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Title:
RACK GUIDE AND RACK-AND-PINION TYPE STEERING DEVICE EQUIPPED WITH THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149556
Kind Code:
A1
Abstract:
A rack guide (20) for supporting a rack bar (8) slidably which has an arc-shaped concave surface (22) for sliding and guiding a rack bar (8) on one edge face (21), a round-columnar recess (24) on the other edge face (23), and a cylindrical outer periphery surface (25) between the edge faces (21, 23) and which is made of a polyamide resin composed of dicarboxylic acid units (a) comprising 60 to 100% by mole of terephthalic acid units and diamine units (b) comprising 60 to 100% by mole of 1,9 -nonanediamine units and 2-methyl-1,8-octanediamine units at a mole ratio of 1,9-nonanediamine units to 2-methyl-1,8 -octanediamine units of 70:30 to 50:50, a tetrafluoroethylene resin, and a reinforcing filler.

Inventors:
KAIDA HIDETOSHI (JP)
OKI EIJI (JP)
MORISHIGE KOUICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/001437
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
June 05, 2008
Export Citation:
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Assignee:
OILES INDUSTRY CO LTD (JP)
KAIDA HIDETOSHI (JP)
OKI EIJI (JP)
MORISHIGE KOUICHI (JP)
International Classes:
B62D3/12; C08K3/00; C08L27/18; C08L77/06; F16H19/04
Domestic Patent References:
WO2007055147A12007-05-18
Foreign References:
JPH01289763A1989-11-21
JP2006176597A2006-07-06
JP2006321351A2006-11-30
JPS6144540A1986-03-04
JP2006002113A2006-01-05
JPH0296268U1990-07-31
JPS5997163U1984-07-02
Attorney, Agent or Firm:
TAKADA, Takeshi (Hanabusa Building12-6, Minamiaoyama 5-chome,Minato-k, Tokyo 62, JP)
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Claims:
 一方の端面にラックバーを摺動案内する円弧状凹面を備え、他方の端面に円柱状凹部を備えると共に一方及び他方の端面間に円筒状外周面を備えた合成樹脂製のラックガイドであって、テレフタル酸単位を60~100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と1,9-ノナンジアミン単位及び2-メチル-1,8-オクタンジアミン単位を60~100モル%含有するジアミン単位(b)とからなると共に1,9-ノナンジアミン単位と2-メチル-1,8-オクタンジアミン単位とのモル比が70:30~50:50であるポリアミド樹脂と、四ふっ化エチレン樹脂と、補強充填材とからなり、該ポリアミド樹脂に対して四ふっ化エチレン樹脂と補強充填材とが合量で50重量%以下の割合で含有されていることを特徴とするラックガイド。
 ポリアミド樹脂の極限粘度が、0.6~2.0dl/gである請求項1に記載のラックガイド。
 四ふっ化エチレン樹脂の含有量は10~30重量%であり、補強充填材の含有量は20~40重量%である請求項1又は2に記載のラックガイド。
 補強充填材は、ガラス繊維、ガラスビーズ、チタン酸カリウムウィスカ及び酸化亜鉛ウィスカのうちの少なくとも一つから選択される請求項1から3のいずれか一項に記載のラックガイド。
 該円弧状凹面には、その底部において、円形凹部と、一方の端部が該円形凹部に開口し、他方の端部が一方の端面で開口する凹溝とが形成されており、該円弧状凹面は、曲率中心がラックバーの円弧外周面の曲率中心に位置すると共にラックバーの円弧外周面の曲率半径に等しい曲率半径をもってラックバーの摺動方向に沿って伸びて形成された所定の角度幅の支承円弧面と、支承円弧面の一方側に配されていると共に円弧状凹面の対称軸線とラックバーの中心線とを含む対称軸平面上に位置する曲率中心とラックバーの円弧外周面の曲率半径よりも小さな曲率半径とをもってラックバーの摺動方向に沿って伸びて形成された非支承円弧面と、支承円弧面の他方側に配されていると共に該対称軸平面に直交しかつラックバーの中心線を含む直交平面上に位置する曲率中心とラックバーの円弧外周面の曲率半径よりも小さな曲率半径とをもってラックバーの摺動方向に沿って伸びて形成された所定の角度幅の非支承円弧面とを対称軸平面に対して対称に具備している請求項1から4のいずれか一項に記載のラックガイド。
 内部に円筒状の保持孔を有するハウジングと、このハウジング内に回転自在に配されていると共に操舵により回転されるピニオンと、このピニオンに噛合するラック歯を有するラックバーと、ハウジングの保持孔に移動自在に配されていると共にラックバーを移動自在に案内支持する請求項1から5のいずれか一項に記載のラックガイドと、保持孔に配されていると共にラックガイドを介してラックバーのラック歯をピニオンに弾性的に押圧する弾性手段とを具備したラックピニオン式ステアリング装置。
Description:
ラックガイド及び該ラックガイ を具備したラックピニオン式ステアリング 置

 本発明は、ステアリングハンドルの回転 作に連動してピニオンを回転させ、このピ オンと噛合するラック歯を有したラックバ を往復移動させて操舵を行うようにした自 車等の車輌に用いられるラックガイド及び ラックガイドを具備したラックピニオン式 テアリング装置に関する。

実願昭51-129734号のマイクロフィルム

実公昭59-8932号公報

実願昭57-35593号のマイクロフィルム

実願昭58-119290号のマイクロフィルム

 図9に示すように、従来のラックピニオン 式ステアリング装置1は、一般に、内部に円 状の保持孔2を有するハウジング3と、ステア リング操作により回転されるように、ハウジ ング3内に軸受4及び5を介して回転自在に配さ れたピニオン6と、ピニオン6の回転により紙 に直交する方向に移動されるように、ピニ ン6に噛合ったラック歯7を有して移動自在 ラックバー8と、ラックバー8の移動を案内す るように、ハウジング3内の横方向(ラックバ 8の移動方向と直交する方向)に伸びる保持 2に移動自在に配されていると共にラックバ 8に摺動自在に接触してラックバー8を移動 在に案内支持するラックガイド9と、保持孔2 においてハウジング3及びラックガイド9間に されていると共にラックガイド9を介してラ ックバー8のラック歯7をピニオン6に弾性的に 押圧する弾性手段としてのコイルばね10とを 備してなる。

 このラックピニオン式ステアリング装置1 において、ラックバー8を摺接支持するラッ ガイド9には、鉄系焼結合金あるいは合成樹 が使用されている。しかしながら、鉄系焼 合金からなるラックガイド9は、ラックバー 8からの衝撃荷重に対して充分な機械的強度 有する反面、摺動摩擦抵抗が大きいためス アリング系の効率が低下し、操縦性に問題 残している。また、合成樹脂からなるラッ ガイド9は、摺動摩擦抵抗を低減させること できる反面、衝撃荷重に対する機械的強度 劣ること、成形収縮などによる寸法のバラ キを生じ、寸法精度よく成形し、かつ成形 の寸法精度を保持し難いこと、更にはハウ ング3内の保持孔2に組み込まれた後、ラッ ピニオン式ステアリング装置1の温度上昇に る影響を受けて熱膨張をきたし、熱変形、 リープを生じてラックバー8を円滑に摺接支 持し難いこと、などの問題がある。

 上記合成樹脂からなるラックガイドの問 点を解決するべく、一方の端面にラックバ を摺動案内する円弧状凹面を有し、他方の 面に円柱状凹部を有する合成樹脂からなる ックガイドにおいて、一端から他端まで伸 るスリットを設け、該スリットにより直径 向の加工上のバラツキ及び熱膨張を吸収す ようにしたラックガイド(特許文献1所載)が また衝撃荷重に対する機械的強度の向上を 的として芯金からなる補強材を合成樹脂と ンサート成形する技術(特許文献2、特許文 3及び特許文献4所載)が提案されている。

 しかしながら、これらの技術においても 合成樹脂の成形収縮に起因する寸法精度の 題、ラックピニオン式ステアリング装置の 度上昇に起因する合成樹脂の熱膨張、収縮 熱変形、クリープなどの問題点は依然とし 解決されていない。また、合成樹脂からな ラックガイドにおいて、使用する合成樹脂 とくに6ナイロンや66ナイロンなどのポリア ド樹脂は、上記の問題点に加えて吸水性の 題があり、精度よく成形しても吸水によっ 膨潤して寸法変化をきたし、ラックガイド ハウジング3内の保持孔2への組付け性を阻 するという問題もある。

 本発明は、前記諸点に鑑みてなされたも であり、その目的とするところは、合成樹 の成形収縮や吸水に起因する寸法精度の問 、合成樹脂の熱膨張、収縮、熱変形、クリ プなどの問題点を解決したラックガイド及 該ラックガイドを具備したラックピニオン ステアリング装置を提供することにある。

 一方の端面にラックバーを摺動案内する 弧状凹面を備え、他方の端面に円柱状凹部 備えると共に一方及び他方の端面間に円筒 外周面を備えた本発明の合成樹脂製のラッ ガイドは、テレフタル酸単位を60~100モル%含 有するジカルボン酸単位(a)と1,9-ノナンジア ン単位及び2-メチル-1,8-オクタンジアミン単 を60~100モル%含有するジアミン単位(b)とから なると共に1,9-ノナンジアミン単位と2-メチル -1,8-オクタンジアミン単位とのモル比が70:30~5 0:50であるポリアミド樹脂と、四ふっ化エチ ン樹脂と、補強充填材とからなり、該ポリ ミド樹脂に対して四ふっ化エチレン樹脂と 強充填材とが合量で50重量%以下の割合で含 されてなる。

 本発明のラックガイドによれば、テレフ ル酸単位を60~100モル%含有するジカルボン酸 単位(a)と、1,9-ノナンジアミン単位及び2-メチ ル-1,8-オクタンジアミン単位を60~100モル%含有 するジアミン単位(b)とからなると共に1,9-ノ ンジアミン単位と2-メチル-1,8-オクタンジア ン単位とのモル比が70:30~50:50であるポリア ド樹脂に対して四ふっ化エチレン樹脂と補 充填材とが合量で50重量%以下の割合で含有 れているので、優れた摩擦摩耗特性を有し かつ耐衝撃性、低吸水性、耐熱性などの特 に優れている結果、合成樹脂の成形収縮や 水に起因する寸法精度の問題、合成樹脂の 膨張、収縮、熱変形、クリープなどの問題 を悉く解決することができ、ラックバーを 滑に摺接支持することができる。

 本発明のラックガイドにおいて、上記ポ アミド樹脂の極限粘度[η]は、0.6~2.0dl/gであ のが好ましく、0.7~1.9dl/gであるのがより好 しく、0.8~1.8dl/gであるのが更に好ましい。

 ポリアミド樹脂の極限粘度が0.6dl/g未満で は、四ふっ化エチレン樹脂と補強充填材とが 合量で50重量%以下の割合で含有されたラック ガイドの機械的性質が低下し、2.0dl/gより大 いと得られるラックガイド組成物の流動性 低下し、成形性が悪化する傾向がある。

 本発明のラックガイドにおいて、ポリア ド樹脂に対する四ふっ化エチレン樹脂の含 量は10~30重量%であるのが好ましく、補強充 材の含有量は20~40重量%であるのが好ましく これらの合量で50重量%以下である。

 ポリアミド樹脂に対して含有される四ふ 化エチレン樹脂は、ラックガイド用として ポリアミド樹脂の優れた摩擦摩耗特性を更 向上させるものであり、また、補強充填材 、ラックガイド用としてのポリアミド樹脂 優れた機械的強度を更に向上させるもので る。そして、ポリアミド樹脂が具有する優 た摩擦摩耗特性及び機械的強度を更に向上 せるという観点からは、ポリアミド樹脂に する四ふっ化エチレン樹脂と補強充填材と 含有量の合量が50重量%以下である必要があ 。

 ポリアミド樹脂に対して含有される補強 填材としては、ガラス繊維、ガラスビーズ チタン酸カリウムウィスカ及び酸化亜鉛ウ スカのうちの少なくとも一つの無機繊維か 選択されるとよい。

 これら補強充填材は、ポリアミド樹脂の 械的強度を向上させ、ラックガイドとして 衝撃強度を向上させるととともに四ふっ化 チレン樹脂と協働して耐摩耗性を向上させ 。

 本発明のラックガイドにおいて、円弧状 面には、その底部において、円形凹部と、 方の端部が該円形凹部に開口し、他方の端 が一方の端面で開口する凹溝とが形成され いてもよく、また該円弧状凹面は、曲率中 がラックバーの円弧外周面の曲率中心に位 すると共にラックバーの円弧外周面の曲率 径に等しい曲率半径をもってラックバーの 動方向に沿って伸びて形成された所定の角 幅の支承円弧面と、支承円弧面の一方側に されていると共に円弧状凹面の対称軸線と ックバーの中心線とを含む対称軸平面上に 置する曲率中心とラックバーの円弧外周面 曲率半径よりも小さな曲率半径とをもって ックバーの摺動方向に沿って伸びて形成さ た非支承円弧面と、支承円弧面の他方側に されていると共に該対称軸平面に直交しか ラックバーの中心線を含む直交平面上に位 する曲率中心とラックバーの円弧外周面の 率半径よりも小さな曲率半径とをもってラ クバーの摺動方向に沿って伸びて形成され 所定の角度幅の非支承円弧面とを対称軸平 に対して対称に具備していてもよい。

 ラックバーを摺接支持するラックガイド 円弧状凹面に、ラックバーを摺接支持する 定の角度幅の支承円弧面と該支承円弧面の 側にラックバーと摺接しない非支承円弧面 を対称に形成することにより、ラックバー 摺接するラックガイドの円弧状凹面の支承 弧面の大きさが経時的にも荷重によっても 化が少なく、操舵力を一定に保つことがで る。

 本発明のラックピニオン式ステアリング 置は、内部に円筒状の保持孔を有するハウ ングと、このハウジング内に回転自在に配 れていると共に操舵により回転されるピニ ンと、このピニオンに噛合するラック歯を するラックバーと、ハウジングの保持孔に 動自在に配されていると共にラックバーを 動自在に案内支持する上記のいずれかの態 のラックガイドと、保持孔に配されている 共にラックガイドを介してラックバーのラ ク歯をピニオンに弾性的に押圧する弾性手 とを具備している。

 本発明のラックピニオン式ステアリング 置によれば、ラックバーを移動自在に案内 持するラックガイドには、テレフタル酸単 を60~100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と 、1,9-ノナンジアミン単位及び2-メチル-1,8-オ タンジアミン単位を60~100モル%含有するジア ミン単位(b)とからなると共に1,9-ノナンジア ン単位と2-メチル-1,8-オクタンジアミン単位 のモル比が70:30~50:50であるポリアミド樹脂 対して四ふっ化エチレン樹脂と補強充填材 が合量で50重量%以下の割合で含有されてい ので、優れた摩擦摩耗特性を有し、かつ耐 撃性、低吸水性、耐熱性などの特性に優れ いる結果、合成樹脂の成形収縮や吸水に起 する寸法精度の問題、合成樹脂の熱膨張、 縮、熱変形、クリープなどの問題を生じる となくラックバーを長期間にわたって円滑 摺接支持することができる。

 本発明によれば、合成樹脂の成形収縮や 水に起因する寸法精度の問題、合成樹脂の 膨張、収縮、熱変形、クリープなどの問題 を解決した合成樹脂製のラックガイド及び ラックガイドを具備したラックピニオン式 テアリング装置を提供することができる。

 次に本発明を、図に示す好ましい実施の 態の例に基づいて更に詳細に説明する。な 、本発明はこれら例に何等限定されないの ある。

  図1は、ラックガイドの実施の形態の好ま い一例の図3のI-I線断面図、
  図2は、図1の平面図、
  図3は、図1の底面図、
  図4は、ラックガイドの円弧状凹面を示す 分拡大断面図、
  図5は、ラジアル剛性試験装置を示す説明 、
  図6は、摺動耐久試験の結果を示すグラフ
  図7は、ラジアル剛性試験の結果を示すグ フ、
  図8は、外径寸法の変化率を試験した結果 示すグラフ、そして、
  図9は、ラックピニオン式ステアリング装 の断面図である。

 本例のラックピニオン式ステアリング装 は、図9に示す従来のラックピニオン式ステ アリング装置1におけるラックガイド9に対し 、図1から図3に示すラックガイド20を用いた ものであって、本例のラックバー8を摺接支 するラックガイド20は、一方の端面21にラッ バー8を摺動案内する円弧状凹面22を有し、 方の端面23に円柱状凹部24を有すると共に端 面21及び23間に円筒状外周面25を有している。

 円弧状凹面22には、その底部26において、 円形凹部27と、一方の端部28が円形凹部27に開 口し、他方の端部29が一方の端面21で開口す 凹条溝30とが形成されている。ラックガイド 20の他方の端面23にその円周方向に沿って形 された複数個の凹部31及び円柱状凹部24の底 を規定するラックガイド20の底面32にその円 周方向に沿って形成された複数個の凹部33の 々は、ラックガイド20の肉厚を均一にする めの肉盗み凹部である。

 ラックガイド20は、テレフタル酸単位を60 ~100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と1,9-ノ ナンジアミン単位及び2-メチル-1,8-オクタン アミン単位を60~100モル%含有するジアミン単 (b)とからなると共に1,9-ノナンジアミン単位 と2-メチル-1,8-オクタンジアミン単位とのモ 比が70:30~50:50であるポリアミド樹脂と、四ふ っ化エチレン樹脂と、補強充填材とからなり 、該ポリアミド樹脂に対して四ふっ化エチレ ン樹脂と補強充填材とが合量で50重量%以下の 割合で含有されてなる。

 ポリアミド樹脂は、濃硫酸中30℃の温度 件下で測定したその極限粘度[η]が、0.6~2.0dl/ gであるのが好ましく、0.7~1.9dl/gであるのがよ り好ましく、0.8~1.8dl/gであるのが更に好まし 。極限粘度が0.6dl/g未満では得られるラック ガイドの機械的性質が低下し、2.0dl/gより大 いと得られるラックガイド組成物の流動性 低下し、成形性が悪化する傾向がある。

 ポリアミド樹脂に含有される四ふっ化エ レン樹脂は、モールディングパウダーある はファインパウダーとして主に成形用途に 用される成形用粉末及び潤滑用途に使用さ る潤滑用粉末のいずれも使用することがで 、また両者を同時に使用することもできる 成形用粉末としては、例えば三井デュポン ロロケミカル社製の「テフロン(登録商標)6J (商品名)」、「テフロン(登録商標)7J(商品名) 、ダイキン工業社製の「ポリフロンM-15(商 名)」、「ポリフロンF-103(商品名)」、旭硝子 社製の「アフロンG163(商品名)」などを挙げる ことができ、また、潤滑用粉末としては、例 えば三井デュポンフロロケミカル社製の「TLP -10(商品名)」、ダイキン工業社製の「ルブロ L5(商品名)」などを挙げることができる。ポ リアミド樹脂に対する四ふっ化エチレン樹脂 の含有量は10重量%~30重量%であることが好ま い。含有量が10重量%未満では、ポリアミド 脂に低摩擦性を付与し難く、また30重量%を えて含有すると耐摩耗性を低下させる。

 補強充填材は、ガラス繊維、ガラスビー 、チタン酸カリウムウィスカ及び酸化亜鉛 ィスカのうちの少なくとも一つから選択さ るとよい。

 ガラス繊維としては、非晶質性のケイ酸 ガラス、ホウ酸塩ガラスが使用されて好適 ある。ガラス繊維は、平均繊維径が3~15μmの ものであることが好ましく、特に6~13μmのも であることが好ましい。ガラスビーズとし は、粒径40~100μmの球状粒子であることが好 しい。チタン酸カリウムウィスカとしては 市販の平均繊維径0.1~2μm、平均繊維長5~100μm ものがそのまま使用でき、補強効果の面か アスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)が10 上のものが望ましい。チタン酸カリウムウ スカは、ウィスカ(単結晶繊維)であることに よる強度、曲げ弾性率の向上効果を発揮する 。具体的には、大塚化学薬品社製の「ティス モ(商品名)」、川鉄鉱業社製の「タイブレッ ス(商品名)」などが挙げられる。酸化亜鉛 ィスカは、成形品表面の平滑性を悪化させ ことがなく、また、摩擦時の相手材への攻 性も極めて少ない。更に、酸化亜鉛ウィス は、テトラポット状の形状を有するので、 次元方向へ補強することができ配向を生じ くいという特長を具備している。具体的に 、アムテック社製の「パナテトラ(商品名)」 が挙げられる。

 これらガラス繊維、ガラスビーズ、チタ 酸カリウムウィスカ及び酸化亜鉛ウィスカ うちの少なくとも一つから選択される補強 填材の含有量は20~40重量%であることが好ま い。含有量が20重量%未満では、ポリアミド 脂の強度向上に寄与せず、また40重量%を超 て含有すると四ふっ化エチレン樹脂の低摩 性の効果を妨げると共に耐摩耗性を低下さ る虞がある。

 そして、ポリアミド樹脂に対する四ふっ エチレン樹脂と補強充填材との含有量の合 が50重量%以下である必要があり、四ふっ化 チレン樹脂と補強充填材との含有量の合量 50重量%以下であれば、ラックガイド20とし の低摩擦性、耐摩耗性等の摺動特性を向上 せ、成形収縮や吸水に起因する寸法精度の 化や熱膨張、収縮、熱変形、クリープなど よる強度低下を来たすことなく長期間にわ って安定したステアリング操作が得られる

 円弧状凹面22は、図4に示すように、曲率 心Oがラックバー8の円弧外周面81(図9参照)の 曲率中心Oに位置すると共にラックバー8の円 外周面81の曲率半径r1に等しい曲率半径r1を ってラックバー8の摺動方向(紙面に直交す 方向)に沿って伸びて形成された所定の角度 θ1の支承円弧面35と、支承円弧面35の一方側 に配されていると共に円弧状凹面22の対称軸 Yとラックバー8の円弧外周面81の曲率中心O 通る中心線とを含む対称軸平面上において 率中心Oから対称軸線Y方向にδy変位して位置 する曲率中心O1とラックバー8の円弧外周面81 曲率半径r1よりも小さな曲率半径r2とをもっ てラックバー8の摺動方向に沿って伸びて形 された所定の角度幅θ2の非支承円弧面36と、 支承円弧面35の他方側に配されていると共に 称軸平面に直交しかつラックバー8の曲率中 心Oを通る中心線を含む直交平面上において 率中心Oから対称軸線Yに対して直交する直交 軸線X方向にδx変位して位置する曲率中心O2と ラックバー8の円弧外周面81の曲率半径r1より 小さな曲率半径r3とをもってラックバー8の 動方向に沿って伸びて形成された所定の角 幅θ3の非支承円弧面37とを対称軸平面に対 て対称に具備している。

 このように帯状領域としての支承円弧面3 5で、円弧状凹面22とラックバー8の円弧外周 81とが相互に摺接することにより両者間の摺 動摩擦抵抗を低減し得、ラックガイド20とし の低摩擦性、耐摩耗性等の摺動特性を向上 せることができる。

 以下、本発明を実施例により更に詳細に 明するが、本発明はその要旨を超えない限 、以下の実施例に限定されるものではない

 実施例
 テレフタル酸単位と、1,9-ノナンジアミン単 位及び2-メチル-1,8-オクタンジアミン単位(1,9- ノナンジアミン単位:2-メチル-1,8-オクタンジ ミン単位のモル比が60:40)とからなり、極限 度[η](濃硫酸中、30℃で測定)が1.4dl/g、末端 止率が90%(末端封止剤:安息香酸)であるポリ ミド樹脂に対し、四ふっ化エチレン樹脂と て三井デュポンフロロケミカル社製の「TLP- 10(商品名)」を30重量%と、補強充填材として 均繊維径が6μmで、アスペクト比が10を呈す 非晶質性のケイ酸塩ガラス繊維15重量%とを 合して得た混合粉末を成形材料とし、これ スクリュウインライン射出成形機によって 出成形しラックガイドを作製した。

 得られたラックガイドは、外径が28mm、高 さが28mmであり、図4に示すラックガイドにお て、円弧状凹面22は、11mmの曲率半径r1及び15 °の角度幅θ1をもってラックバーの摺動方向 沿って形成されている支承円弧面35と、曲 中心Oから対称軸線Y方向に0.4mm(δy)変位した 置に曲率中心о1を有し、10.6mmの曲率半径r2を もって支承円弧面35の一方の側に設けられて ると共にラックバー8の摺動方向に沿って形 成された30°の角度幅θ2の非支承円弧面36と、 直交軸線X上であって曲率中心Oから直交軸線X 方向に0.2mm(δx)変位した位置に曲率中心о2を し、10.8mmの曲率半径r3をもって支承円弧面35 他方の側に設けられていると共にラックバ 8の摺動方向に沿って形成された45°の角度 θ3の非支承円弧面37とを具備している。

 比較例1
 メタキシリレンジアミン(MXDA)とアジピン酸 から得られる結晶性のポリアミド樹脂に、 強充填材として平均繊維径が6μmで、アスペ クト比が10を呈する非晶質性のケイ酸塩ガラ 繊維50重量%を配合し、混合して得た混合粉 を成形材料とし、これをスクリュウインラ ン射出成形機によって射出成形しラックガ ドを作製した。ラックガイドの仕様は前記 施例と同じである。

 比較例2
 ポリアセタール樹脂(ポリアセタール・コポ リマー)に、直径10μm、長さ150μmのピッチ系炭 素繊維を8重量%配合し、混合して得た混合粉 を成形材料とし、これをスクリュウインラ ン射出成形機によって射出成形しラックガ ドを作製した。ラックガイドの仕様は前記 施例と同じである。

 次に、上記した実施例及び比較例のラッ ガイドについて、摺動耐久試験、ラジアル 性試験及び吸水による外径寸法の変化率を 験した。

 摺動耐久試験は、表1に示す試験条件で行 った。

 (表1)
 摺動耐久試験条件
 ラジアル荷重      2000N(204kgf)
 ラックバーのストローク ±60mm(240mm/回)
 摺動速度        60mm/sec
 摺動回数        30000回
 試験温度        室温(25℃)
 潤滑条件        摺動初期に摺動面(ラ クガイド円弧状凹面)にグリース塗付

 ラジアル剛性試験は、表2に示す試験条件 で試験した。

 (表2)
 ラジアル剛性試験条件
 ラジアル荷重  10000N(1020kgf)
 圧縮速度    0.2mm/min
 試験温度    室温(25℃)
 試験方法    図5に示す試験装置を用い、 ックガイドの円弧状凹面にラックバー治具 挿入し、ラックバーに上記表2の条件でラジ アル荷重を負荷し、ラックガイドの外径寸法 の変化量(mm)を測定した。

 吸水によるラックガイドの外径寸法の変 率の試験は、温度90℃、湿度90%に保持した 器内に実施例及び比較例のラックガイドを き、21日(504時間)間経過後、容器から取り出 、各ラックガイドの外径寸法の変化率(%)を 定した。

 図6は、摺動耐久試験の結果を示すグラフ であり、試験結果から実施例のラックガイド は、比較例1及び比較例2のラックガイドより 摺動力が小さい値を示しており、摺動性に れていることがわかる。

 図7は、ラジアル剛性試験の結果を示すグ ラフであり、実施例と比較例1のラックガイ のラジアル剛性は同等であることがわかる

 図8は、吸水によるラックガイドの外径寸 法の変化率を試験した結果を示すグラフであ り、実施例のラックガイドと比較例1のラッ ガイドを比較すると、外径寸法の変化率に きな差が生じていることがわかる。このラ クガイドの外径寸法の変化率が大きいとい ことは、ラックガイドをハウジングに挿入 る際の挿入性を悪化させるものである。

 以上のように、テレフタル酸単位を60~100 ル%含有するジカルボン酸単位(a)と、1,9-ノ ンジアミン単位及び2-メチル-1,8-オクタンジ ミン単位を60~100モル%含有するジアミン単位 (b)とからなると共に1,9-ノナンジアミン単位 2-メチル-1,8-オクタンジアミン単位とのモル が70:30~50:50であるポリアミド樹脂と四ふっ エチレン樹脂と補強充填材とからなり、該 リアミド樹脂に対して四ふっ化エチレン樹 と補強充填材とが合量で50重量%以下の割合 含有されているラックガイドは、摺動耐久 験、ラジアル剛性試験及び吸水による外径 法の変化率の試験の全てにおいて優れてお 、このラックガイドを備えたラックピニオ 式ステアリング装置は、合成樹脂の成形収 や吸水に起因する寸法精度の問題、合成樹 の熱膨張、収縮、熱変形、クリープなどの 題生じることなくラックバーを長期間にわ って円滑に摺接支持することができる。