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Title:
STARTING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/122600
Kind Code:
A1
Abstract:
A working oil passage for supplying working oil to the hydraulic chamber (37) of a start clutch (18) and a lubrication oil passage for circulating lubricating oil through a housing (16) are provided, respectively, with an axial oil passage portion and a radial oil passage portion. A part of the radial oil passage portion of the working oil passage and a part of the radial oil passage portion of the lubrication oil passage are extending along the radial direction while overlapping partially in the axial direction of an input shaft (13). Consequently, enlargement in the axial direction is suppressed and a request for compacting the device can be met.

Inventors:
ISHIKAWA KAZUNORI (JP)
MAEDA KOJI (JP)
KATOU HIROSHI (JP)
ARAKI KEIZO (JP)
ABE YUITO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065356
Publication Date:
October 08, 2009
Filing Date:
August 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
AISIN AW CO (JP)
ISHIKAWA KAZUNORI (JP)
MAEDA KOJI (JP)
KATOU HIROSHI (JP)
ARAKI KEIZO (JP)
ABE YUITO (JP)
International Classes:
F16D25/12; F16D25/0638; F16D47/06; F16H45/02; F16H57/04
Foreign References:
JP2000283188A2000-10-13
JP7055401Y2
JPH0765645B21995-07-19
JP2000320572A2000-11-24
Attorney, Agent or Firm:
ONDA, Hironori et al. (JP)
Hironori Onda (JP)
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Claims:
 駆動源の出力軸に連結されたハウジングと、
 変速機構の入力軸を挿通可能な貫通孔を有し、且つ該貫通孔に前記入力軸が該入力軸の先端部から挿通されることにより該入力軸に対して一体回転可能に連結される出力側部材と、
 クラッチ作動することにより前記ハウジングと前記出力側部材とを動力伝達可能に直結するクラッチ機構と、
 該クラッチ機構の油圧室に油圧源側から作動油を供給するための作動油路と、
 前記ハウジング内に前記油圧源側から潤滑油を供給するための供給油路及び前記ハウジング内から前記油圧源側に潤滑油を戻すための戻し油路を含む潤滑油路とを備え、
 前記作動油路及び潤滑油路は、軸方向において少なくとも一部がオーバーラップするように形成されていることを特徴とする発進装置。
 請求項1に記載の発進装置において、
 前記潤滑油路における前記供給油路及び前記戻し油路のうち少なくとも一方は少なくとも径方向に延びる径方向油路部を含み、前記作動油路は少なくとも径方向に延びる径方向油路部を含み、潤滑油路における径方向油路部と作動油路における径方向油路部とは、前記入力軸の軸線を中心とする周方向に互いにずれていることを特徴とする発進装置。
 請求項1又は請求項2に記載の発進装置において、
 前記潤滑油路における前記供給油路及び前記戻し油路のうち少なくとも一方は少なくとも径方向に延びる径方向油路部を含み、前記作動油路は少なくとも径方向に延びる径方向油路部を含み、
 前記潤滑油路における前記径方向油路部の一部は、前記入力軸の軸線と直交する方向に延設される一方、前記作動油路における前記径方向油路部の一部は、該径方向油路部の一部における径方向外方側の部位の方が径方向内方側の部位よりも、前記潤滑油路における前記径方向油路部の一部から軸方向において離間するように、その延設方向が傾斜していることを特徴とする発進装置。
 請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の発進装置において、
 前記潤滑油路における前記供給油路及び前記戻し油路のうち少なくとも一方は少なくとも径方向に延びる径方向油路部を含み、
 前記出力側部材の軸方向の端面と該端面に対向する前記ハウジングの内面との間にはスラストベアリングが介設されており、前記潤滑油路における前記径方向油路部の一部は、該径方向油路部の一部を流れる潤滑油により前記スラストベアリングを潤滑可能な構造をなしていることを特徴とする発進装置。
 請求項1~請求項4のうち何れか一項に記載の発進装置において、
 前記作動油路は、前記入力軸の内部を軸方向に沿って延びる軸方向油路部と、少なくとも径方向に延びる径方向油路部とを含み、
 前記作動油路の前記径方向油路部は、前記入力軸に前記出力側部材が連結された状態において前記貫通孔の内周面と対向する入力軸の外周面部分に油孔が開口するように前記軸方向油路部から径方向外方に向けて曲げ形成された部位と、前記出力側部材における前記貫通孔の内周面から該出力側部材内を径方向外方に向けて貫通することにより前記クラッチ機構の油圧室に対して直線的に連通する部位とを含むことを特徴とする発進装置。
 請求項1~請求項5のうち何れか一項に記載の発進装置において、
 前記作動油路は、少なくとも径方向に延びるように前記出力側部材に形成された径方向油路部を有することを特徴とする発進装置。
Description:
発進装置

 本発明は、自動変速機を有する車両にお る発進装置に関する。

 一般に、自動変速機を有する車両にあっ は、発進時においてエンジンのトルクを変 機構に対して発進装置を用いて円滑に伝達 るようにしている。この発進装置は、エン ンの出力軸に連結された油密構造のハウジ グ(入力側部材)を有し、ハウジング内には 通常、変速機構の入力軸をスプライン結合 より貫装することにより該入力軸に一体回 可能に連結されたタービンハブ(出力側部材) と、該タービンハブと前記ハウジングとをク ラッチ作動することにより機械的に接続して 直結させるクラッチ機構が設けられている。

 また、ハウジング内において、該ハウジ グの内面とタービンハブにおける軸方向前 各端面との間には、タービンハブの軸方向 動を規制するスラストベアリングが介設さ ている。そして、こうしたスラストベアリ グやクラッチ機構等の各部品に潤滑油を供 するための油路、及びクラッチ機構を必要 応じて非係合状態から係合状態に切り替え ための作動油を供給する油路が、ハウジン 内における各部品の配置箇所に応じた油路 造を形成するようにそれぞれ設けられてい 。

 例えば特許文献1に記載の発進装置におい ては、オイルポンプから吐出される作動油を クラッチ機構まで供給するための作動油路が 次のような油路構造で設けられている。すな わち、この特許文献1の発進装置では、作動 路が、変速機構の入力軸の先端部から軸方 に穿設された軸方向油路部と、この軸方向 路部の先端(前端)からハウジングの前半部を 構成するフロントカバーの内部を径方向外方 に貫通してクラッチ機構部の油圧室に連通す るように少なくとも径方向に延びる径方向油 路部とを含んだ油路構造をしている。

 また、オイルポンプから吐出された潤滑 をスラストベアリングやクラッチ機構等の 部品の配置箇所を巡るように循環供給する 滑油路は、オイルポンプ側からハウジング に潤滑油を供給する供給油路と、ハウジン 内からオイルポンプ側に潤滑油を戻す戻し 路とからなり、各油路は次のような油路構 で設けられている。

 すなわち、供給油路は、その供給方向上 側の油路部が、タービンハブから後方に突 する円筒部に嵌合したスリーブ軸の内周面 びタービンハブにおけるスプラインが形成 れた貫通孔の内周面と変速機構の入力軸の 周面との間を通ってタービンハブの軸方向 端面側に至るように軸方向に延びる軸方向 路部により構成されている。そして、供給 路の供給方向下流側の油路部が、前記軸方 油路部の先端(前端)からフロントカバーの 面とタービンハブの軸方向前端面との間に 設された前側スラストベアリングを潤滑し がら径方向外方に向けて潤滑油を供給する うに少なくとも径方向に延びる径方向油路 により構成されている。

 また、戻し油路は、その戻し方向上流側 油路部が、ハウジングの後半部を構成する ンプカバーの内面とタービンハブの軸方向 端面との間に介設された後側スラストベア ングを潤滑しながら径方向内方に向けて潤 油を戻すように少なくとも径方向に延びる 方向油路部により構成されている。そして 戻し油路の戻し方向下流側の油路部が、前 径方向油路部の先端(内端)と対応するポン カバーの内周縁部から後方に向けて突出す 円筒部の内周面と前述したタービンハブか 後方に突出する円筒部の外周面との間を通 てオイルポンプの位置する軸方向基端側(後 )に向けて潤滑油を戻すように軸方向に延び る軸方向油路部により構成されている。

 ところで、近時では、自動変速機に対する 様なニーズに対応するために発進装置の小 化が望まれている。しかしながら、特許文 1に記載の発進装置では、作動油路の径方向 油路部と、潤滑油路における供給油路の径方 向油路部と、潤滑油路における戻し油路の径 方向油路部の各々が、ハウジング内において それぞれ軸方向に離間した別個の設置スペー スを占有する構成となっているため、装置が 軸方向に長大化するという問題があった。

国際公開番号 WO2003/016736

 本発明の目的は、それぞれ少なくとも径 向に延びる油路部を含む複数の油路が設け れる場合でも、軸方向の長大化を抑制して 置の小型化を可能にする発進装置を提供す ことにある。

 上記目的を達成するために、本発明の発 装置は、駆動源の出力軸に連結されたハウ ングと、変速機構の入力軸を挿通可能な貫 孔を有し、且つ該貫通孔に前記入力軸が該 力軸の先端部から挿通されることにより該 力軸に対して一体回転可能に連結される出 側部材と、クラッチ作動することにより前 ハウジングと前記出力側部材とを動力伝達 能に直結するクラッチ機構と、該クラッチ 構の油圧室に油圧源側から作動油を供給す ための作動油路と、前記ハウジング内に前 油圧源側から潤滑油を供給するための供給 路及び前記ハウジング内から前記油圧源側 潤滑油を戻すための戻し油路を含む潤滑油 とを備え、前記作動油路及び潤滑油路は、 方向において少なくとも一部がオーバーラ プするように形成されている。

 上記構成によれば、油路同士がオーバー ップする分だけ装置全体の軸長を短縮する とが可能となる。したがって、複数の油路 それぞれ少なくとも径方向に延びる油路部 含んだ構造をなして併設される場合でも、 方向の長大化を抑制して装置の小型化要請 応えることができる。

 また、本発明の一態様において、前記潤 油路における前記供給油路及び前記戻し油 のうち少なくとも一方は少なくとも径方向 延びる径方向油路部を含み、前記作動油路 少なくとも径方向に延びる径方向油路部を み、潤滑油路における径方向油路部と作動 路における径方向油路部とは、前記入力軸 軸線を中心とする周方向に互いにずれてい 。

 上記構成によれば、互いの油路における径 向油路部の設置スペースが軸方向において 分的にオーバーラップする油路構成を簡便 実現することができる。
 また、本発明の一態様において、前記潤滑 路における前記供給油路及び前記戻し油路 うち少なくとも一方は少なくとも径方向に びる径方向油路部を含み、前記作動油路は なくとも径方向に延びる径方向油路部を含 、前記潤滑油路における前記径方向油路部 一部は、前記入力軸の軸線と直交する方向 延設される一方、前記作動油路における前 径方向油路部の一部は、該径方向油路部の 部における径方向外方側の部位の方が径方 内方側の部位よりも、前記潤滑油路におけ 前記径方向油路部の一部から軸方向におい 離間するように、その延設方向が傾斜して る。

 上記構成によれば、互いの油路における径 向油路部の設置スペースが軸方向にオーバ ラップする油路構成を簡便に実現すること できる。
 また、本発明の一態様において、前記潤滑 路における前記供給油路及び前記戻し油路 うち少なくとも一方は少なくとも径方向に びる径方向油路部を含み、前記出力側部材 軸方向の端面と該端面に対向する前記ハウ ングの内面との間にはスラストベアリング 介設されており、前記潤滑油路における前 径方向油路部の一部は、該径方向油路部の 部を流れる潤滑油により前記スラストベア ングを潤滑可能な構造をなしている。

 上記構成において、スラストベアリング 、出力側部材に対する軸方向の荷重に耐え る構成とするために、出力側部材の軸方向 端面とハウジングの内面との間に配置され いる。そのため、スラストベアリングの軸 向の厚み分だけ装置全体の軸長が長大化す 。しかし、そのようなスラストベアリング 潤滑する潤滑油路の径方向油路部の一部が 動油路と軸方向において部分的にオーバー ップした油路構成を適用することにより、 の問題に対して好適に対応することができ 。

 また、本発明の一態様において、前記作 油路は、前記入力軸の内部を軸方向に沿っ 延びる軸方向油路部と、少なくとも径方向 延びる径方向油路部とを含み、前記作動油 の前記径方向油路部は、前記入力軸に前記 力側部材が連結された状態において前記貫 孔の内周面と対向する入力軸の外周面部分 油孔が開口するように前記軸方向油路部か 径方向外方に向けて曲げ形成された部位と 前記出力側部材における前記貫通孔の内周 から該出力側部材内を径方向外方に向けて 通することにより前記クラッチ機構の油圧 に対して直線的に連通する部位とを含む。

 上記構成によれば、作動油路における軸 向油路部から径方向油路部が径方向外方に けて曲げ形成される位置とクラッチ機構の 圧室とが軸方向において離れた配置となっ いても、出力側部材内を径方向外方に向け 貫通する径方向油路部の部位が直線的にク ッチ機構の油圧室に連通するので、作動油 速やかに供給することができる。

 また、本発明の一態様において、前記作動 路は、少なくとも径方向に延びるように前 出力側部材に形成された径方向油路部を有 る。
 上記構成によれば、作動油路の径方向油路 は、入力軸に対して一体回転可能に連結さ た出力側部材に形成されている。そのため 作動油路の軸方向油路部が入力軸の軸方向 途中位置から入力軸の外周面部分に開口し 油孔を通じて径方向油路部に連通する場合 は、出力側部材の油路(径方向油路部)の内 側の開口が入力軸の油孔に対して常に径方 に沿って対向した配置となる。したがって 作動油路の軸方向油路部を通じて供給され 作動油圧を、少なくとも作動油路の径方向 路部を通じてクラッチ機構に対して応答性 く供給することができる。

本発明の一実施形態に係る発進装置の 断面図。 図1の発進装置の要部拡大断面図。 図2の3-3線矢視部分断面図。 本実施形態のオイルシール装着状態を す斜視図。 変速機構の入力軸とタービンハブとの み付け工程を説明する縦断面図。 変速機構の入力軸とタービンハブとの み付け工程を説明する縦断面図。 変速機構の入力軸とタービンハブとの み付け工程を説明する縦断面図。 変速機構の入力軸とタービンハブとの み付け工程を説明する縦断面図。 別実施形態の発進装置の要部拡大断面 。

 以下、本発明を具体化した発進装置の一 施形態を図1~図8を参照しながら説明する。 お、以下の説明において、「前後方向」を う場合には図1等において矢印で示す前後方 向を示すものとする。

 図1及び図2に示すように、発進装置11は、 駆動源としてのエンジンの出力軸12のトルク 変速機構の入力軸13に伝達するための装置 あり、エンジンの出力軸12に接続されたフロ ントカバー14と、フロントカバー14の外周側 部に溶接により固着されたポンプカバー15と により入力側部材としてのハウジング16を構 している。そして、ハウジング16の内部に 、ダンパ装置17、及びクラッチ機構としての 発進クラッチ18が収容されると共に、作動油 び潤滑油としてのATF(オートマチック・トラ ンスミッション・フルード)が油密状に充填 れている。

 フロントカバー14は、前側が閉塞し且つ 側が開口した有底略円筒状をなすと共に、 の底壁の外面(前面)略中心部から前方に向け て突設された連結部14aにエンジンの出力軸12 連結されることにより、エンジンの出力軸1 2の回転駆動に基づき、変速機構の入力軸13の 軸線Lを中心に回転するようになっている。 ンプカバー15は、フロントカバー14の後側の 口を閉塞可能な略円環状をなしていると共 、その中心部には、油圧源としてのオイル ンプ(図示略)の駆動軸に連結される円筒状 支持カバー19がポンプカバー15の一部を構成 るように固定されている。すなわち、オイ ポンプには、エンジンの出力軸12の回転が ロントカバー14とポンプカバー15(及び支持カ バー19)を介して伝達されるようになっている 。

 ダンパ装置17は、エンジン側に連結され 円環状のダンパプレート20と、変速機構側に 連結される円環状のダンパディスク21と、ダ パプレート20の回転力をダンパディスク21に 伝達するトルク伝達手段22とを備えている。 ンパプレート20は、フロントカバー14におけ る外周側の後面(ポンプカバー15に相対する内 面)に固着され、フロントカバー14と一体回転 するようになっている。ダンパディスク21は その内周縁がフロントカバー14の後面に固 された円筒状をなす支持部材23に嵌合するこ とにより変速機構の入力軸13の軸線Lを中心に 軸方向への移動を規制された状態で回転自在 に支持されている。また、ダンパディスク21 、その回転時においてフロントカバー14に する相対角度が所定角度を超える場合には 周方向における所定箇所が支持部材23の外周 面の一部に対して係止することにより、それ 以上の回転規制がされるようになっている。

 トルク伝達手段22は、複数のダンパスプ ング24と、各ダンパスプリング24を弾性的に 列接続するようにダンパスプリング24間に 在する中間部材25とにより構成されている。 そして、各ダンパスプリング24は、それらの 一端がダンパプレート20又はダンパディス 21に当接し、かつ、それらの各他端が中間部 材25に当接している。そのため、フロントカ ー14を介してダンパプレート20に伝達される エンジンの出力軸12からの回転駆動は、ダン スプリング24及び中間部材25が弾性的に直列 に連結されたことによりダンパ機能を発揮す るトルク伝達手段22を介してダンパディスク2 1に伝達される。なお、ダンパディスク21は、 フロントカバー14との相対角度が所定の値を 回らないように支持部材23との係止により 転規制されているため、ダンパスプリング24 のバネ長が限界値に至るまで収縮しない構成 となっている。

 図1及び図2に示すように、変速機構の入 軸13は、その先端(前端)から所定距離だけ基 (後端)側の外周面13a上に凹凸被係合部とし のスプライン30が前後方向に沿うように形成 されている。また、入力軸13の先端面の周縁 は面取り加工が施されることにより先端側 ど径が小さくなるテーパ面13bが形成されて る。そして、この変速機構の入力軸13は、 の先端からスプライン30が形成された位置ま での軸方向長さ部分を出力側部材としてのタ ービンハブ31に貫装されている。

 すなわち、タービンハブ31は、円柱状を すように形成されると共に、その軸心には 力軸13を挿通可能な貫通孔32が貫通形成され いる。貫通孔32は、その軸方向の中途から 側が入力軸13の径とほぼ同一の径を有する小 径部32aとして形成されると共に、軸方向の中 途から前側が小径部32aよりも大きな径を有す る大径部32bとして形成されている。貫通孔32 小径部32aの内周面には、入力軸13の外周面13 aに形成されたスプライン30に対してタービン ハブ31と入力軸13とを軸方向には相対移動可 に且つ周方向には相対移動不能に係合する 凸係合部としてのスプライン33が形成されて いる。

 そして、入力軸13の先端部がタービンハ 31の貫通孔32に対して後側から挿通された場 には、貫通孔32の小径部32aの内周面に形成 れたスプライン33が入力軸13側に形成された プライン30に対して凹凸嵌合することによ 、入力軸13とタービンハブ31が一体回転可能 連結されるようになっている。そして、こ ように入力軸13の先端部が貫装された状態 あるタービンハブ31における貫通孔32の大径 32b内には前後一対のオイルシール50がシー 部材として機能するように圧入されている なお、このオイルシール50に関する具体的構 成については、後に詳述する。

 また、タービンハブ31は、その回転に伴 スラスト方向の荷重に耐え得る環状のスラ トベアリング34a,34bを軸方向の両側に配設し 状態で、変速機構の入力軸13に連結されて る。すなわち、フロントカバー14の後面(内 )とタービンハブ31の軸方向前端面との間に 第1のスラストベアリング34aが介設されると に、タービンハブ31の後端面とポンプカバ 15(支持カバー19)の前面(内面)との間には第2 スラストベアリング34bが介設されている。 お、各スラストベアリング34a,34bは、タービ ハブ31の前後各端面において貫通孔32よりも 径方向外方側となる環状領域に配設されてい る。そして、各スラストベアリング34a,34bと ービンハブ31との間には両者の当接状態の安 定性を高めることを目的としてワッシャ35a,35 bが介設されている。

 また、図1に示すように、ダンパ装置17の 面(後面)側には、クラッチ作動することに りエンジンの出力軸12と変速機構の入力軸13 を直結可能な発進クラッチ18が配置されて る。この発進クラッチ18は、ダンパディスク 21の内周側にピン48により締結された状態で 方側に延びる筒状のクラッチハブ26を備え、 クラッチハブ26の外周側には複数枚(本実施形 態では4枚)の内側摩擦係合板27が前後方向へ 移動自在にスプライン嵌合されている。ま 、タービンハブ31の後端外周部には前側が開 口した有底略円筒状のクラッチドラム36の底 内周縁が固着されており、該クラッチドラ 36の外周側筒部36aの内周側には内側摩擦係 板27と前後方向において1枚ずつ交互に位置 るように複数枚(本実施形態では4枚)の外側 擦係合板28が前後方向への移動自在にスプラ イン嵌合されている。

 また、タービンハブ31の周面上には、円 状をなすピストン29が、その内周縁を摺動可 能に嵌合することにより、タービンハブ31に して軸方向に移動自在に支持されている。 のピストン29は、その軸方向に沿った断面 形状がクランク状をなすように形成されて り、そのクランク状に屈曲した中途筒部29a 外周面がクラッチドラム36の内周側筒部36bの 外周面上に摺動可能に嵌合している。そして 、ピストン29の中途筒部29aとクラッチドラム3 6の内周側筒部36bとの間、及びピストン29の内 周縁とタービンハブ31の周面との間には、そ ぞれOリングc1,c2が配置され、各Oリングc1,c2 シール機能により、ピストン29の背面(後面) 側に油圧室37を形成している。

 また、タービンハブ31の前端外周部にお てピストン29よりも軸方向前側となる位置に は円環状のキャンセルプレート38がスナップ ング39により移動が規制された状態で支持 れている。そして、該キャンセルプレート38 とピストン29との間にはリターンスプリング4 9が配設され、該リターンスプリング49の付勢 力により、ピストン29は、常にはクラッチド ム36に接近する方向(各摩擦係合板27,28から 間する方向)に付勢されている。

 すなわち、発進クラッチ18の係合状態は 油圧室37内のATFの油圧上昇に伴い、ピストン 29がリターンスプリング49の付勢力に抗して 方に移動することにより、外側摩擦係合板28 を内側摩擦係合板27に対して押圧することに り実現される。一方、発進クラッチ18の非 合状態は、油圧室37内のATFの油圧降下に伴い 、ピストン29がリターンスプリング49の付勢 に従って後方に移動することにより、外側 擦係合板28を内側摩擦係合板27から離間させ ことにより実現される。

 また、ハウジング16内においてポンプカ ー15の外周側前面(フロントカバー14に相対す る内面)と対応する位置にはトルク増幅作用 有さないフルードカップリング40が配設され ており、発進時や変速時におけるポンプカバ ー15とクラッチドラム36との回転差を吸収す ようになっている。なお、フルードカップ ング40は、対をなす両羽根部材のうち一方の 羽根部材がポンプカバー15に固着されると共 他方の羽根部材はリベット41によりクラッ ドラム36にカシメ固定されている。

 次に、油圧室37に作動油としてのATFを供給 る作動油路の構成について詳述する。
 図1~図3に示すように、変速機構の入力軸13 には、基端側のオイルポンプに連通する第1 作動油路a1が軸方向に沿って形成されてお 、該第1の作動油路a1は先端の開口が栓部材42 により閉塞されている。そして、該第1の作 油路a1の長手方向において、入力軸13におけ スプライン30が形成された位置よりも先端 であって且つタービンハブ31の貫通孔32の大 部32bと対応する位置からは、径方向外方に けて第2の作動油路a2が油孔43を入力軸13の外 周面13aに開口するように曲げ形成されている 。そして、第2の作動油路a2は、入力軸13の外 面13aに開口した油孔43を通じて、タービン ブ31の貫通孔32の大径部32b内に前後一対のオ ルシール50によって形成された油溜まり室31 aと連通するようになっている。

 また、タービンハブ31には、その貫通孔32 の大径部32bの内周面からタービンハブ31の内 を径方向外方に向けて貫通する第3の作動油 路a3が油圧室37に連通するように斜状に且つ 線状をなすように形成されている。そして これらの第1の作動油路a1、第2の作動油路a2 油溜まり室31a、及び第3の作動油路a3により クラッチ作動時に油圧室37に対して作動油と してのATFを供給する作動油路が構成されてい る。なお、本実施形態では、第1の作動油路a1 により軸方向に延びる軸方向油路部が構成さ れると共に、第2の作動油路a2、油溜まり室31a 、及び第3の作動油路a3により少なくとも径方 向に延びる径方向油路部が構成されている。

 続いて、ハウジング16内に潤滑油としてのAT Fを循環供給する潤滑油路の構成について詳 する。
 図1~図3に示すように、変速機構の入力軸13 には、基端側のオイルポンプに連通する第1 潤滑油路b1が前記作動油路の第1の作動油路a 1と平行に軸方向に沿って形成されている。 1の潤滑油路b1は、その先端が入力軸13の先端 (前端)面に開口しており、その先端開口を通 てフロントカバー14の底壁の内面(後面)略中 心部に形成された油路形成凹部45に連通して る。

 また、タービンハブ31の軸方向前後各端 において、スラストベアリング34a,34bと径方 で対応する各位置には、図1~図3に示すよう 、入力軸13の軸線Lと直交した径方向に延び 複数本(本実施形態では各4本)の油溝46,47が 成されている。各油溝46,47は、変速機構の入 力軸13の軸線Lを中心として周方向に等角度間 隔(90度間隔)をおいて、且つ作動油路の第2及 第3の各作動油路a2,a3とは互いに周方向にず るように形成されている。そして、これら 第1の潤滑油路b1、油路形成凹部45、及び前 面側の各油溝46により、ハウジング16内にお る潤滑必要箇所(例えば発進クラッチ18等)に オイルポンプ側から潤滑油を供給するための 供給油路が構成されている。

 また、変速機構の入力軸13の外周面13aと ンプカバー15における支持カバー19の内周面 の間には基端側のオイルポンプに連通する 2の潤滑油路b2が前記後端面側の各油溝47の 方向内方側と連通するように形成されてい 。そして、これらの第2の潤滑油路b2及び後 面側の各油溝47により、ハウジング16内にお る潤滑必要箇所(例えば発進クラッチ18等)に 前記供給油路を介して供給された潤滑油をオ イルポンプ側に戻すための戻し油路が構成さ れている。

 そして、本実施形態では、前記第1の潤滑 油路b1、油路形成凹部45、及び前端面側の各 溝46からなる供給油路と、前記第2の潤滑油 b2及び後端面側の各油溝47からなる戻し油路 により、ハウジング16内に潤滑油としてのAT Fを循環供給する潤滑油路が構成されている なお、本実施形態では、第1の潤滑油路b1及 第2の潤滑油路b2により軸方向に延びる軸方 油路部が構成されると共に、油路形成凹部45 及び各油溝46,47により少なくとも径方向に延 る径方向油路部が構成されている。

 特に、図1及び図2に示すように、径方向 路部の一部を構成する各油溝46,47のうち前端 面側の各油溝46は、作動油路における径方向 路部の一部を構成する第2の作動油路a2及び 3の作動油路a3の径方向内方側の部位と、入 軸13の軸方向において各々の設置スペース オーバーラップするように形成されている すなわち、入力軸13の軸方向における同一位 置又はその近傍位置において、各油溝46と、 2の作動油路a2と、第3の作動油路a3の径方向 方側の部位とは、入力軸13の軸方向におい 部分的にオーバーラップした状態で径方向 沿うように形成されている。

 そして、作動油路における径方向油路部 一部を構成する第3の作動油路a3は、その径 向外方側の部位が、その径方向内方側の部 (及び第2の作動油路a2)よりも潤滑油路の一 を構成する各油溝46から入力軸13の軸方向に いて離間するように、その延設方向が基端 に傾斜した直線状の油路構造となっている

 次に、タービンハブ31の貫通孔32(大径部32b) 内周面と変速機構の入力軸13の外周面13aと 間に介設されたオイルシール50の構成につい て詳述する。
 図4に示すように、オイルシール50は、ター ンハブ31における貫通孔32の大径部32b内に嵌 入される環状の嵌合部材51と、嵌合部材51に 周側となる径方向外側の部分が固着された 状のシールリップ52とを備えている。さらに 、オイルシール50は、シールリップ52の内周 となる径方向内側の部分を入力軸13の外周面 13aに対して圧接するように付勢する付勢部材 としての環状のスプリング部材53を備えてい 。

 嵌合部材51は、軸方向に沿った断面の形 がL字状をなす金属等の剛性材により構成さ ている。また、嵌合部材51は、その外径が 通孔32の大径部32bの内径よりも若干大きく形 成されており、嵌合部材51が貫通孔32の大径 32b内に嵌入される際には、その外側面が大 部32bの内周面に対して圧接するようになっ いる。また、シールリップ52の径方向内側の 部分における入力軸13の外周面が摺接する部 は曲面形状をなすように形成されており、 の曲面が形成された部分の外周面にスプリ グ部材53は嵌合されている。そして、この プリング部材53によりシールリップ52の曲面 径方向内方側に付勢されて変速機構の入力 13の外周面13aに摺接し、この曲面が入力軸13 の外周面との摺接に基づき該外周面上にシー ルリップ52の径方向内側の部分を乗り上げさ るようになっている。なお、シールリップ5 2に適用する弾性材としては、シールを行う 象となるオイルの種類や耐摩耗性、耐水性 を考慮して適切なものを選択することが望 しい。

 次に、上述した発進装置11の作用を図5~図8 従って説明する。
 まず、発進装置11の製造工程において、変 機構の入力軸13とタービンハブ31とを一体回 可能に連結する組み付け工程について説明 る。なお、図5~図8では、図面内容の簡略化 図るべく、タービンハブ31と共にハウジン 16内に収容される他部材(ピストン29等)をハ ジング16も含めて図示を省略している。

 さて、この組み付け工程では変速機構の 力軸13がタービンハブ31の貫通孔32に先端側 ら挿通されることにより貫装されるが、そ 前段階においてタービンハブ31における貫 孔32の大径部32b内には、図5に示すように、 対のオイルシール50が予め装着される。すな わち、大径部32b内の最奥部と開口部の2位置 、各々一つずつオイルシール50が嵌入配置さ れる。

 なお、この大径部32b内への嵌入時におい 、各オイルシール50は環状をなす嵌合部材51 の外側面が大径部32bの内周面に圧接する。そ のため、各オイルシール50は、軸方向への移 が規制された状態で、各々の装着位置(最奥 部と開口部)に位置決め装着される。すなわ 、入力軸13の外周面13a上に環状の凹溝を形成 しなくても、オイルシール50は、嵌合部材51 外側面がシールリップ52の弾性変形に伴って 貫通孔32の大径部32bの内周面及び入力軸13の 周面13aに対して圧接した状態となるため、 方向への移動が規制された状態で位置決め 着される。

 そして次に、そのようにオイルシール50 装着された状態にあるタービンハブ31におけ る貫通孔32の小径部32a内に入力軸13が先端側 ら挿入されると、図6に示すように、入力軸1 3は、その先端が貫通孔32の小径部32aを通過し た時点で、大径部32bの最奥部に装着されたオ イルシール50のシールリップ52に当接する。 のとき、入力軸13の先端面の周縁には面取り 加工により斜面状のテーパ面13bが形成されて いる。その一方、シールリップ52の径方向内 側に垂れた径方向内側の部分は、径方向外 側に曲げ形成されている。

 そのため、最奥部のオイルシール50のシ ルリップ52は、その径方向内側の部分の曲面 が入力軸13の先端のテーパ面13bに沿って円滑 摺動しながら傾動する。すなわち、入力軸1 3の先端とシールリップ52の径方向内側の部分 とが引っ掛かってしまうようなことはない。 そして、入力軸13が更に挿入方向前側に挿入 れると、その最奥部のオイルシール50のシ ルリップ52は、入力軸13の外周面13aに対して プリング部材53の付勢力で押圧されつつ弾 変形を伴って摺接するようになる。

 そして、入力軸13が挿入方向前側に更に し込まれると、図7に示すように、入力軸13 外周面に形成されたスプライン30と貫通孔32 小径部32aの内周面に形成されたスプライン3 3とが凹凸嵌合する。そして、入力軸13が両ス プライン30,33の凹凸嵌合状態を維持しつつ更 挿入方向前側に押し込まれると、入力軸13 、その先端が貫通孔32の大径部32bの開口部に 装着されたオイルシール50のシールリップ52 当接する。すると、この開口部のオイルシ ル50のシールリップ52も最奥部のオイルシー 50のシールリップ52の場合と同様に、その径 方向内側の部分の曲面が入力軸13の先端のテ パ面13bに沿って円滑に摺動しながら傾動す 。そして、最終的には、図8に示すように、 入力軸13の外周面13aに対してスプリング部材5 3の付勢力でシールリップ52が更に圧接力を高 めるように押圧されつつ弾性変形を伴って摺 接するようになる。

 また、この場合において、入力軸13の外 面13a上に形成されたスプライン30は、貫通孔 32内への入力軸13の挿入に伴い小径部32aのス ライン33には凹凸嵌合するものの、それ以上 に挿入方向前側(すなわち、貫通孔32の大径部 32b内)まで進入することはない。そのため、 通孔32の大径部32bの最奥部に装着されたオイ ルシール50のシールリップ52に入力軸13側のス プライン30が接触するようなことはなく、か るスプライン30との接触によりシールリッ 52が損傷を受けるようなことはない。

 この図8に示す状態になると、両スプライ ン30,33が凹凸嵌合することにより、入力軸13 タービンハブ31は周方向への相対移動が不能 となり一体回転可能に連結される。そして、 入力軸13の先端側の外周面13aに開口した第2の 作動油路a2の油孔43は、タービンハブ31におけ る貫通孔32の大径部32bにおける軸方向の略中 部に位置する。そして、入力軸13の外周面13 aと貫通孔32の大径部32bの内周面との間に嵌入 された前後一対のオイルシール50は、入力軸1 3の外周面13a上に開口した油孔43を軸方向の両 側から挟んだ配置態様になって、両オイルシ ール50間に油溜まり室31aを形成する。そして 以上により、変速機構の入力軸13とタービ ハブ31とを一体回転可能に連結する組み付け 工程が終了する。

 そして、上記組み付け工程が完了した発 装置11の使用時において、エンジン側の出 軸12と変速機構の入力軸13を直結する際には オイルポンプ側から第1の作動油路a1、第2の 作動油路a2、油溜まり室31a、及び第3の作動油 路a3を経由して油圧室37内にATFが作動油とし 供給される。その結果、油圧室37内の油圧上 昇に伴いピストン29が外側摩擦係合板28を内 摩擦係合板27に圧接させる方向へ移動し、発 進クラッチ18は非係合状態から係合状態にな 。

 この場合において、第2の作動油路a2の油 43から油溜まり室31a内に吐出されたATFが入 軸13の外周面13aに沿って軸方向に漏出しよう としても、そのようなATFの漏出は油孔43を軸 向の前後両側から挟む配置態様に装着され 一対のオイルシール50のシール機能により 制される。そして、軸方向への漏出が規制 れたATFは、油圧室37に向けて直線的に斜状を なす第3の作動油路a3を介して速やかに油圧室 37に供給される。

 また、発進クラッチ18が係合状態と非係 状態を繰り返すハウジング16内に潤滑油とし てATFを循環供給する場合には、オイルポンプ 側から第1の潤滑油路b1、油路形成凹部45及び 端面側の各油溝46を経由して発進クラッチ18 の配設箇所等にATFが供給されると共に、後端 面側の各油溝47及び第2の潤滑油路b2を経由し ハウジング16内からATFがオイルポンプ側に される。特に、ハウジング16内にATFを供給す る場合には、第2の作動油路a2(及び第3の作動 路a3の径方向内方側の部位)と軸方向におい 設置スペースがオーバーラップする前端面 の各油溝46を通じてスラストベアリング34a 潤滑を図りつつ発進クラッチ18側へ潤滑油と してATFが供給される。

 本実施形態によれば、以下の効果を得るこ ができる。
 (1)上記実施形態では、入力軸13の外周面13a 開口した油孔43から軸方向にATFが漏出するこ とを規制するためのシール部材としてオイル シール50が使用されている。そして、オイル ール50は、タービンハブ31の貫通孔32におけ 大径部32bの内周面に嵌合部材51の外側面が 接すると共に、入力軸13の外周面13aにシール リップ52の径方向内側の部分が弾性変形を伴 て圧接することにより軸方向への移動不能 装着される。そのため、シール部材を軸方 への移動不能に装着するための環状の凹溝 変速機構の入力軸13の外周面13a上に設ける とが不要となる。したがって、このような 溝の配設スペースを入力軸13に確保しなくて 済む分だけ、発進装置11の小型化要請に応え つ、変速機構の入力軸13の外周面13aに開口 る油孔43を含んだ油路を介して供給される油 の軸方向への漏出を好適に規制することがで きる。

 (2)また、オイルシール50は、シールリッ 52の径方向内側の部分がスプリング部材53に り入力軸13の外周面13aに向けて付勢されて るので、シールリップ52自体の弾性力のみな らずスプリング部材53の付勢力が加わった強 圧接力でもって入力軸13の外周面13aに対し 圧接した状態となる。したがって、スプリ グ部材53によりオイルシール50のシール機能 更に強化することができる。

 (3)上記実施形態では、入力軸13側のスプ イン30は、入力軸13の外周面13aにおけるオイ シール50の配置位置よりも入力軸13の基端側 となる位置に形成されている。そのため、入 力軸13をタービンハブ31に対して組み付ける には、入力軸13側のスプライン30がタービン ブ31における貫通孔32の大径部32b内に嵌入配 置されたオイルシール50のシールリップ52に 触することはない。そのため、入力軸13の組 み付け過程で、入力軸13のスプライン30がオ ルシール50のシールリップ52を損傷すること 防止できる。

 (4)上記実施形態では、入力軸13における 端面の周縁は面取り加工が施されて先端側 ど小径となるテーパ面13bとされている。そ ため、入力軸13をタービンハブ31に組み付け 際には、オイルシール50におけるシールリ プ52の径方向内側の部分の曲面が入力軸13の 端のテーパ面13bに沿って円滑に摺動しなが 傾動するようになる。したがって、入力軸1 3の組み付け過程で、オイルシール50のシール リップ52の径方向内側の部分が入力軸13の先 に引っ掛かるようなこともなく、タービン ブ31に対する入力軸13の組み付け作業を円滑 なし得る。

 (5)上記実施形態では、オイルシール50の ールリップ52における径方向内側の部分は、 径方向外方に向けて曲げ形成されている。そ のため、入力軸13をタービンハブ31に組み付 る際には、シールリップ52の径方向内側の部 分に形成された曲面が入力軸13の先端から外 面13aにかけて円滑に摺動する。したがって 入力軸13の組み付け過程で、入力軸13がシー ルリップ52に引っ掛かるようなこともなく、 ービンハブ31に対する入力軸13の組み付け作 業を円滑になし得る。

 (6)上記実施形態では、潤滑油路における 方向油路部の一部を形成する各油溝46と、 動油路における径方向油路部の一部を形成 る第2の作動油路a2(及び第3の作動油路a3の径 向内方側の部位)とが、各々の設置スペース を軸方向においてオーバーラップするように 形成されている。そのため、発進装置11では このオーバーラップ分だけ装置全体の軸長 短縮することが可能となる。したがって、 動油路及び潤滑油路という複数の油路がそ ぞれ少なくとも径方向に延びる径方向油路 を含んだ油路構造をなして併設される場合 も、軸方向の長大化を抑制して発進装置11 小型化要請に応えることができる。

 (7)上記実施形態では、潤滑油路における 油溝46と、作動油路における第2の作動油路a 2(及び第3の作動油路a3の径方向内方側の部位) とは、各々の径方向外方側部分が入力軸13の 線Lを中心とする周方向において互いに離間 するように延設されることになる。そのため 、互いの油路における径方向油路部の設置ス ペースが軸方向において部分的にオーバーラ ップする油路構成を簡便に実現することがで きる。

 (8)上記実施形態では、作動油路における 3の作動油路a3の径方向内側の部位よりも潤 油路における各油溝46を径方向外側に配置 ることにより、互いの油路の設置スペース 軸方向にオーバーラップする油路構成を簡 に実現することができる。

 (9)上記実施形態では、タービンハブ31の 方向の端面とハウジング16の内面との間には スラストベアリング34a,34bが配置されている め、スラストベアリング34a,34bの軸方向の厚 分だけ発進装置11全体の軸長が長大化する いう懸念がある。しかし、上記実施形態で 、潤滑油路において前端面側のスラストベ リング34aを潤滑する各油溝46が作動油路の径 方向油路部の一部である第2の作動油部a2(及 第3の作動油路a3の径方向内方側の部位)と軸 向において部分的にオーバーラップした油 構成になっているので、このような懸念に して軸長の短縮化を図って好適に対応する とができる。

 (10)上記実施形態では、作動油路における 軸方向油路部を構成する第1の作動油路a1から 径方向油路部を構成する第2の作動油路a2が径 方向外方に向けて曲げ形成される位置と、発 進クラッチ18の油圧室37とが軸方向において れた配置となっている。しかし、この第2の 動油路a2と油溜まり室31aを介して連通する 3の作動油路a3がタービンハブ31の内部を直線 的に油圧室37に向けて斜状に貫通しているの 、ATFを速やかに油圧室37に供給することが きる。

 (11)上記実施形態では、作動油路における 径方向油路部の一部である第3の作動油路a3は 、入力軸13に対して一体回転可能に連結され タービンハブ31に形成されている。そのた 、タービンハブ31内の第3の作動油路a3の内径 側の開口が入力軸13の外周面部分に形成され 油孔43に対して常に径方向に沿って対向し 配置となる。したがって、第1の作動油路a1 通じて供給される作動油圧を第3の作動油路a 3を通じて発進クラッチ18に対して応答性良く 供給することができる。

 なお、上記実施形態は以下のように変更し もよい。
 図9に示すように、フロントカバー14の略中 部に設けられたセンターピース54に、作動 路の径方向油路部、及び潤滑油路の径方向 路部を形成してもよい。すなわち、センタ ピース54の円筒状のハブ部54aの内周面からセ ンターピース54を径方向外方に向けて貫通す 第3の作動油路a3を油圧室37に連通するよう 斜状に且つ直線状をなすように形成する。 た、センターピース54のハブ部54aの内周面か らセンターピース54のハブ部54aの後端面に向 て貫通する油路と、センターピース54のハ 部54aの後端面において径方向外方に向けて びる油溝とにより第3の潤滑油路b3を構成す 。なお、第3の作動油路a3は、入力軸13の軸線 Lを中心として第3の潤滑油路b3が周方向にず るように形成されている。

 上記実施形態において、オイルシール50 シールリップ52における径方向内側の部分は 必ずしも径方向外方に向けて曲げ形成されて いる必要はなく、直線状をなすように形成さ れていてもよい。なお、この場合、シールリ ップ52の径方向内側の部分は、軸方向に対し 傾斜配置することが望ましい。

 上記実施形態において、入力軸13は、その 端面の周縁に対して面取り加工を施さなく もよい。
 上記実施形態において、オイルシール50は シールリップ52の径方向内側の部分を入力軸 13の外周面13aに対して圧接するように付勢す スプリング部材53を省略した構成としても い。このようにした場合も、シールリップ52 自体の弾性力によりシールリップ52の径方向 側の部分は入力軸13の外周面13aに弾性変形 伴って圧接し得る。

 上記実施形態において、オイルシール50 、タービンハブ31における貫通孔32の大径部3 2b内において入力軸13の外周面13aに開口する 孔43を軸方向の両側から挟んだ配置態様とな るならば、前後一対に限らず、3つ以上のオ ルシール50が配置される構成であってもよい 。

 上記実施形態において、作動油路における 方向油路部を構成する第2の作動油路a2及び 3の作動油路a3は、屈曲状もしくは湾曲状を すように形成してもよい。
 上記実施形態において、タービンハブ31の 方向前後両側に配置されるスラストベアリ グ34a,34bは省略してもよい。この場合、スラ トベアリング34a,34bの設置スペースに相当す る距離分だけ発進装置11の軸長を短縮するこ ができる。

 上記実施形態において、作動油路におけ 径方向油路部の一部を構成する第3の作動油 路a3は、潤滑油路における径方向油路部の一 を構成する前端面側の各油溝46と、軸方向 おいて油路全体がオーバーラップする構成 あってもよい。

 上記実施形態において、潤滑油路の第1の 潤滑油路b1の途中から径方向油路部を曲げ形 し、その径方向油路部の油孔が貫通孔32内 入力軸13の外周面13aに油孔が開口するように し、その油孔を軸方向の両側から挟んだ配置 態様となるようにオイルシールを配設しても よい。

 上記実施形態において、作動油路におけ 径方向油路部の一部を構成する第2の作動油 路a2及び第3の作動油路a3は、潤滑油路におけ 径方向油路部の一部を構成する各油溝46に して入力軸13の軸線Lを中心とする周方向に れていなくてもよい。この場合でも、第3の 動油路a3の径方向内方側の部位が各油溝46の 径方向内方側の部位よりも径方向内方側に位 置するようにすれば、軸方向にオーバーラッ プした油路構造を形成できる。

 上記実施形態において、発進装置11は、 板式の発進クラッチ18を備えたものに限定さ れない。例えば、クラッチ機構に供給される 作動油圧に基づき係合状態が切り替わるロッ クアップクラッチを備えたトルクコンバータ 等にも適用できる。