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Patent Searching and Data


Title:
NEEDLE ROLLER BEARING AND CRANKSHAFT SUPPORT STRUCTURE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/004884
Kind Code:
A1
Abstract:
A needle roller bearing (11) has an outer ring (12) including a first outer ring member (13) that has a center angle greater than 180 degrees and also including a second outer ring member (14) that has a center angle less than 180 degrees; needle rollers (15); and a retainer (16) including a pair of ring sections and also including column sections (17c) and column sections (18c) placed between the pair of ring sections. The needle roller bearing satisfies d < X < D and the expression (1) below, with D the inner diameter of the outer ring (12), r the radius of a needle roller (15), d the outer diameter of the retainer (16), X the length of a line segment l1 connecting circumferential ends of the inner diameter surface of the first outer ring member (13), and θ the angle which, when the column sections (17c) are placed on a straight line l2 passing through the center of the outer ring (12) and parallel to the line segment l1, is formed by the line l2 and a line l3 connecting the center of a needle roller (15) located adjacent to each column section (17c) and the center of the outer ring (12). (1)

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Inventors:
ABE KATSUFUMI (JP)
KATAYAMA AKIHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060202
Publication Date:
January 08, 2009
Filing Date:
June 03, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
ABE KATSUFUMI (JP)
KATAYAMA AKIHIKO (JP)
International Classes:
F16C19/46; F16C9/02; F16C33/56; F16C33/60; F16C33/62
Domestic Patent References:
WO2006098276A12006-09-21
Foreign References:
JPH07506889A1995-07-27
US20070116393A12007-05-24
JP2007127224A2007-05-24
JPH10292822A1998-11-04
Attorney, Agent or Firm:
ITOH, Hidehiko et al. (Shimanouchi 1-chomeOsaka-shi, Osaka 82, JP)
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Claims:
 中心角が180°より大きい第1の外輪部材、および中心角が180°より小さい第2の外輪部材を円周方向に連ねて形成される円筒形状の外輪と、
 前記外輪の内径面に沿って配置される複数の針状ころと、
 一対のリング部、および前記一対のリング部の間に配置される複数の柱部を含み、隣接する前記柱部の間に前記針状ころを収容するポケットが形成されている保持器とを備え、
 前記外輪の内径寸法をD、前記針状ころの半径をr、前記保持器の外径寸法をd、前記第1の外輪部材の内径面の円周方向端部を結ぶ線分l 1 の長さをX、および前記外輪の中心を通り、線分l 1 に平行な直線l 2 上に前記柱部の中心を位置させたときに、その柱部に隣接する前記針状ころの中心と前記外輪の中心とを結ぶ直線l 3 と直線l 2 とのなす角をθとすると、
 d<X<D、および式(1)を満たす、針状ころ軸受。
 
 前記保持器は、各々が半円形状の2つの保持器セグメントを円周方向に連ねて形成されており、
 前記針状ころ軸受は、前記保持器セグメントの2箇所の突合部分をそれぞれ前記直線l 2 上に位置させたときに前記式(1)を満たす、請求項1に記載の針状ころ軸受。
 前記外輪の内径寸法をD、および前記第1の外輪部材の内径面の円周方向端部を結ぶ線分の長さをXとすると、
 0<(D-X)/D≦0.003を満たす、請求項1に記載の針状ころ軸受。
 前記外輪は、自然割りによって前記第1および第2の外輪部材に分割される、請求項1に記載の針状ころ軸受。
 前記外輪には、光輝焼入れが施されており、
 前記外輪の平均硬度は、653Hv以上である、請求項1に記載の針状ころ軸受。
 前記保持器は、浸炭焼入れおよび浸炭窒化焼入れのうちのいずれか一方を施した金属材料によって形成されており、
 前記保持器の平均硬度は、450Hv以上である、請求項1に記載の針状ころ軸受。
 前記保持器は、射出成形可能な合成樹脂によって形成されており、
 前記保持器の耐熱温度は、120℃以上である、請求項1に記載の針状ころ軸受。
 前記保持器は、円周上に軸線方向に延びる分割線を有する分割型の保持器である、請求項1に記載の針状ころ軸受。
 クランクシャフトと、
 前記クランクシャフトを回転自在に支持する請求項1に記載の針状ころ軸受とを備える、クランクシャフト支持構造。
Description:
針状ころ軸受、およびクランク ャフト支持構造

 この発明は、針状ころ軸受に関し、特に ランクシャフトを回転自在に支持する針状 ろ軸受に関するものである。

 図14を参照して、従来のクランクシャフ 101は、軸部102と、クランクアーム103と、隣 するクランクアーム103の間にコンロッドを 置するためのクランクピン104とを有する。

 また、上記構成のクランクシャフト101の 部102を回転自在に支持する転がり軸受が、 えば、特表平7-506889号公報に記載されてい 。同公報に記載されている転がり軸受は、 輪と、外輪の内径面に沿って配置される複 の転動要素と、複数の転動要素を保持する 持器とを備える。

 上記構成の転がり軸受は、軸部102に保持 付ころ、外輪、およびハウジングの順に組 込むことによって完成する。なお、クラン アーム103に挟まれた軸部102に径方向から組 込み可能とするために、外輪は、中心角が1 80°より大きい円弧形状の第1の部分と、中心 が180°より小さい円弧形状の第2の部分とを む分割型外輪となっている。

 ここで、第1の部分の割り口寸法は保持器 付ころの最大外径より小さいので、割り口を 広げる方向に弾性変形させなければ組み込む ことができない。また、第1の部分の弾性変 量は、第1の部分の中心角が大きくなるのに って大きくなる。一方、弾性変形能は、第1 の部分の肉厚の増加に伴って小さくなる。し たがって、軸受の寸法関係によっては、外輪 を容易に組み込むことができない。

 そこで、この発明の目的は、分割型外輪 有する軸受であって、回転軸への組み込み 容易な針状ころ軸受を提供することである

 この発明に係る針状ころ軸受は、中心角が1 80°より大きい第1の外輪部材、および中心角 180°より小さい第2の外輪部材を円周方向に ねて形成される円筒形状の外輪と、外輪の 径面に沿って配置される複数の針状ころと 一対のリング部、および一対のリング部の に配置される複数の柱部を含み、隣接する 部の間に針状ころを収容するポケットが形 されている保持器とを備える。そして、外 の内径寸法をD、針状ころの半径をr、保持 の外径寸法をd、第1の外輪部材の内径面の円 周方向端部を結ぶ線分l 1 の長さをX、および外輪の中心を通り、線分l 1 に平行な直線l 2 上に柱部の中心(「円周方向の中央部」を指 )を位置させたときに、その柱部に隣接する 状ころの中心と外輪の中心とを結ぶ直線l 3 と直線l 2 とのなす角をθとすると、d<X<D、および 記式(1)を満たす。

 

 上記の寸法関係を満足することにより、 1の外輪部材を弾性変形させることなく組み 込むことが可能となる。その結果、外輪の肉 厚に拘らず容易に組立が可能な針状ころ軸受 を得ることができる。

 好ましくは、保持器は、各々が半円形状の2 つの保持器セグメントを円周方向に連ねて形 成されている。そして、針状ころ軸受は、保 持器セグメントの2箇所の突合部分をそれぞ 直線l 2 上に位置させたときに式(1)を満たす。隣接す る針状ころの間隔は、保持器セグメントの分 割部分を含む位置で最大となる。そこで、上 記構成とすれば、第1の外輪部材の割り口寸 Xを小さく、すなわち、第1の外輪部材の中心 角を大きくすることができる。

 好ましくは、外輪の内径寸法をD、および 第1の外輪部材の内径面の円周方向端部を結 線分の長さをXとすると、0<(D-X)/D≦0.003を たす。上記の寸法関係を満足すれば、組込 における外輪の弾性変形量を小さく(内径寸 Dの0.3%以下)抑えることができる。その結果 外輪の肉厚がある程度厚くても回転軸に容 に組み込むことが可能となる。

 好ましくは、外輪は自然割りによって第1 および第2の外輪部材に分割される。自然割 は、刃具等を用いて外輪を切断する方法と 較して製造工程および加工時間を短縮する とができる。その結果、針状ころ軸受の生 性が向上する。

 さらに好ましくは、外輪には光輝焼入れ 施されている。そして、外輪の平均硬度は6 53Hv以上である。光輝焼入れを施すことによ 、外輪に必要な機械的性質、特に表面硬さ(6 53Hv以上)を得ることができる。なお、本明細 中「Hv」とは、ビッカース硬さを指すもの する。

 一実施形態として、保持器は、浸炭焼入 および浸炭窒化焼入れのうちのいずれか一 を施した金属材料によって形成されている そして、保持器の平均硬度は450Hv以上であ 。他の実施形態として、保持器は、射出成 可能な合成樹脂によって形成されている。 して、保持器の耐熱温度は120℃以上である

 好ましくは、保持器は、円周上に軸線方 に延びる分割線を有する分割型の保持器で る。外輪に加えて保持器も分割型とするこ により、さらに回転軸への組み込みが容易 なる。

 この発明に係るクランクシャフト支持構 は、クランクシャフトと、クランクシャフ を回転自在に支持する上記のいずれかに記 の針状ころ軸受とを備える。上記構成の針 ころ軸受を採用することにより、組立性に れたクランクシャフト支持構造を得ること できる。

図2に示す針状ころ軸受の各種寸法関係 を示す図である。 この発明の一実施形態に係る針状ころ 受を示す図である。 図2に示す保持器を矢印IIIの方向から見 た矢視図である。 図2に示す針状ころ軸受をクランクシャ フトに組み込む工程を示す図であって、保持 器付ころを組み込んだ状態を示す図である。 図2に示す針状ころ軸受をクランクシャ フトに組み込む工程を示す図であって、第1 外輪部材をクランクシャフトに組み込んだ 態を示す図である。 図2に示す針状ころ軸受をクランクシャ フトに組み込む工程を示す図であって、針状 ころ軸受をクランクケースに載置した状態を 示す図である。 この発明の一実施形態に係るクランク ャフト支持構造を示す図である。 この発明の他の実施形態に係る針状こ 軸受の各種寸法関係を示す図である。 この発明の他の実施形態に係る針状こ 軸受をクランクシャフトに組み込む工程を す図であって、保持器付ころを組み込んだ 態を示す図である。 この発明の他の実施形態に係る針状こ ろ軸受をクランクシャフトに組み込む工程を 示す図であって、第1の外輪部材をクランク ャフトに組み込んだ状態を示す図である。 この発明の他の実施形態に係る針状こ ろ軸受をクランクシャフトに組み込む工程を 示す図であって、針状ころ軸受をクランクケ ースに載置した状態を示す図である。 この発明の他の実施形態に係るクラン クシャフト支持構造を示す図である。 他の実施形態に係る保持器の突合部分 を示す図である。 従来のクランクシャフトを示す図であ る。

 図1~図3を参照して、この発明の一実施形 に係る針状ころ軸受11を説明する。なお、 1は針状ころ軸受11の寸法関係を示す図、図2 針状ころ軸受11を示す図、図3は保持器16を 2のIIIの方向から見た矢視図である。

 まず、図2および図3を参照して、針状こ 軸受11は、外輪12と、外輪12の内径面に沿っ 配置される複数の針状ころ15と、隣接する針 状ころ15の間隔を保持する保持器16とを備え 。上記構成の針状ころ軸受11は、外輪12と針 ころ15とが線接触するので、軸受投影面積 小さい割りに高負荷容量と高剛性を得られ 利点を有しており、自動車をはじめとして あらゆる分野に広く利用されている。

 図2を参照して、外輪12は、円弧形状の複 の外輪部材を円周方向に連ねて形成される また、複数の外輪部材の中には、中心角が1 80°より大きい外輪部材が1つ含まれている。 の実施形態においては、中心角が180°より きい第1の外輪部材13、および中心角が180°よ り小さい第2の外輪部材14の2つを組み合わせ 円筒形状の外輪12を構成している。

 次に、保持器16は、各々が半円形状であ 2つの保持器セグメント17,18を円周方向に連 て形成されている。図3を参照して、保持器 グメント17は、一対のリング部17a,17b、およ 一対のリング部17a,17bの間に配置される複数 の柱部17cを含む。また、隣接する柱部17cの間 には、針状ころ15を収容するポケット17dが形 されている。なお、保持器セグメント18の 成も共通するので、説明は省略する。

 また、2つの保持器セグメント17,18の突合 分では柱部17c,18cが隣り合っているので、突 合部分の両側に配置される針状ころ15の間隔 、他の部分と比較して大きくなっている。 下、保持器セグメント17,18の円周方向端部 配置される柱部を柱部17e,18eとして、他の柱 と区別する。

 次に、上記構成の外輪12の製造方法は特 限定されないが、例えば、以下の方法で製 することができる。まず、出発材料として パイプ材に旋削加工を施して所定の外径寸 、内径寸法、および幅寸法の円筒部材を形 する。次に、所定の機械的性質を得るため 熱処理を施す。具体的には、光輝焼入れに って平均硬度を653Hv以上にする。また、光輝 焼入れによって生じた残留応力や内部ひずみ を低減し、靭性の向上や寸法を安定化させる ために焼戻を行うのが望ましい。

 次に、円筒部材の表面、特に軌道面とな 内径面に研削加工を施す。軌道面の表面粗 を所定値以下とすることにより、軌道面と 状ころ15との間の摩擦抵抗を低減して、回 時のトルク損失や発熱を抑制することがで る。その結果、長寿命で信頼性の高い針状 ろ軸受11を得ることができる。

 次に、円筒部材に衝撃を加えて円周方向 2分割することにより第1および第2の外輪部 13,14を得る。このとき、分割部分の端面に 研削加工等を施さないので、割れたときの 凸が分割面に残っている。軸受使用時には 対応する端面を突合させることにより円筒 状の外輪12を得る。

 なお、分割部分(外径面、または端面)に めV字溝等の切欠きを形成しておけば、V字溝 の根元に応力集中が生じ、この部分を基点と して分割することができる。その結果、所望 の中心角の第1および第2の外輪部材13,14を容 に得ることができる。

 このような製造方法を「自然割り」とい 。自然割りは、刃具等を用いて外輪12を切 する方法と比較して製造工程および加工時 を短縮することができる。その結果、針状 ろ軸受11の生産性が向上する。

 次に、上記構成の保持器16の製造方法は に限定されないが、例えば、以下の方法で 造することができる。まず、SCM,SCr,SNCM等の 属材料で形成されたパイプ材を所定の形状 円筒部材に加工する。次に、円筒部材の外 面に厚み方向に貫通する複数のポケット17d,1 8dを形成する。

 次に、所定の機械的性質を得るために円 部材に熱処理を施す。具体的には、浸炭焼 れまたは浸炭窒化焼入れによって平均硬度 450Hv以上にする。また、上記の焼入れ後に 戻を行うのが望ましい。そして、円筒部材 円周上の2箇所(180°の間隔)で切断して半円形 状の保持器セグメント17,18を得る。

 なお、本明細書中「半円形状の保持器セ メント」とは、中心角が厳密に180°である のに限定されない。つまり、中心角が180°よ り僅かに小さいが、実質的に180°であると評 できるものについては、「半円形状の保持 セグメント」に含むものとする。

 次に、図1を参照して、針状ころ軸受11の 種寸法関係を説明する。なお、図1は、第1 外輪部材13、保持器セグメント17,18の円周方 端部に位置する柱部17c,18c(すなわち、保持 セグメント17,18の突合部分)、およびこの柱 17c,18cに隣接するポケット17d,18dに収容されて いる針状ころ15のみを実線で示し、それ以外 破線で示している。

 まず、外輪12の内径寸法をD、針状ころ15の 径をr、および保持器16の外径寸法をd、第1の 外輪部材13の内径面の円周方向端部を結ぶ線 l 1 の長さをX(「割り口寸法」という)とする。な お、外輪12の内径寸法Dは、保持器16に組み込 れた複数の針状ころ15の外接円径に一致す 。

 また、外輪12の中心を通り、線分l 1 に平行な直線l 2 上に保持器セグメント17,18の突合部分、すな ち柱部17e,18eの境界部分を位置させる。この とき、実線で示した柱部17e,18eに隣接する針 ころ15の中心と外輪12の中心とを結ぶ直線をl 3 とする。そして、直線l 2 と直線l 3 とのなす角をθとする。

 ここで、第1の外輪部材13を弾性変形させ に組み込むためには、d<X<D、および上 式(1)を満たす必要がある。以下、図4~図7を 照して、針状ころ軸受11をクランクシャフト 1に組み込む方法を説明する。

 なお、式(1)の左辺は、保持器セグメント17,1 8の突合部分に隣接する(最も直線l 2 に近い)針状ころ15(図1の実線で示した針状こ 15を指す)の位置における保持器付ころの直 l 2 の方向の幅寸法を指す。

 図4を参照して、まず、保持器セグメント 17,18のポケット17d,18dに針状ころ15を組み込ん 保持器付ころを形成する。次に、保持器セ メント17,18(保持器付ころ)をそれぞれクラン クシャフト1の径方向から組み込む。

 次に、保持器16の柱部17c,18cを第1の外輪部材 13の挿入方向(図4の矢印Aの方向)と直交する直 線l 2 上(図1の直線l 2 と一致する)に配置しておく。この実施形態 おいては、保持器セグメント17,18の2箇所の 合部分、すなわち、隣接する針状ころ15の間 隔が最も大きい柱部17e,18eの境界部分を直線l 2 上に配置している。そして、第1の外輪部材13 を径方向から組み込む。

 ここで、弾性変形を伴わずに第1の外輪部材 13を組み込むためには、割り口寸法Xが第1の 輪部材13の挿入方向に対して直交する方向( 線l 2 の方向)における保持器付ころの最大幅寸法 り大きくなければならない。

 保持器付ころの幅寸法が直線l 2 上で最も大きくなる場合、すなわち、最大幅 寸法が保持器16の外径寸法に一致する場合に 、d<Xを満たさなければならない。一方、 持器セグメント17,18の突合部分に隣接する 状ころ15の位置で保持器付ころの幅寸法が最 も大きくなる場合には、上記の式(1)を満たさ なければならない。

 次に、図5を参照して、直線l 2 上の両側に針状ころ15が位置するように保持 付ころを回転させる。ここで、割り口寸法X は中心角が180°の時に最大(X=D)となるので、 の実施形態においては常にX<Dを満たす。 なわち、割り口寸法Xは、針状ころ15の外接 径より小さいので、上記の位置関係とする とにより、第1の外輪部材13が脱落するのを 止することができる。

 次に、図6を参照して、針状ころ軸受11を ランクケース2に載置する。次に、図7を参 して、第2の外輪部材14を第1の外輪部材13の 周方向に連ねて配置し、円筒形状の外輪12を 形成する。これにより、針状ころ軸受11の組 が完了する。さらに、針状ころ軸受11にベ リングキャップ3を被せて、クランクケース2 とベアリングキャップ3(以下、これらを総称 て「ハウジング」という)とをボルト等で締 結する。これにより、クランクシャフト支持 構造の組立が完了する。

 上記の組立方法によれば、第1の外輪部材 13が組立中に脱落する心配がなくなるので、 状ころ軸受11の組立性が向上する。また、 輪12の脱落を防止するサークリップ等を省略 することができるので、部品点数の削減にも 寄与する。

 ここで、外輪12を不等分割したことによ 、第1および第2の外輪部材13,14の突合部分と ハウジングの突合部分との位置は必ずずれ ことになる。その結果、クランクシャフト 持構造の径方向のはぐみずれを有効に防止 ることができる。

 なお、「はぐみずれ」とは、クランクケ ス2とベアリングキャップ3、および第1の外 部材13と第2の外輪部材14とが径方向にずれ 組立てられた状態を指す。これは、外輪を2 分割(中心角180°)し、外輪の突合部分とハウ ジングの突合部分とが一致したときに問題に なる。

 なお、上記の実施形態において、外輪12 2分割(第1および第2の外輪部材13,14)した例を したが、これに限ることなく、1つの中心角 が180°以上であれば、3分割以上であってもよ い。

 また、上記の実施形態において、第1の外輪 部材13を組み込む際に柱部17e,18eを直線l 2 上に配置した例を示したが、他の柱部17c,18c 配置した場合でも、上記の各種寸法関係を 足していれば、この発明の効果を得ること できる。ただし、式(1)の左辺の値は対象と る針状ころ15が直線l 2 から遠いほど小さくなるので、上記の方法と すれば、第1の外輪部材13の割り口寸法Xを小 く、すなわち、第1の外輪部材13の中心角を きくすることができる。

 次に、図8を参照して、この発明の他の実 施形態に係る針状ころ軸受11の各種寸法関係 説明する。なお、針状ころ軸受11の構成は 2および図3を用いて説明しているので、省略 する。

 まず、外輪12の内径寸法をD、および第1の外 輪部材13の内径面の円周方向端部を結ぶ線分l 1 の長さをX(「割り口寸法」という)とする。な お、外輪12の内径寸法Dは、保持器16に組み込 れた複数の針状ころ15の外接円径に一致す 。

 割り口寸法Xは、第1の外輪部材13の中心角が 180°の時に最大(X=D)となるので、この実施形 においては常にX<Dを満たす。したがって 第1の外輪部材13を保持器付ころ(ポケット17d, 18dに針状ころ15を組み込んだ状態を指す)に組 み込む場合における割り口の弾性変形量δは δ=D-X(=δ 1 2 )となる。

 ここで、この発明に係る第1の外輪部材13 、0<δ/D<0.003(以下「式2」という)を満た ように各種寸法を設定する。例えば、外輪1 2の内径寸法D=40mm、割り口寸法X=39.9mmとすると 、弾性変形量δ=0.1mmとなる(δ/D=0.0025)。

 図9~図12を参照して、針状ころ軸受11をク ンクシャフト1に組み込む方法を説明する。 なお、図9は保持器付ころを組み込んだ状態 示す図、図10は第1の外輪部材13を組み込んだ 状態を示す図、図11は針状ころ軸受11をクラ クケース2上に載置した状態を示す図、図12 組み込み完了後の状態を示す図である。

 図9を参照して、まず、保持器セグメント 17,18のポケット17d,18dに針状ころ15を組み込ん 保持器付ころを形成する。次に、保持器セ メント17,18(保持器付ころ)をそれぞれクラン クシャフト1の径方向から組み込む。

 次に、割り口寸法Xを広げる(X+δ)方向に弾 性変形させながら、第1の外輪部材13を保持器 付ころに組み込む。このとき、組み込みに必 要な割り口の弾性変形量δを式2の範囲内に制 限したので、第1の外輪部材13の肉厚が厚くて も容易に組み込むことができる。

 次に、図10を参照して、第1の外輪部材13 保持器付ころに組み込んだ後、第1の外輪部 13を自然状態(弾性変形していない状態を指 )に戻す。このとき、割り口寸法Xは、針状 ろ15の外接円径(=D)より小さくなるので、こ 以降の組立工程において第1の外輪部材13が 落するのを防止することができる。

 次に、図11を参照して、針状ころ軸受11を クランクケース2に載置する。次に、図12を参 照して、第2の外輪部材14を第1の外輪部材13の 円周方向に連ねて配置し、円筒形状の外輪12 形成する。これにより、針状ころ軸受11の 立が完了する。さらに、針状ころ軸受11にベ アリングキャップ3を被せて、クランクケー 2とベアリングキャップ3(以下、これらを総 して「ハウジング」という)とをボルト等で 結する。これにより、クランクシャフト支 構造の組立が完了する。上記のようにして 、針状ころ軸受11の組立性が向上する。

 なお、上記の各実施形態において、半円 状の2つの保持器セグメント17,18によって保 器16を構成した例を説明したが、これに限 ことなく、クランクシャフト1に径方向から み込み可能な任意の構成を採用することが きる。例えば、3つの保持器セグメントを円 周方向に連ねて円筒形状の保持器を形成して もよいし、各々の中心角を異ならせてもよい 。

 または、円周上の1箇所に軸線方向に延び る分割線を有する一体型保持器(いわゆる「C 保持器」)であってもよい。この場合、分割 線を広げる方向に弾性変形させながらクラン クシャフト1に組み込むことになるので、弾 変形能の高い樹脂材料で形成するのが望ま い。樹脂材料としては、射出成形可能な合 樹脂であることが望ましく、高温環境下で 用されるので、耐熱温度が120℃以上である とが望ましい。具体的には、ナイロン66、ま たはナイロン46等を採用することができる。

 さらに、図13を参照して、分割部分の一 側端面に他方側に向かって突出する凸部26e 、分割部分の他方側端面に凸部26eを受け入 る凹部26fとを形成する。そして、この凸部26 eと凹部26fとを係合させて円筒形状の保持器26 を得るのが望ましい。なお、その他の構成は 保持器16と共通するので、説明は省略する。

 さらに、針状ころ軸受11は、自動車や二 車等のあらゆるエンジンのクランクシャフ に適用可能である。また、エンジンの気筒 は単気筒であっても多気筒であってもよい 、図14のP部に示すような両端をクランクア ムで挟まれた軸部を有する多気筒エンジン 使用されるクランクシャフトに適用するこ により、より大きな効果が期待できる。

 以上、図面を参照してこの発明の実施形 を説明したが、この発明は、図示した実施 態のものに限定されない。図示した実施形 に対して、この発明と同一の範囲内におい 、あるいは均等の範囲内において、種々の 正や変形を加えることが可能である。

 この発明は、針状ころ軸受に有利に利用 れる。