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Patent Searching and Data


Title:
SCREW
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/078460
Kind Code:
A1
Abstract:
A screw which can be manufactured at a low cost with a relatively simple constitution by performing precise machining suitable for tightening a screw without employing a tapping thread structure as a threaded portion shape and machining only the distal end of the threaded portion to have a shape projecting spherically, and which can ensure smooth and quick screw tightening work without causing such problems as heat generation or molding powder at all at screw tightening. The screw consists of a head (12) provided with a bit fitting groove (13) at one end, and a threaded portion (14) which is machined precisely with substantially equal circular diameter over a full length, wherein the distal end (20) of the threaded portion (14) is shaped to have a spherical projection varying in a plurality of stages.

Inventors:
TOTSU KATSUYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/071708
Publication Date:
July 03, 2008
Filing Date:
November 08, 2007
Export Citation:
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Assignee:
TOTSU KATSUYUKI (JP)
International Classes:
F16B35/00; F16B39/30
Foreign References:
JPS53128458U1978-10-12
JP2003206918A2003-07-25
JPH11351221A1999-12-24
JP2005337406A2005-12-08
JPH05141407A1993-06-08
Attorney, Agent or Firm:
HONDA, Takashi (1-17 Akasaka 1-chom, Minato-ku Tokyo 52, JP)
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Claims:
 一端部にビット嵌合溝を設けた頭部と、全長に亘ってほぼ等円径に精密加工されたねじ部とからなり、前記ねじ部の先端部分の形状を複数段階に変化する球面状に突出する構成としたことを特徴とするねじ。
 一端部にビット嵌合溝を設けた頭部と、全長に亘ってほぼ等円径にしてかつその先端部側において次第に外径が縮小するように精密加工されたねじ部とからなり、前記ねじ部の先端部分の形状を複数段階に変化する球面状に突出する構成としたことを特徴とするねじ。
 一端部にビット嵌合溝を設けた頭部と、全長に亘ってほぼ等円径に精密加工されたねじ部とからなり、前記ねじ部の先端部側において順次段階的に外径が縮小するように形成し、その先端部分の形状を複数段階に変化する球面状に突出する構成としたことを特徴とするねじ。
 前記ねじ部の球面状に突出させる先端部分の形状は、ねじ部の軸径から起立する基部と前記軸径より2/3以下の径に縮小して球面状に突出する先端突出部とからなる2段階に変化する構成からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のねじ。
 前記ねじ部の軸径から起立する基部は、テーパ状に形成してなることを特徴とする請求項4記載のねじ。
 前記ねじ部の軸径から起立する基部は、湾曲状に突出形成してなることを特徴とする請求項4記載のねじ。
 前記ねじ部の先端部側において、ねじ部の先端部側から球面状に突出する先端部分に跨って、その外周の一部に前記ねじ部の軸方向と平行に延在する少なくとも1本の溝を刻設することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のねじ。
 前記ねじ部の先端部側に刻設する少なくとも1本の溝は、ねじのねじ締め方向とは逆方向に対し、ねじ軸方向と平行しその回転方向に対して垂直面となる第1の横断面を形成することを特徴とする請求項7記載のねじ。
 前記ねじ部の先端部側に刻設する少なくとも1本の溝は、ねじのねじ締め方向に対し、ねじ軸方向と平行しその回転方向に対して垂直面となる第2の横断面を形成することを特徴とする請求項7記載のねじ。
Description:
ねじ

 本発明は、ねじのねじ軸部分の改良に係 、急速な普及と量産化傾向にある各種の電 機器類においては、小型コンパクト化並び 軽量化が一層進み、これらの製品の組立て 業に際して、より小さい寸法のねじが多量 使用されることに鑑み、これらの小さい寸 のねじについて、所要のねじ取付け対象物 取付けを行うねじ締め作業を、迅速にして 実かつ適正に行うことができるように構成 たねじに関するものである。

 今日、例えば、パソコン、携帯電話機、 ジタルカメラ、液晶テレビ、プラズマテレ 、プリンタ、複写機、その他のコンピュー システムを搭載した各種の電子機器におい は、それぞれ小型コンパクト化、軽量化、 型化等の要求から、それらの組立て部品と ての板材について、アルミニウム合金やマ ネシウム合金あるいはプラスチックを使用 、しかもこれら板材の板厚を薄くする傾向 ある。このため、これらの製品の組立てに 、前述したように、小さい寸法のねじを多 に使用して、迅速にして確実かつ適正なね の取付け並びにねじ締め作業を行うことが 要である。また、近時、液晶テレビ、プラ マテレビにおいては、大画面化の傾向があ 、この場合には前記板材については、その さ寸法が大きくなり、ねじの使用量も増大 ている。

 このように、前述した電子機器製品の組 てに際して、ねじの取付けを迅速に行うた は、組立て部品の板材の所要位置に、予め 数のねじ穴が設けられる。しかし、これら ねじ穴は、前述した条件からなる板材の成 加工時において、一度に設けられることか 、成形加工時における板材の温度や加工状 によって、ねじ穴の位置や形状等が微妙に 化することは避けられない。そして、この うなねじ穴の不整合となる現象が、例えば 板と取付板との間に生じると、前記取付板 設けたねじ穴にねじを位置決めしてねじ締 を行う場合、ねじが基板に対して円滑にね 込むことができなくなる。

 従来、このような小型のねじを使用して 品の組立てを行う場合、タッピングねじが 般的に使用されている。すなわち、タッピ グねじは、組立て部品において、予め設け れた下穴に位置決めしてねじ込むことによ 、前記下穴に雌ねじを成形しながらねじ込 が行われて部品を固定することができる。 かし、この場合、雌ねじの成形時に発生す 摩擦熱や成形粉が、例えば電子部品に対し 傷や故障を生じる原因となる難点がある。

 前述したタッピングねじの問題点を解消 るため、タッピングねじのねじ山のピッチ 比較的大きく形成すると共に、ねじの谷部 間隔を比較的広く形成し、このねじ山が形 されたねじ部の全長に対して、ねじ部の先 から少なくとも60%以上の部分にマイクロカ セルにエポキシ系接着剤を封入した樹脂接 剤を塗布した構成からなる雌ねじ成形タッ ングねじが提案されている(特許文献1参照)

 また、組立て部品の組み付け作業を行う 、予めフレームや組立て部品などに雌ねじ タッピングした後、塗装やメッキなどの表 処理を施して組み付ける場合、表面処理層 よって雌ねじが僅かに小さくなったり、塗 が入り込んだりすることがあり、対応する きさのボルトや止めねじなどの雄ねじが入 にくくなっていることがある。さらに、組 て部品を取り外した場合に、その後既設の ねじを使用して元の組立て部品や新たな組 て部品を組み付ける際に、雌ねじが傷んだ 、あるいは雌ねじに錆びが発生したりして 雄ねじが入りにくくなることがある。

 このように、雌ねじに不具合が発生した 合、手回しタップなどを使用して雌ねじを 復することが知られているが、このような 業は極めて煩雑である。そこで、前記手回 タップに代えて、ねじ部の外周に、切り刃 設けると共に、切り屑を排出可能な少なく も1本の溝を形成して、これを雌ねじにねじ 込んで、雄ねじが入りにくくなった雌ねじの 修復を簡便に行うことができるように構成し たタップ(工具)が提案されている(特許文献2 照)。

 また、前述した製品の組立てにおいて、 さい寸法のねじを使用して、その取付けお び締付けを行う場合、電子部品などの発熱 対し、放熱通路を確保するために、雌ねじ 設けたスタッドやスペーサなどが使用され 。このような場合においても、雄ねじの雌 じに対する取り付けに際して、前述したこ と同様な問題を生じる。

 このような問題を解消するため、ねじ部 頭部側と先端部側とに二分して、第1区域と してのねじ山部と第2区域としてのねじ山部 をそれぞれ設け、前記先端部側のねじ山部 、ねじ山の外形がその先端から次第に増大 るように形成すると共に、前記頭部側のね 山部より大径のタッピングねじ部として形 してなる、緩み防止用の雄ねじが提案され いる(特許文献3参照)。

特開2002-70824号公報

特開2005-254444号公報

特開2005-337406号公報

 従来において提案されている前記特許文 1に記載の雌ねじ成形タッピングねじは、依 然としてタッピング成形を行うため、摩擦に よる発熱を回避することができないばかりで なく、成形粉(切り粉)を回収するためのねじ に対する加工が煩雑となり、ねじの製造コ トが増大する等の難点がある。

 また、前記特許文献2に記載のタップ(工 )は、雌ねじに不具合が発生した場合に、雄 じに代えて使用するものであり、雌ねじを 形修復した後、再度雄ねじの取り付けを行 ものであり、ねじの取付け作業が著しく煩 となり、製品の生産効率を向上するための 立て作業には適さない難点がある。

 さらに、前記特許文献3に記載の緩み防止 用の雄ねじは、前記特許文献1に記載の雌ね 成形タッピングねじと同様に、タッピング じとしての機能を有するものであり、発熱 成形粉(切り粉)の問題を解消することができ ないばかりでなく、ねじ部の構造が複雑とな ることから、ねじの製造コストが増大する等 の難点がある。

 なお、このような雄ねじのねじ込みを迅 に行うため、例えばねじ部の先端部分の形 を、先細りにして先鋭化した構成とするこ が提案されている。しかし、このような形 とすることにより、前記と同様な効果を得 ことが可能であるが、例えばねじ締め自動 に適用する場合、ねじを自動供給する際に 先鋭化されたねじの先端により、ねじの供 通路を損傷させ、さらには通路の損傷部に じ詰りを生じさせる等の不都合を発生させ 問題がある。従って、このようなねじ部の 端部分の形状を先鋭化したねじは、例えば じ部の一部に切り刃を形成する共に、先鋭 した先端をドリル部として形成することに り、特に建築用のねじとして利用されるも であって、前述した電子機器製品の組立て ねじとしては、到底適合するものではない

 そこで、本発明者は、種々検討並びに試 を重ねた結果、基本的にタッピングねじと ての機能を省き、ねじ穴の不整合を解消す ためには、ねじ部の先端部分の形状を球面 に突出させることによって、例えば幅狭と ったねじ穴へのねじ部のねじ込みを、ねじ の位置を矯正するように機能して、適正か 円滑に達成することができることを突き止 た。

 この場合、ねじ部は、ねじ締めに適した 密な加工とし、ねじ部の先端部分の形状の を球面状に突出する加工とする、比較的簡 な構成であるため、例えばダイスを使用し 容易に加工することができ、従来のねじと べて製造コストを増大することなく、しか ねじ締めに際して、発熱や成形粉の問題を く生じることなく、円滑にして迅速なねじ め作業を行うことができることが確認され 。

 そして、前記ねじ部の先端部分の形状を 球面状に突出させるには、例えばねじ部の 端部分を、先端に向かって外径が縮小する うに形成すると共に、順次径が2段階もしく はそれ以上の複数段階にテーパ状ないしは湾 曲状で変化して、その先端部が球面状に突出 する構成とすることにより、前述したねじ締 め効果をより有効に達成することができるこ とがわかった。

 さらに、前記ねじ部の先端部において、 じ部の先端部側から球面状に突出する先端 分に跨って、その外周の一部に前記ねじ部 軸方向と平行に延在する少なくとも1本の溝 を刻設することにより、ねじの緩み止め機能 や、ねじ込み機能の強化等を達成することが できることがわかった。

 従って、本発明の目的は、ねじ部の形状 タッピングねじ構造とすることなく、ねじ めに適した精密な加工とし、ねじ部の先端 分の形状のみを球面状に突出する加工とす ことにより、比較的簡単な構成で低コスト 製造することができ、しかもねじ締めに際 て、発熱や成形粉の問題を全く生じること く、円滑にして迅速なねじ締め作業を行う とができるねじを提供することにある。

 前記の目的を達成するため、本発明の請 項1に記載のねじは、一端部にビット嵌合溝 を設けた頭部と、全長に亘ってほぼ等円径に 精密加工されたねじ部とからなり、前記ねじ 部の先端部分の形状を複数段階に変化する球 面状に突出する構成としたことを特徴とする 。

 本発明の請求項2に記載のねじは、一端部 にビット嵌合溝を設けた頭部と、全長に亘っ てほぼ等円径にしてかつその先端部側におい て次第に外径が縮小するように精密加工され たねじ部とからなり、前記ねじ部の先端部分 の形状を複数段階に変化する球面状に突出す る構成としたことを特徴とする。

 本発明の請求項3に記載のねじは、一端部 にビット嵌合溝を設けた頭部と、全長に亘っ てほぼ等円径に精密加工されたねじ部とから なり、前記ねじ部の先端部側において順次段 階的に外径が縮小するように形成し、その先 端部分の形状を複数段階に変化する球面状に 突出する構成としたことを特徴とする。

 本発明の請求項4に記載のねじは、前記ね じ部の球面状に突出させる先端部分の形状は 、ねじ部の軸径から起立する基部と前記軸径 より2/3以下の径に縮小して球面状に突出する 先端突出部とからなる2段階に変化する構成 らなることを特徴とする。

 本発明の請求項5に記載のねじは、前記ね じ部の軸径から起立する基部を、テーパ状に 形成してなることを特徴とする。

 本発明の請求項6に記載のねじは、前記ね じ部の軸径から起立する基部を、湾曲状に突 出形成してなることを特徴とする。

 本発明の請求項7に記載のねじは、前記ね じ部の先端部側において、ねじ部の先端部側 から球面状に突出する先端部分に跨って、そ の外周の一部に前記ねじ部の軸方向と平行に 延在する少なくとも1本の溝を刻設すること 特徴とする。

 本発明の請求項8に記載のねじは、前記ね じ部の先端部側に刻設する少なくとも1本の は、ねじのねじ締め方向とは逆方向に対し ねじ軸方向と平行しその回転方向に対して 直面となる第1の横断面を形成することを特 とする。

 本発明の請求項9に記載のねじは、前記ね じ部の先端部側に刻設する少なくとも1本の は、ねじのねじ締め方向に対し、ねじ軸方 と平行しその回転方向に対して垂直面とな 第2の横断面を形成することを特徴とする。

 本発明の請求項1ないし3に記載のねじに れば、ねじ部の先端部分の形状を球面状に 出させることによって、例えば幅狭となっ ねじ穴へのねじ部のねじ込みを、適正かつ 滑に達成することができる。特に、タッピ グねじとしての機能を有することなく、ね 締めに適した精密な加工とし、ねじ部の先 部分の形状のみを球面状に突出する加工と る、比較的簡単な構成であるため、例えば イスにより容易に加工することができ、従 のねじと比べて製造コストを増大すること く、しかもねじ締めに際して、発熱や成形 (切り粉)の問題を全く生じることなく、円滑 にして迅速な螺旋締め作業を行うことができ る。

 本発明の請求項4ないし6に記載のねじに れば、ねじ部の球面状に突出させる先端部 の形状を、ねじ部の軸径から起立する基部 前記軸径より2/3以下の径に縮小して球面状 突出する先端突出部とからなる2段階に変化 る構成とすることにより、ねじ穴の不整合 対し、円滑にして迅速なねじ込みを容易に 現することができる。特に、この場合、2段 階に突出させて、その基部をテーパ状に形成 したり、あるいは湾曲状に突出形成したりす ることが、成形上において有利であり、また その作用効果も有効かつ十分に発揮させるこ とができる。

 本発明の請求項7ないし9に記載のねじに れば、ねじ部の先端部側において、ねじ部 ら球面状に突出する先端部分に跨って、そ 外周の一部に前記ねじ部の軸方向と平行に 在する少なくとも1本の溝を刻設することに り、前述した作用効果に併せて、ねじの緩 止め機能や、ねじ込み機能の強化等を達成 ることができる。

 次に、本発明に係るねじの実施例につき 添付図面を参照しながら以下詳細に説明す 。

 図1は、本発明に係るねじの一実施例を示 す外観側面図である。すなわち、図1におい 、参照符号10Aは本実施例に係るねじを示し 一端部にビット嵌合溝13を設けた頭部12と、 長に亘ってほぼ等円径に精密加工されたね 部14とからなり、前記ねじ部14の先端部分20 形状を複数段階の球面状に突出させた構成 する。この場合、図示のように、ねじ部14 、その先端部側において次第に外径が縮小 るように精密加工し、前記ねじ部14の先端部 分20の形状を2段階の球面状に突出させた構成 とすることができる。

 すなわち、本実施例のねじ10Aにおいては 前記ねじ部14の球面状に突出させる先端部 20の形状は、ねじ部14の先端に指向して順次 dが縮小するように、複数段階に変化する球 面状に突出させた構成とする。そこで、図示 例においては、ねじ部14の球面状に突出させ 先端部分20の形状は、ねじ部14の軸直径dか 起立する基部22と、前記軸直径dより2/3以下 直径d″に縮小する先端突出部21とからなる 2段階に変化する球面状に突出する構成とし ものである。なお、この場合、図示のよう 、前記ねじ部14から起立する基部22は、湾曲 状に突出形成すると共に、先端突出部21との 界部を全て湾曲面で接するように設定すれ 好適である。

 従って、このように構成した本実施例の じ10Aによれば、図2に示すように、例えば基 板32と取付板34との間において、ねじ穴32a,34a 不整合を生じた場合、前記取付板34に設け ねじ穴34aにねじ10Aを位置決めして、ねじ締 を行うに際し、実質的に狭くなっているね 穴32a,34aに対し、前記ねじ部14の先端部分20の 先端突出部21がねじ穴32a,34aに容易に嵌入し、 確実な位置決めを達成することができる。

 次いで、ねじ締めを開始すると、不整合 生じていたねじ穴32a,34aに対し、前記ねじ10A は、ねじ部14の先端部分20における球面状に 出する先端突出部21から湾曲状の基部22に向 って押し込まれることにより、取付板34が 印で示すように移動し、次第にねじ穴32a,34a 整合するように矯正されて、ねじ部14が円 にねじ込まれるようになる。従って、本実 例のねじ10Aは、ねじ部14の形状をタッピング ねじ構造とすることなく、ねじ締めに適した 精密な加工とし、ねじ部14の先端部分20に形 した球面状の先端突出部21から湾曲状の基部 22を経てねじ部14に至る移動変位を円滑に達 して、発熱や成形粉(切り粉)の問題を全く生 じることなく、円滑にして迅速なねじ締め作 業を達成することができる。

 なお、本実施例のねじ10Aについて、前記 じ部14の構成を、全長に亘ってほぼ等円径 精密加工し、このねじ部の先端部側におい 順次段階的に外径が縮小するように形成し ねじとし、このように構成したねじ部の先 部分に対して、前述した複数段階に変化す 球面状に突出させた構成を採用することも 能である。

 図3は、本発明に係るねじの別の実施例を 示す外観側面図である。なお、説明の便宜上 、図1に示す実施例のねじ10Aの構成要素と同 の構成要素については、同一の参照符号を して説明する。

 図3において、本実施例に係るねじ10Bは、 一端部にビット嵌合溝13を設けた頭部12と、 長に亘ってほぼ等円径に精密加工されたね 部14とからなり、前記ねじ部14の先端部分20 形状を、前記実施例1と同様に、ねじ部14の 端に指向して順次径dが縮小するように、複 段階に変化する球面状に突出させた構成と る。そこで、本実施例においては、前記ね 部14から起立する基部22は、テーパ状に形成 すると共に、先端突出部21を軸径dより2/3以下 の直径d′に縮小して球面状に突出する2段階 変化する構成としたものである。

 このように構成した本実施例のねじ10Bに いても、前記実施例と同様に、ねじ穴の不 合等に対し、円滑にして迅速なねじ込みを 易に実現することができる。例えば、図4に 示すように、長尺の取付板35を所定の取付対 物33に取り付けるに際し、予め取付板35の長 手方向の離間した2個所にそれぞれ設定され いるねじ穴35aの位置と、取付対象物33にそれ ぞれ設けてあるねじ穴33aの位置とが、不整合 を生じてねじの取り付け作業を困難とする弊 害がある。このため、例えば長手方向に位置 する少なくとも一方のねじ穴35aを、長手方向 に楕円状に形成して、取付対象物33のねじ穴3 3aとの整合が可能となるように設定すること 知られている。そこで、前記取付板35に設 た前記一方のねじ穴35aに対するねじ10Bのね 締めを行った後、他方のねじ穴35aに対して ねじ10Bのねじ締めを行うに際し、ねじ穴35a ねじ穴33aとの位置が不整合となる場合があ 。このような場合、本実施例のねじ10Bによ ば、実質的に狭くなっているねじ穴33a,35aに し、前記ねじ部14の先端部分20の先端突出部 21がねじ穴33a,35aに容易に嵌入し、確実な位置 決めを達成することができる。

 次いで、ねじ締めを開始すると、不整合 生じていたねじ穴33a,35aに対し、前記ねじ10B は、ねじ部14の先端部分20における球面状に 出する先端突出部21からテーパ状の基部22に かって押し込まれることにより、取付板35 矢印で示す方向に移動し、次第にねじ穴33a,3 5aが整合するように矯正されて、ねじ部14が 滑にねじ込まれるようになる。従って、本 施例のねじ10Bは、ねじ部14の形状をタッピン グねじ構造とすることなく、ねじ締めに適し た精密な加工とし、ねじ部14の先端部分20に 成した球面状の先端突出部21からテーパ状の 基部22を経てねじ部14に至る移動変位を円滑 達成して、発熱や成形粉(切り粉)の問題を全 く生じることなく、円滑にして迅速なねじ締 め作業を達成することができる。

 また、本実施例のねじ10Bにおいても、前 ねじ部14の構成を、全長に亘ってほぼ等円 に精密加工し、このねじ部の先端部側にお て順次段階的に外径が縮小するように形成 たねじとし、このように構成したねじ部の 端部分に対して、前述した複数段階に変化 る球面状に突出させた構成を採用すること 可能である。

 図5は、本発明に係るねじのさらに別の実 施例を示す外観側面図である。なお、説明の 便宜上、図1に示す実施例のねじ10Aの構成要 と同一の構成要素については、同一の参照 号を付し、その詳細な説明は省略する。

 図5において、本実施例のねじ10Cは、前述 した実施例1に記載のねじ10Aのねじ部14の先端 部側において、ねじ部14の先端部側から球面 に突出する先端部分20に跨って、その外周 一部に前記ねじ部14の軸方向と平行に延在す る少なくとも1本の溝40を刻設したものである 。なお、本実施例のねじ10Cの構成については 、前記実施例2に記載のねじ10Bに対しても、 のまま適用することができる。

 そこで、本実施例のねじ10Cにおいては、 記ねじ部14の先端部側に刻設する少なくと 1本の溝40は、ねじ10Cのねじ締め方向とは逆 向に対し、ねじ軸方向と平行しその回転方 に対して垂直面となる第1の横断面41を形成 るように構成する。このように構成するこ により、前記第1の横断面41によって、ねじ 緩み止め機能や、ねじ込み機能の強化等を 成することができる。

 図6は、本発明に係るねじの他の実施例で あって、前記図5に示す実施例の変形例を示 外観側面図である。なお、説明の便宜上、 1に示す実施例のねじ10Aの構成要素と同一の 成要素については、同一の参照符号を付し その詳細な説明は省略する。

 図6において、本実施例のねじ10Dは、前述 した図5に示す実施例3のねじ10Cと同様に、ね 部14の先端部側において、ねじ部14の先端部 側から球面状に突出する先端部分20に跨って その外周の一部に前記ねじ部14の軸方向と 行に延在する少なくとも1本の溝40を刻設し ものである。なお、本実施例においても、 記実施例3と同様に、前記実施例2に記載のね じ10Bに対して、そのまま適用することができ る。

 この場合、本実施例のねじ10Dにおいては 前記ねじ部14の先端部側に刻設する少なく も1本の溝40は、ねじ10Dのねじ締め方向に対 、ねじ軸方向と平行しその回転方向に対し 垂直面となる第2の横断面42を形成ように構 する。このように構成することにより、前 第2の横断面42によって、ねじの緩み止め機 や、ねじ込み機能の強化等を達成すること できる。

 以上、本発明の好適な実施例についてそ ぞれ説明したが、本発明は前述した実施例 限定されることなく、例えばねじ部の形状 成、またその先端部側の外形が縮小する形 構成や、その先端部分の形状構成並びに複 段階に径を変化させる形状構成等について それぞれ設計変更することができるばかり なく、ねじ部の先端部側から球面状に突出 る先端部分に跨ってその外周の一部に前記 じ部の軸方向と平行に延在する溝について 、それらの形状構成について適宜設計変更 ることができ、その他本発明の精神を逸脱 ない範囲内において多くの設計変更を行う とが可能である。

本発明に係るねじの一実施例を示す外 側面図である。 図1に示すねじの使用状態を示す説明図 である。 本発明に係るねじの別の実施例を示す 観側面図である。 図3に示すねじの使用状態を示す説明図 である。 本発明に係るねじのさらに別の実施例 示す外観側面図である。 本発明に係るねじの他の実施例を示す 観側面図である。

符号の説明

10A,10B,10C,10D ねじ
12 頭部
13 ビット嵌合溝
14 ねじ部
20 先端部分
21 先端突出部
22 基部
32 基板
32a ねじ穴
33 取付対象物
33a ねじ穴
34 取付板
34a ねじ穴
35 取付板
35a ねじ穴
40 溝
41 第1の横断面
42 第2の横断面