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Title:
PISTON CYLINDER-TYPE HIGH-PRESSURE GENERATING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/150778
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a piston cylinder-type high-pressure generating device constituted from a cylinder portion divided into three pieces, these being a cylinder main body and side cylinders coupled to either side thereof. The cylinder main body is configured in such a way that a sample sealing capsule within which a sample and a pressure medium are sealed is able to be arranged therein. The device includes load transmission pistons set at both sides inside the cylinder portion and locking nuts set in both sides of the piston, and is configured in such a way that the piston is caused to move in the axial direction as a result of the fastening of the locking nuts. Accordingly, the piston cylinder-type high-pressure generating device comprising a small-diameter cylinder formed from a non-magnetic material is able to generate a high pressure while ensuring a predetermined substantial sample space.

Inventors:
MITO MASAKI (JP)
HAMADA MASAYOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/001712
Publication Date:
December 17, 2009
Filing Date:
April 14, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KYUSHU INST TECHNOLOGY (JP)
HMD CORP (JP)
MITO MASAKI (JP)
HAMADA MASAYOSHI (JP)
International Classes:
F16J12/00; B01J3/00; B01J3/03; B01J3/04; F16J13/12
Foreign References:
JP2006336625A2006-12-14
JP2006119072A2006-05-11
JP2008510116A2008-04-03
JP2008082719A2008-04-10
JPS6468496A1989-03-14
Attorney, Agent or Firm:
OHKAWA, Yuzuru (JP)
Okawa 譲 (JP)
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Claims:
シリンダー部を非磁性材料により形成したピストンシリンダー型の高圧力発生装置において、
 前記シリンダー部を、シリンダー本体と、その両側にそれぞれ結合されるサイドシリンダーの3つに分割構成し、
 前記シリンダー本体はその内部に、試料と圧力媒体を封入した試料封入カプセルを配置可能に構成し、
 前記シリンダー部の内部両サイドに、加重伝達用のピストンをセットし、かつ、このピストンの両サイドにロッキングナットをセットし、
 前記ロッキングナットを閉めこむことで、前記ピストンを軸方向に移動させるよう構成した高圧力発生装置。
前記ロッキングナットは、サイドシリンダー内部を移動可能のピストン受けを介して前記ピストンを軸方向に移動させる請求項1に記載の高圧力発生装置。
前記シリンダー部及び前記ピストンはそれぞれ、ベリリウム銅CuBeにより構成した請求項1に記載の高圧力発生装置。
前記ロッキングナットは、ベアリング機構を内蔵している請求項1に記載の高圧力発生装置。
前記シリンダー部の内外径比は、3.3以上で、5.1以下の範囲にある請求項1に記載の高圧力発生装置。
前記ピストンは、その付け根部分を連続的に大きくなるよう構成した請求項1に記載の高圧力発生装置。
前記試料封入カプセルは、四フッ化テフロンの円筒状チューブの中に試料と圧力媒体を入れて、両側から三フッ化テフロンのキャップにより封入することにより構成した請求項1に記載の高圧力発生装置。
Description:
ピストンシリンダー型の高圧力 生装置

 本発明は、高精度で高圧力下磁気測定を うためのピストンシリンダー型の高圧力発 装置に関するものである。

 物性研究における磁気測定は、従来、温 と磁場という2つのパラメーターのもと行わ れてきたが、近年、新たに圧力というパラメ ーターを導入し、高磁場・極低温・高圧力と いう複合的な極限環境下で、磁気機能性を探 索する物性研究が盛んになりつつある。

 図4は、一般的なピストンシリンダー型の 高圧力発生装置を説明する図である。試料、 及びこの試料に圧力を伝え静水圧性を保持す るための液体圧力媒体が封入されるカプセル は、互いに対向配置された一対のピストン間 に形成される圧力空間の中に配置される。一 対のピストン受けは、それぞれシリンダー部 の端部に係合するクランプナットにより軸方 向に係止されている。一対のピストン受けは 、それぞれクランプナット中央の開口を通し て、例えば、油圧を用いて加圧され、かつ、 このピストン受けは、次にピストンを介して カプセルを配置した圧力空間を加圧すること になる。

 極低温域から室温に渡る広範囲の温度域で 用するため、高圧力発生装置には、良質の 伝導性が求められる。また、測定試料の微 磁気信号の検出を可能にするため、非磁性 料が求められることから、構成材料は主成 が銅の合金(CuBe,
CuTi)に限定されてしまう。かつ、世界的普及 ている超伝導量子干渉素子(SQUID)磁束計を用 いた測定を想定したとき、シリンダー状の高 圧力発生装置の外径は8.6mm以下に限定される さらに、反強磁性体のような小さな磁気応 しか示さない試料に対しても測定を可能に るため、10mm 3 程度の実質的試料空間を確保する必要がある 。

 図5は、超伝導量子干渉素子(SQUID)磁束計 用いた測定を説明する図である(特許文献1参 照)。超伝導ピックアップコイルにより検出 れた磁束の変化は、トランスの役割を果た ことになる超伝導量子干渉素子SQUIDを通じて 検出される。この超伝導ピックアップコイル の外側に交流磁界発生用のACコイルが設けら 、さらにその外側に安定磁場の発生と磁気 ールドの両面の役割を担う外部磁場発生用 グネットが備えられている。このマグネッ は、磁気シールドの機能を強化し、非常に 定な定常磁場状態で、磁気ノイズの影響を ード面で軽減することを目的としている。 化を測定すべき測定対象試料(サンプル)は 超伝導ピックアップコイルの近辺に位置す 。超伝導ピックアップコイル、超伝導量子 渉素子SQUID及び外部磁場発生用マグネットは 、冷凍機により超伝導状態に冷却されている 。

 その測定方法として、DC測定或いはAC測定 がある。DC測定は、3箇所に分かれている検出 コイルの内の一番下のコイルから、6mmほど下 がった所から、一番上のコイルから6mmほど上 がった所までの計4cmほど、試料を移動させた ときの出力電圧信号の位置依存性を解析する 。また、AC測定は、一番下のコイルから、6mm ど下がった所と中心のコイル位置での出力 圧信号の差をフーリエ解析する。いずれの 定方法であっても、検出コイルシステム中 試料が移動することになるため、高圧力発 装置は構造上、同一の材質で構成されてい ことが強く望まれる。

 このような制約のもと、全体がベリリウ 銅CuBe製の装置の場合、発生圧力は8~9 kbarに 限られていた。また、試料に加重を伝達する ピストン部分を強硬度のセラミクスにした場 合は、ウォームギア式の加圧装置を使用する ことで、最大発生圧力は15kbarに達しているが (非特許文献1参照)、磁気測定の感度は低下す る。

 また、従来、シリンダー部の膨張を防ぐ めのサポート冶具が不可欠であった。シリ ダー部の内外径比は、例えば8.50/2.60=3.27で り、10kbarを越える高圧力を発生させるには セルの膨張を防ぐためのサポート冶具は必 不可欠であり、加圧装置と一体化したシス ムとして初めて15kbarに達する圧力を発生で る。

 このような状況のもと、CuBeの機械強度を 最大限に引き出す構造を実現することで、装 置全体をCuBe製に維持し、磁気検出精度を保 ながら、15kbarを超える高圧力を発生させる 置の登場が待ち望まれていた。また、例示 装置は、例えば、内径2.6mmに対して、シリン ダー長さ80mm、であり、試料封入カプセルの 入作業が難しいという問題がある。

特開2008-82719号公報

M. Mito,“Magnetic measurements on molecule-based  magnets under highpressure”, Journal of the Physic al Society of Japan, 76(2007) Supplement A.pp.182-185.

 本発明は、係る問題点を解決して、小外径( 8.6mm)のシリンダーを非磁性材料(CuBe製)により 形成したピストンシリンダー型の高圧力発生 装置において、所定の(例えば、10mm 3 )実質的試料空間を確保しながら、高圧力(15kb ar以上)を発生させることを目的としている。

 また、本発明は、大型の加圧装置(油圧プ レス、ウォームギア式の加圧装置)を使用せ とも、昇圧できる機能を実現し、ポータブ なシステムを構築することを目的としてい 。

 また、本発明は、試料封入カプセルの挿 作業を容易にすることを目的としている。

 本発明のピストンシリンダー型の高圧力 生装置は、シリンダー部を非磁性材料によ 形成する。このシリンダー部を、シリンダ 本体と、その両側にそれぞれ結合されるサ ドシリンダーの3つに分割構成する。シリン ダー本体はその内部に、試料と圧力媒体を封 入した試料封入カプセルを配置可能に構成す る。シリンダー部の内部両サイドに、加重伝 達用のピストンをセットし、かつ、このピス トンの両サイドにロッキングナットをセット して、ロッキングナットを閉めこむことで、 ピストンを軸方向に移動させるよう構成する 。

 また、ロッキングナットは、サイドシリ ダー内部を移動可能のピストン受けを介し ピストンを軸方向に移動させる。シリンダ 部及びピストンはそれぞれ、ベリリウム銅C uBeにより構成することができる。ロッキング ナットは、ベアリング機構を内蔵している。 シリンダー部の内外径比は、3.3以上で、5.1以 下の範囲にある。ピストンは、その付け根部 分を連続的に大きくなるよう構成する。

 試料封入カプセルは、四フッ化テフロン( 登録商標)の円筒状チューブの中に試料と圧 媒体を入れて、両側から三フッ化テフロン キャップにより封入することにより構成す 。

 高圧磁気測定を専門としない物質科学研 者が、高圧分野の専門家でなければなかな 踏み込めなかった10kbarを超える圧力領域で 高精度の磁気測定を容易に行うことができ ようになる。

 大型加圧装置を必要としないため、装置 入時の初期投資費用を大幅に削減すること でき、高圧磁気測定の普及を大きく後押し ることが期待される。

 大型加圧装置を必要としないため、装置 式の持ち運びが容易であり、大型研究施設 共同利用等でSQUID磁束計を利用していた研 者も、装置の購入のハードルが低くなり、 圧磁気測定に挑戦することが容易になる。

本発明に基づき構成されるピストンシ ンダー型の高圧力発生装置を例示する図で る。 ロッキングナットの拡大断面図(A)、及 側面図(B)である。 試料封入カプセルを示す拡大断面図で る。 一般的なピストンシリンダー型の高圧 発生装置を説明する図である。 超伝導量子干渉素子(SQUID)磁束計を用い た測定を説明する図である。

 以下、例示に基づき、本発明を説明する 図1は、本発明に基づき構成されるピストン シリンダー型の高圧力発生装置を例示する図 である。例示のシリンダー部は、シリンダー 本体と、その両側にそれぞれ、例えばネジ止 めにより一体に結合されるサイドシリンダー の3つに分割構成されている。サイドシリン ーに設けた側面穴は、サイドシリンダーを すときに丸棒をねじ込んで回しやすくする めのものであり、また、この側面穴を通し 、電気抵抗測定をする際のリード線を取り したりすることもできる。分割構成により セッテイング、特に、試料封入カプセルの 入作業が容易になるだけでなく、ピストン 取り出すなどの分解作業が容易になり、ま 、シリンダーの各部分(特にシリンダー中央 のピストン導入用の空間とその入口のテー ー部分)の製作・加工が容易になる。

 シリンダー部は、磁気特性を測定するた に障害にならないこと、機械的強度が適度 あること、さらに低温実験に使用できるよ に熱伝導性が良いことが必要であるので、 リリウム銅CuBeが最適である。ピストンは、 磁気特性を測定するために障害にならないこ と、圧縮強度(剛性)と耐折れ(ざくつ強度)が 要であり、ベリリウム銅CuBeが最適であるが ジルコニアを用いることも可能である。

 高圧力発生装置のセッティングの手順は次 通りである。
(1)試料封入カプセルに試料と圧力媒体、必要 に応じて、圧力検定用に物質(通常、鉛など 超伝導体)を封入する。
(2)シリンダー本体に上記の試料封入カプセル を挿入する。
(3)加重伝達用のピストンを、シリンダー本体 内部の両サイドにセットする。
(4)両側のサイドシリンダーをシリンダー本体 にネジ止めし、セットする。このネジ止めは 、シリンダー本体の両サイド外周面とそれに ネジ止めされるサイドシリンダー内周面にそ れぞれネジ溝を切って、シリンダー本体に対 してサイドシリンダーを回転させつつネジ込 むことにより行う。シリンダー本体と、サイ ドシリンダーの外径は等しく構成するが、そ の内径は、シリンダー本体よりもサイドシリ ンダーの方を大きく構成する。
(5)ピストンの両サイドに、ピストン受けを介 してロッキングナットをセットする。軸方向 に移動可能のピストン受けは、サイドシリン ダー内部に位置して、ピストン端部を受け止 めるような形状にしている。両側のロッキン グナットを回転させて、それぞれ軸方向の中 心側に移動させることにより、カプセルをセ ットした圧力空間を加圧することができると 共に、両側のロッキングナットを互いに同一 方向に移動させるように回転させることによ り、高圧を維持した状態で、カプセルを軸方 向に移動させることが可能になる。

 図2は、ロッキングナットの拡大断面図(A)、 及び側面図(B)である。高圧力発生装置は、ス パナを使ってロッキングナットを回転させる ことにより、サイドシリンダーの内周面に切 ったネジ溝に閉めこんで、ピストンを軸方向 に移動させることができる。これによって、 15kbarを超える高圧力を発生させることが可能 になる。このロッキングナットとして、ピス トン移動の際、摩擦を軽減し、スムーズな移 動を実現するため、図2に示すようなベアリ グ内蔵のものを用いることが望ましい。例 のロッキングナットは、その先端側にベア ング用の凹所を設け、そこにベアリングを 容する。ベアリング外周面には、複数個(例 ば4個)のセラミックボールを嵌め込んで、 ッキングナット凹所の内周面との間の摩擦 軽減させている。ロッキングナット及びベ リングには、ベリリウム銅CuBeを用いること でき、また、セラミックボールは、窒化ケ 素(Si 3 N 4 )が望ましいが、ジルコニア(ZrO 2 )を用いることができる。このようなベアリ グによって、ロッキングナットを閉め込む 、ピストンに横回転を与えず、同心軸上を ムーズに移動させることができ、これによ て、直径が小さいピストン(CuBe)の破壊限界 超える前に効果的に圧力を発生させること できる。

 図2に示すように、ナット中央に設けた穴 を通して、例えば油圧により加圧する加圧装 置を、従来装置同様に用いることは可能であ るが、図1の高圧力発生装置は、加圧装置を わずともナットを締めるだけで、15kbarに達 る圧力を発生できる。むしろ、装置導入時 費用軽減および携帯性を付与するためには 加圧装置はない方が望ましい。

 また、例示の高圧力発生装置は、シリン ー本体の内外径比を大きくすることにより( 8.50/1.70=5.00)、シリンダー部の膨張を防止する 機構は必要無くなる。内外径比は、3.3以上で 、5.1以下が望ましい。この範囲であると、破 損すること無く、15kbarを実現することができ る。ピストン直径(シリンダー本体内径)を小 くするのは、限られた力で小さなカプセル の静水圧を高くするためである。

 ロッキングナットを締めこむ際、ピスト 及びピストン受けとロッキングナットの摩 抵抗により回転方向の力(ねじり力)が働く とになるので、ピストンの直径が小さいと ざくつを含む破壊が起こる可能性が生じる ベアリング機構つきのロッキングナットの 用により、加重に対して垂直の方向へのス レスを著しく軽減することができ、これに って、シリンダー本体内径を小さくするこ ができる。また、シリンダー部を3つに分け ことにより、最適なピストン長を実現する とができる。ピストンの外径を小さくした とによる強度不足は、ピストンの付け根部 を連続的に大きくすることにより補うこと できる。

 例示の高圧力発生装置は、物理研究者の ならず化学研究者にも利用することが想定 れる。よって、構造的に柔らかい物質から い物質まで測定対象になり得る。構造的に らかい物質(有機物系物質)の場合、その本 的な圧力効果を追跡する上で等方的な圧力( 水圧力)を印加する必要があり、対象物質よ り柔らかい圧力伝達用の媒体が必要となる。 通常、試料との反応を嫌い、不活性のフッ素 系オイル(たとえば、フロリナート)が良く用 られるが、これらは揮発性が高いことから 媒体と試料を閉じ込める密封性のカプセル 必要となる。

 図3は、試料封入カプセルを示す拡大断面 図である。例示のカプセルは、円筒状チュー ブの中に試料と圧力媒体を入れて、両側から キャップにより封入することにより構成され ている。チューブの材質としては、静水加圧 を実現するために、柔軟性が必要であり、試 料や媒体の封入を容易にし、気泡が存在しな いことを確認するためにも透明なプラスチッ クが求められ、その中でも、四フッ化エチレ ン(四フッ化テフロン)が最適である。また、 ャップの材質としては、チューブよりも硬 三フッ化テフロンが最適である。

 シリンダー本体の内径を小さくしても、 料封入カプセルの強度を高めることで、試 封入カプセルの受圧面積を小さくしながら 、実質的試料空間の軽減を防ぐことができ 。これは、圧力媒体の漏れを防止する役割 果たし、かつ、従来は使い捨てであった試 封入カプセルの再利用を可能にした。

 試料封入カプセル、シリンダー及びピス ンなどの高圧力発生装置を構成する材質全 に共通する条件として、磁気特性を測定す ために障害にならない材質でなければなら い。試料を入れるカプセルを、四フッ化テ ロン或いは三フッ化テフロンにより構成す のは、磁気特性を測定するために障害にな ないこと、カプセル内の圧力(液体状媒体に 試料を入れ静水圧=空間的に等方的な圧力が かるようにする)を上げるために両側につけ キャップを両側から押したときにカプセル 長さ方向が縮み得るような弾性をもった材 である必要があるためである。

 以上、本開示にて幾つかの実施の形態の を単に一例として詳細に説明したが、本発 の新規な教示及び有利な効果から実質的に 脱せずに、その実施の形態には多くの改変 が可能である。