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Patent Searching and Data


Title:
IMAGE DISPLAY DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/096325
Kind Code:
A1
Abstract:
This object aims to make a variable focus lens arranged at a position suitable for miniaturizing the variable focus lens in an image display device that is possible to adjust a wavefront curvature rate of image light by using the variable focus lens. To this end, the image display device is comprised of a light source unit (12); an image light forming unit (14) that forms image light by converting light projected from the light source into the image light that represents an image to be displayed; and a relay optical system (16) that relays the image light projected from the image light forming unit and is provided in the relay optical system with a pupil through which the image light passes, wherein the relay optical system (16) includes a variable focus lens (50) that is arranged at a position substantially equal to the position of the pupil and has a variable focal distance and a wavefront curvature rate adjusting unit (52) that adjusts a wavefront curvature rate of the image light projected from the relay optical system by driving the variable focus lens to change the focal distance.

Inventors:
WATANABE MITSUYOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/051044
Publication Date:
August 06, 2009
Filing Date:
January 23, 2009
Export Citation:
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Assignee:
BROTHER IND LTD (JP)
WATANABE MITSUYOSHI (JP)
International Classes:
G02B27/02; G02B1/06; G02B3/14; G02B25/02; H04N5/64
Foreign References:
JPH09297282A1997-11-18
JP2001194617A2001-07-19
JPH09297282A1997-11-18
JPH11194313A1999-07-21
JP2006285182A2006-10-19
Other References:
See also references of EP 2241927A4
Attorney, Agent or Firm:
KURUSU, Kazunori (Room 403MARUNOUCHI ESTATE BLDG.,2-17-12, Marunouchi,Naka-ku, Nagoya-shi, Aichi 02, JP)
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Claims:
 画像を光学的に表示する画像表示装置であって、
 光源部と、
 その光源部から出射する光を、表示すべき画像を表す画像光に変換することにより、その画像光を形成する画像光形成部と、
 その画像光形成部から出射した画像光を、前記画像光形成部と光学的に共役な像面に結像するリレー光学系であって、そのリレー光学系の内部に、前記画像光が通過する瞳を有するものと、
 その瞳の位置と概して等しい位置に配置された可変焦点レンズであって、可変である焦点距離を有するものと、
 その可変焦点レンズを駆動して前記焦点距離を変化させることにより、前記リレー光学系から出射する画像光の波面曲率を調節する波面曲率調節部と
 を含む画像表示装置。
 前記波面曲率調節部は、前記画像の奥行き情報に基づいて前記波面曲率を変調する変調手段を含む請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
 前記画像は、複数のフレームの列によって構成され、
 前記画像光形成部は、各フレームごとに、そのフレームを構成する複数個の画素が一斉に表示されるように、前記画像光を形成する形成手段を含み、
 前記波面曲率調節部は、各フレームごとに、各フレームの表示タイミングと同期するように、前記波面曲率を調節する調節手段を含む請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
 前記画像は、複数個の画素の集まりによって構成され、
 前記波面曲率調節部は、各画素または各画素グループごとに、前記波面曲率を調節する調節手段を含む請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
 前記画像は、複数のフレームの列によって構成され、
 各フレームは、複数個の画素の集まりによって構成され、
 前記画像光形成部は、各フレームごとに、そのフレームを構成する複数個の画素が、各フレームの表示時間中に、各画素または各画素グループごとに、時分割で順次表示されるように、前記画像光を形成する形成手段を含み、
 前記波面曲率調節部は、各画素または画素グループごとに、各画素または画素グループの表示タイミングと同期するように、前記波面曲率を調節する調節手段を含む請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
 前記可変焦点レンズは、液晶レンズと、液体レンズと、前記リレー光学系の光軸方向における位置が可変である可動レンズとのうちの少なくとも一つを含む請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
 前記画像光形成部は、光スキャナと、フラットパネルディスプレイとのうちの少なくとも一つを含む請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
 前記画像光形成部は、前記フラットパネルディスプレイを含み、
 そのフラットパネルディスプレイは、液晶ディスプレイと、有機エレクトロルミネッセンスと、デジタルマイクロミラーデバイスとのうちの少なくとも一つを含む請求の範囲第7項に記載の画像表示装置。
 さらに、
 前記リレー光学系の下流に配置された接眼光学系と、
 その接眼光学系を、それの光軸方向に移動させて任意の位置で停止させることにより、前記波面曲率をデフォールト値からオフセットさせる波面曲率オフセット機構と
 を含む請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
 さらに、
 前記可変焦点レンズを、前記リレー光学系の光軸に対して直角な方向に移動させて任意の位置で停止させることにより、当該可変焦点レンズの、前記リレー光学系に対する相対的な位置をキャリブレーションするキャリブレーション機構を含む請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
Description:
画像表示装置

 本発明は、画像を光学的に表示する技術 関するものであり、特に、可変焦点レンズ 用いて、表示すべき画像を表す画像光の波 曲率を調節する技術の改良に関するもので る。

 画像を光学的に表示する技術として、例 ば、表示すべき画像を表す画像光を直接的 観察者の網膜上に投影し、それにより、観 者が画像を虚像として観察することを可能 する技術や、そのような画像光を物理的な クリーンに投影し、それにより、観察者が 像を実像として観察することを可能にする 術が存在する。

 さらに、光源からの光を、表示すべき画 を表す画像光に変換する技術として、例え 、光源から一斉に入射した面状の光を、LCD 、空間変調素子を用いて、各画素ごとに空 的に変調し、それにより、面状の画像光を 成する技術や、光源から入射したビーム状 光であって各画素ごとに強度変調されたも を、スキャナを用いて、2次元方向に走査す ることによって面状の画像光に変換する技術 が存在する。

 日本国特開平9-297282号公報は、画像を光 的に表示する装置としてのヘッドマウント ィスプレイ装置を開示している。このヘッ マウントディスプレイ装置は、表示すべき 像を表す画像光を直接的に網膜上に投影し それにより、観察者が画像を虚像として観 することを可能にする技術と、光源から一 に入射した面状の光を、LCD等、空間変調素 を用いて、各画素ごとに空間的に変調する 術とを採用している。

 このヘッドマウントディスプレイ装置は さらに、虚像の位置を奥行き方向に変化さ て動画の立体表示を可能にするために、可 焦点レンズを採用している。

 前記特開平9-297282号公報は、可変焦点レ ズを使用すれば、画像光の奥行きを決める 学的物理量、すなわち、画像光の波面曲率 変調することが可能であることを教えてい 。

 しかしながら、前記特開平9-297282号公報 、そのような可変焦点レンズの大きさと、 れが配置される位置との間に一定の関係が ることを教えておらず、よって、前記特開 9-297282号公報は、そのような可変焦点レンズ を小型化するのに適した配置位置を教えてい ない。

 以上説明した事情を背景として、本発明 、可変焦点レンズを用いて画像光の波面曲 を調節することが可能な画像表示装置にお て、可変焦点レンズを小型化するのに適し 位置にその可変焦点レンズが配置されるこ を可能にすることを課題としてなされたも である。

 本発明によって下記の各態様が得られる 各態様は、項に区分し、各項には番号を付 、必要に応じて他の項の番号を引用する形 で記載する。これは、本発明が採用し得る 術的特徴の一部およびそれの組合せの理解 容易にするためであり、本発明が採用し得 技術的特徴およびそれの組合せが以下の態 に限定されると解釈すべきではない。すな ち、下記の態様には記載されていないが本 細書には記載されている技術的特徴を本発 の技術的特徴として適宜抽出して採用する とは妨げられないと解釈すべきなのである

 さらに、各項を他の項の番号を引用する 式で記載することが必ずしも、各項に記載 技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴か 分離させて独立させることを妨げることを 味するわけではなく、各項に記載の技術的 徴をその性質に応じて適宜独立させること 可能であると解釈すべきである。

(1) 画像を光学的に表示する画像表示装置で って
 光源部と、
 その光源部から出射する光を、表示すべき 像を表す画像光に変換することにより、そ 画像光を形成する画像光形成部と、
 その画像光形成部から出射した画像光を、 記画像光形成部と光学的に共役な像面に結 するリレー光学系であって、そのリレー光 系の内部に、前記画像光が通過する瞳を有 るものと、
 その瞳の位置と概して等しい位置に配置さ た可変焦点レンズであって、可変である焦 距離を有するものと、
 その可変焦点レンズを駆動して前記焦点距 を変化させることにより、前記リレー光学 から出射する画像光の波面曲率を調節する 面曲率調節部と
 を含む画像表示装置。

 この画像表示装置によれば、当該画像表 装置が、画像光形成部から出射した画像光 、前記画像光形成部と光学的に共役な像面 結像するリレー光学系であって、そのリレ 光学系の内部に、画像光が通過する瞳を有 るものを含むように構成される。さらに、 の画像表示装置によれば、その瞳の位置と して等しい位置に可変焦点レンズが配置さ る。その可変焦点レンズは、リレー光学系 ら出射する画像光の波面曲率を調節するた に、駆動される。

 一方、前記リレー光学系の内部を進行す 画像光は、その経路全体において光軸に垂 な面での断面の直径(形状)が一定であるわ ではなく、そのリレー光学系の瞳の位置に いて、画像光の前記断面を包含する面の直 (以下、「画像光の直径」と略称する。)が最 小となり、その瞳の位置から遠ざかるにつれ て、画像光の直径が増加する。また、一般に 、リレー光学系の瞳を通過する画像光の直径 は、リレー光学系の外部において画像光が有 する直径より小さい。

 したがって、この画像表示装置によれば 可変焦点レンズを、その小型軽量化にとっ 有利な位置に配置することが可能となり、 の結果、当該画像表示装置の小型軽量化が 易となる。さらに、この画像表示装置によ ば、可変焦点レンズの小型化のおかげで、 点距離を変化させる際の可変焦点レンズの 答速度を高速化することが容易となる。

 本項において、「画像光の波面曲率を調 する」ための用途としては、例えば、観察 の視力に応じて画像光をキャリブレーショ するという用途、画像が投影されるスクリ ンの幾何学的歪み(画像光に対する設置スク リーンの傾斜や、スクリーン自体の湾曲)に じて画像光をキャリブレーションするとい 用途、画像を3次元的に表示するために画像 の各オブジェクトの奥行きを表現するとい 用途などがある。

(2) 前記波面曲率調節部は、前記画像の奥 き情報に基づいて前記波面曲率を変調する 調手段を含む(1)項に記載の画像表示装置。

 この画像表示装置によれば、画像の立体 示が可能となる。

(3) 前記画像は、複数のフレームの列によっ 構成され、
 前記画像光形成部は、各フレームごとに、 のフレームを構成する複数個の画素が一斉 表示されるように、前記画像光を形成する 成手段を含み、
 前記波面曲率調節部は、各フレームごとに 各フレームの表示タイミングと同期するよ に、前記波面曲率を調節する調節手段を含 (1)または(2)項に記載の画像表示装置。

 この画像表示装置によれば、フレームご に画像光の波面曲率を異ならせることが可 となる。よって、例えば、同じフレームに いては、実現すべき奥行きが一様であるが フレームごとに、実現すべき奥行きが異な ように、複数のフレームが構成される場合 、それらフレームによって構成される画像 、複数の奥行きを有するように表示するこ が可能となる。

 さらに、この画像表示装置によれば、同 フレームについて画像光の波面曲率が各画 ごとに変化するように可変焦点レンズが駆 される場合より、その可変焦点レンズの作 状態が変化する頻度が低下し、それにより その可変焦点レンズに課されるべき負担が 減される。

 本項において、「フレーム」は、例えば もとのフレームを構成する複数個の画素と じ画素によって構成されるものと定義した 、もとのフレームを構成する複数個の画素 、同じ目標波面曲率を共有する複数個の画 グループに分割し、それにより、もとのフ ームを複数のサブフレームに分割した場合 各サブフレームとして定義することが可能 ある。

(4) 前記画像は、複数個の画素の集まりによ て構成され、
 前記波面曲率調節部は、各画素または各画 グループごとに、前記波面曲率を調節する 節手段を含む(1)または(2)項に記載の画像表 装置。

 この画像表示装置によれば、同じフレー につき、各画素または各画素グループごと 、画像光の波面曲率を異ならせることが可 となる。よって、例えば、同じフレームが 数の奥行きを有する場合に、そのフレーム よって構成される画像を、複数の奥行きを するように表示することが可能となる。

 本項において、「画素グループ」は、1つ の画像またはフレームのうち、同じ奥行きを 共有する複数個の画素の集まりを意味してお り、それら画素がすべて、同じ画像またはフ レーム上において互いに隣接していることを 要せず、それら画素は、互いに離散している 複数個の画素を含み得る。

(5) 前記画像は、複数のフレームの列によっ 構成され、
 各フレームは、複数個の画素の集まりによ て構成され、
 前記画像光形成部は、各フレームごとに、 のフレームを構成する複数個の画素が、各 レームの表示時間中に、各画素または各画 グループごとに、時分割で順次表示される うに、前記画像光を形成する形成手段を含 、
 前記波面曲率調節部は、各画素または画素 ループごとに、各画素または画素グループ 表示タイミングと同期するように、前記波 曲率を調節する調節手段を含む(1)または(2) に記載の画像表示装置。

 この画像表示装置によれば、各画素また 画素グループごとに、各画素または画素グ ープの表示タイミングと同期するように、 像光の波面曲率が調節される。よって、各 素または画素グループにつき、画像の表示 奥行きの実現とが互いに同期するように行 れる。

 この画像表示装置においては、例えば、 画素の元目標波面曲率が、その元目標波面 率の最大レベル数より少ないように予め定 られた数の近似目標波面曲率(複数個の離散 値)のうちのいずれかに変換され、その変換 れた近似目標波面曲率が実現されるように 変焦点レンズが駆動されることが望ましい このようにすれば、元目標波面曲率ができ 限り忠実に実現されるように可変焦点レン が駆動される場合より、その可変焦点レン の負担が軽減され、その制御が容易となる

(6) 前記可変焦点レンズは、液晶レンズと 液体レンズと、前記リレー光学系の光軸方 における位置が可変である可動レンズとの ちの少なくとも一つを含む(1)ないし(5)項の ずれかに記載の画像表示装置。

(7) 前記画像光形成部は、光スキャナと、 ラットパネルディスプレイとのうちの少な とも一つを含む(1)ないし(6)項のいずれかに 載の画像表示装置。

(8) 前記画像光形成部は、前記フラットパネ ディスプレイを含み、
 そのフラットパネルディスプレイは、液晶 ィスプレイと、有機エレクトロルミネッセ スと、デジタルマイクロミラーデバイスと うちの少なくとも一つを含む(7)項に記載の 像表示装置。

(9) さらに、
 前記リレー光学系の下流に配置された接眼 学系と、
 その接眼光学系を、それの光軸方向に移動 せて任意の位置で停止させることにより、 記波面曲率をデフォールト値からオフセッ させる波面曲率オフセット機構と
 を含む(1)ないし(8)項のいずれかに記載の画 表示装置。

 この画像表示装置によれば、例えば、観 者の視力に応じて接眼光学系の位置を調節 ることが可能となり、よって、観察者の視 の良否にかかわらず、観察者が画像を鮮明 観察することが可能となる。

(10) さらに、
 前記可変焦点レンズを、前記リレー光学系 光軸に対して直角な方向に移動させて任意 位置で停止させることにより、当該可変焦 レンズの、前記リレー光学系に対する相対 な位置をキャリブレーションするキャリブ ーション機構を含む(1)ないし(9)項のいずれ に記載の画像表示装置。

 この画像表示装置によれば、例えば、観 者の視力に応じて可変焦点レンズの位置を 節することが可能となり、よって、観察者 視力の良否にかかわらず、観察者が画像を 明に観察することが可能となる。

 以下、本発明のさらに具体的な実施の形 のうちのいくつかを図面に基づいて詳細に 明する。

 図1には、本発明の第1実施形態に従うヘ ドマウントディスプレイ装置10が概念的に示 されている。このヘッドマウントディスプレ イ装置10は、図示しない観察者の頭部に装着 れて使用される形式の画像表示装置である

 このヘッドマウントディスプレイ装置10 、概略的には、光源から一斉に入射した面 の光を、空間変調素子を用いて、各画素ご に空間的に変調し、そのようにして形成さ た画像光を観察者の瞳孔を経て直接的に観 者の網膜上に投影し、それにより、観察者 画像を虚像として観察することを可能にす ように構成されている。

 具体的には、このヘッドマウントディス レイ装置10は、光源部12と、画像光形成部14 、リレー光学系16と、接眼光学系18とを、そ れらの順に、互いに直列に並ぶように備えて いる。

 光源部12は、光源としての白色LED20と、そ の白色LED20からの白色光をコリメートするコ メートレンズ22とを含むように構成されて る。白色LED20は、LEDドライバ24によって駆動 れ、それにより、白色光を発光する。

 画像光形成部14は、フラットパネルディ プレイ(空間変調素子の一例)としてのLCD(液 ディスプレイ)30を含むように構成されてい 。LCD30は、コリメートレンズ22からの白色光 、各画素ごとに、3色の成分光(RGB)に分解す カラーフィルタ(RGBフィルタ)と、各成分光 透過度を制御する液晶パネルとを含むよう 構成されている。その液晶パネルは、複数 の画素を有しており、各画素ごとに、各成 光の透過度を制御する。

 LCD30のいくつかの例が特開平11-194313号公 に開示されており、その公報は、引用によ て本明細書に全体的に合体させられる。LCD30 は、LCDドライバ32によって駆動され、それに り、白色LED20から出射した白色光に対して 間変調を施す。

 本実施形態においては、画像光形成部14 フラットパネルディスプレイを主体として 成されているが、これに限定されることな 、例えば、光スキャナを主体として構成す ことが可能である。この場合、このヘッド ウントディスプレイ装置10は、網膜走査型デ ィスプレイ装置とも称される。

 また、本実施形態においては、フラット ネルディスプレイの一例としてLCD30が採用 れているが、これに限定されることなく、 えば、有機エレクトロルミネッセンスとし り、デジタルマイクロミラーデバイスとす ことが可能である。

 リレー光学系16は、画像光形成部14から出 射した画像光を、画像光形成部14と光学的に 役な像面(図2に示す中間像面)に結像する。 体的には、リレー光学系16は、前段リレー ンズ40と後段リレーレンズ42とを含むように 成されている。

 前段リレーレンズ40の前側焦点位置にLCD30 が、その後側焦点位置(瞳)に可変焦点レンズ5 0がそれぞれ配置され、また、後段リレーレ ズ42の前側焦点位置(瞳)に可変焦点レンズ50 配置されている。可変焦点レンズ50は、それ の焦点距離が変化させられる。その焦点距離 を変化させるために、可変焦点レンズ50は、 変焦点レンズドライバ52によって駆動され 。

 可変焦点レンズ50は、それの屈折率もし は屈折力またはレンズ形状が可変である液 レンズまたは液体レンズとすることが可能 あるが、これに限定されることなく、例え 、リレー光学系16の光軸方向における位置が 可変である可動レンズとすることも可能であ る。液晶レンズおよび液体レンズのそれぞれ についてのいくつかの例が特開2006-285182号公 に開示されており、その公報は、引用によ て本明細書に全体的に合体させられる。

 接眼光学系18は、接眼レンズ60と、その接 眼レンズ60からの画像光をユーザの瞳孔に誘 する光ガイドとしてのハーフミラー62とを むように構成されている。

 本実施形態においては、その光ガイドが ーフミラー62として構成されているため、 ーザは、ハーフミラー62を通して現実外界を 観察すると同時に、接眼レンズ60からの画像 を、ハーフミラー62の反射によって受光し 表示画像を観察することが可能である。す わち、このヘッドマウントディスプレイ装 10は、現実外界に重ねて表示画像を観察可能 なシースルー型なのである。

 図2には、このヘッドマウントディスプレ イ装置10が光路図で示されている。可変焦点 ンズ50は、リレー光学系16の瞳とちょうど同 じ位置、すなわち、前段リレーレンズ40の後 焦点位置と一致し、かつ、後段リレーレン 42の前側焦点位置と一致する位置に配置さ ている。なお、図2には、ハーフミラー62が 略されている。

 図3には、このヘッドマウントディスプレ イ装置10のうちの電気的な部分がブロック図 概念的に表されている。このヘッドマウン ディスプレイ装置10は、信号処理装置70を備 えている。その信号処理装置70は、コンピュ タ72と、メモリ部74と、クロック発振器76と 含むように構成されている。

 この信号処理装置70は、概略的には、外 から入力されたコンテンツを表すデータに づき、そのコンテンツを表示するために必 な信号を生成し、その信号に基づき、LEDド イバ24を介して白色LED20、LCDドライバ32を介 てLCD30、可変焦点レンズドライバ52を介して 変焦点レンズ50をそれぞれ制御する。

 コンテンツは、R輝度信号、G輝度信号お びB輝度信号と、奥行きを表すZ信号とが互い に関連付けられた信号によって表現される。 コンピュータ72は、それら信号を入力すると R輝度信号、G輝度信号およびB輝度信号はR/G/ Bバッファ78に保存する一方、Z信号はZバッフ 80に保存する。

 コンピュータ72は、各フレームごとに、R 度信号、G輝度信号およびB輝度信号から、LC D30制御用のR画像信号、G画像信号およびB画像 信号を生成して、それら画像信号をLCDドライ バ32に供給するとともに、Z信号から奥行き信 号を生成して、その奥行き信号を可変焦点レ ンズドライバ52に供給する。コンピュータ72 、クロック発振器76からのクロック信号に基 づき、R画像信号、G画像信号およびB画像信号 のLCDドライバ32への供給タイミングと、奥行 信号の可変焦点レンズドライバ52への供給 イミングとを互いに同期させる。

 図3に示すように、メモリ部74には、さら 、キャリブレーションプログラムと、画像 示プログラムと、前記キャリブレーション ログラムの実行に必要なテストパターンデ タとが不揮発的に予め記憶されている。

 図5には、前記キャリブレーションプログ ラムが概念的にフローチャートで表されてい る。このキャリブレーションプログラムは、 ヘッドマウントディスプレイ装置10の電源(図 示しない)がユーザによって投入された後に 1回限り実行される。

 その実行時には、まず、ステップS101にお いて、テストパターンデータがメモリ部74か 読み込まれ、その読み込まれたテストパタ ンデータに基づき、LCD30が駆動されること より、テストパターンがユーザの網膜上に 接的に投影される。図6(a)には、そのテスト ターンの一例が示されている。このとき、 行き信号は、奥行きのデフォールト値を表 信号として、可変焦点レンズドライバ52に 給される。

 次に、ステップS102において、テストパタ ーンがユーザによって鮮明に観察されている ことをユーザが示すために「OK」を表すデー が、図示しない入力装置を介して、コンピ ータ72に入力されたか否かが判定される。 ーザによって認識されたテストパターンが 6(b)に示すように、不鮮明であるため、ユー により、「OK」を表すデータが入力されな った場合には、ステップS102の判定がNOとな 、ステップS103において、テストパターンの 行きが現在値から一方向に一定量変化する うに、奥行き信号が生成される。その生成 れた奥行き信号は、可変焦点レンズドライ 52に供給され、その結果、テストパターン 奥行きが変更される。

 その後、再び、ステップS102において、ユ ーザにより、「OK」を表すデータが入力され か否かが判定される。今回も、入力されな った場合には、再び、ステップS103において 、テストパターンの奥行きが現在値から、予 め定められた一方向に、一定量だけ変化する ように、奥行き信号が生成される。

 ステップS102およびS103の実行が繰り返さ た結果、ステップS102の判定がYESとなると、 テップS104において、そのときの奥行きが、 奥行きのデフォールト値に対する固定バイア ス値に決定される。したがって、その後、本 来の画像表示工程においては、画像の目標奥 行きが指定されると、その指定値が固定バイ アス値で補正され、それにより、ユーザの視 力の良否にかかわらず、目標奥行きを有する 画像が鮮明にユーザによって観察される。

 以上で、このキャリブレーションプログ ムの実行が終了する。

 図7には、前記画像表示プログラムが概念 的にフローチャートで表されている。この画 像表示プログラムは、ヘッドマウントディス プレイ装置10の電源がユーザによって投入さ た後、ユーザが、表示すべき画像を指定し うえで、図示しない画像スタートスイッチ オンに操作することに応答して実行される 今回は、複数のフレームの列によって表現 れる画像であるコンテンツ(例えば、奥行き が時間と共に変化するオブジェクトを有する 動画や、奥行きは時間と共に変化しないが複 数の奥行きを有する1つの静止画)が表示対象 してユーザによって指定されたと仮定する

 この画像表示プログラムの実行が開始さ ると、まず、ステップS201において、フレー ムの番号FNが1にセットされる。次に、ステッ プS202において、表示すべきコンテンツのう 今回のフレームを表す画像信号が元画像信 として入力される。その元画像信号は、R輝 信号、G輝度信号およびB輝度信号とZ信号と 含んでいる。

 続いて、ステップS203において、その元画 像信号からZ信号が抽出され、そのZ信号が奥 き信号に変換される。具体的には、Z信号に よって表現される奥行きの最大レベル数より 少ない数(本実施形態においては、6)が、可変 焦点レンズ50によって実現される奥行きの最 レベル数に設定されており、このステップS 203においては、実際のZ信号が、6つの奥行き ベルのうち最も近似するものを表す奥行き 号に変換される。

 図8には、可変焦点レンズ50によって実現 れる6つの奥行きレベルが表示モード0-5とし て表記されている。表示モード0は、ディオ ターが0である状態(焦点距離が無限大である 状態)で画像を表示するためのモードである 表示モード1-5は、ディオプターが-0.5、-1.0、 -1.5、-2.0および-2.5である状態で画像をそれぞ れ表示するためのモードである。

 したがって、このステップS203の実行が終 了すると、今回のフレームを構成する各画素 ごとに、6つの表示モードのうちのいずれか 割り当てられることになる。

 図7に示すように、ステップS203の実行が 了すると、ステップS204において、図8に示す ように、今回のフレームが、表示モード数と 同数のサブフレームに分割される。具体的に は、今回のフレームに属する複数個の画素が 、同じ表示モード(同じディオプター)を割り てられた複数個の画素グループに分割され 各表示モードごとに、1つのサブフレームが 構成される。

 例えば、図9(a)に示すように、今回のフレ ーム番号が1である場合には、図9(b)に示すよ に、サブフレーム番号SFNが1であるサブフレ ームが、表示モードが0である画素について み、R輝度信号、G輝度信号およびB輝度信号 有するように構成される。このことは、サ フレーム番号SFNが2-6であるそれぞれのサブ レームについても同様である。1枚のフレー を構成する複数枚のサブフレームは、1枚の フレームが表示される時間内で、時分割され た時間内に順次表示される。

 なお付言するに、各サブフレームを構成 る複数個の画素のうち、各サブフレームに 応する奥行きを有しない画素については、R 光、G光およびB光のいずれも透過しないよう LCD30が制御されるように、サブフレームの 像信号が生成される。

 図7に示すように、ステップS204の実行が 了すると、ステップS205において、LEDドライ 24がオンされ、それにより、白色LED20が点灯 させられる。続いて、ステップS206において 各サブフレームごとに、R輝度信号、G輝度信 号およびB輝度信号がそれぞれ、LCD30制御用の R画像信号、G画像信号およびB画像信号に変換 される。さらに、各サブフレームごとに、そ れらR画像信号、G画像信号およびB画像信号が LCDドライバ32に供給される。

 その後、ステップS207において、各サブフ レームごとに、奥行き信号(6つの表示モード うちのいずれかを表す信号)が、可変焦点レ ンズドライバ52に供給される。このステップS 207の実行は、ステップS206の実行と同期する うに行われる。

 続いて、ステップS208において、今回のフ レームが、今回の画像のうちの最終フレーム であるか否かが判定される。今回のフレーム は最終フレームではないと仮定すると、ステ ップS208の判定がNOとなり、その後、ステップ S209において、フレーム番号FNが1だけインク メントされた後、ステップS202に移行する。

 ステップS202-S209の実行がすべてのフレー について実行された結果、ステップS208の判 定がYESとなると、この画像表示プログラムの 一回の実行が終了する。

 図10(a)-(c)には、このヘッドマウントディ プレイ装置10が、可変焦点レンズ50の表示モ ードが0であって、ディオプターが0である場 と、可変焦点レンズ50の表示モードが3であ て、ディオプターが-1.5である場合と、可変 焦点レンズ50の表示モードが5であって、ディ オプターが-2.5である場合とについてそれぞ 、光路図で示されている。

 なお付言するに、例えば、図10(a)には、LC D30から3つのビームが出射するように示され いるが、これは、ある瞬間において、LCD30を 構成する複数個の画素のうち、同じ表示モー ド(=0)、換言すれば、同じ奥行きすなわち焦 距離が割り当てられた3つの画素から3つのビ ームがそれぞれ同時に出射して可変焦点レン ズ50に入射する様子を説明するためである。

 このように、本実施形態においては、奥 きが同じ画素のみが存在するように複数の 自のサブフレームが作成され、そのうえで 各サブフレームごとに、可変焦点レンズ50 作動状態が切り換えられて、各サブフレー ごとの焦点距離すなわち奥行きが実現され 。

 以上の説明から明らかなように、本実施 態においては、説明の便宜上、信号処理装 70が前記(1)項における「波面曲率調節部」 一例を構成し、コンピュータ72のうち、図7 おけるステップS202、S203およびS207を実行す 部分が、前記(2)項における「変調手段」の 例を構成し、コンピュータ72のうち、図7に けるステップS204およびS206を実行する部分が 、前記(3)項における「形成手段」の一例を構 成し、コンピュータ72のうち、図7におけるス テップS207を実行する部分が、同項における 調節手段」の一例を構成していると考える とが可能である。

 さらに、本実施形態においては、説明の 宜上、コンピュータ72のうち、図5に示すキ リブレーションプログラムを実行する部分 、前記(1)項における「波面曲率調節部」の の一例を構成していると考えることが可能 ある。

 次に、本発明の第2実施形態を説明する。 ただし、本実施形態は、第1実施形態に対し 、接眼レンズ60が移動可能である点でのみ異 なり、他の点では共通するため、接眼レンズ 60の移動についてのみ説明する。

 図11には、接眼レンズ60を、それの光軸方 向に移動させて任意の位置で停止させること により、画像光の波面曲率をデフォールト値 からオフセットさせる波面曲率オフセット機 構100が示されている。

 波面曲率オフセット機構100は、ヘッドマ ントディスプレイ装置10のうちのハウジン (静止部材)102に取り付けられている。

 この波面曲率オフセット機構100は、ユー の操作に応じて機械的に作動することによ 、接眼レンズ60を、それの光軸上において 位させるように構成されている。具体的に 、この波面曲率オフセット機構100は、ユー によって操作される操作部(例えば、回転つ み)104と、ハウジング102に固定された静止部 106と、その静止部106に対して相対的に直線変 位可能に支持された直線可動部108とを備えて いる。その直線可動部108に接眼レンズ60が固 されている。

 この波面曲率オフセット機構100は、さら 、操作部104によって回転させられる回転部1 10と、その回転部110の回転運動を直線可動部1 08の直線運動に変換する運動変換機構112とを えている。その運動変換機構112は、例えば 直線可動部108のめねじと、回転部110のおね とが互いに螺合されたねじ機構として構成 ることが可能である。また、この波面曲率 フセット機構100は、よく知られたマイクロ ータに採用される変位機構と構造的に共通 るように設計することが可能である。

 したがって、ユーザは、この波面曲率オ セット機構100により、接眼レンズ60をデフ ールト位置から所望の向きに所望の量で変 させることが可能となる。よって、ユーザ 、表示画像を見ながら、それが鮮明に見え ように接眼レンズ60の位置を調節し、その結 果、画像光の波面曲率をデフォールト値から 適量だけオフセットさせることが可能となる 。

 次に、本発明の第3実施形態を説明する。 ただし、本実施形態は、第1実施形態に対し 、可変焦点レンズ50が移動可能である点での み異なり、他の点では共通するため、可変焦 点レンズ50の移動についてのみ説明する。

 図12には、可変焦点レンズ50を、リレー光 学系16の光軸に対して直角な方向に移動させ 任意の位置で停止させることにより、可変 点レンズ50の、リレー光学系16に対する相対 的な位置をキャリブレーションするキャリブ レーション機構120が示されている。

 このキャリブレーション機構120は、第2実 施形態における波面曲率オフセット機構100と 共通する構成を有しており、操作部104、静止 部106、直線可動部108、回転部110および運動変 換機構112を含むように構成されている。直線 可動部108に、可変焦点レンズ50が固定されて る。

 ユーザは、このキャリブレーション機構1 20により、可変焦点レンズ50をデフォールト 置から所望の向きに所望の量で変位させる とが可能となる。よって、ユーザは、表示 像を見ながら、それが鮮明に見えるように 変焦点レンズ50の位置を調節し、その結果、 画像光の波面曲率をデフォールト値から適量 だけオフセットさせることが可能となる。

 次に、本発明の第4実施形態を説明する。 ただし、本実施形態は、第1実施形態に対し 、画像表示プログラムの内容の点でのみ異 り、他の点では共通するため、画像表示プ グラムについてのみ説明する。

 第1実施形態においては、各サブフレーム ごとに可変焦点レンズ50の作動状態が切り換 られるが、本実施形態においては、各画素 とに可変焦点レンズ50の作動状態が切り換 られる。第1実施形態と同様に、本実施形態 おいても、同じフレームに属する複数個の 素にそれぞれ、各画素のZ信号に基づき、6 の表示モードのうちのいずれかが割り当て れる。

 図13には、本実施形態における画像表示 ログラムが概念的にフローチャートで表さ ている。この画像表示プログラムが実行さ ると、まず、ステップS301において、フレー 番号FNが1にセットされ、次に、ステップS302 において、今回のコンテンツを表す画像信号 のうち今回のフレームに対応する部分が元画 像信号として入力される。

 続いて、ステップS303において、画素番号 PNが1にセットされる。その後、ステップS304 おいて、今回の画素に対応するR輝度信号、G 輝度信号およびB輝度信号がそれぞれ、LCD30用 のR画像信号、G画像信号およびB画像信号に変 換され、それらR画像信号、G画像信号およびB 画像信号がLCDドライバ32に出力される。

 なお付言するに、今回の画素を反映したR 画像信号、G画像信号およびB画像信号は、LCD3 0のうち、今回の画素に対応する電極につい しか供給されず、他の画素に対応する電極 ついては、R光、G光およびB光のいずれも透 しないようにLCD30が制御される。

 続いて、ステップS305において、今回の画 素に対応するZ信号に、6つの表示モードのう のいずれかを表す奥行き信号が割り当てら ることにより、そのZ信号が、対応する奥行 き信号に変換される。

 その後、ステップS306において、その奥行 き信号が可変焦点レンズドライバ52に出力さ る。このステップS306の実行は、ステップS30 4の実行と同期するように行われる。続いて ステップS307において、今回の画素が、今回 フレームを構成する複数個の画素のうち最 の画素であるか否かが判定される。今回は 最終画素ではないと仮定すると、その判定 NOとなり、ステップS308において、画素番号P Nが1だけインクリメントされ、その後、ステ プS304に移行する。

 ステップS304-S308の実行が繰り返された結 、ステップS307の判定がYESとなると、ステッ プS309において、今回のフレームが、今回の 像のうちの最終フレームであるか否かが判 される。今回のフレームは最終フレームで ないと仮定すると、ステップS309の判定がNO なり、その後、ステップS310において、フレ ム番号FNが1だけインクリメントされた後、 テップS302に移行する。

 ステップS302-S310の実行がすべてのフレー について実行された結果、ステップS309の判 定がYESとなると、この画像表示プログラムの 一回の実行が終了する。

 図14(a)-(c)には、このヘッドマウントディ プレイ装置10が、可変焦点レンズ50の表示モ ードが0であって、ディオプターが0である場 と、可変焦点レンズ50の表示モードが3であ て、ディオプターが-1.5である場合と、可変 焦点レンズ50の表示モードが5であって、ディ オプターが-2.5である場合とについてそれぞ 、光路図で示されている。

 なお付言するに、例えば、図14(a)には、LC D30から1つのビームが出射するように示され いるが、これは、ある瞬間において、LCD30を 構成する複数個の画素のうち、今回の表示モ ード(=0)、換言すれば、今回の奥行きすなわ 焦点距離が割り当てられた今回の画素のみ ら1つのビームが出射して可変焦点レンズ50 入射する様子を説明するためである。

 このように、本実施形態においては、各 素ごとに、可変焦点レンズ50の作動状態が り換えられて、各画素ごとの焦点距離すな ち奥行きが実現される。

 以上の説明から明らかなように、本実施 態においては、説明の便宜上、コンピュー 72のうち、図13におけるステップS302、S304、S 305およびS306を実行する部分が、前記(2)項に ける「変調手段」の一例を構成し、コンピ ータ72のうち、図13におけるステップS305およ びS306を実行する部分が前記(4)項における「 節手段」の一例を構成し、コンピュータ72の うち、図13におけるステップS304を実行する部 分が、前記(5)項における「形成手段」の一例 を構成し、コンピュータ72のうち、図13にお るステップS305およびS306を実行する部分が、 同項における「調節手段」の一例を構成して いると考えることが可能である。

 さらに、本実施形態においては、説明の 宜上、コンピュータ72のうち、図5に示すキ リブレーションプログラムを実行する部分 、前記(1)項における「波面曲率調節部」の の一例を構成していると考えることが可能 ある。

 なお付言すれば、本実施形態においては 各フレームの表示中、各画素ごとに、可変 点レンズ50の作動状態が切り換えられて画 光の波面曲率が変調されるが、実質的に同 奥行きを共有する各画素グループごとに、 変焦点レンズ50の作動状態が切り換えられて 画像光の波面曲率が変調される態様で本発明 を実施することが可能である。この態様によ れば、各画素ごとに可変焦点レンズ50の作動 態が切り換えられる場合より、可変焦点レ ズ50の作動頻度が低下し、それにより、可 焦点レンズ50の負担が軽減される。

 さらに付言するに、図19に例示されるよ に、焦点距離が必ずしも一致しない複数の ブジェクトが、互いにオーバラップする部 を有することなく配置された画像について 、すべての画素につき、1個の画素に1個の焦 点距離が割り当てられる。この種の画像を表 示するための複数枚のサブフレームは、図20 例示される。この例においては、すべての 素につき、1個の画素が1枚のサブフレーム 割り当てられる。

 これに対し、図21に例示されるように、 点距離が必ずしも一致しない複数のオブジ クトのうちの少なくとも一部が、互いにオ バラップする部分を有するように配置され 画像については、一部の画素につき、1個の 素に複数個の焦点距離が割り当てられる。 の種の画像を表示するための複数枚のサブ レームは、図22に例示される。

 この例においては、一部の画素につき、1 個の画素が複数枚のサブフレームに割り当て られる。この種の画像が表示されると、観察 者は、各々透明でピント位置が互いに異なる 複数個のオブジェクトがレイアー状に重なっ ているように知覚することになる。この例に おいては、複数枚のサブフレームがレイアー 構造を成していると考えることが可能である 。

 本発明によれば、それら2種類の画像のい ずれについても、画像を正しく表示すること ができる。

 次に、本発明の第5実施形態を説明する。 ただし、本実施形態は、第1実施形態と共通 る点が多いため、その共通点については、 一の符号または名称を使用して引用するこ により、重複した説明を省略し、第1実施形 とは異なる点についてのみ詳細に説明する

 図15は、本発明の第5実施形態に従う液晶 ロジェクタ140である。この液晶プロジェク 140は、画像を物理的なスクリーンに投影し それにより、観察者に画像を表示する形式 画像表示装置である。

 この液晶プロジェクタ140は、概略的には 光源から一斉に入射した面状の光を、空間 調素子を用いて、各画素ごとに空間的に変 し、そのようにして形成された画像光をス リーン上に投影し、それにより、観察者が 像を実像として観察することを可能にする うに構成されている。

 具体的には、この液晶プロジェクタ140は 第1実施形態に従うヘッドマウントディスプ レイ装置10と同様に、光源部12と、画像光形 部14と、リレー光学系16とを、それらの順に 互いに直列に並ぶように備えている。この 晶プロジェクタ140は、ヘッドマウントディ プレイ装置10とは異なり、接眼光学系18は備 えていない。

 図15に示すLEDドライバ24、LCDドライバ32お び可変焦点レンズドライバ52は、図3に示す 号処理装置70によって制御される。図16には 、その信号処理装置70のうちのメモリ部74の 容が概念的に表されている。図16に示すよう に、メモリ部74には、第1実施形態と同様に、 キャリブレーションプログラムと、画像表示 プログラムと、テストパターンデータとが不 揮発的に予め記憶されている。それらプログ ラムおよびデータは、第1実施形態と共通す ため、重複した説明を省略する。

 このメモリ部74には、さらに、独自のプ グラムとして、画像歪みキャンセルプログ ムと、その画像歪みキャンセルプログラム 実行に必要な焦点距離分布パターンデータ が不揮発的に予め記憶されている。

 図17には、その画像歪みキャンセルプロ ラムが概念的にフローチャートで表されて る。

 この画像歪みキャンセルプログラムは、 晶プロジェクタ140が画像を投影しようとす スクリーン142が、その液晶プロジェクタ140 光軸に対して十分に直角でなかったり、ま は、そのスクリーン142自体が湾曲している めに、スクリーン142上において表示画像が 何学的に歪んでしまってピンボケになって まう場合に、その画像の歪みをソフトウエ によってキャンセルするために実行される

 具体的には、この画像歪みキャンセルプ グラムは、スクリーン142に照射する画像光 波面曲率の分布すなわち焦点距離の分布を スクリーン142上に投影される画像の幾何学 歪みがキャンセルされるように、再設定す ように実行される。

 さらに具体的には、この画像歪みキャン ルプログラムは、画像の幾何学的歪みをキ ンセルするために効果的である焦点距離分 を表す焦点距離分布パターンを複数種類、 意している。

 図18には、焦点距離分布パターンの例と て、4種類の焦点距離分布パターンが示され いる。焦点距離分布パターンNo.1は、表示画 像の左側から右側に向かうにつれて焦点距離 が順に短くなるパターンである。焦点距離分 布パターンNo.2は、表示画像の左側から右側 向かうにつれて焦点距離が順に長くなるパ ーンである。焦点距離分布パターンNo.3は、 示画像の上側から下側に向かうにつれて焦 距離が順に短くなるパターンである。焦点 離分布パターンNo.4は、表示画像の上側から 下側に向かうにつれて焦点距離が順に長くな るパターンである。

 図17には、前記画像歪みキャンセルプロ ラムが概念的にフローチャートで表されて る。この画像歪みキャンセルプログラムは 液晶プロジェクタ140の、図示しない電源が ーザによって投入されたことに応答して実 される。

 その実行時には、まず、ステップS401にお いて、ユーザにより、図示しない入力装置を 介して、「画像歪みキャンセルモード」が選 択されたか否かが判定される。今回は、「画 像歪みキャンセルモード」が選択されなかっ たと仮定すると、直ちにこの画像歪みキャン セルプログラムの実行が終了する。

 これに対し、今回は、「画像歪みキャン ルモード」が選択されたと仮定すると、ス ップS402において、焦点距離分布パターンNo. 1が今回の焦点距離分布パターンとして選択 れ、さらに、その選択された焦点距離分布 ターンに基づき、奥行き信号が、1フレーム 体について作成される。

 続いて、ステップS403において、その作成 された奥行き信号と、前記テストパターンデ ータとに基づき、例えば図6(a)に示すテスト ターンが、今回の焦点距離分布パターンの とに表示される。

 その後、ステップS404において、そのテス トパターンがユーザによって鮮明に観察され ていることをユーザが示すために「OK」を表 データが、図示しない入力装置を介して、 ンピュータ72に入力されたか否かが判定さ る。

 今回は、「OK」を表すデータが入力され と仮定すると、ステップS404の判定がYESとな 、この画像歪みキャンセルプログラムの実 が終了し、以後、今回の焦点距離分布パタ ンが、バイアスとして、前記画像表示プロ ラムの実行によって作成された奥行き信号 付加される。

 これに対し、今回は、「OK」を表すデー が入力されなかったと仮定すると、ステッ S404の判定がNOとなり、ステップS405に移行す 。

 ステップS405においては、焦点距離分布パ ターンNo.2が今回の焦点距離分布パターンと て選択され、さらに、その選択された焦点 離分布パターンに基づき、奥行き信号が、1 レーム全体について作成される。

 続いて、ステップS406において、その作成 された奥行き信号と、前記テストパターンデ ータとに基づき、テストパターンが、今回の 焦点距離分布パターンのもとに表示される。

 その後、ステップS407において、「OK」を すデータが入力されたか否かが判定される 今回は、「OK」を表すデータが入力された 仮定すると、ステップS407の判定がYESとなり この画像歪みキャンセルプログラムの実行 終了し、以後、今回の焦点距離分布パター が、バイアスとして、前記画像表示プログ ムの実行によって作成された奥行き信号に 加される。

 これに対し、今回は、「OK」を表すデー が入力されなかったと仮定すると、ステッ S407の判定がNOとなり、ステップS408に移行す 。

 ステップS408においては、焦点距離分布パ ターンNo.3が今回の焦点距離分布パターンと て選択され、さらに、その選択された焦点 離分布パターンに基づき、奥行き信号が、1 レーム全体について作成される。

 続いて、ステップS409において、その作成 された奥行き信号と、前記テストパターンデ ータとに基づき、テストパターンが、今回の 焦点距離分布パターンのもとに表示される。

 その後、ステップS410において、「OK」を すデータが入力されたか否かが判定される 今回は、「OK」を表すデータが入力された 仮定すると、ステップS410の判定がYESとなり この画像歪みキャンセルプログラムの実行 終了し、以後、今回の焦点距離分布パター が、バイアスとして、前記画像表示プログ ムの実行によって作成された奥行き信号に 加される。

 これに対し、今回は、「OK」を表すデー が入力されなかったと仮定すると、ステッ S410の判定がNOとなり、ステップS411に移行す 。

 ステップS411においては、焦点距離分布パ ターンNo.4が今回の焦点距離分布パターンと て選択され、さらに、その選択された焦点 離分布パターンに基づき、奥行き信号が、1 レーム全体について作成される。

 続いて、ステップS412において、その作成 された奥行き信号と、前記テストパターンデ ータとに基づき、テストパターンが、今回の 焦点距離分布パターンのもとに表示される。

 その後、ステップS413において、「OK」を すデータが入力されたか否かが判定される 今回は、「OK」を表すデータが入力された 仮定すると、ステップS413の判定がYESとなり この画像歪みキャンセルプログラムの実行 終了し、以後、今回の焦点距離分布パター が、バイアスとして、前記画像表示プログ ムの実行によって作成された奥行き信号に 加される。

 これに対し、今回は、「OK」を表すデー が入力されなかったと仮定すると、ステッ S413の判定がNOとなり、ステップS414に移行す 。

 このステップS414においては、ユーザによ り、図示しない入力装置を介して、「モード 終了」が選択されたか否かが判定される。今 回は、「モード終了」が選択されたと仮定す ると、この画像歪みキャンセルプログラムの 実行が終了し、一方、今回は、「モード終了 」が選択されなかったと仮定すると、ステッ プS402に戻り、再度、テストパターンが、異 る焦点距離分布パターンのもとに表示され 。

 以上の説明から明らかなように、本実施 態においては、説明の便宜上、コンピュー 72のうち、図17に示す画像歪みキャンセルプ ログラムを実行する部分が、前記(1)項におけ る「波面曲率調節部」の別の一例を構成して いると考えることが可能である。

 以上、本発明の実施の形態のいくつかを 面に基づいて詳細に説明したが、これらは 示であり、前記[発明の開示]の欄に記載の 様を始めとして、当業者の知識に基づいて 々の変形、改良を施した他の形態で本発明 実施することが可能である。

本発明の第1実施形態に従うヘッドマウ ントディスプレイ装置10を概念的に表す系統 である。 図1に示すヘッドマウントディスプレイ 装置10を示す光路図である。 図1に示すヘッドマウントディスプレイ 装置10のうち電気的な部分を概念的に表すブ ック図である。 図3に示すメモリ部74の内容を概念的に すブロック図である。 図4に示すキャリブレーションプログラ ムを概念的に表すフローチャートである。 図6(a)は、図5に示すキャリブレーショ プログラムの実行によって表示されるテス パターンを示す正面図であり、図6(b)は、そ テストパターンが観察者によって不鮮明に 識される様子を説明するための正面図であ 。 図4に示す画像表示プログラムを概念的 に表すフローチャートである。 図7に示す画像表示プログラムの実行に よって1つのフレームが複数のサブフレーム 分割される様子と、複数の表示モードと複 のディオプターとの対応関係とを説明する めの表である。 図9(a)は、R輝度信号、G輝度信号、B輝度 信号およびZ信号を各フレームごとに示すタ ムチャートであり、図9(b)は、図7に示す画像 表示プログラムの実行によって1つのフレー (FN=1)が6つのサブフレーム(SFN=1-6)に分割され 様子を説明するためのタイムチャートであ 。 図10(a)は、図1に示すヘッドマウントデ ィスプレイ装置10が可変焦点レンズ50の表示 ードが0であるときに示す状態を示す光路図 あり、図10(b)は、図1に示すヘッドマウント ィスプレイ装置10が可変焦点レンズ50の表示 モードが3であるときに示す状態を示す光路 であり、図10(c)は、図1に示すヘッドマウン ディスプレイ装置10が可変焦点レンズ50の表 モードが5であるときに示す状態を示す光路 図である。 本発明の第2実施形態に従うヘッドマ ントディスプレイ装置10のうち、波面曲率オ フセット機構100を接眼光学系18と共に示す側 図である。 本発明の第3実施形態に従うヘッドマ ントディスプレイ装置10のうち、キャリブレ ーション機構120をリレー光学系16と共に示す 面図である。 本発明の第2実施形態に従うヘッドマ ントディスプレイ装置10のうちのメモリ部74 記憶されている画像表示プログラムを概念 に表すフローチャートである。 図14(a)は、第4実施形態に従うヘッドマ ウントディスプレイ装置10が可変焦点レンズ5 0の表示モードが0であるときに示す状態を示 光路図であり、図14(b)は、第4実施形態に従 ヘッドマウントディスプレイ装置10が可変 点レンズ50の表示モードが3であるときに示 状態を示す光路図であり、図14(c)は、第4実 形態に従うヘッドマウントディスプレイ装 10が可変焦点レンズ50の表示モードが5である ときに示す状態を示す光路図である。 本発明の第5実施形態に従う液晶プロ ェクタ140を概念的に表す系統図である。 図15に示す液晶プロジェクタ140のうち メモリ部74の内容を概念的に表すブロック である。 図16に示す画像歪みキャンセルプログ ムを概念的に表すフローチャートである。 図17に示す画像歪みキャンセルプログ ムを実行するために用いられる複数種類の 点距離分布パターンを示す平面図である。 本発明の適用可能範囲を説明するため に、焦点距離が必ずしも一致しない複数のオ ブジェクトが、互いにオーバラップする部分 を有することなく配置された画像の一例を示 す正面図である。 図19に示す画像を表示するために生成 れる複数枚のサブフレームを示す正面図で る。 本発明の適用可能範囲を説明するため に、焦点距離が必ずしも一致しない複数のオ ブジェクトのうちの少なくとも一部が、互い にオーバラップする部分を有するように配置 された画像の一例を示す正面図である。 図21に示す画像を表示するために生成 れる複数枚のサブフレームを示す正面図で る。