Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
LOCKUP DEVICE AND FLUID TYPE POWER TRANSMITTING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/147986
Kind Code:
A1
Abstract:
A lockup device capable of improving fuel consumption of a vehicle.  A lockup device (6) has a piston (61), an output plate (63), first coiled springs (65), an inertia member (64), and second coiled springs (66).  The output plate (63) is co-rotatably connected to a turbine (4).  The piston (61) is elastically connected in a rotational direction to the output plate (63) by the first coiled springs (65).  The inertia member (64) is relatively rotatably mounted to the output plate (63).  The inertia member (64) is elastically connected in the rotational direction to the output plate (63) by the second coiled springs (66).

Inventors:
MATSUOKA YOSHIHIRO (JP)
YAMAGUCHI MITSUGU (JP)
KAWAMOTO KENJI (JP)
YAMASHITA KAZUHIRO (JP)
OOMOTO KAZUAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/059740
Publication Date:
December 10, 2009
Filing Date:
May 28, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
EXEDY CORP (JP)
MATSUOKA YOSHIHIRO (JP)
YAMAGUCHI MITSUGU (JP)
KAWAMOTO KENJI (JP)
YAMASHITA KAZUHIRO (JP)
OOMOTO KAZUAKI (JP)
International Classes:
F16H45/02; F16F15/134; F16F15/30
Foreign References:
JPH09264399A1997-10-07
JPH10169754A1998-06-26
JPH10311373A1998-11-24
Attorney, Agent or Firm:
Shinjyu Global IP (JP)
fresh green -- a global IP patent business corporation (JP)
Download PDF:
Claims:
 入力回転体を出力回転体に機械的に連結するためのロックアップ装置であって、
 油圧の作用により前記入力回転体に押し付けられるように設けられたピストンと、
 前記出力回転体と一体回転可能なように前記出力回転体に連結された出力部材と、
 前記ピストンを前記出力部材に回転方向に弾性的に連結するための第1弾性部材と、
 前記出力部材に対して相対回転可能に設けられたイナーシャ部材と、
 前記イナーシャ部材を前記出力部材に回転方向に弾性的に連結するための第2弾性部材と、
を備えたロックアップ装置。
 前記出力部材と前記イナーシャ部材との間で回転方向の摩擦抵抗を発生させる摩擦発生機構をさらに備えた、
請求項1に記載のロックアップ装置。
 前記摩擦発生機構は、前記出力部材と前記イナーシャ部材との軸方向間に挟み込まれた環状の摩擦部材を有している、
請求項2に記載のロックアップ装置。
 前記イナーシャ部材は、前記出力部材により半径方向に支持されている、
請求項1から3のいずれかに記載のロックアップ装置。
 前記イナーシャ部材は、前記出力部材により軸方向に支持されている、
請求項1から4のいずれかに記載のロックアップ装置。
 前記入力回転体としてのフロントカバーと、
 前記出力回転体としてのタービンと、
 請求項1から5のいずれかに記載のロックアップ装置と、
を備えた流体式動力伝達装置。
Description:
ロックアップ装置および流体式 力伝達装置

 本発明は、流体式動力伝達装置に用いら るロックアップ装置に関する。

 流体式動力伝達装置として、例えば、ロ クアップ装置を備えたトルクコンバータが られている。ロックアップ装置は、フロン カバーとタービンを機械的に連結するため 機構であり、タービンとフロントカバーと 間の空間に配置されている。ロックアップ 置によりフロントカバーからタービンへト クが直接伝達される。

 従来のロックアップ装置は、ピストンと ダンパー機構と、を有している。ピストン 、軸方向に移動可能に配置されており、フ ントカバーに押し付けられるとフロントカ ーと摺動する。ダンパー機構は、1対のリテ ィーニングプレートと、ハブフランジと、リ ティーニングプレートとハブフランジとを回 転方向に弾性的に連結する複数のスプリング と、を有している。リティーニングプレート は、スプリングを回転方向に弾性変形可能な ように保持しており、ピストンと一体で回転 する。ハブフランジは、1対のリティーニン プレートの間に配置されており、タービン 固定されている。

 油圧によりピストンがフロントカバーに し付けられると、フロントカバーに入力さ たトルクは、ピストンおよびダンパー機構 介してタービンへ伝達される。このとき、 ンパー機構により捩り振動が吸収および減 される(例えば、特許文献1を参照)。

特許第3542186号公報

 特許文献1に記載のロックアップ装置では 、イナーシャ部材をトルク伝達経路に設ける ことで、共振周波数を実用回転速度以下に下 げ、振動減衰性能の向上を図っている。

 一方で、近年は、車両の燃費を向上させ ために、ロックアップ装置により動力が伝 されるロックアップ領域を低速走行時まで 大することが望まれている。

 しかし、特許文献1に記載のロックアップ 装置では、車両の通常走行時しか考慮されて いないため、例えば低速走行時での振動減衰 性能を確保することが困難である。つまり、 従来のロックアップ装置では、ロックアップ 領域の拡大に対応することができず、車両の 燃費の向上を図ることが困難である。

 本発明の課題は、車両の燃費の向上を図 ことができるロックアップ装置を提供する とにある。

 第1の発明に係るロックアップ装置は、入 力回転体を出力回転体に機械的に連結するた めの装置である。このロックアップ装置は、 ピストンと、出力部材と、第1弾性部材と、 ナーシャ部材と、第2弾性部材と、を有して る。ピストンは油圧の作用により入力回転 に押し付けられるように設けられている。 力部材は出力回転体と一体回転可能なよう 出力回転体に連結されている。第1弾性部材 はピストンを出力部材に回転方向に弾性的に 連結する。イナーシャ部材は出力部材に対し て相対回転可能に設けられている。第2弾性 材はイナーシャ部材を出力部材に回転方向 弾性的に連結する。

 このロックアップ装置では、油圧の作用 よりピストンが入力回転体に押し付けられ と、ピストンおよび出力部材を介して、入 回転体から出力回転体へ動力が伝達される このとき、入力回転体に回転速度変動が入 されると、出力部材を介して出力回転体に 転速度変動が伝達される。このとき、出力 材にイナーシャ部材が第2弾性部材を介して 連結されているため、イナーシャ部材および 第2弾性部材により回転速度変動が減衰され 。つまり、イナーシャ部材および第2弾性部 がダイナミックダンパーの機能を果たして る。さらに、イナーシャ部材のイナーシャ および第2弾性部材の剛性を調節することで 、低回転速度領域での回転速度変動の減衰効 果を高めることができる。すなわち、このロ ックアップ装置では、ロックアップ領域を拡 大することができ、車両の燃費の向上を図る ことができる。

 第2の発明に係るロックアップ装置は、第 1の発明に係る装置において、出力部材とイ ーシャ部材との間で回転方向の摩擦抵抗を 生させる摩擦発生機構をさらに備えている

 第3の発明に係るロックアップ装置は、第 2の発明に係る装置において、摩擦発生機構 出力部材とイナーシャ部材との軸方向間に み込まれた環状の摩擦部材を有している。

 第4の発明に係るロックアップ装置は、第 1から第3の発明に係る装置において、イナー ャ部材が出力部材により半径方向に支持さ ている。

 第5の発明に係るロックアップ装置は、第 1から第4の発明に係る装置において、イナー ャ部材は、出力部材により軸方向に支持さ ている。

 第6の発明に係るトルクコンバータは、入 力回転体としてのフロントカバーと、出力回 転体としてのタービンと、第1から第5の発明 いずれかに係るロックアップ装置と、を備 ている。

 この流体式動力伝達装置では、第1から5 発明のいずれかに係るロックアップ装置を えているため、振動減衰性能を向上させる とができる。

 流体式動力伝達装置としては、例えば、 ルクコンバータおよびフルードカップリン が考えられる。

トルクコンバータの縦断面概略図 ロックアップ装置の縦断面概略図 ロックアップ装置の効果を示す図

 以下、図面を参照しながら本発明の実施 態について説明する。

 <トルクコンバータの全体構成>
 図1および図2を用いて流体式動力伝達装置 してのトルクコンバータ1について説明する 図1はトルクコンバータ1の縦断面概略図で る。図2はロックアップ装置6の縦断面概略図 である。図1の左側にはエンジン(図示せず)が 配置され、図1の右側にトランスミッション( 示せず)が配置されている。図1に示す線O-O 、トルクコンバータ1の回転軸線である。

 トルクコンバータ1は、エンジンのクラン クシャフト(図示せず)からトランスミッショ の入力シャフトに動力を伝達するための装 であり、主に、動力が入力されるフロント バー2(入力回転体)と、インペラ3と、タービ ン4(出力回転体)と、ステータ5と、ロックア プ装置6と、を備えている。

 フロントカバー2にはインペラ3が固定さ ており、フロントカバー2とインペラ3とによ り流体室が形成されている。タービン4は流 室内でインペラ3に対向するように配置され いる。タービン4は、タービンシェル41と、 ービンシェル41に固定された複数のタービ ブレード42と、リベット44によりタービンシ ル41に固定されたタービンハブ43と、を有し ている。タービンハブ43は、図示しないトラ スミッションの入力シャフトに連結されて る。ステータ5は、タービン4からインペラ3 の作動油の流れを調節するための機構であ 、インペラ3とタービン4との間に配置され いる。

 <ロックアップ装置の構成>
 ロックアップ装置6は、必要に応じてフロン トカバー2とタービン4とを機械的に連結する めの装置であり、図1に示すようにフロント カバー2とタービン4と間に配置されている。 2に示すように、ロックアップ装置6は、ピ トン61と、支持プレート62と、出力プレート6 3(出力部材)と、イナーシャ部材64と、複数の 1コイルスプリング65(第1弾性部材)と、複数 第2コイルスプリング66(第2弾性部材)と、サ ートリング74と、摩擦発生機構71と、を有し ている。

 (1)ピストン
 ピストン61は、フロントカバー2とタービン4 との連結を切り換えるための部材であり、油 圧の作用によりフロントカバー2に押し付け れるように設けられている。具体的には、 ストン61はタービン4のタービンハブ43により 軸方向に移動可能にかつ相対回転可能に支持 されている。

 (2)支持プレート
 支持プレート62は、第1コイルスプリング65 端部(より詳細には、第1コイルスプリング65 端部に装着されたシート部材65a)を回転方向 に支持するための部材であり、ピストン61に 定されている。具体的には、支持プレート6 2は、支持プレート本体62aと、複数の入力爪 62bと、複数の保持部62cと、を有している。

 支持プレート本体62aは複数のリベット69 よりピストン61に固定されている。入力爪部 62bは、支持プレート62aの外周部から半径方向 外側に延びる部分である。この入力爪部62bは 、第1コイルスプリング65の端部同士の間に配 置されており、第1コイルスプリング65の端部 を回転方向に支持可能である。保持部62cは、 第1コイルスプリング65を半径方向および軸方 向に支持するための部分であり、入力爪部62b の回転方向間に形成されている。保持部62cの 回転方向長さは入力爪部62b間の寸法よりも短 く設定されており、保持部62cは第1出力プレ ト67の出力爪部67b(後述)と回転方向に当接可 となっている。このため、ピストン61およ 出力プレート63の相対回転は所定角度の範囲 内に制限されている。つまり、出力爪部67bお よび保持部62cによりピストン61および出力プ ート63の相対回転を所定角度に制限する第1 トッパ機構S1が実現されている。

 (3)出力プレート
 出力プレート63は、タービン4と一体回転可 なようにタービン4に連結された部材である 。出力プレート63は、第1出力プレート67と、 2出力プレート68と、を有している。第1出力 プレート68および第2出力プレート69は、複数 ストッパピン70により軸方向に一定の間隔 保った状態で固定されている。

 第1出力プレート67は、概ね環状の第1出力 プレート本体67aと、第1出力プレート本体67a 外周部から概ね半径方向外側に延びる複数 出力爪部67bと、第1出力プレート本体67aの内 部から半径方向内側に延びる概ね環状の第1 固定部67cと、を有している。第1出力プレー 本体67aは、第2コイルスプリング66の端部を 転方向に支持可能な第1支持部67dを有してい 。出力爪部67bは、第1コイルスプリング65の 部同士の間に配置されており、第1コイルス プリング65の端部を回転方向に支持可能であ 。第1固定部67cはリベット44によりタービン ブ43に固定されている。第1固定部67cは後述 るようにイナーシャ部材64を半径方向に支 している。

 第2出力プレート68は、概ね環状の第2出力 プレート本体68aと、第2出力プレート本体68a 内周部から半径方向内側に延びる概ね環状 第2固定部68cと、を有している。第2出力プレ ート本体68aは、第2コイルスプリング66の端部 を回転方向に支持可能な第2支持部68dを有し いる。第2固定部68cは第1固定部67cとともにリ ベット44によりタービンハブ43に固定されて る。

 第1出力プレート本体67aは複数の第1突出 67eを有している。第2出力プレート本体68aは 数の第2突出部68eを有している。第1突出部67 eおよび第2突出部68eは、例えばプレス加工に り形成されている。第1突出部67eおよび第2 出部68eの軸方向間にプレート部材64aが挟み まれている。つまり、出力プレート63により イナーシャ部材64が軸方向に支持されている

 (4)第1コイルスプリング
 第1コイルスプリング65は、ピストン61と出 プレート63とを回転方向に弾性的に連結する ための部材であり、ピストン61、保持部62cお びサポートリング74により回転方向に弾性 形可能に支持されている。第1コイルスプリ グ65の軸方向の移動は、ピストン61、保持部 62cおよびサポートリング74により所定の範囲 に制限されている。第1コイルスプリング65 半径方向外側への移動はサポートリング74 より制限されている。第1コイルスプリング6 5の端部には1対のシート部材65aが装着されて る。

 (5)サポートリング
 サポートリング74は、第1コイルスプリング6 5を半径方向に支持するための環状の部材で り、第1コイルスプリング65の半径方向外側 配置されている。サポートリング74は支持プ レート62に対して回転可能なように設けられ いる。サポートリング74のトランスミッシ ン側への移動は、支持プレート62の保持部62c により所定の範囲に制限されている。サポー トリング74により第1コイルスプリング65の動 が安定する。

 (6)イナーシャ部材
 イナーシャ部材64は、概ね環状のプレート 材64aと、概ね環状のイナーシャ部材本体64b 、リベット64cと、を有している。このリベ ト64cにより、イナーシャ部材本体64bはプレ ト部材64aの外周部に固定されている。

 イナーシャ部材本体64bは第1コイルスプリ ング65と概ね同じ半径方向位置に配置されて る。イナーシャ部材本体64bのイナーシャが イナーシャ部材64全体のイナーシャに大き 影響している。イナーシャ部材64のイナーシ ャの調整はイナーシャ部材本体64bの寸法を変 えることで行われる。

 プレート部材64aは、複数の窓孔64eと、窓 64eよりも半径方向外側に配置された複数の 孔64dと、を有している。窓孔64eには第2コイ ルスプリング66が配置されている。長孔64dは 転方向に延びるように形成されている。ス ッパピン70は長孔64dに挿入されている。長 64dによりプレート部材64aと出力プレート63と の回転方向の相対回転が所定角度の範囲内で 可能となっている。言い換えると、ストッパ ピン70および長孔64dにより第2ストッパ機構S2 実現されている。

 第1出力プレート67の第1固定部67cにより、 イナーシャ部材64のプレート部材64aが半径方 に支持されている。さらに、出力プレート6 3によりイナーシャ部材64は軸方向に支持され ている。

 このように、イナーシャ部材64は出力プ ート63により半径方向および軸方向に支持さ れている。

 (7)第2コイルスプリング
 第2コイルスプリング66は、イナーシャ部材6 4を出力プレート63に弾性的に連結するための 部材であり、出力プレート63により回転方向 弾性変形可能に支持されている。本実施形 では、第2コイルスプリング66は第1コイルス プリング65よりも半径方向内側に配置されて る。

 第2コイルスプリング66はプレート部材64a 窓孔64e内に設けられている。出力プレート6 3とイナーシャ部材64とが相対回転すると、第 2コイルスプリング66は回転方向に圧縮される 。イナーシャ部材64および第2コイルスプリン グ66により、振動減衰性能を向上させるダイ ミックダンパーDが形成されている。

 (8)摩擦発生機構
 摩擦発生機構71は、出力プレート63とイナー シャ部材64との間に回転方向の摩擦抵抗を発 させるための機構であり、環状の第1摩擦部 材72と、環状の第2摩擦部材73と、を有してい 。第1摩擦部材72は、第1出力プレート68とプ ート部材64aとの軸方向間に配置されている 第2摩擦部材73は、第2出力プレート69とプレ ト部材64bとの軸方向間に配置されている。 1摩擦部材72および第2摩擦部材73は第2コイル スプリング66の半径方向内側に配置されてい 。第1摩擦部材72、プレート部材64aおよび第2 摩擦部材73は、第1出力プレート68および第2出 力プレート69の軸方向間に挟み込まれている つまり、出力プレート63によりイナーシャ 材64が軸方向に支持されている。

 <トルクコンバータの動作>
 トルクコンバータ1の動作について説明する 。

 フロントカバー2およびインペラ3が回転 ている状態では、インペラ3からタービン4へ 作動油が流れ、作動油を介してインペラ3か タービン4へ動力が伝達される。タービン4に 伝達された動力はタービンハブ43を介して入 シャフト(図示せず)に伝達される。

 入力シャフトの回転速度が概ね一定にな と、ロックアップ装置6を介した動力伝達が 開始される。具体的には、油圧の変化により ピストン61がエンジン側へ移動し、ピストン6 1の摩擦フェーシング61aがフロントカバー2に し付けられる。この結果、ピストン61がフ ントカバー2と一体回転し、フロントカバー2 からピストン61を介して支持プレート62に動 が伝達される。

 支持プレート62に動力が伝達されると、 持プレート62と出力プレート63との間で第1コ イルスプリング65が回転方向に圧縮され、や て出力爪部67bが保持部62cと回転方向に当接 る。この結果、フロントカバー2から出力プ レート63を介してタービン4に動力が伝達され る。

 <特徴>
 ここで、図3を用いて、このロックアップ装 置6の特徴を説明する。図3はロックアップ装 6の効果を示す図である。

 (1)
 一般に、エンジンの回転速度が低くなると 燃焼変動により発生する回転速度変動は増 する。図3に示すように、ダイナミックダン パーDがない場合、エンジン回転速度が低く ると、トルクコンバータ1から出力される回 速度変動が徐々に大きくなる(曲線E1)。

 一方、ダイナミックダンパーDがある場合 、特定のエンジン回転速度付近において、出 力される回転速度変動を低減することができ る(曲線E2)。この特定のエンジン回転速度を 衰回転速度Nと定義する。

 この減衰回転速度Nは、イナーシャ部材64 もつイナーシャ量と、第2コイルスプリング 66の剛性と、により決まる。したがって、イ ーシャ部材64のイナーシャ量および第2コイ スプリング66の剛性を適切に設定すること 、所望のエンジン回転速度領域における回 速度変動を効果的に減衰することが可能と る。

 以上より、このロックアップ装置6では、 例えば減衰回転速度Nを低速走行時に対応す 低回転速度領域内に設定することで、ロッ アップ領域の拡大が可能となり、車両の燃 を向上させることができる。

 (2)
 さらに、このロックアップ装置6では、摩擦 発生機構71を備えているため、イナーシャ部 64および第2コイルスプリング66による減衰 転速度Nの調節に加えて、減衰回転速度Nにお ける回転速度変動の減衰率を調節することが できる。具体的には図3に示すように、ある 件では、摩擦発生機構71で発生する摩擦抵抗 を大きく設定すると、減衰回転速度Nでの減 率が低くなり(図3の曲線E3のように、減衰回 速度N付近の曲線E2が上がり)、摩擦発生機構 71で発生する摩擦抵抗を小さく設定すると、 衰回転速度Nでの減衰率が高くなる(図3の曲 E4のように、減衰回転速度N付近の曲線E2が がる)。

 このように、摩擦発生機構71で発生する 擦抵抗の大きさを調節することで、減衰回 速度N付近での減衰率を高めることができ、 ックアップ領域をさらに拡大することが可 となる。つまり、このロックアップ装置6で は車両の燃費をより高めることができる。

 (3)
 このロックアップ装置6では、摩擦発生機構 71が、出力プレート63とイナーシャ部材64との 軸方向間に挟み込まれた環状の第1摩擦部材72 および第2摩擦部材73を有しているため、簡素 な構造により摩擦発生機構71を実現できる。 まり、高い振動減衰性能を備えたロックア プ装置6を低コストで実現できる。

 (4)
 このロックアップ装置6では、イナーシャ部 材64が出力プレート63により半径方向および 方向に支持されているため、イナーシャ部 64の動作が安定する。

 (5)
 以上のように、このトルクコンバータ1では 、ロックアップ装置6を備えているため、車 の燃費を向上させることができる。

 <他の実施形態>
 本発明の具体的な構成は、前述の実施形態 限られるものではなく、発明の要旨を逸脱 ない範囲で種々の修正および変更が可能で る。

 (1)
 前述の実施形態では、イナーシャ部材64の レート部材64aが第1出力プレート67および第2 力プレート68に挟み込まれているが、出力 レート63が1枚のプレートであってもよい。 の場合、イナーシャ部材64のプレート部材64a が一対のプレートであり、これらのプレート の間に出力プレートが挟み込まれる。

 (2)
 前述の実施形態では、流体式動力伝達装置 してトルクコンバータ1を例に説明している が、流体式動力伝達装置は、ステータ5を有 ていないフルードカップリングであっても い。

 (3)
 イナーシャ部材本体64bがリベット64cにより レート部材64aに固定されているが、イナー ャ部材本体64bがプレート部材64aと一体で形 されていてもよい。

 本発明に係るロックアップ装置および流 式動力伝達装置であれば、車両の燃費の向 させることができるため、本発明は流体式 力伝達装置の分野で有用である。

  1 トルクコンバータ(流体式動力伝達装置)
  2 フロントカバー(入力回転体)
  3 インペラ
  4 タービン(出力回転体)
  5 ステータ
  6 ロックアップ装置
 61 ピストン
 62 支持プレート
 63 出力プレート(出力部材)
 64 イナーシャ部材
 65 第1コイルスプリング(第1弾性部材)
 66 第2コイルスプリング(第2弾性部材)
 67 第1出力プレート
 68 第2出力プレート