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Patent Searching and Data


Title:
LIQUID SEALING VIBRATION-ISOLATING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/028501
Kind Code:
A1
Abstract:
[PURPOSE] When a relief valve for preventing the occurrence of a cavitation phenomenon is provided to an elastic moving membrane and the relief valve deforms elastically at non-leaking, the action of an damping orifice is weakened to lower damping performance, whereby high damping performance is realized by preventing the elastic deformation of the relief valve while a cavitation phenomenon is prevented from occurring. [CONSTITUTION] A relief valve (33) is provided to an elastic moving membrane (30) provided in a partitioning member (6) and a leak passage (49) is opened/closed to prevent a cavitation phenomenon from occurring. The elastic moving membrane (30) is provided with an upwardly-opened recess (35) formed integrally with the fixed portion (32) of the elastic moving membrane and the relief valve (33) facing it. The wall of the relief valve (33) is made thick and is provided with an opening/closing adjusting groove (37) at the base of an inclined wall, at which portion the relief valve (33) is formed as a locally bending thin-walled portion (38) that serves as a bending start point when the relief valve is opened/closed.

Inventors:
KUBO NOBUO (JP)
YANAGASE HIROSHI (JP)
SAITO JUN (JP)
NISHIZAKA MASATOMO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065200
Publication Date:
March 05, 2009
Filing Date:
August 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HONDA MOTOR CO LTD (JP)
YAMASHITA RUBBER KK (JP)
KUBO NOBUO (JP)
YANAGASE HIROSHI (JP)
SAITO JUN (JP)
NISHIZAKA MASATOMO (JP)
International Classes:
F16F13/18; B60K5/12
Foreign References:
JP2006132615A2006-05-25
JP2004251431A2004-09-09
JP2005273906A2005-10-06
JPH10281214A1998-10-23
JPS628448U1987-01-19
JP2004251438A2004-09-09
JPH0914335A1997-01-14
JP2005273684A2005-10-06
JP2007127250A2007-05-24
Attorney, Agent or Firm:
KOMATSU, Kiyomitsu (39-8 Nishi-Ikebukuro 2-chom, Toshima-ku Tokyo 21, JP)
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Claims:
一対の取付相手の一方へ取付けられる第1取付部材と、他方へ取付けられる第2取付部材と、これら第1及び第2取付部材間を防振連結するインシュレータと、
このインシュレータを壁部の一部として作動液体が封入された主液室と、
この主液室と仕切部材を介してオリフィス通路により連通され、壁部の少なくとも一部がダイヤフラムで形成される副液室とを備え、
前記仕切部材は、主液室の内圧変動を吸収する円形の弾性可動膜と、
この弾性可動膜の外周部を支持する枠部材とを備え、
この枠部材の前記弾性可動膜を支持する部分外周側に主液室と副液室を連通するリーク通路を設け、
かつこのリーク通路を開閉するリリーフバルブを前記弾性可動膜の外周部へ一体に設けた液封防振装置において、
前記リリーフバルブに開閉時の曲げ起点となる薄肉部を設けて曲げ用薄肉部とし、この曲げ用薄肉部を除くリリーフバルブの他の肉厚を、曲げ用薄肉部よりも厚くしたことを特徴とする液封防振装置。
前記曲げ用薄肉部を開閉調整溝により構成したことを特徴とする請求項1に記載した液封防振装置。
前記曲げ用薄肉部を除くリリーフバルブは、少なくとも曲げ用薄肉部の1.5倍以上の肉厚を有するように厚肉に形成されていることを特徴とする請求項1に記載した液封防振装置。
前記開閉調整溝が前記リリーフバルブの基部に周方向へ長く設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載した液封防振装置。
前記開閉調整溝が前記リリーフバルブの外周部に径方向へ延びる溝状に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載した液封防振装置。
前記主液室の液圧がかかる方向を略垂直方向とした場合において、前記リリーフバルブの外周部を径方向へ略水平に張り出させ、この張り出し部を前記副液室側から略水平面上で支持するストッパ部を仕切部材に設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載した液封防振装置。
Description:
液封防振装置

 この発明は自動車のエンジンマウント等に 用される液封防振装置に係り、特にキャビ ーション現象により発生する異音を効果的 低減できるとともに高減衰を実現できるよ にしたものに関する。

 この種の液封防振装置において、大荷重入 時に主液室内が瞬間的に負圧になることが り、このとき作動液の一部が気化するキャ テーション現象が発生し、これに伴う異音 発生するので、この異音を防止できるよう したものが種々提案されている。
このうちの一つとして、仕切部材に設けた貫 通穴内へ弾性可動膜を配置してその外周部を 貫通穴の内面へ接離自在とし、大振幅の入力 があったとき、弾性可動膜の外周部を変形さ せて副液室内へ突出させることにより、大量 の作動液をリークさせるための間隙を形成す るものもある(特許文献1参照)。

特開2006-132615号公報

 ところで、弾性可動膜を利用する構造の場 、微小振幅の振動が入力しても弾性可動膜 弾性変形することにより、外周部のシール 不完全となって、加圧時にもリークが生じ 場合があり、このようなリークが生じると 衰性能を低下させてしまうことになる。そ で本出願人は弾性可動膜の液圧吸収に関与 ない固定部よりも外周側にリリーフバルブ 設けたものを提案している。
ところが、このリリーフバルブを弾性変形容 易な薄膜で構成すると、その弾力等の設定に よっては、非リーク時において、主液室の液 圧変動によりリリーフバルブが弾性変形して 液圧変動を吸収する場合がある。
しかし、例えば、10Hz程度の振動により液柱 振して高減衰を得るダンピングオリフィス 設けた場合には、リリーフバルブの液圧吸 によりダンピングオリフィスの働きが弱く って所定の高減衰を達成できなくなる場合 考えられる。一方、リリーフバルブを弾性 形しない程度に硬くすると、キャビテーシ ン現象を阻止するリリーフバルブとしての 能に支障が生じる。
そこで、本願はリリーフバルブによるキャビ テーション現象を阻止するという本来の機能 を保持しつつ、同時に高減衰を得ることがで きるようにすることを目的とする。

 上記課題を解決するため液封防振装置に係 請求項1の発明は、一対の取付相手の一方へ 取付けられる第1取付部材と、他方へ取付け れる第2取付部材と、これら第1及び第2取付 材間を防振連結するインシュレータと、
このインシュレータを壁部の一部として作動 液体が封入された主液室と、
この主液室と仕切部材を介してオリフィス通 路により連通され、壁部の少なくとも一部が ダイヤフラムで形成される副液室とを備え、
前記仕切部材は、主液室の内圧変動を吸収す る円形の弾性可動膜と、
この弾性可動膜の外周部を支持する枠部材と を備え、
この枠部材の前記弾性可動膜を支持する部分 外周側に主液室と副液室を連通するリーク通 路を設け、
かつこのリーク通路を開閉するリリーフバル ブを前記弾性可動膜の外周部へ一体に設けた 液封防振装置において、
前記リリーフバルブに開閉時の曲げ起点とな る薄肉部を設けて曲げ用薄肉部とし、この曲 げ用薄肉部を除くリリーフバルブの他の肉厚 を、曲げ用薄肉部よりも厚くしたことを特徴 とする。

 請求項2の発明は、上記請求項1において 前記曲げ用薄肉部を開閉調整溝により構成 たことを特徴とする。

 請求項3の発明は上記請求項1において、 記曲げ用薄肉部を除くリリーフバルブは、 なくとも曲げ用薄肉部の1.5倍以上の肉厚を するように厚肉に形成されていることを特 とする。

 請求項4の発明は上記請求項1から3のいず かにおいて、前記開閉調整溝が前記リリー バルブの基部に周方向へ長く設けられてい ことを特徴とする。

 請求項5の発明は上記請求項1から3のいず かにおいて、前記開閉調整溝が前記リリー バルブの外周部に径方向へ延びる溝状に形 されていることを特徴とする。

 請求項6の発明は上記請求項1から5のいずれ において、前記主液室の液圧がかかる方向 略垂直方向とした場合において、前記リリ フバルブの外周部を径方向へ略水平に張り させ、この張り出し部を前記副液室側から 水平面上で支持するストッパ部を仕切部材 設けたことを特徴とする。

 請求項1の発明によれば、曲げ用薄肉部を 設けることにより曲げ用薄肉部を除くリリー フバルブの他の部分を曲げ易くする必要がな くなるので、曲げ用薄肉部を除くリリーフバ ルブの他の部分の肉厚を、曲げ用薄肉部より も厚くして高剛性とし、主液室の液圧変動を 吸収しにくくすることにより、ダンピングオ リフィスによる高減衰を可能にする。このた め、確実なキャビテーション現象の阻止と高 減衰の実現を両立させることができる。

 請求項2の発明によれば、リリーフバルブ に開閉時の曲げ起点となる開閉調整溝を設け 、この開閉調整溝部分が設けられて薄肉にな った部分を曲げ用薄肉部としたので、リリー フバルブを開閉するときは、開閉調整溝を曲 げ起点となって曲げ用薄肉部が容易に曲がる ため、リリーフバルブの開閉を速やかにする ことができるようになり、キャビテーション 現象を確実に阻止できる。

 請求項3の発明によれば、曲げ用薄肉部を 除くリリーフバルブの肉厚を、少なくとも曲 げ用薄肉部の1.5倍以上の肉厚を有するように することで、曲げ用薄肉部を除くリリーフバ ルブを十分に厚肉で高剛性にすることができ 、剛性と曲げ易さの適正なバランスをとりや すくなる。

 請求項4の発明によれば、開閉調整溝をリ リーフバルブの基部に周方向へ長く設けたの で、周方向へ長い開閉調整溝に沿ってリリー フバルブを折り曲げることができ、リリーフ バルブを周方向へ長く設けた場合において開 閉を容易に行わせることができる。

 請求項5の発明によれば、開閉調整溝をリ リーフバルブの外周部に径方向へ延びる溝状 に形成したので、この開閉調整溝を起点にし て、リリーフバルブの周方向両側を折り曲げ て、中間部の開閉調整溝部分を最も径方向内 方へ押し込むので、開弁時の開口面積を大き くすることができる。

 請求項6の発明によれば、主液室の液圧がか かる方向を略垂直方向とした場合において、 リリーフバルブの外周部を径方向へ略水平に 張り出させ、この張り出し部を副液室側から 略水平面上で支持するストッパ部を仕切部材 に設けたので、張り出し部とストッパ部は主 液室側の液圧を垂直方向で受け止めることが でき、閉弁を確実にすることができる。

 以下、図面に基づいて自動車用エンジン ウントとして構成された実施例を説明する 図1乃至図10は第1実施例に係り、このうち図 1はエンジンマウントの縦断面図、図2は構成 部を分解した図である。図1は主たる振動の 入力方向Zに沿ってカットした断面でもある なお、以下の説明において、上下左右等の 方向は図1における図示状態を基準とする。

 これらの図において、このエンジンマウ トは、振動源であるエンジン(図示省略)側 取付けられる第1取付部材1と、振動受け側で ある車体(同上)へ取付けられる第2取付部材2 、これらの間を連結するインシュレータ3と 備える。インシュレータ3はゴム等の公知の 防振用弾性部材で構成され、振動に対する防 振主体部となる弾性体であり、Z方向より第1 付部材1へ入力した振動はまずインシュレー タ3の弾性変形により吸収される。

 インシュレータ3は略円錐台形断面で内側 にドーム状部4を備え、このドーム状部4によ 下方へ開放された凹部が形成され、この凹 内に非圧縮性の作動液が封入されて主液室5 をなしている。

 主液室5は仕切部材6により副液室7と区画さ 、仕切部材6の外周部内にZ方向から見て円 状に形成されたオリフィス通路8により連通 れている(オリフィス通路8の両端における 液室との連通口は本図で見えていない)。オ フィス通路8は、10~11Hz程度のシェイク振動 からなる低周波数の振動に対して共振する とにより高減衰を得ることができるダンピ グオリフィスとして設定されている。
副液室7はダイヤフラム10と仕切部材6の間に 成され、ダイヤフラム10を壁部の一部として いる。

 第2取付部材2は円筒形の外筒金具11を備え、 この外筒金具11を必要によりブラケット12を して車体側へ取付けるようになっている。 筒金具11は第2取付部材2の一部をなしている
外筒金具11の内側には、インシュレータ3の延 長部13が一体化され、延長部13は仕切部材6の さと同じ程度下方へ延出して外筒金具11の 面を一体に覆っている。延長部13の上部で主 液室5に臨む部分は厚肉部の段差14をなし、こ こで仕切部材6の外周端部を位置決めしてい 。

 図2に明らかなように、仕切部材6は、上 に分離される上プレート15と下ホルダ16とで 性可動膜30を中央部に挟持し、弾性可動膜30 の径方向外方にオリフィス通路8(図1)を設け ある。また弾性可動膜30の外周部にはリリー フバルブ33を設け、主液室5側のリーク穴19及 副液室7側のリーク穴29を連通するリーク通 を開閉し、開いたとき副液室7側から主液室 5側へ作動液をリークさせるようになってい 。さらに、弾性可動膜30は上プレート15の中 上開口18及び下ホルダ16の中央下開口28を通 て主液室5及び副液室7に臨み、主液室5の液 変動により弾性変形して内圧変動を吸収す ようになっている。

 ダイヤフラム10は、薄肉の本体部10aと、 の外周部に一体形成された厚肉部10bを備え 厚肉部10bには固定用リング10cがインサート れて一体化している。固定用リング10cの外 面からは厚肉部10bの一部であるシール部10d 径方向外方へ突出している。固定用リング10 cはシール部10dを介して外筒金具11の内側へ圧 入されている。固定用リング10cの上下各端面 は露出しており、上端面は下ホルダ16の底部 周へ当接している。固定用リング10cの下端 は外筒金具11の下端部にてカシメ固定され いる。

 このエンジンマウントを組み立てるには 図2に示すように、まず第1取付部材1,第2取 部材2及びインシュレータ3が一体化した小組 体を作り、これを図1の状態と上下反転させ 外筒金具11の内側へ仕切部材6を入れて段差14 にて位置決めさせ、続いてダイヤフラム10の 定用リング10cを圧入して仕切部材6の図示状 態上面へ当接させ、外筒金具11の先端を内側 折り曲げて折り曲げ部11aとして、固定用リ グ10cの図示状態上端面を圧接することによ 、全体が組立一体化される。

 図3は仕切部材6の平面図、図4は図3の4-4線 に沿う断面図である。これらの図に示すよう に、仕切部材6は平面視が円形である中空の 状体であり、上プレート15と下ホルダ16はそ ぞれ剛性を有し、軽金属や硬質樹脂等の適 材料で構成される。上プレート15は円板状 あり、中央が一段低くなった中央段部17をな し、ここに主液室5と連通する中央上開口18が 形成され、十文字状の変形規制枠18aで区画さ れている。中央段部17の外周側には円弧状の 穴形状をなすリーク穴19が90°間隔で同一円 上に計4個配置されている。

 図4に示すように、符号20はオリフィス通 8の主液室側開口である。21は位置決め突起 あり下ホルダ16から突出して、上プレート15 に形成された小孔21aに嵌合することにより、 上プレート15と下ホルダ16が位置決めされて 体化される。

 下ホルダ16には外周部にオリフィス通路8 形成するための上方へ開放された円弧状溝2 2が形成され、その内側壁をなす環状隔壁23に 囲まれた内側の空間内に弾性可動膜30が収容 れる。下ホルダ16の底部25中央部には副液室 と連通する中央下開口28が形成されている。2 8aは変形規制枠である。

 弾性可動膜30は主液室5の内圧変動を弾性変 により吸収するための部材であり、中央薄 部31と固定部32及び固定部32の外周側に一体 成されたリリーフバルブ33とを有する。中 薄肉部31は中央上開口18及び中央下開口28に み、これらの開口から出入りする作動液に り弾性変形し、十文字状の変形規制枠18a及 28aにより過大変形を規制される。
中央薄肉部31には同心円状に複数の突起31a及 突条31b,31cが一体に形成され、中央薄肉部31 弾性変形するとき上プレート15及び下ホル 16に対して小さな接触面積で初期接触するよ うになっている。

 固定部32は中央薄肉部31の外周側に形成さ れる肉厚で剛性のある環状壁であり、上部は 上プレート15の中央段部17外周部における段 部15a(図8参照)で位置決めされ、下部32aは環 溝27へ嵌合して位置決めされることにより、 上プレート15と下ホルダ16に上下から挟まれ 固定される拘束部であり、中央薄肉部31の環 状支持部をなしている。

 図5は弾性可動膜30の斜視図、図6は弾性可 動膜30の平面図、図7は図6の7-7線断面図であ 。これらの図に示すように、弾性可動膜30は ゴム等の適宜弾性体で構成され、外周部に環 状壁をなす固定部32を設け、そのさらに径方 外方へ張り出す外周縁部34を全周に形成す とともに、この外周縁部34の一部に平面視円 弧状をなして周方向へ長い凹部35を設けて薄 化したリリーフバルブ33を90°間隔で形成し 隣り合うリリーフバルブ33の間を中実厚肉 36とする。その結果、外周縁部34には、リリ フバルブ33と中実厚肉部36が周方向へ交互に 形成される。

 中実厚肉部36を含む外周縁部34は、副液室 7側となる下部側部分を斜めに切り取って、 方向外方へ斜め上がりの斜面をなすように た略三角形状断面をなしている(図7参照)。 実厚肉部36は凹部35を埋めて中実にしたもの 相当し、高剛性部分になっている。 

 外周縁部34における中実厚肉部36と別の部分 を肉抜きして上方側に開放された凹部35を形 することにより、リリーフバルブ33が形成 れる。
リリーフバルブ33は中実厚肉部36に比して薄 となる部分であり、凹部35分だけ肉抜きされ て薄肉になったリリーフバルブ33と中実厚肉 36が外周縁部34の周方向へ交互に形成され、 これによって、弾性可動膜30の外周縁部34に 、中実厚肉部36とリリーフバルブ33との間に 性差が形成される。

 すなわち、外周縁部34のうち、リリーフ ルブ33が薄肉部となって軟らかく、他の部分 が中実厚肉部36となって硬くなる。この剛性 によって、変形し易いリリーフバルブ33へ ーク時の作動液を集中させ、リリーフバル 33を速やかに変形させて、確実にリークを開 始するようになるため、リリーフバルブ33の きが正確になる。但し、剛性差を設ける程 は自由に設定でき、凹部35の数,形成幅,肉厚 等により、リリーフバルブ33の硬さを調節で る。

 リリーフバルブ33は固定部32の外周側へ一 体に形成され、主液室5へ向かって開放され 凹部35を囲む斜面壁として構成されている。 なおリリーフバルブ33と共に凹部35を囲む周 向の側面壁は隣り合う中実厚肉部36の周方向 端部によって形成される。リリーフバルブ33 構成する斜面壁は径方向へ向かって斜め上 りに形成され、副液室7側から主液室5側へ 動液を流れ易くしている。

 固定部32へ接続するリリーフバルブ33の基 部は、開閉調整溝37を形成することにより曲 用薄肉部38をなし、開弁及び閉弁時におけ リリーフバルブ33の折れ曲がりを容易にして いる。開閉調整溝37は基部内側を下方へ彫り むようにして、上方へ開放されかつ平面視 おける凹部35の開口縁部における円弧(図5参 照)に沿った円弧状をなして周方向へ長い溝 に形成されている。

 この開閉調整溝37の形成によりリリーフバ ブ33の基部を曲げ用薄肉部38とし、リリーフ ルブ33の開閉動作時に影響が大きい曲げ用 肉部38の弾力を調整している。
リリーフバルブ33の先端部に環状隔壁23へ密 するシート面40と縁リブ41をなす。シート面4 0は環状隔壁23と略平行に形成され、比較的広 いシール面積により環状隔壁23の内周面へ液 に密着できるようになっている。縁リブ41 リリーフバルブ33の先端部に剛性を与えるた めの厚肉部をなし、リリーフバルブ33の先端 を周方向全長で均一に変形できるようにし いる。

 曲げ用薄肉部38の肉厚をT1、リリーフバル ブ33の一般肉厚をT2とすると、T1<T2であり、 この実施例ではT1はT2の0.6倍程度に設定され いる。またこの一般肉厚T2は、中央薄肉部31 一般肉厚T3と略同程度の厚肉になっている なお、リリーフバルブ33の一般肉厚T2は、リ ーフバルブ33における肉厚変化部である曲 用薄肉部38及び先端部を除く部分の平均肉厚 に相当する。また、中央薄肉部31の一般肉厚T 3は、中央薄肉部31のうち肉厚が部分的に大き くなるリブ部分を除く平均肉厚に相当する。

 曲げ用薄肉部38は、肉厚T1が薄くなるほど、 リリーフバルブ33が図の下方から液圧を受け とき開閉調整溝37を曲げ基点にして小さな でリリーフバルブ33が固定部32側へ曲がって 弁できるようになる。
一方、リリーフバルブ33のうち、曲げ用薄肉 38とシート面40の間における部分は、厚肉に することで、閉弁時において高減衰が得られ るよう十分に剛性のあるものに設定される。
なお、図7においてT4はリリーフバルブ33を厚 にしない比較例における肉厚を示す。すな ち、リリーフバルブ33の肉厚を開閉調整溝37 の底における程度に設定したものがT4である T4は略T1と同程度の薄肉である。

 曲げ用薄肉部38の肉厚T1及びリリーフバルブ 33の一般肉厚T2はそれぞれ仕様に応じて、高 衰に必要な剛性と所定液圧による曲げ用薄 部38における曲げ易さの兼ね合いで自由に決 定されるが、剛性と曲げ易さのバランスをと る上で、T2をT1に対して、1.5~3倍程度の範囲に することが好ましく、概ねT2をT1の2倍程度と ると、剛性と曲げ易さのバランスがとれた のになりやすい。
T2/T1が3倍より大きいとリリーフバルブ33の剛 が低下し非リーク時の密閉性能が低くなる 一方1.5倍以下ではリーク時に十分な開口が られない。本実施例ではT1を1.5mm、T2を2.5mm し、T2をT1の1.66倍としている。

 図8はリリーフバルブの動作を説明し、Aは リーク時におけるリリーフバルブ33近傍部を 示す断面図、Bはリーク時における同様図で る。
リリーフバルブ33は、リーク穴19へ臨みかつ ーク穴19へ向かって開放された凹部35を備え この凹部35に臨むリリーフバルブ33が曲げ用 薄肉部38において曲がることにより開閉自在 なっている。またリリーフバルブ33はリー 穴19を通って主液室5から来る液圧を迎え、 ーク穴29を通って副液室7から来る液圧に対 てはこれを逃がすような方向へ傾斜して、 ーク通路49を開閉する。

 リーク通路49は、仕切部材6を貫通する作動 の流路を構成し、リーク穴19及び29を連通し 、弾性可動膜30の外周部である固定部32と環 隔壁23の内周面との間に形成され、リリーフ バルブ33により開閉される。
リリーフバルブ33は、リリーフバルブ33のシ ト面40が環状隔壁23の内周面へ密着すること より閉弁状態となってリーク通路49が閉じ れ(図のA)、リリーフバルブ33が曲げ用薄肉部 38で曲がり、シート面40が環状隔壁23から離れ ると開弁状態となってリーク通路49が開かれ 。

 リリーフバルブ33が開くと、上プレート15及 び下ホルダ16の各外周部に形成されたリーク 19及び29を通して、副液室7から主液室5へ作 液をリークするようになっている(図のB)。
但し、通常時は図のAに示すように、リリー バルブ33のシート面40が環状隔壁23の内周面 液密に密着してリーク通路49を遮断し、リー ク穴19及び29間の連通を遮断する閉弁状態と っている。

 図のAにおいて、主液室5の内圧が低下し0 圧に近づく所定のレベルとなったとき、リ ーフバルブ33を押し上げる副液室7側の液圧 相対的に高くなり、やがて、リリーフバル 33は曲げ用薄肉部38にて曲がることにより、 固定部32へ接近するように折り曲げられ、シ ト面40が環状隔壁23から離れることにより、 リーク通路49が開かれてリーク穴19及び29間を 連通する開弁状態になり、副液室7の作動液 リーク通路49を通って主液室5へ流入する(図 B)。

 この開弁開始の基準となる主液室5の内圧レ ベルは、リリーフバルブ33の開閉動作におけ 硬さによって自由に調整でき、リリーフバ ブ33の開閉動作における硬さは、曲げ用薄 部38の肉厚により調整することにより任意の 開閉設定値にすることができる。
キャビテーション現象の発生が、主液室5内 減圧により絶対真空圧に近づくことによっ 生じることを考えれば、開閉設定値は限り く負圧に近い値を所定レベルに設定するこ が好ましく、例えば、0.1atm程度で開くよう 設定する。

 次に、本実施例の作用を図1及び図8を中心 説明する。図1において、主液室5へ大きな振 動が入力すると、主液室5を圧縮して作動液 副液室7側へ送り出す。このとき、主液室5の 作動液は加圧されて、図8のAに矢示するよう 、リリーフバルブ33の上面を下方の副液室7 へ押す。しかし、リリーフバルブ33のシー 面40は予め環状隔壁23の内周面へ押しつけら ているため、環状隔壁23へより高液密に密 されてシール性を高める。
しかも、凹部35を囲むリリーフバルブ33はあ 程度の厚肉にされて高剛性になっているの 、予定される液圧程度では弾性変形を生じ いように設定しておくことで、オリフィス 路8による液柱共振を強くして高減衰にする とができる。

 その後、振動方向が反転して主液室5の容積 が圧縮前の状態へ急速に戻ると、作動液はオ リフィス通路8を介して移動するため、戻り 遅くなって主液室5の内部は瞬間的に負圧状 に近づく。図8のBはこの状態を示し、リリ フバルブ33は主液室5側から引っ張られ、か 副液室7側の作動液が押し上げて、リリーフ ルブ33の剛性に打ち勝つと、リリーフバル 33は開閉調整溝37を曲げ起点として曲げ用薄 部38が弾性変形することにより、固定部32側 へ回動し、シート面40が環状隔壁23の内周面 ら離れて開弁し、副液室7側の作動液を、
副液室7→リーク穴29→リーク穴19→主液室5、
とリークさせる。
特に、リリーフバルブ33は斜面状をなすので 副液室7側の作動液は斜面に導かれてリリー フバルブ33の先端へ集中されるから、スムー にリリーフバルブ33の先端側から徐々にめ るように変形させようとする。

 これにより、リーク穴19から大量の作動液 主液室5へスムーズにリークされ、主液室5内 におけるキャビテーション現象の発生を確実 に防止できる。
しかも、開閉調整溝37は周方向へ延びており かつリリーフバルブ33は厚肉で比較的高剛 になっているから、局部的に不規則な弾性 形をすることなく、全体が均一に開閉調整 37を起点として曲がるので、リークはリリー フバルブ33の外周部全体で発生し、開弁が正 になる。このとき縁リブ41もリリーフバル 33の剛性アップに寄与している。そのうえ、 リリーフバルブ33は環状隔壁23の内周側にあ て長い周長を有するため、開放面積は広い のとなるから、この点でも瞬時に大量の作 液をリークでき、キャビテーション現象の 生を確実に防止できる。

 図9は動バネ特性を示すグラフであり、横 軸に周波数、縦軸に減衰力を示す。このグラ フに明らかなように、実線で示す本願発明の 減衰力は10Hz程度における液柱共振により、 大値を形成する。一方、仮想線は図7におい 肉厚がT4の比較例におけるものであり、や り10Hz程度で減衰の極大値を示すものの、そ 値は、本願発明よりも小さなものであり、 願発明は比較例に対して約18%程度も大きな 衰を得ることができ、高減衰を実現できて ることが判る。

 図10はキャビテーション現象の阻止効果 、本願発明と上記比較例について比較した のであり、横軸に成分周波数、縦軸に伝達 をとってあり、各成分周波数毎に伝達力が い程、キャビテーション現象を効果的に抑 できることを示す。このグラフからも明ら なように、キャビテーション現象が問題に る1000Hz以上の成分周波数域では、ほぼ全域 本願発明の方が比較例よりも伝達力が同等 しくは低下している。したがって、キャビ ーション現象の発生阻止において、本願発 のものは比較例と同等もしくはそれ以上に 果を上げていることが判る。

 したがって、本実施例の構造によれば、 リーフバルブ33を十分に厚肉とすることで 性変形しにくくして主液室5の液圧変動を吸 しないようにすることにより、ダンピング リフィスであるオリフィス通路8による高減 衰を可能にすると同時に、開閉調整溝37を設 ることにより、この開閉調整溝37を曲げ起 として、曲げ用薄肉部38を容易に曲げてリリ ーフバルブ33の速やかな開閉を可能にして、 実なキャビテーション現象の阻止ができ、 減衰の実現とキャビテーション現象の阻止 両立させることができる。

 また、曲げ用薄肉部38を除くリリーフバ ブ33の一般肉厚T2を、少なくとも曲げ用薄肉 38の肉厚T1の1.5倍以上の肉厚を有するように することで、曲げ用薄肉部38を除くリリーフ ルブ33を十分に厚肉で高剛性にすることが きるので、剛性と曲げ易さの適正なバラン をとりやすくなる。

 さらに、開閉調整溝37をリリーフバルブ33 の基部に周方向へ長く設けたので、周方向へ 長い開閉調整溝37に沿ってリリーフバルブ33 折り曲げることができ、周方向へ長く設け リリーフバルブ33の開閉を容易に行わせるこ とができる。

 図11は第2実施例に係る仕切部材6の断面図で ある。なおこの実施例は弾性可動膜等の一部 についてのみ変更したものであり、他の部分 は前実施例と共通であるため説明を省略する 。また共通部には共通符号を用いるものとす る(以下同じ)。
この例では、主液室5の液圧が略垂直にかか ように仕切部材6を配置し、外周縁部34の外 部に径方向外方へ張り出す突部50を全周へ連 続して設け、かつ環状隔壁23の内周面側には 全周へ亘って略水平の受け面を有するよう 径方向内方へ張り出す段部状のストッパ部5 1を設け、突部50をストッパ部51の水平面上へ せ、下側となる副液室7側から支持するよう になっている。

 また、リリーフバルブ33の上方には径方向 幅を拡大されたリーク穴19が上プレート15に けられ、その径方向幅は固定部32の外周面 ら突部50の先端へ及んでいる。
リーク穴29も拡大して下ホルダ16に設けられ 径方向外方側は環状隔壁23に設けられた斜面 52の下端部になっている。斜面52は環状隔壁23 の内周面でストッパ部51より下方部分を下方 向かって次第に径方向外方側に広がるよう 形成されている。

 このようにすると、主液室5の液圧がかか る方向を略垂直方向とした場合において、閉 弁時に突部50が主液室5側の液圧を垂直に受け て略水平方な平面をなすストッパ部51上へ押 つけられるので、密着を確実にして正確に 弁させることができる。しかも、リーク時 はリーク穴29を拡大させることで、より大 の作動液を流入させることができ、かつ斜 52によりリリーフバルブ33の先端側へ作動液 導入するので、開弁動作をより確実にする ことができる。またリーク穴19を拡大した とにより、主液室5の作動液流入をより大量 つ迅速にすることができる。

 図12及び13は第3実施例に係り、図12は弾性 可動膜30の平面図、図13は図12の13-13断面図で る。これらの図に示すように、この実施例 はリリーフバルブ33の周方向中間部に、径 向に延びる縦溝60が形成されている。この縦 溝60は開閉調整溝の一つであるが、第1実施例 と同じ開閉調整溝37は別に斜面壁の37の基部 周方向へ形成されている。縦溝60は下端が開 閉調整溝37に接続し、上端が縁リブ41を外周 向へ食い込み、縁リブ41を周方向へ分断して いる。

 図13の拡大部に示すように、縦溝60の形成 部分におけるリリーフバルブ33の肉厚は開閉 整溝37の底部による曲げ用薄肉部38の肉厚T1 同程度のT4であり、リリーフバルブ33の中間 部でも縦溝60に沿って曲げ用薄肉部61が形成 れる。

 このようにすると、開弁時にはリリーフ ルブ33が、曲げ用薄肉部38にて開閉調整溝37 起点として曲がるとともに、縦溝60が起点 なって周方向両側部分が折れ曲がる。この きリリーフバルブ33は周方向両端で側面壁に 固定されているから、中間部の縦溝60部分へ 方向外方から液圧が集中し、曲げ用薄肉部6 1が弾性変形して、縦溝60部分が最も固定部32 へ押し込まれるように曲がる。このため、 数ケ所で曲がることにより開弁をスムーズ することができ、かつ開口面積をより大き することができる。

 なお、本願発明は上記の各実施例に限定さ るものではなく、発明の原理内において種 に変形や応用が可能である。例えば、第3実 施例において、周方向の開閉調整溝40と組み わせずに縦溝状の開閉調整溝である縦溝60 みを設けることができる。また、各実施例 おける開閉調整溝の数や位置等は自由に決 することができる。
さらに、曲げ用薄肉部38を一又は複数の肉抜 した凹部により形成することも可能である

第1実施例に係るエンジンマウントの縦 断面図 上記構成各部の分解図 組立状態にある仕切部材の平面図 図3の4-4線断面図 弾性可動膜の斜視図 弾性可動膜の平面図 図6の7-7線断面図 リリーフバルブの動作を説明する図 動バネ特性のグラフ 伝達特性を示すグラフ 第2実施例に係る仕切部材の断面図 第2実施例に係る弾性可動膜の平面図 図12の13-13線断面図

符号の説明

1:第1取付部材、2:第2取付部材、3:インシュ ータ、5:主液室、6:仕切部材、7:副液室、8: リフィス通路、10:ダイヤフラム、19:リーク 、23:環状隔壁、29:リーク穴、30:弾性可動膜 31:中央薄肉部、32:固定部、33:リリーフバル 、34:外周縁部、35:凹部、36:中実厚肉部、37: 閉調整溝、38:曲げ用薄肉部、49:リーク通路 50:突部、51:ストッパ部、60:縦溝、61:曲げ用 肉部