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Title:
HYDRAULIC PRESSURE CONTROL UNIT, BRAKE SYSTEM, AND DIAGNOSIS METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2024/079598
Kind Code:
A1
Abstract:
The present invention provides a hydraulic pressure control unit, a brake system, and a diagnosis method capable of appropriately diagnosing an abnormality in a power supply line. A hydraulic pressure control unit (5) comprises: a hydraulic pressure control mechanism including an inlet valve (31) that is an electromagnetic valve electrically connected to a power supply (7) by a power supply line (8); a control device (52) that controls the operation of the hydraulic pressure control mechanism; and a resistor (35) that is electrically connected to the power supply (7) by the power supply line (8), wherein a diagnosis unit of the control device (52) performs a power supply line diagnosis in which an abnormality in the power supply line (8) is diagnosed, in a state where no current is applied to the inlet valve (31) but a current is applied to the resistor (35), on the basis of the change in voltage in the power supply line (8) when the current applied to the resistor (35) is changed.

Inventors:
ISHII SHOHEI (JP)
Application Number:
PCT/IB2023/060115
Publication Date:
April 18, 2024
Filing Date:
October 09, 2023
Export Citation:
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Assignee:
ROBERT BOSCH GMBH (DE)
International Classes:
B60T7/04; B60T7/08; B60T8/17; B60T8/173; B60T8/26; B60T8/32; B60T13/66; B60T13/68; B60T17/22
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Claims:
【書類名】 請求の範囲

【請求項 1】 鞍乗り型車両 ( 1 0 0) のブレーキシステム ( 1 0) に用いられる液圧制御ユニッ ト ( 5 ) であって、 電源ライン (8) を介して電源 (7) と電気的に接続され、 マスタシリンダ ( 2 1 ) と ホイールシリンダ ( 2 4) とを連通する流路 ( 2 5) に設けられ、 非通電時に開状態とな り通電時に閉状態となる電磁弁である込め弁 ( 3 1 ) を含む液圧制御機構 (5 1 ) と、 前記液圧制御機構 ( 5 1 ) の動作を制御する制御装置 (5 2) と、 を備え、 更に、 前記電源ライン (8) を介して前記電源 (7) と電気的に接続される抵抗 (3 5 ) を備え、 前記制御装置 (5 2) は、 前記込め弁 ( 3 1 ) に電流を印加させずに前記抵抗 (3 5) に電流を印加させた状態で、 前記抵抗 (3 5) に印加される電流を変化させた際の前記電 源ライン (8 ) の電圧変化に基づいて、 前記電源ライン (8 ) の異常を診断する電源ライ ン診断を行う診断部 ( 5 2 c ) を備える、 液圧制御ユニッ ト。

【請求項 2】 前記込め弁 (3 1 ) が設けられている第 1ライン (L 1 ) と、 前記抵抗 (3 5 ) が設け られている第 2ライン (L 2) とは、 互いに並列に電気的に接続されており、 前記液圧制御ユニッ ト (5) における電流の経路を切り替える切替部 (SWl、 SW2 ヽ SW3) を備え、 前記診断部 (5 2 c ) は、 前記電源ライン診断において、 前記第 1 ライン (L 1 ) には 電流が流れずに前記第 2ライン (L 2) に電流が流れるように、 前記切替部 (SWl、 S W2 、 SW3 ) によって前記経路を切り替える、 請求項 1に記載の液圧制御ユニッ ト。

【請求項 3 ] 前記制御装置 (5 2) は、 集積回路 (5 2 1 ) を含み、 前記第 1ライン (L 1 ) の下流端、 及び、 前記第 2ライン (L 2) の下流端は、 前記集 積回路 (5 2 1 ) にそれぞれ接続されており、 前記切替部 (SWl、 SW2、 S W3 ) は、 前記第 1ライン (L 1 ) の下流端と電気的に接続され、 前記集積回路 (5 2 1 ) に内蔵 される第 1スイッチング素子 (SW1 ) と、 前記第 2ライン (L 2) の下流端と電気的に接続され、 前記集積回路 (5 2 1 ) に内蔵 される第 2スイッチング素子 (SW2) と、 を含む、 請求項 2に記載の液圧制御ユニッ ト。

【請求項 4】 前記第 1ライン (L 1 ) の上流側と前記第 2ライン (L 2) の上流側との合流部 (P 1

) と、 前記電源ライン (8) とを電気的に接続する第 3ライン (L 3) を備え、 前記切替部 (SWl、 SW2、 S W3 ) は、 前記第 3ライン (L 3) に設けられる第 3 スイッチング素子 (SW3) を含む、 請求項 2に記載の液圧制御ユニッ ト。

【請求項 5 ] 前記診断部 (5 2 c ) は、 前記第 3ライン (L 3) のうち、 前記第 3スイッチング素子 (SW3) に対して前記電源ライン (8) 側における電圧が安定していると判定される場 合に、 前記電源ライン診断を行う、 請求項 4に記載の液圧制御ユニッ ト。

【請求項 6 ] 前記診断部 (5 2 c ) は、 前記第 3スイッチング素子 (SW3) を閉じた状態で前記電源ライン診断を行い、 前記電源ライン診断において、 前記第 3ライン (L 3) のうち、 前記第 3スイッチング 素子 (SW3) に対して前記合流部 (P 1 ) 側における電圧に基づいて、 前記電源ライン ( 8 ) の電圧を取得する、 請求項 4に記載の液圧制御ユニッ ト。

【請求項 7】 請求項 1〜 6のいずれか一項に記載の液圧制御ユニッ ト ( 5) を備え、

1つの前記マスタシリンダ ( 2 1 ) と連通する前記ホイールシリンダ ( 24) の数は 1 つである、 ブレーキシステム。

【請求項 8】 鞍乗り型車両 ( 1 〇 〇) のブレーキシステム ( i o) に用いられる液圧制御ユニッ ト ( 5) の診断方法であって、 前記液圧制御ユニッ ト (5) は、 電源ライン (8) を介して電源 (7) と電気的に接続され、 マスタシリンダ ( 2 1 ) と ホイールシリンダ ( 2 4) とを連通する流路 ( 2 5) に設けられ、 非通電時に開状態とな り通電時に閉状態となる電磁弁である込め弁 ( 3 1 ) を含む液圧制御機構 (5 1 ) と、 前記液圧制御機構 ( 5 1 ) の動作を制御する制御装置 (5 2) と、 を備え、 更に、 前記電源ライン (8) を介して前記電源 (7) と電気的に接続される抵抗 (3 5 ) を備え、 前記制御装置 (5 2) の診断部 (5 2 c ) が、 前記込め弁 (3 1 ) に電流を印加させず に前記抵抗 ( 3 5) に電流を印加させた状態で、 前記抵抗 ( 3 5) に印加される電流を変 化させた際の前記電源ライン (8 ) の電圧変化に基づいて、 前記電源ライン (8 ) の異常 を診断する電源ライン診断を行う、 診断方法。

Description:
【書類名】 明細書

【発明の名称】 液圧制御ユニッ ト、 ブレーキシステム及び診断方法

【技術分野】

【。 0 0 1】 この開示は、 電源ラインの異常を適切に診断することが可 能な液圧制御ユニッ ト、 ブレ ーキシステム及び診断方法に関する。

【背景技術】

【。 0 0 2】 鞍乗り型車両には、 車輪に生じる制動力を制御するための液圧制 御ユニッ トが設けられ ている (例えば、 特許文献 1を参照。 ) 。 液圧制御ユニッ トでは、 電磁弁を含む液圧制御 機構によって、 ブレーキ液の液圧が制御される。

【先行技術文献】

【特許文献】

【〇 0 0 3】

【特許文献 1】 特開 2 0 1 8 - 8 6 7 4号公報

【発明の概要】

【発明が解決しよう とする課題】

【〇 0 0 4】 液圧制御ユニッ トは、 ワイヤーハーネス等の電源ラインを介して電 源と電気的に接続さ れる。 液圧制御ユニッ トにおける電磁弁等の各装置は、 電源ラインを介して電源から供給 される電力を用いて動作する。 電源ラインの異常 (例えば、 経年劣化) が生じることによ って電源ラインの抵抗値が過度に大きくなる と、 液圧制御ユニッ トを正常に動作させるこ とが困難となる。 そこで、 電源ラインの異常を診断する電源ライン診断 が行われる。

【〇 0 0 5】 電源ライン診断では、 例えば、 マスタシリンダとホイールシリンダとを連通 する流路に 設けられる込め弁が開閉され、 その際の電源ラインの電圧変化に基づいて、 電源ラインの 異常が診断される。 ゆえに、 電源ライン診断の実行中にライダーによりブ レーキ操作が行 われた場合、 ライダーの意図通りに鞍乗り型車両を制動す ることが困難となり得る。 よっ て、 そのような状況を抑制することで、 電源ラインの異常を適切に診断することが望 まれ ている。

【〇 0 0 6】 本発明は、 上述の課題を背景としてなされたものであり 、 電源ラインの異常を適切に診 断することが可能な液圧制御ユニッ ト、 ブレーキシステム及び診断方法を得るもので ある

【課題を解決するための手段】

【〇 0 0 7】 本発明に係る液圧制御ユニッ トは、 鞍乗り型車両のブレーキシステムに用いられ る液圧 制御ユニッ トであって、 電源ラインを介して電源と電気的に接続され 、 マスタシリンダと ホイールシリンダとを連通する流路に設けら れ、 非通電時に開状態となり通電時に閉状態 となる電磁弁である込め弁を含む液圧制御機 構と、 前記液圧制御機構の動作を制御する制 御装置と、 を備え、 更に、 前記電源ラインを介して前記電源と電気的に 接続される抵抗を 備え、 前記制御装置は、 前記込め弁に電流を印加させずに前記抵抗に 電流を印加させた状 態で、 前記抵抗に印加される電流を変化させた際の 前記電源ラインの電圧変化に基づいて 、 前記電源ラインの異常を診断する電源ライン 診断を行う診断部を備える。

【〇 0 0 8】 本発明に係るブレーキシステムは、 上記の液圧制御ユニッ トを備え、 1つの前記マスタ シリンダと連通する前記ホイールシリンダの 数は 1つである。

【〇 0 0 9】 本発明に係る診断方法は、 鞍乗り型車両のブレーキシステムに用いられ る液圧制御ユニ ッ トの診断方法であって、 前記液圧制御ユニッ トは、 電源ラインを介して電源と電気的に 接続され、 マスタシリンダとホイールシリンダとを連通 する流路に設けられ、 非通電時に 開状態となり通電時に閉状態となる電磁弁で ある込め弁を含む液圧制御機構と、 前記液圧 制御機構の動作を制御する制御装置と、 を備え、 更に、 前記電源ラインを介して前記電源 と電気的に接続される抵抗を備え、 前記制御装置の診断部が、 前記込め弁に電流を印加さ せずに前記抵抗に電流を印加させた状態で、 前記抵抗に印加される電流を変化させた際の 前記電源ラインの電圧変化に基づいて、 前記電源ラインの異常を診断する電源ライン 診断 を行う。

【発明の効果】

[ 0 0 1 0 ] 本発明に係る液圧制御ユニッ ト、 ブレーキシステム及び診断方法では、 液圧制御ユニッ 卜は、 電源ラインを介して電源と電気的に接続され 、 マスタシリンダとホイールシリンダ とを連通する流路に設けられ、 非通電時に開状態となり通電時に閉状態とな る電磁弁であ る込め弁を含む液圧制御機構と、 液圧制御機構の動作を制御する制御装置と、 を備え、 更 に、 電源ラインを介して電源と電気的に接続され る抵抗を備え、 制御装置の診断部が、 込 め弁に電流を印加させずに抵抗に電流を印加 させた状態で、 抵抗に印加される電流を変化 させた際の電源ラインの電圧変化に基づいて 、 電源ラインの異常を診断する電源ライン診 断を行う。 それにより、 込め弁を開閉させることなく、 電源ライン診断を行うことができ る。 ゆえに、 電源ライン診断の実行中にライダーによって ブレーキ操作が行われた際にラ イダーの意図通りに鞍乗り型車両を制動する ことの困難性が低減される。 よって、 電源ラ インの異常を適切に診断することが可能とな る。

【図面の簡単な説明】

[ 0 0 1 1 ]

【図 1】 本発明の実施形態に係る鞍乗り型車両の概略 構成を示す模式図である。

【図 2】 本発明の実施形態に係るブレーキシステムの 概略構成を示す模式図である。

【図 3】 本発明の実施形態に係る液圧制御ユニッ トを含む部品間の電気的な接続関係 の一例を示す図である。

【図 4 ] 本発明の実施形態に係る制御装置の機能構成 の一例を示すブロック図である

【図 5 ] 本発明の実施形態に係る制御装置が行う電源 ライン診断に関する処理の流れ の一例を示すフローチャートである。

【図 6】 本発明の実施形態に係る電源ライン診断の実 行中における電流の流れを説明 するための図である。

【図 7】 本発明の実施形態に係るアンチロックブレー キ制御における込め弁の通電時 の電流の流れを説明するための図である。

【発明を実施するための形態】

[ 0 0 1 2 ] 以下に、 本発明に係る液圧制御ユニッ ト、 ブレーキシステム及び診断方法について、 図 面を用いて説明する。

[ 0 0 1 3 ] なお、 以下では、 二輪のモータサイクルに用いられる液圧制御 ユニッ トについて説明し ているが (図 1中の鞍乗り型車両 ! 〇〇を参照) 、 本発明に係る液圧制御ユニッ トの適用 対象となる車両は、 二輪のモータサイクル以外の他の鞍乗り型車 両であってもよい。 鞍乗 り型車両は、 ライダーが跨って乗車する車両を意味する。 鞍乗り型車両には、 例えば、 モ ータサイクル (自動二輪車、 自動三輪車) 、 自転車等が含まれる。 モータサイクルには、 エンジンを動力源とする車両、 電気モータを動力源とする車両等が含まれる 。 モータサイ クルには、 例えば、 オートバイ、 スクーター、 電動スクーター等が含まれる。 自転車は、 ペダルに付与されるライダーの踏力によって 路上を推進することが可能な車両を意味する 。 自転車には、 普通自転車、 電動アシス ト自転車、 電動自転車等が含まれる。

[ 0 0 1 4 ] また、 以下で説明する構成及び動作等は一例であり 、 本発明に係る液圧制御ユニッ ト、 ブレーキシステム及び診断方法は、 そのような構成及び動作等である場合に限定 されない

[ 0 0 1 5 ] また、 以下では、 同一の又は類似する説明を適宜簡略化又は省 略している。 また、 各図 において、 同一の又は類似する部材又は部分については 、 符号を付すことを省略している か、 又は同一の符号を付している。 また、 細かい構造については、 適宜図示を簡略化又は 省略している。

[ 0 0 1 6 ]

<鞍乗り型車両の構成 > 図 1〜図 4を参照して、 本発明の実施形態に係る鞍乗り型車両 1 〇 〇の構成について説 明する。

[ 0 0 1 7 ] 図 1は、 鞍乗り型車両 1 〇 〇の概略構成を示す模式図である。 鞍乗り型車両 1 0 0は、 本発明に係る鞍乗り型車両の一例に相当する 二輪のモータサイクルである。 図 1に示され るように、 鞍乗り型車両 1 0 0は、 胴体 1 と、 ハンドル 2と、 前輪 3と、 後輪 4と、 液圧 制御ユニッ ト 5と、 報知装置 6 とを備える。 また、 鞍乗り型車両 1 0 0は、 ブレーキシス テム i oを備える。 ブレーキシステム 1 0は、 第 1ブレーキ操作部 1 1 と、 前輪制動機構 1 2と、 第 2ブレーキ操作部 1 3と、 後輪制動機構 1 4とを含む。

[ 0 0 1 8 ] ハンドル 2は、 胴体 1に旋回自在に保持されている。 前輪 3は、 胴体 1にハンドル 2と 共に旋回自在に保持されている。 後輪 4は、 胴体 1に回動自在に保持されている。 液圧制 御ユニッ ト 5は、 鞍乗り型車両 1 0 0の車輪に生じる制動力を制御するためのも である 。 液圧制御ユニッ ト 5は、 ブレーキシステム 1 0に含まれる。 液圧制御ユニッ ト 5の詳細 については、 後述する。 報知装置 6は、 各種情報を報知する。 報知装置 6としては、 例え ば、 ランプ等の表示装置又は音声出力装置等が用 いられる。

[ 0 0 1 9 ] ブレーキシステム 1 〇は、 具体的には、 第 1ブレーキ操作部 1 1、 前輪制動機構 1 2、 第 2ブレーキ操作部 1 3及び後輪制動機構 1 4に加えて、 液圧制御ユニッ ト 5を備える。 第 1ブレーキ操作部 1 1は、 例えば、 ハンドル 2に設けられており、 ライダーの手によっ て操作される。 第 1ブレーキ操作部 1 1は、 例えば、 ブレーキレバーである。 前輪制動機 構 1 2は、 少なく とも第 1ブレーキ操作部 1 1に連動して前輪 3を制動する。 第 2ブレー キ操作部 1 3は、 例えば、 胴体 1の下部に設けられており、 ライダーの足によって操作さ れる。 第 2ブレーキ操作部 1 3は、 例えば、 ブレーキペダルである。 後輪制動機構 1 4は 、 少なく とも第 2ブレーキ操作部 1 3に連動して後輪 4を制動する。 液圧制御ユニッ ト 5 は、 前輪制動機構 1 2によって前輪 3に付与される制動力、 及び、 後輪制動機構 1 4によ って後輪 4に付与される制動力を制御する機能を担う ニッ トである。

[ 0 0 2 0 ] 図 2は、 ブレーキシステム 1 0の概略構成を示す模式図である。 図 2に示されるように 、 前輪制動機構 1 2及び後輪制動機構 1 4のそれぞれは、 ピス トン (図示省略) を内蔵し ているマスタシリンダ 2 1 と、 マスタシリンダ 2 1に付設されているリザーバ 2 2と、 胴 体 1に保持され、 ブレーキパッ ド (図示省略) を有しているブレーキキャリパ 2 3 と、 ブ レーキキャリパ 2 3 (こ設けられてレ、るホイールシリンダ 2 4と、 マスタシリンダ 2 1のブ レーキ液をホイールシリンダ 2 4に流通させる主流路 2 5 と、 ホイールシリンダ 2 4のブ レーキ液を逃がす副流路 2 6 とを備える。 図 2に示されるように、 ブレーキシステム 1 0 では、 1つのマスタシリンダ 2 1 と連通するホイールシリンダ 2 4の数は 1つである。

[ 0 0 2 1 ] ただし、 1つのマスタシリンダ 2 1 と連通するホイールシリンダ 2 4の数は 2つ以上で あってもよい。 また、 マスタシリンダ 2 1のブレーキ液を副流路 2 6に供給する供給流路 がさらに設けられていてもよい。 また、 前輪制動機構 1 2及び後輪制動機構 1 4の一方が 省略されていてもよい。 駆動される。 ゆえに、 制御装置 5 2は、 当該モータを駆動させることによって、 ポンプ 3 4 を駆動させることができる。

[ 0 0 2 9 ] 制御装置 5 2は、 鞍乗り型車両 1 0 0において検出される各種情報を用いて、 各種制御 を実行する。 例えば、 図 1に示されるように、 鞍乗り型車両 1 0 0は、 前輪車輪速センサ 4 1 と、 後輪車輪速センサ 4 2とを備える。 これらのセンサの検出結果は、 制御装置 5 2 に出力される。

[ 0 0 3 0 ] 前輪車輪速センサ 4 1は、 前輪 3の車輪速 (例えば、 前輪 3の単位時間当たりの回転数 [ r p m ] 又は単位時間当たりの移動距離 [ k m/ h ] 等) を検出する車輪速センサであ り、 検出結果を出力する。 前輪車輪速センサ 4 1が、 前輪 3の車輪速に実質的に換算可能 な他の物理量を検出するものであってもよい 。 前輪車輪速センサ 4 1は、 前輪 3に設けら れている。

[ 0 0 3 1 ] 後輪車輪速センサ 4 2は、 後輪 4の車輪速 (例えば、 後輪 4の単位時間当たりの回転数 [ r p m ] 又は単位時間当たりの移動距離 [ k m/ h ] 等) を検出する車輪速センサであ り、 検出結果を出力する。 後輪車輪速センサ 4 2が、 後輪 4の車輪速に実質的に換算可能 な他の物理量を検出するものであってもよい 。 後輪車輪速センサ 4 2は、 後輪 4に設けら れている。

[ 0 0 3 2 ] 図 3は、 液圧制御ユニッ ト 5を含む部品間の電気的な接続関係の一例を す図である。 図 3に示されるように、 液圧制御ユニッ ト 5は、 ワイヤーハーネス等の電源ライン 8を介 して電源 7と電気的に接続される。 液圧制御ユニッ ト 5における各装置は、 電源ライン 8 を介して電源 7から供給される電力を用いて動作する。 図 3では、 液圧制御ユニッ ト 5に おいて電源 7から供給される電力を用いて動作する部品 1つである込め弁 3 1 と関連す る部分のみが抽出されて示されている。 込め弁 3 1は、 電源ライン 8を介して電源 7と電 気的に接続されている。

[ 0 0 3 3 ] なお、 図 3では、 理解を容易にするために、 1つの込め弁 3 1が図示されているが、 ブ レーキシステム 1 0の構成が図 2の構成である場合、 実際には、 2つの込め弁 3 1 (つま り、 前輪制動機構 1 2の込め弁 3 1、 及び、 後輪制動機構 1 4の込め弁 3 1 ) が電源ライ ン 8を介して電源 7と電気的に接続されている。 そして、 各込め弁 3 1に対して後述する 第 1スイッチング素子 S W !が設けられている。 また、 液圧制御ユニッ ト 5における込め 弁 3 1以外の他の部品 (例えば、 弛め弁 3 2等) も電源ライン 8を介して電源 7 と電気的 に接続されている。

[ 0 0 3 4 ] 図 3に示されるように、 液圧制御ユニッ ト 5は、 抵抗 3 5と、 電圧センサ 4 3 と、 電圧 センサ 4 4と、 集積回路 5 2 1 と、 第 1スイッチング素子 S W ! と、 第 2スイッチング素 子 S W 2と、 第 3スイッチング素子 S W 3とを備える。 集積回路 5 2 1は、 制御装置 5 2 に含まれ、 制御装置 5 2が有する機能の一部 (例えば、 込め弁 3 1の開閉動作を制御する 機能等) を担う。

[ 0 0 3 5 ] 込め弁 3 1は、 第 1ライン L 1に設けられている。 抵抗 3 5は、 第 2ライン L 2に設け られている。 第 1ライン L 1 と第 2ライン L 2 とは、 互いに並列に電気的に接続されてい る。 よって、 込め弁 3 1のみならず、 抵抗 3 5も電源ライン 8を介して電源 7と電気的に 接続されている。 抵抗 3 5は、 例えば、 込め弁 3 1の内部抵抗値と同程度の抵抗値を有す る。 ただし、 抵抗 3 5の抵抗値は、 込め弁 3 1の内部抵抗値より小さくてもよく、 大きく てもよい。

[ 0 0 3 6 ] 以下では、 電源 7から込め弁 3 1又は抵抗 3 5に向けて流れる電流の流れの上流側を単 に上流側と呼び、 下流側を単に下流側と呼ぶ。

[ 0 0 3 7 ] 第 1ライン L 1の下流端、 及び、 第 2ライン L 2の下流端は、 それぞれ集積回路 5 2 1 と電気的に接続される。 第 1ライン L 1の上流側と、 第 2ライン L 2の上流側とは、 合流 部 P 1において合流する。 合流部 P 1には、 第 3ライン L 3の下流端が接続される。 第 3 ライン L 3の上流端は、 電源ライン 8 と電気的に接続される。 つまり、 第 3ライン L 3は 、 合流部 P 1 と電源ライン 8 とを電気的に接続する。

[ 0 0 3 8 ] 第 1スイッチング素子 SW 1、 第 2スイッチング素子 SW 2及び第 3スイッチング素子 SW3 は、 液圧制御ユニッ ト 5における電流の経路を切り替える切替部の 例に相当する 。 第 1スイッチング素子 SW1、 第 2スイッチング素子 S W 2及び第 3スイッチング素子 SW3 の各スイッチング素子は、 設置位置における通電の可否を切り替える。 各スイッチ ング素子が閉状態である場合、 各スイッチング素子を電流が通過可能な状態 になる。 一方 、 各スイッチング素子が開状態である場合、 各スイッチング素子を電流が通過不可能な状 態になる。 各スイッチング素子は、 例えば、 電界効果トランジスタ (F ET : F i e 1 d E f f e c t T r a n s i s t o r ) を含む半導体リ レーを含む。

[ 0 0 3 9 ] 図 3の例では、 第 1スイッチング素子 S W!及び第 2スイッチング素子 S W 2は、 それ ぞれ 1つの半導体リ レーを含む。 また、 第 3スイッチング素子 SW3は、 直列に接続され た 2つの半導体リ レーを含み、 当該 2つの半導体リ レーの開閉動作は同期している。 ただ し、 各スイッチング素子の構成は特に限定されな い。 例えば、 第 3スイッチング素子 SW 3 に設けられる半導体リ レーの数は 1つであってもよい。 また、 例えば、 各スイッチング 素子に含まれるリ レーは、 半導体リ レーでなくてもよく、 例えば、 機械式リ レーであって もよい。

[ 0 04 0 ] 第 : Lスイッチング素子 S W 1及び第 2スイッチング素子 SW 2は、 集積回路 5 2 1に内 蔵される。 第 : 1スイッチング素子 S W!は、 第 : 1ライン L 1の下流端と電気的に接続され る。 第 2スイッチング素子 SW2は、 第 2ライン L 2の下流端と電気的に接続される。 第 1 スイッチング素子 S W 1の下流側、 及び、 第 2スイッチング素子 S W 2の下流側は、 グ ランドに接続される。 第 3スイッチング素子 S W3は、 第 3ライン L 3に設けられる。

[ 0 04 1 ] 電圧センサ 4 3、 4 4は、 設置位置における電圧を検出する。 例えば、 電圧センサ 4 3 ヽ 44は、 ADコンバータである。 電圧センサ 4 3は、 第 3ライン L 3のうち、 第 3スイ ッチング素子 SW3に対して電源ライン 8側に設けられる。 ゆえに、 電圧センサ 4 3は、 第 3ライン L 3のうち、 第 3スイッチング素子 S W3に対して電源ライン 8側における電 圧を検出する。 電圧センサ 44は、 第 3ライン: L 3のうち、 第 3スイッチング素子 SW3 に対して合流部 P 1側に設けられる。 ゆえに、 電圧センサ 44は、 第 3ライン L 3のうち 、 第 3スイッチング素子 SW3に対して合流部 P 1側における電圧を検出する。

[ 0 04 2 ] 電圧センサ 4 3、 4 4により検出される電圧は、 電源ライン 8の電圧に相当する。 具体 的には、 電圧センサ 4 3、 44により検出される電圧は、 電源 7の電圧に対して電源ライ ン 8の抵抗値による電圧降下量を差し引いた電 (換言すると、 電源ライン 8の液圧制御 ユニッ ト 5側の端部の電圧) である。 したがって、 電源ライン 8の抵抗値が大きくなると 電圧降下量を差し引いた電圧は低下する。

[ 0 04 3 ] 図 4は、 制御装置 5 2の機能構成の一例を示すブロック図である 例えば、 制御装置 5 2 の一部又は全ては、 マイコン、 マイクロプロセッサユニッ ト等で構成されている。 なお 、 上述したように、 制御装置 5 2は、 集積回路 5 2 1 も含み得る。 また、 例えば、 制御装 置 5 2の一部又は全ては、 ファームウェア等の更新可能なもので構成さ れてもよく、 C P U 等からの指令によって実行されるプログラム モジュール等であってもよい。 制御装置 5 2 は、 例えば、 1つであってもよく、 また、 複数に分かれていてもよい。

[ 0 0 4 4 ] 図 4に示されるように、 制御装置 5 2は、 例えば、 取得部 5 2 a と、 制御部 5 2 b と、 診断部 5 2 c とを備える。

[ 0 0 4 5 ] 取得部 5 2 aは、 鞍乗り型車両 1 0 0に搭載されている各装置から情報を取得す 。 例 えば、 取得部 5 2 aは、 前輪車輪速センサ 4 1、 後輪車輪速センサ 4 2、 電圧センサ 4 3 及び電圧センサ 4 4から情報を取得する。 なお、 本明細書において、 情報の取得には、 情 報の抽出又は生成等が含まれ得る。

[ 0 0 4 6 ] 制御部 5 2 bは、 鞍乗り型車両 1 〇 〇内の各種装置の動作を制御する。 例えば、 制御部 5 2 bは、 報知装置 6の動作を制御することによって、 ライダーに対する報知動作を行う 。 また、 例えば、 制御部 5 2 bは、 液圧制御ユニッ ト 5の各コンポーネント (具体的には 、 込め弁 3 1、 弛め弁 3 2、 及びポンプ 3 4を駆動するモータ) の動作を制御することに よって、 鞍乗り型車両 1 〇 〇の車輪に生じる制動力を制御する。

[ 0 0 4 7 ] 診断部 5 2 cは、 電源ライン 8の異常を診断する電源ライン診断を行う。 上述したよう に、 電源ライン 8の異常が生じることによって電源ライン 8の抵抗値が過度に大きくなる と、 液圧制御ユニッ ト 5を正常に動作させることが困難となる。 本実施形態では、 後述す るように、 電源ライン診断に工夫を施すことによって、 電源ライン 8の異常を適切に診断 することが実現される。

[ 0 0 4 8 ] また、 診断部 5 2 cは、 電源ライン診断において、 第 1スイッチング素子 S W 1、 第 2 スイッチング素子 S W 2及び第 3スイッチング素子 S W 3の開閉動作を制御することによ って、 液圧制御ユニッ ト 5における電流の経路を切り替えることがで る。

[ 0 0 4 9 ] く液圧制御ユニッ トの動作> 図 5〜図 7を参照して、 本発明の実施形態に係る液圧制御ユニッ ト 5の動作について説 明する。

[ 0 0 5 0 ] 図 5は、 制御装置 5 2 (具体的には、 診断部 5 2 c ) が行う電源ライン診断に関する処 理の流れの一例を示すフローチャートである 。 図 5におけるステップ S 1 0 iは、 図 5に 示される制御フローの開始に対応する。 図 5におけるステップ S 1 0 5は、 図 5に示され る制御フローの終了に対応する。

[ 0 0 5 1 ] 図 5に示される制御フローが開始すると、 ステップ S 1 〇 2において、 診断部 5 2 cは 、 電源ライン診断の開始条件が満たされたか否 かを判定する。 電源ライン診断の開始条件 としては、 例えば、 鞍乗り型車両 1 0 0の発進後に鞍乗り型車両 1 0 0の車速が基準車速 を上回ったとの条件が用いられる。 鞍乗り型車両 1 0 0の車速は、 例えば、 前輪車輪速セ ンサ 4 1及び後輪車輪速センサ 4 2の検出結果に基づいて取得され得る。 基準車速は、 例 えば、 ライダーが鞍乗り型車両 1 〇 〇を加速させる意思を有すると判断できる程 度の車速 に設定される。

[ 0 0 5 2 ] 電源ライン診断の開始条件が満たされていな いと判定された場合 (ステップ S 1 0 2 / N O ) 、 ステップ S ! 〇 2が繰り返される。 一方、 電源ライン診断の開始条件が満たされ たと判定された場合 (ステップ S 1 〇 2 / Y E S ) 、 ステップ S 1 0 3に進む。

[ 0 0 5 3 ] ステップ S 1 0 3において、 診断部 5 2 cは、 第 3ライン L 3のうち、 第 3スイッチン グ素子 S W 3に対して電源ライン 8側における電圧が安定しているか否かを判 する。 上 述したように、 上記の電圧は、 電源ライン 8の電圧に相当する。 ゆえに、 ステップ S 1 0 3 の判定は、 電源ライン 8の電圧が安定しているか否かの判定に相当 る。

[ 0 0 5 4 ] 第 3ライン L 3のうち、 第 3スイッチング素子 S W 3に対して電源ライン 8側における 電圧は、 例えば、 電圧センサ 4 3の検出結果に基づいて取得され得る。 例えば、 診断部 5 2 cは、 設定時間に亘って上記の電圧を取得し、 設定時間内における上記の電圧の最小値 と最大値との差が基準値以下である場合に、 上記の電圧が安定していると判定する。 一方 、 診断部 5 2 cは、 設定時間内における上記の電圧の最小値と最 大値との差が基準値より 大きい場合に、 上記の電圧が安定していないと判定する。

[ 0 0 5 5 ] 第 3ライン L 3のうち、 第 3スイッチング素子 S W 3に対して電源ライン 8側における 電圧が安定していないと判定された場合 (ステップ S ! 〇 3 / N O ) 、 ステップ S 1 〇 2 に戻る。 一方、 上記の電圧が安定していると判定された場合 (ステップ S 1 0 3 /Y E S ) 、 ステップ S 1 0 4に進む。

[ 0 0 5 6 ] ステップ S ! 〇 4において、 診断部 5 cは、 電源ライン診断を行い、 図 5に示される 制御フローは終了する。 ここで、 診断部 5 2 cは、 電源ライン診断において、 込め弁 3 1 に電流を印加させずに抵抗 3 5に電流を印加させた状態で、 抵抗 3 5に印加される電流を 変化させた際の電源ライン 8の電圧変化に基づいて、 電源ライン 8の異常を診断する。 以 下、 電源ライン診断の詳細について、 図 6を参照して説明する。

[ 0 0 5 7 ] 図 6は、 電源ライン診断の実行中における電流の流れ を説明するための図である。 図 6 では、 電流の流れが破線矢印によって示されている 。 まず、 診断部 5 2 cは、 電源ライン 診断において、 込め弁 3 1に電流が印加されずに抵抗 3 5に電流が印加されるように、 液 圧制御ユニッ ト 5における電流の経路を切り替える。 具体的には、 診断部 5 2 cは、 各ス イッチング素子の開閉状態を、 第 1スイッチング素子 S W 1が開状態となり、 第 2スイッ チング素子 S W 2が閉状態となり、 第 3スイッチング素子 S W 3が閉状態となるように制 御する。 それにより、 第 1ライン L 1には電流が流れずに第 2ライン L 2に電流が流れる ように、 液圧制御ユニッ ト 5における電流の経路が切り替えられる。 ゆえに、 図 6に示さ れるように、 込め弁 3 1に電流が印加されずに抵抗 3 5に電流が印加される。

[ 0 0 5 8 ] 次に、 診断部 5 2 cは、 抵抗 3 5に印加される電流 (具体的には、 電流値) を変化させ る。 例えば、 診断部 5 2 cは、 第 2スイッチング素子 S W 2を開状態と閉状態との間で切 り替え、 単位時間当たりの開状態の継続時間を変化さ せることによって、 抵抗 3 5に印加 される電流を変化させることができる。 そして、 診断部 5 2 cは、 その際の電源ライン 8 の電圧の変化である電圧変化に基づいて、 電源ライン 8の異常を診断する。 例えば、 診断 部 5 2 cは、 第 3ライン L 3のうち、 第 3スイッチング素子 S W 3に対して合流部 P 1側 における電圧に基づいて、 電源ライン 8の電圧を取得する。 第 3ライン L 3のうち、 第 3 スイッチング素子 S W 3に対して合流部 P 1側における電圧は、 例えば、 電圧センサ 4 4 の検出結果に基づいて取得され得る。

[ 0 0 5 9 ] 例えば、 診断部 5 2 cは、 電源ライン診断において、 複数の矩形波状のパルス電流を抵 抗 3 5に順に印加する。 抵抗 3 5にパルス電流が印加されていない場合、 電源ライン 8の 抵抗値による電圧降下は生じない。 ゆえに、 電圧センサ 4 4により検出される電源ライン 8 の電圧は、 電源 7の電圧とほぼ等しくなる。 一方、 抵抗 3 5にパルス電流が印加されて いる場合、 電源ライン 8の抵抗値による電圧降下が生じる。 ゆえに、 抵抗 3 5にパルス電 流が印加されていない場合と比べて、 電圧センサ 4 4により検出される電源ライン 8の電 圧は低くなる。

[ 0 0 6 0 ] 診断部 5 2 cは、 抵抗 3 5にパルス電流が印加されていない状態と抵 3 5にパルス電 流が印加されている状態とが切り替わる前後 における電源ライン 8の電圧変化量に基づい て、 電源ライン診断を行う。 例えば、 診断部 5 2 cは、 上記の電圧変化量が基準変化量 ( つまり、 基準抵抗値を電圧変化量に置き換えた値) より小さい場合に、 抵抗値が正常であ ると評価する。 一方、 診断部 5 2 cは、 上記の電圧変化量が基準変化量より大きい場 合に 、 抵抗値が異常であると評価する。 例えば、 診断部 5 2 cは、 このような評価を複数回行 い、 評価結果に基づいて、 電源ライン 8が正常であるか否かを診断する。 電源ライン 8が 異常であると診断された場合、 例えば、 電源ライン 8が異常である旨が報知装置 6によっ てライダーに対して報知される。

[ 0 0 6 1 ] 以上説明したように、 診断部 5 2 cは、 電源ライン診断において、 込め弁 3 1に電流を 印加させずに抵抗 3 5に電流を印加させた状態で、 抵抗 3 5に印加される電流を変化させ た際の電源ライン 8の電圧変化に基づいて、 電源ライン 8の異常を診断する。 それにより 、 込め弁 3 1を開閉させることなく、 電源ライン診断を行うことができる。 ゆえに、 電源 ライン診断の実行中にライダーによりブレー キ操作が行われた場合であっても、 ライダー の意図通りに鞍乗り型車両 1 0 0を制動することができる。 よって、 電源ライン 8の異常 を適切に診断することができる。

[ 0 0 6 2 ] 図 7は、 アンチロックブレーキ制御における込め弁 3 1の通電時の電流の流れを説明す るための図である。 図 7では、 電流の流れが破線矢印によって示されている 。 上述したよ うに、 アンチロックブレーキ制御では、 込め弁 3 1への通電が行われる。 この際、 制御装 置 5 2は、 各スイッチング素子の開閉状態を、 第 1スイッチング素子 S W 1が閉状態とな り、 第 2スイッチング素子 S W 2が開状態となり、 第 3スイッチング素子 S W 3が閉状態 となるように制御する。 それにより、 第 2ライン L 2には電流が流れずに第 1ライン L 1 に電流が流れるように、 液圧制御ユニッ ト 5における電流の経路が切り替えられる。 ゆえ に、 図 7に示されるように、 抵抗 3 5に電流が印加されずに込め弁 3 1に電流が印加され る。

[ 0 0 6 3 ] 上記のように、 電源ライン診断が行われない場合には、 第 2スイッチング素子 S W 2が 開状態となり、 抵抗 3 5に電流が印加されない状態となっている。 ゆえに、 アンチロック ブレーキ制御における込め弁 3 1の通電時等において、 抵抗 3 5に電流が不要に印加され ることを抑制できる。

[ 0 0 6 4 ]

<液圧制御ユニッ トの効果> 本発明の実施形態に係る液圧制御ユニッ ト 5の効果について説明する。

[ 0 0 6 5 ] 液圧制御ユニッ ト 5では、 診断部 5 2 cは、 電源ライン診断において、 込め弁 3 1に電 流を印加させずに抵抗 3 5に電流を印加させた状態で、 抵抗 3 5に印加される電流を変化 させた際の電源ライン 8の電圧変化に基づいて、 電源ライン 8の異常を診断する。 それに より、 込め弁 3 1を開閉させることなく、 電源ライン診断を行うことができる。 ゆえに、 電源ライン診断の実行中にライダーによりブ レーキ操作が行われた場合であっても、 ライ ダーの意図通りに鞍乗り型車両 1 〇 〇を制動することができる。 よって、 電源ライン 8の 異常を適切に診断することができる。

[ 0 0 6 6 ] 好ましくは、 液圧制御ユニッ ト 5では、 込め弁 3 1が設けられている第 1 ライン L 1 と 、 抵抗 3 5が設けられている第 2ライン L 2とは、 互いに並列に電気的に接続されており 、 液圧制御ユニッ ト 5における電流の経路を切り替える切替部 (上記の例では、 第 1スイ ッチング素子 S W 1、 第 2スイッチング素子 S W 2及び第 3スイッチング素子 S W 3 ) を 備え、 診断部 5 2 cは、 電源ライン診断において、 第 1ライン L 1には電流が流れずに第 2 ライン L 2に電流が流れるように、 切替部によって経路を切り替える。 それにより、 電 源ライン診断において、 込め弁 3 1に電流が印加されずに抵抗 3 5に電流が印加される状 態を適切に実現できる。 ゆえに、 込め弁 3 1を開閉させることなく、 電源ライン診断を行 うことが適切に実現される。

[ 0 0 6 7 ] 好ましくは、 液圧制御ユニッ ト 5では、 制御装置 5 2は、 集積回路 5 2 1を含み、 第 1 ライン L 1の下流端、 及び、 第 2ライン L 2の下流端は、 集積回路 5 2 1にそれぞれ接続 されており、 切替部は、 第 1ライン L 1の下流端と電気的に接続され、 集積回路 5 2 1に 内蔵される第 1スイッチング素子 S W! と、 第 2ライン L 2の下流端と電気的に接続され 、 集積回路 5 2 1に内蔵される第 2スイッチング素子 S W 2と、 を含む。 それにより、 第 1 スイッチング素子 S W 1及び第 2スイッチング素子 S W 2の一方を開状態にして他方を 閉状態にすることによって、 込め弁 3 1に電流が印加されずに抵抗 3 5に電流が印加され 得る状態と、 抵抗 3 5に電流が印加されずに込め弁 3 1に電流が印加され得る状態とを切 り替えることができる。 ゆえに、 電源ライン診断において、 込め弁 3 1に電流が印加され ずに抵抗 3 5に電流が印加される状態をより適切に実現 きる。

[ 0 0 6 8 ] 好ましくは、 液圧制御ユニッ ト 5では、 第 1ライン L 1の上流側と第 2ライン L 2の上 流側との合流部 P 1 と、 電源ライン 8とを電気的に接続する第 3ライン L 3を備え、 切替 部は、 第 3ライン L 3に設けられる第 3スイッチング素子 S W 3を含む。 それにより、 第 3 スイッチング素子 S W 3を開閉することによって、 込め弁 3 i又は抵抗 3 5に電流が印 加されている状態と電流が印加されていない 状態とを切り替えることができる。 ゆえに、 電源ライン診断において、 込め弁 3 1に電流が印加されずに抵抗 3 5に電流が印加される 状態をより適切に実現できる。

[ 0 0 6 9 ] 上記では、 切替部として、 図 3等を参照して説明した第 1スイッチング素子 S W 1 . 第 2 スイッチング素子 S W 2及び第 3スイッチング素子 S W 3が設けられる例を説明した。 ただし、 切替部の構成は、 上記の例に限定されない。 例えば、 込め弁 3 1に電流が印加さ れずに抵抗 3 5に電流が印加され得る状態と、 抵抗 3 5に電流が印加されずに込め弁 3 1 に電流が印加され得る状態とを切り替えるた めのスイッチング素子の数及び配置は、 上記 の例と異なっていてもよい。 また、 例えば、 込め弁 3 1又は抵抗 3 5に電流が印加されて いる状態と電流が印加されていない状態とを 切り替えるためのスイッチング素子の数及び 配置は、 上記の例と異なっていてもよい。

[ 0 0 7 0 ] 好ましくは、 液圧制御ユニッ ト 5では、 診断部 5 2 cは、 第 3ライン L 3のうち、 第 3 スイッチング素子 S W 3に対して電源ライン 8側における電圧が安定していると判定され る場合に、 電源ライン診断を行う。 ここで、 第 3ライン L 3のうち、 第 3スイッチング素 子 S W 3に対して電源ライン 8側における電圧は、 第 3スイッチング素子 S W 3が開状態 となっている場合においても、 電源ライン 8の電圧に相当する値を示す。 ゆえに、 上記の 場合に電源ライン診断を行うことによって、 電源ライン 8の電圧が安定していることを確 認した上で電源ライン診断を行うことができ る。 ゆえに、 電源ライン診断の診断精度を向 上させることができる。

[ 0 0 7 1 ] 上記では、 第 3ライン L 3のうち、 第 3スイッチング素子 S W 3に対して電源ライン 8 側における電圧が安定していると判定される 場合に、 電源ライン診断が行われる例を説明 した。 ただし、 第 3スイッチング素子 S W 3に対して電源ライン 8側における電圧が安定 しているか否かの判定が行われずに、 電源ライン診断が行われてもよい。

[ 0 0 7 2 ] 好ましくは、 液圧制御ユニッ ト 5では、 診断部 5 2 cは、 第 3スイッチング素子 S W 3 を閉じた状態で電源ライン診断を行い、 電源ライン診断において、 第 3ライン L 3のうち 、 第 3スイッチング素子 S W 3に対して合流部 P 1側における電圧に基づいて、 電源ライ ン 8の電圧を取得する。 ここで、 第 3ライン L 3のうち、 第 3スイッチング素子 S W 3に 対して合流部 P 1側における電圧には、 第 3スイッチング素子 S W 3の異常 (例えば、 断 線) が反映される。 ゆえに、 電源ライン診断において、 第 3ライン L 3のうち、 第 3スイ ッチング素子 S W 3に対して合流部 P 1側における電圧に基づいて、 電源ライン 8の電圧 を取得することによって、 電源ライン 8の異常の有無のみならず、 第 3ライン L 3の異常 (例えば、 第 3スイッチング素子 S W 3の異常) の有無も診断できる。

[ 0 0 7 3 ] 上記では、 電源ライン診断において、 第 3ライン L 3のうち、 第 3スイッチング素子 S W 3に対して合流部 P 1側における電圧に基づいて、 電源ライン 8の電圧が取得される例 を説明した。 ただし、 電源ライン診断において、 第 3ライン L 3のうち、 第 3スイッチン グ素子 S W 3に対して電源ライン 8側における電圧に基づいて、 電源ライン 8の電圧が取 得されてもよい。 この場合、 診断部 5 2 cは、 電源ライン診断において、 第 2スイッチン グ素子 S W 2又は第 3スイッチング素子 S W 3を開状態と閉状態との間で切り替え、 単位 時間当たりの開状態の継続時間を変化させる ことによって、 抵抗 3 5に印加される電流を 変化させることができる。

[ 0 0 7 4 ] 好ましくは、 液圧制御ユニッ ト 5では、 ブレーキシステム 1 0は、 液圧制御ユニッ ト 5 を備え、 ブレーキシステム 1 0では、 1つのマスタシリンダ 2 1 と連通するホイールシリ ンダ 2 4の数は 1つである。 この場合、 仮に込め弁 3 1を開閉させた状態で電源ライン診 断が行われる場合、 閉状態となっている込め弁 3 1を含む制動機構 (例えば、 後輪制動機 構 1 4 ) の操作部 (例えば、 第 2ブレーキ操作部 1 3 ) を用いてライダーがブレーキ操作 を行ったとしても、 当該制動機構により制動力を生じさせること ができない。 ゆえに、 電 源ライン診断の実行中にライダーによりブレ ーキ操作が行われた場合、 ライダーの意図通 りに鞍乗り型車両 1 〇 〇を制動することが特に困難となりやすい。 一方、 診断部 5 2 cに よる電源ライン診断は、 込め弁 3 1を開閉させることなく行われる。 ゆえに、 電源ライン 診断の実行中にライダーによりブレーキ操作 が行われた場合であっても、 ライダーの意図 通りに鞍乗り型車両 1 0 0を制動することが適切に実現される。

[ 0 0 7 5 ] 本発明は実施形態の説明に限定されない。 例えば、 実施形態の一部のみが実施されても よい。

【符号の説明】

[ 0 0 7 6 ]

! 胴体、 2 ハンドル、 3 前輪、 3 a ロータ、 4 後輪、 4 a ロータ、 5 液 圧制御ユニッ ト、 6 報知装置、 7 電源、 8 電源ライン、 1 〇 ブレーキシステム、 1 1 第 1ブレーキ操作部、 1 2 前輪制動機構、 1 3 第 2ブレーキ操作部、 1 4 後 輪制動機構、 2 1 マスタシリンダ、 2 2 リザーバ、 2 3 ブレーキキャリパ、 2 4 ホイールシリンダ、 2 5 主流路、 2 6 副流路、 3 1 込め弁、 3 2 弛め弁、 3 3 アキュムレータ、 3 4 ポンプ、 3 5 抵抗、 4 1 前輪車輪速センサ、 4 2 後輪車輪 速センサ、 4 3 電圧センサ、 4 4 電圧センサ、 5 1 液圧制御機構、 5 1 a 基体、 5 2 制御装置、 5 2 a 取得部、 5 2 b 制御部、 5 2 c 診断部、 ! 0 0 鞍乗り型 車両、 5 2 1 集積回路、 L 1 第 1ライン、 L 2 第 2ライン、 L 3 第 3ライン、 P 1 合流部、 S W ! 第 1スイッチング素子、 S W 2 第 2スイッチング素子、 S W 3 第 3スイッチング素子。