体から放射状に形成された複数の レードを有する回転翼と、回転体の回転軸 対して放射状に配置された複数のブレード 有する固定翼とを交互に複数段備え、固定 に設けられたブレードの回転軸の方向の高 を、固定翼の内周に近づくほど小さくした
 また、本発明のターボ分子ポンプにおいて 固定翼に設けられたブレードの翼角度を、 定翼の外周に近づくほど小さくしても良い

 本発明によれば、排気性能の低下や翼の 動特性の変化を抑えつつ、翼の強度向上を ることができる。

本発明に係るターボ分子ポンプの一実 の形態を示す断面図である。 回転翼21の一部を示す斜視図である。 固定翼11を示す斜視図である。 平板翼を用いた回転翼を示す図であり (a)は斜視図、(b)は回転翼の一部を示す平面 である。 ブレード210の翼形状を説明する図であ 、(a)は平板翼のブレード40とねじり翼のブ ード420とを示し、(b)はブレード420とブレー 210とを示す 回転翼の解析結果を示す図である。 回転翼の解析結果を示す図である。 変形例を示す図である。

 以下、図を参照して本発明を実施するた の最良の形態について説明する。図1は本発 明に係るターボ分子ンプの一実施の形態を示 す図であり、ターボ分子ポンプ本体の断面図 である。ターボ分子ポンプは、図1に示すポ プ本体1と、ポンプ本体1に電源を供給し回転 駆動を制御するコントローラ(不図示)とから る。

 ポンプ本体1のケーシング3の内部には、 数段の回転翼21および回転円筒部22が形成さ たロータ20が設けられている。図2は回転翼2 1の一部を示したものであり、ロータ外周の 周にわたって形成された複数のブレード210 よって、一段分の回転翼21が形成される。ロ ータ20はシャフト7にボルト締結されている。 ロータ20が固定されたシャフト7は、上下一対 のラジアル磁気軸受31,32およびスラスト磁気 受33によって非接触式に支持され、モータ6 より回転駆動される。なお、ロータ20は、 速回転に耐えられるようにアルミ合金など 金属材料で製作される。

 一方、ポンプ本体1のベース10側には、複 段の固定翼11および固定円筒部12が設けられ ている。図3は固定翼11を示す斜視図である。 固定翼11は、半リング状の外枠110および内枠1 12と、その間に形成された複数のブレード111 備えている。この固定翼11をロータ20を囲む ように一対配置することで、一段分の固定翼 11が形成される。そして、軸方向に交互に配 された複数段の回転翼21と複数段の固定翼11 とによりタービンブレード翼部が構成される 。複数段の固定翼11は、外枠110をスペーサ13 挟持されるようにしてケーシング3内の所定 置に保持されている。

 また、タービンブレード翼部の下流側に 置された回転円筒部22と固定円筒部12とによ りモレキュラードラッグポンプ部が構成され ている。回転円筒部22は固定円筒部12の内周 に近接して設けられており、固定円筒部12の 内周面には螺旋溝が形成されている。モレキ ュラードラッグポンプ部では、固定円筒部12 螺旋溝と高速回転する回転円筒部22とによ 、粘性流による排気機能が行われる。

 図1に示すタービンブレード翼部とモレキ ュラードラッグポンプ部とを結合させたター ボ分子ポンプは、広域型ターボ分子ポンプと 称されている。吸気口14から流入したガス分 はタービンブレード翼部によって図示下方 と叩き飛ばされ、下流側に向かって圧縮排 される。その圧縮されたガス分子は、さら モレキュラードラッグポンプ部によって圧 され、排気ポート15から排出される。

 図1に示したターボ分子ポンプでは、吸気 口側から数えて4段目までに関して、固定翼11 および回転翼21の軸方向の高さ寸法である翼 さが、外周部と内周部とで異なっている。 なわち、回転翼21の場合には内周部の方が 周部よりも翼高さが大きくなっている。逆 、固定翼11の場合には、回転翼21の翼高さの 化に合わせて、外周部の方が内周部よりも 高さが大きくなっている。さらに、回転翼2 1の1段目から4段目までには「ねじり翼」を採 用した。図2に示すように、回転翼21の翼角度 は、ブレード210の先端に近づくほど小さくな っている。すなわち、先端部210bの翼角度θ2 、根元部210aの翼角度θ1に比べて小さくなっ いる。

 図4は、比較のために、「平板翼」による 従来の回転翼を示したものである。図4(a)は ータ20に形成された回転翼41を示す斜視図で り、軸方向に複数段形成されたものの一段 を示したものである。この場合、回転翼41 ブレード410の翼角度は、根元部から先端部 で同一となっている。

 図4(b)は、図4(a)に示した回転翼41の一部を 吸気口側から見た平面図である。平面図にお ける回転翼41のブレード410の形状は長方形を しており、根元部から先端部まで同一の幅 法になっている。そのため、隣接するブレ ド410との隙間、すなわち、上方から見たと に見通せる隙間の間隔は、外周側である先 部ほど大きくなっている。図示は省略する 、固定翼の場合も、ブレードの翼形状は回 翼41と同様の「平板翼」が用いられている

 図5は、図1の1段目から4段目の回転翼21に 成されたブレード210の翼形状を説明する図 ある。図5(a)は、翼高さ(軸方向の高さ)が等 い平板翼ブレード410とねじり翼ブレード420 を示したものである。二点差線で示す平板 ブレード410も実線で示すねじり翼420も、根 部においては同一の翼角度θ1を有している そして、平板翼ブレード410は根元部から先 部まで翼角度が同一角度θ1である。一方、 じり翼ブレード420の場合には、根元部から 端部に近づくにつれて翼角度が徐々に小さ なり、先端部では角度θ2(<θ1)となってい 。

 ブレード410,420の翼高さをhとすれば、ブ ード410,420の先端における周方向の幅L1、L2は 、それぞれ、L1=h/tanθ1、L2=h/tanθ2と表され、L2 >L1となっている。すなわち、吸気口側から 見た翼間隙間を小さくすることができ、排気 性能の向上をはかることができる。一方で、 翼先端部分の重量が増加するため、翼の根元 部分の応力(引張応力)が大きくなるという欠 も有している。

 そこで、本実施の形態における回転翼21 は、図1に示したように回転翼21の翼高さを 端部ほど小さくなるようにした。それによ 、ブレード210の重量増加を抑制し、翼根元 の応力を低下させるようにした。図5(b)は図5 (a)に示したねじり翼ブレード420の下側を斜め に削除して回転翼21のブレード210を形成した 合を示す。この場合、先端におけるブレー 210の周方向長さL3はねじり翼ブレード420の 方向長さL2比べると小さいので、排気性能は 若干低下する。しかし、ブレード210の先端部 の翼角度をθ2より大きくすることで、根元部 の応力を変えずに排気性能の低下を防止する ことができる。

 図6は、従来の平板翼、従来のねじり翼お よび本発明による翼を回転翼に適用した場合 の解析結果を示したものであり、根元応力お よび固有振動数を示す。回転数などの計算条 件については全て同一条件とし、ねじれ翼の 角度はいずれの翼の場合もほぼ同程度の排気 性能が得られるように設定した。翼高さに関 しては、従来の平板翼およびねじり翼は径に よらず15mmとし、本発明による翼では外形部 13mm、内径部を17mmとし、外形部と内径部との 中間が15mmとなるようにした。なお、本発明 よる翼については、翼厚さの異なる2種類に いて計算を行った、翼Aは従来の平板翼およ びねじり翼と同一厚さとし、翼Bは翼Aよりも くした。

 根元応力を比較すると、従来と同一厚さ 翼Aでは、従来の平板翼の根元応力に対して 約16%低減することができた。一方、翼の固有 振動数を比較すると約12%低下している。しか し、従来のねじり翼に比べれば、固有振動数 が約3%高くなっており、若干改善されている 翼Bは、翼Aよりも翼厚さを厚くして、固有 動数の改善を図ったものである。その結果 固有振動数を従来の平板翼よりも約10%高く ることができ、根元応力についても、翼Aよ は約2%大きくなっているが、従来の平板翼 比べれば約14%低減することができる。

 図3に示す固定翼11では、半円状の板材を 削加工することで、複数のブレード111を形 するようにしている。固定翼11の場合、ロ タ20に形成されたブレード210と異なり共振と いう問題はなく、大気突入時の吸気口側への 全体的な変位が問題となる。大気突入時にブ レード111に加わる風力は、回転翼21の周速に ぼ比例する。すなわち、ブレード111の各部 には、その位置の半径の2乗に比例する上向 きの力が作用することになる。また、この風 力は、ブレード111の翼角度が小さいほど大き くなる。

 その結果、ブレード111は、外枠110と固定 11とが繋がっている根元部分が折れ曲がる うに上方に変形し、内枠112の部分が上方に 位して固定翼21に接触するおそれがあった。 そこで、本実施の形態では、ブレード111の外 周側の翼高さを大きくすることで固定翼11の 性の向上を図り、大気突入時の変形を抑え ようにした。

 図7は、従来の平板翼、従来のねじり翼お よび本発明による翼のそれぞれの場合におけ る、大気突入時の浮き上がりの解析結果につ いて示したものである。浮き上がりは、内枠 112の位置において最も大きくなる。本発明に よる翼では、翼角度は、従来の平板翼と同じ ように外形部(根元部)も内径部(先端部)も同 とした。

 図7に示すように、大気突入時の浮き上が りは、従来の平板翼の場合よりも約18%小さく なった。ねじり翼と比べると、約40%も浮き上 がりを抑制することができた。そのため、図 3に示す固定翼11では平板翼としたが、翼形状 をねじり翼とし、浮き上がり量が許容範囲内 に収まる程度まで翼先端部の翼角度を小さく することができる。それによって、排気性能 の向上を図ることができる。

 図8は変形例を示す図である。上述した実 施の形態では、回転翼21の下面および固定翼1 1の上面を傾斜させることで翼根元部分の翼 さを大きくしたが、図8(a)に示す変形例では 回転翼21および固定翼11の上下の面を傾斜さ せるようにした。また、図8(b)に示す変形例 は、固定翼11の上面を傾斜させる代わりに、 段形状とすることで根元部(外周側)の翼高さ 先端部(内周側)の高さに比べて高くした。

 なお、図1や図8(a)に示した回転翼21および 固定翼11の場合には、回転翼21と固定翼11との 軸方向隙間が外周部と内周部とでほぼ等しく なるような翼形状となっているので、回転翼 21と固定翼11との隙間を平板翼の場合と同様 小さくすることができる。

 上述したように、本実施の形態によれば 排気性能の低下を押さえつつ、回転翼21の 根元部の応力を低くするとともに、その固 振動の低下を抑えることができる。また、 定翼11に関しては、大気突入時の浮き上がり を低減することができる。さらに、浮き上が り低減によりねじり翼の採用が可能となり、 固定翼11にねじり翼を採用することで排気性 の向上も可能となる。

 なお、図1に示した実施の形態では、回転 翼21および固定翼11で構成されるタービンブ ード翼部と、回転円筒部22および固定円筒部 12で構成されるモレキュラードラッグポンプ とを備えた広域型のターボ分子ポンプを例 説明したが、全翼タイプのターボ分子ポン にも同様に適用することができる。

 また、回転翼21にねじり翼を採用したが 平板翼であっても、翼高さを根元部分から 端部分にかけて小さくすることによる効果 同様に得ることができる。さらに、根元部 翼高さを先端部よりも高くする構成は、必 しも回転翼21および固定翼11の両方でなくて よく、回転翼21のみや、固定翼11のみに採用 しても良い。また、本発明の特徴を損なわな い限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定 されるものではない。