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Title:
GEAR MECHANISM WITH TORQUE LIMITER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/090699
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a gear mechanism with torque limiter comprising felt member (14) which is held between coaxially arranged first gear (13) and second gear (15), for transmitting drive power between the gears, wherein the coupling of drive power between the gears is controlled by the slippage of felt member (14) when an excess load is applied; multiple protrusions (19a) furnished concentrically on the surface of one of the gears (13) (15) that contacts felt member (14); and concentric grooves (20a), which correspond to said protrusions, furnished on the surface of the other gear (13) (15).

Inventors:
NAGAMI TETSURO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/003296
Publication Date:
July 23, 2009
Filing Date:
November 12, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI ELECTRIC CORP (JP)
NAGAMI TETSURO (JP)
International Classes:
F16D7/02; F16H35/10
Foreign References:
JPH0484831U1992-07-23
JPH0317455U1991-02-21
JPS62140263A1987-06-23
JP2007292265A2007-11-08
Attorney, Agent or Firm:
TAZAWA, Hideaki et al. (12-4 Nagata-cho 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 14, JP)
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Claims:
 同軸上に配置された第一のギア及び第二のギアの間に挟み込まれ該ギア間の駆動伝達を行うフェルト部材を備え、過大な負荷が加えられたとき前記フェルト部材がスリップしてギア間の駆動伝達を抑制するトルクリミッタ付きギア機構において、
 前記フェルト部材と接する一方のギアの面には同心円状に複数の凸部を配置し、他方のギアの面には前記凸部に対応する同心円状の溝部を設けたことを特徴とするトルクリミッタ付きギア機構。
 溝部は、凸部の高さ以上の寸法の深さを有することを特徴とする請求項1記載のトルクリミッタ付きギア機構。
 同軸上に配置された同期部材及び第二のギアの間に挟み込まれた第一のフェルト部材と、
 前記第二のギア及び第一のギアの間に挟み込まれた第二のフェルト部材と、
 を備え、
 前記第一のフェルト部材と接する前記同期部材及び第二のギアのいずれかの面には同心円状に複数の凸部を配置し、他方の面には前記凸部に対応する同心円状の溝部を設け、前記第二のフェルト部材に接する前記第二のギア及び第一のギアのいずれかの面には同心円状に複数の凸部を配置し、他方の面には前記凸部に対応する同心円状の溝部を設けたことを特徴とするトルクリミッタ付きギア機構。
 第二のギアは、一方の面に同心円状に設けた溝部または凸部の間隔のほぼ中間に位置して他方の面に溝部または凸部を設けたことを特徴とする請求項3記載のトルクリミッタ付きギア機構。
 第二のギアは、全体の肉厚がほぼ一定となるように上面及び下面に同心円状に溝部または凸部を設けたことを特徴とする請求項4記載のトルクリミッタ付きギア機構。
 第二のギアは、第一のギア及び同期部材のいずれかに設けられた凸部に対応しない位置に同心円状の複数の溝を設けたことを特徴とする請求項1記載のトルクリミッタ付きギア機構。
 第二のギアは、第一のギア及び同期部材のいずれかに設けられた凸部に対応しない位置に同心円状の複数の溝を設けたことを特徴とする請求項3記載のトルクリミッタ付きギア機構。
 複数の溝を設けたフェルト接触部をエッジ状に形成したことを特徴とする請求項6記載のトルクリミッタ付きギア機構。
 複数の溝を設けたフェルト接触部をエッジ状に形成したことを特徴とする請求項7記載のトルクリミッタ付きギア機構。
Description:
トルクリミッタ付きギア機構

 この発明は、過大な負荷が加えられたと に駆動を抑制するトルクリミッタ付きギア 構に関するものである。

 例えば電動で表示部を移動する、もしくは きを変化させる車載用映像機器などにおい は、ユーザの指挟まれによる損傷や外力に る機構部品の破損を防ぐためにトルクリミ タ付きギア機構を備えている。トルクリミ タ付きギア機構には、同軸上に配置された 径ギア及び小径ギアの間にフェルト部材を み込み、フェルト部材が各ギアと一体とな て回動するように構成し、フェルト部材の 擦力によって一方のギアの回動を他方のギ に伝えるものがある。このようなトルクリ ッタ付きギア機構は、例えば一方のギアか 他方のギアへ回動トルクを伝達するとき、 方のギアに過度の負荷が加わると一方のギ と共に回動するフェルト部材が他方のギア 接触面においてスリップし、他方のギアへ トルク伝達を抑えている。
 また、同軸上に配置される大径ギアと小径 アに各々長孔を設けておき、この長孔内に 球を配置して当該剛球を二つの金属製の摩 板で挟持し、高いトルクの伝達を可能にし ものがある(例えば、特許文献1参照)。

特開2004-360809号公報(第5~8頁、図1~図5)

 従来のトルクリミッタ付きギア機構は以 のように構成されているので、表示部の大 化などによって大きな駆動トルクが必要に ると、トルクリミッタ付きギアのフェルト 材を挟み込む力を高くする必要がある。こ ように挟み込む力を高くするとフェルト部 の厚みが徐々に薄くなり、フェルト部材の リップ発生を安定させるために一方のギア に設けられた凸部がフェルト部材を貫通し 他方のギアに上記の凸部の先端部分が接触 るようになり、一定のトルクリミット値に づく抑制動作が不安定になる。また、これ の部分の接触によって異音が発生してしま 。また、金属製の鋼球や摩擦板等を用いる 小型/軽量化が難しくなるという課題があっ た。

 この発明は上記のような課題を解決する めになされたもので、フェルト部材の厚さ 薄くなる経時変化が生じても確実に所定の ルク以上になったときにスリップし、また 音を発生しないトルクリミッタ付きギア機 を得ることを目的とする。

 この発明に係るトルクリミッタ付きギア 構は、フェルト部材と接する一方のギアの には同心円状に複数の凸部を配置し、他方 ギアの面には凸部に対応する同心円状の溝 を設けたものである。

 この発明によれば、フェルト部材と接す 一方のギアの面に設けられている凸部に対 させて他方のギアの面に同心円状の溝部を けたので、経時変化によりフェルト部材の みが薄くなって凸部がフェルト部材を貫通 ても、一方のギアの各凸部の先端部分と他 のギアとの接触を防ぐことができ、設定さ たトルクリミット値によるスリップ発生が 実になり、トルクリミット値に基く安定し 抑制動作を行うことができ、また、接触に る異音の発生を防ぐことができるという効 がある。

この発明の実施の形態1によるトルクリ ミッタ付きギア機構を用いた車載用映像機器 の概略構成を示す説明図である。 実施の形態1によるトルクリミッタ付き ギア機構の構成を示す説明図である。 実施の形態1によるトルクリミッタ付き ギア機構の構成を示す説明図である。 実施の形態1によるトルクリミッタ付き ギア機構の小ギアを示す説明図である。 実施の形態1によるトルクリミッタ付き ギア機構の大ギアを示す説明図である。 一般的なトルクリミッタ付きギア機構 示す説明図である。 一般的なトルクリミッタ付きギア機構 示す説明図である。 この発明の実施の形態2によるトルクリ ミッタ付きギア機構の構成を示す説明図であ る。 この発明の実施の形態3によるトルクリ ミッタ付きギア機構の構成を示す説明図であ る。 この発明の実施の形態4によるトルク ミッタ付きギア機構の構成を示す説明図で る。

 以下、この発明をより詳細に説明するため 、この発明を実施するための最良の形態に いて、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
 図1は、この発明の実施の形態1によるトル リミッタ付きギア機構を用いた車載用映像 器の概略構成を示す説明図である。なお、 1には、この発明によるトルクリミッタ付き ア機構に関連する部分のみを示し、他の部 の図示を省略している。
 図示した車載用映像機器1は、LCD等の映像表 示装置から成る表示部2、表示部2を移動させ 駆動源のモータ3、モータ3の回動軸に取り けられたウォームギア4、ウォームギア4と噛 み合うウォームホイール5、例えば表示部2の 側方の下端部に接続してウォームホイール5 の回動により当該表示部2の下側を映像表示 置の前後方向に移動させる支持部材6、ウォ ムホイール5の回動/駆動力を支持部材6に伝 する伝達ギア7、移動させた表示部2もしく 支持部材6の位置を検知するポジションセン 8などを備えている。

 図1の表示部2は、表示画面を図中背後側に けている。また、表示部2は、前述のように 持部材6に接続されている当該表示部2の下 部分が図中手前側から背後側に移動するこ によって表示画面が垂直な状態から水平な 態へ遷移するように、また、表示部2の下側 分が図中背後側から手前側に移動すること よって表示画面が水平な状態から垂直な状 へ遷移するように、表示部2の両側部分の上 側を、図示を省略したガイド部材等によって 支持している。
 なお、図1に示したウォームホイール5を有 る2段ギアが後述するトルクリミッタ付きギ 機構10に相当し、図1のウォームギア4と噛み 合うウォームホイール5が大ギア15に相当し、 2段ギアの図示されない部分が後述する小ギ 13に相当する。

 図2及び図3は、実施の形態1によるトルクリ ッタ付きギア機構の構成を示す説明図であ 。図2は、実施の形態1による当該機構を有 るトルクリミッタ付きギア機構10の縦断面図 で、図3は、当該トルクリミッタ付きギア機 10の分解斜視図である。図2及び図3では同一 分に同じ符号を使用して各部を表す。
 トルクリミッタ付きギア機構10は、コイル ネ12、第一のギアである小ギア13、第二のフ ルト部材であるフェルト部材14a、第二のギ である大ギア15、第一のフェルト部材であ フェルト部材14b、同期部材16、及び、押さえ プレート17を上記の順で積層させたもので、 れらの各部材は上方から観たとき円形を成 、円中心に貫通孔部が設けられている。な 、径の小さなものが小ギア13、また径の大 なものが大ギア15で、各ギアの大小関係は、 ここで例示したものに限定されない。上記の 各部材の貫通孔部には、片端部に鍔部11aを備 えた支軸11が挿通され、詳しくはコイルバネ1 2の下端部が上記の鍔部11aに接するように、 2及び図3において下方から挿通されている。 即ち小ギア13と大ギア15は同軸上に配置され フェルト部材14aは小ギア13の上面と大ギア15 下面との間に挟み込まれている。また、フ ルト部材14bは大ギア15の上面と同期部材16の 下面との間に挟み込まれている。

 コイルバネ12は、支軸11の軸方向、即ち図 中上方に付勢するように備えられ、この付勢 力によって小ギア13、フェルト部材14a、大ギ 15、フェルト部材14b、同期部材16、及び、押 さえプレート17を上方へ押し上げている。ま 、押さえプレート17は、支軸11の上端部に固 定された止め具のEリング21によって位置決め 固定されている。このようにしてコイルバネ 12の付勢力によって支軸11が挿通されている 述の部材を各部密着させている。

 図4は、実施の形態1によるトルクリミッタ きギア機構の小ギアを示す説明図である。 2等に示したものと同一部分に同じ符号を使 し、当該符号の重複説明を省略する。この は、図2及び図3に示した小ギア13を上方から 観た形状、即ち上面を示したものである。小 ギア13の上面即ちフェルト部材14aと接する面 は、当該フェルト部材14aにくい込んで小ギ 13の上面とフェルト部材14aとの間のスリッ を防ぐ、例えば錐状の凸部19aが複数設けら 、小ギア13と同心円状に各凸部19aが配置され ている。なお、凸部19aは伝達トルクの大きさ に応じた個数が設けられる。また、図4等に したように複数の配置半径の各円周上に各 凸部19aを配置してもよい。凸部19aは、フェ ト部材14aの下面にくい込んで、もしくは刺 ってフェルト部材14aと小ギア13との間のスリ ップを抑えて、当該トルクリミッタ付きギア 機構10に設定されたトルクリミット値に基く リップ動作のばらつきを少なくするために けられている。フェルト部材14aは、大ギア1 5の下面と接触する面をスリップさせる面と ている。
 また、小ギア13の上面の円心部分には、図3 示したように、当該上面から突出して後述 る同期部材16の接合孔16aと接合する、もし は篏合する接合部13aを設けている。なお、 こで例示した小ギア13は下面から下方へ突出 したギア歯を備えている。

 図5は、実施の形態1によるトルクリミッ 付きギア機構の大ギアを示す説明図である 図2等に示したものと同一部分に同じ符号を 用し、その部分の重複説明を省略する。こ 図は、図2及び図3に示した大ギア15を下方か ら観た形状、即ち大ギア15の下面を示したも である。大ギア15の下面即ちフェルト部材14 aと接する面には、小ギア13の各凸部19aの配置 に対応するように、円状の溝部20aが設けられ ている。溝部20aは、大ギア15と同心円となる うに形成され、小ギア13の回動軸中心から 部19aまでの距離、即ち凸部19aの配置半径と じ半径を有している。凸部19aが複数の配置 径をもって設けられているときには溝部20a 複数設けられ、詳しくは凸部19aの各配置半 と各々同一な半径の溝部20aが設けられる。 た、大ギア15の上面には、後述する同期部材 16の凸部19bと対応させた溝部20bが設けられて る。この溝部20bは、前述の凸部19aに対応さ た溝部20aと同様に、各凸部19bの配置半径と じ半径を有する円状のものである。なお、 こで例示した大ギア15は円周部位にギア歯 備えている。

 高いトルクリミット値に対応させるために 、フェルト部材の接触面積を大きくする必 がある。そのため、トルクリミッタ付きギ 機構10では、下面にフェルト部材14aを接触 せている大ギア15の上面にもフェルト部材14b を接触させている。
 フェルト部材14aとフェルト部材14bは、同様 素材からなり、また同様な形状をしている 詳しくは、コイルバネ12の付勢力により各 大ギア15に対して所定の摩擦力を生じ、設定 されたトルクリミット値以上のトルクが加え られたときに大ギアの各接触面、詳しくは大 ギア15の下面及び上面に対してスリップする 擦特性を備えた素材からなり、前述の小ギ 13の接合部13aを挿通させる径の貫通孔を円 部分に有している。

 同期部材16は、図3に示したように、当該同 部材16の円心部分に小ギア13の接合部13aを接 合させる接合孔16aを設けて、前述の小ギア13 一体化して支軸11を中心に回動するように 成されている。また、同期部材16は、図2に したように下面即ちフェルト部材14bと接す 面に、小ギア13に設けられた複数の凸部19aと 同様に、複数の凸部19bが同心円状に配置され ている。凸部19bは、フェルト部材14bの上面に くい込んで、もしくは刺さってフェルト部材 14bと同期部材16との間のスリップを抑えて、 述の凸部19aと同様に当該トルクリミッタ付 ギア機構10に設定されたトルクリミット値 基くスリップ動作のばらつきを少なくする めに設けられている。フェルト部材14bは、 ギア15の上面と接触する面をスリップさせる 面としている。
 また、高いトルクリミット値に対応させる きにはコイルバネ2の付勢力を強くするため 、当該付勢力により同期部材16が変形しない うに硬質の押さえプレート17がEリング21に するように構成している。

 図6及び図7は、一般的なトルクリミッタ付 ギア機構を示す説明図であり、図6はフェル 部材34が経時変化する前の状態を示し、図7 経時劣化等によりフェルト部材34が薄くな たものを示している。
 このギア機構は、支軸31に、第一のギアで る小ギア33と第二のギアである大ギア35との 向面にフェルト部材34を挟み込んで組付け 支軸31に取付けたEリング41で第二のギア35の 方向への移動を規制し、第一のギア33をフ ルト部材34を介して第二のギア35側に押圧す コイルバネ32を、第一のギア33と支軸31の鍔 31aとの間に配置した構成である。

 図6,7に示したトルクリミッタ付きギア機構 、コイルバネ32の付勢力によって生じるフ ルト部材34の摩擦力を用いて小ギア33と大ギ 35との間の駆動伝達を行い、これらの部材 一体となって回動する。過大な負荷が加わ たときには、フェルト部材34の上面と大ギア 35の下面との間でスリップが生じてトルク伝 を抑制する。
 フェルト部材34は、常にコイルバネ32の付勢 力により小ギア33と大ギア35との間に挟まれ 状態で圧接されている。このように圧接さ た状態でスリップが生じたときには磨耗が じ、また当該圧により徐々に厚みが減少し くる。図7に示したようにフェルト部材34が くなってくると、フェルト部材34を小ギア33 一体化して回動させるために設けた凸部39 フェルト部材34を貫通して大ギア35の下面に 触し、所定値以上のトルクが加えられたと のスリップ動作が不安定になり、またスリ プしたときに異音を発するようになる。

 これに対し、この発明の実施の形態1によれ ば、大ギア15の下面に小ギア13の凸部19aに対 する溝部20aを設け、大ギア15の上面に同期部 材16の凸部19bに対応する溝部20bを設けたので 経時変化によりフェルト部材14a,14bの厚みが 薄くなって、フェルト部材14aに刺さっている 凸部19aがフェルト部材14aを貫通しても、また はフェルト部材14bに刺さっている凸部19bがフ ェルト部材14bを貫通しても、大ギア15のフェ ト接触面、即ち大ギア15の上面または下面 溝部20a,20bによって各凸部の先端部分との接 を防ぐことができ、設定されたトルクリミ ト値によるスリップ発生が確実になり、ま 、接触による異音の発生を防ぐことができ 。そのため、経時使用においても一定のト クリミット値に基く安定した抑制動作を行 ことができるという効果がある。
 また、経時によりフェルト部材14a,14bの厚み が薄くなりフェルト14a,14bを貫通しても各凸 が各々対応する溝部に入り込み、一方のギ の凸部が他方のギアに当接することがない で、各機構部品を薄く構成することができ という効果がある。

実施の形態2.
 図8は、この発明の実施の形態2によるトル リミッタ付きギア機構の構成を示す説明図 ある。図2~図5に示したものと同一あるいは 当する部分に同じ符号を使用し、その重複 明を省略する。実施の形態2によるトルクリ ッタ付きギア機構は、前述のトルクリミッ 付きギア機構10と概ね同様に構成されるも である。ここでは実施の形態2によるトルク ミッタ付きギア機構の特徴となる部分を説 し、実施の形態1で説明したものと同様に構 成される部分の重複説明を省略する。図8は 実施の形態2によるトルクリミッタ付きギア 構10aの断面図で、当該トルクリミッタ付き ア機構10aの回動中心から片側の部分を図示 たものである。

 図8のトルクリミッタ付きギア機構10aの大ギ ア15は、下面に深さh1の溝部20a4,20a5を設けた ので、図8の小ギア13は、上面に高さh1’の凸 部19a4,19a5を設けている。溝部20a4,20a5の深さh1 、ほぼ凸部19a4,19a5の高さh1’と同じ寸法を するように構成している。
 また、図8の大ギア15は、上面に深さh2の溝 20b1~20b3を設けたもので、図8の同期部材16は 下面に高さh2’の凸部19b1~19b3を設けている。 溝部20b1~20b3の深さh2は、ほぼ凸部19b1~19b3の高 h2’と同じ寸法を有するように構成してい 。
 このように、大ギア15の上面に設ける溝部20 b1~20b3の深さを、同期部材16に設けられた凸部 19b1~19b3の高さとほぼ同じ、またはそれ以上の 寸法とし、また大ギア15の下面に設ける溝部2 0a4,20a5の深さを、小ギア13に設けられた凸部19 a4,19a5の高さとほぼ同じ、またはそれ以上の 法となるように構成することによって、フ ルト部材14a,14bの厚みが薄くなっても各凸部 先端部分が大ギア15に接触することを防ぐ とができる。換言すると、延設方向即ち円 方向に直交する各溝部の断面を、当該溝部 対応する凸部の外形と同様、またはそれ以 の大きさとすることにより、接触を防ぐこ ができる。

 また、図8の同期部材16の凸部19b1及び大ギ ア15の溝部20b1は、支軸11の中心から距離r1の 置、即ち配置半径r1の円周上に設けられてい る。また、凸部19b2及び溝部20b2は配置半径r2 円周上に設けられ、凸部19b3及び溝部20b3は配 置半径r3の円周上に設けられている。図8の小 ギア13の凸部19a4及び大ギア15の溝部20a4は配置 半径r4の円周上に設けられ、凸部19a5及び溝部 20a5は配置半径r5の円周上に設けられている。 このとき、r4≒(r1+r2)/2、及びr5≒(r2+r3)/2の関 が成り立つように各距離r1~r5を設定し、図8 示したように、小ギア13の凸部19a4及び大ギ 15の溝部20a4の位置が、同期部材16の凸部19b1 び大ギア15の溝部20b1の位置と凸部19b2及び溝 20b2の位置との中間点、もしくはほぼ中間点 となるように構成する。また、小ギア13の凸 19a5及び大ギア15の溝部20a5の位置が、同期部 材16の凸部19b2及び大ギア15の溝部20b2の位置と 凸部19b3及び溝部20b3の位置との中間点、もし はほぼ中間点となるように構成する。なお 図8に示した各凸部及び各溝部の数は、図示 したものに限定されるものではない。

 前述のように各凸部と各溝部を設けると 大ギア15の上面の溝部20b1~20b3と、下面の溝 20a4,20a5が上下方向において重ならず、上面 溝部20b1と溝部20b2の間隔部分のほぼ中央の下 方の位置に下面の溝部20a4が配置され、上面 溝部20b2と溝部20b3の間隔部分のほぼ中央の下 方の位置に下面の溝部20a5が配置される。こ ように上下方向において各溝部が交互に配 されることから大ギア15の各フェルト部材と 接する部分を薄く構成することが可能になり 、大ギア15全体を薄く構成することが可能に る。

 以上のようにこの発明の実施の形態2によれ ば、大ギア15の上面に設けた溝部20b1~20b3の深 を同期部材16の凸部19b1~19b3の高さ以上の寸 とし、大ギア15の下面に設けた溝部20a4,20a5の 深さを小ギア13の凸部19a4,19a5の高さ以上の寸 として構成したので、フェルト14a,14bの厚み が徐々に薄くなって各凸部が貫通しても、各 凸部の先端部分が大ギア15に接触することを いで、一定のトルクリミット値に基く安定 たスリップ動作が可能になり、また、上記 接触による異音発生を防ぐことができると う効果がある。
 また、大ギア15の上面に設けられる溝部20b1~ 20b3と、下面に設けられる溝部20a4,20a5が、当 大ギア15の上下方向において交互に配置され るように構成したので、大ギア15の薄型化が 能になってトルクリミッタ付きギア機構10a 薄型化を図ることができ、各機構部品を薄 構成することができるという効果がある。

実施の形態3.
 図9は、この発明の実施の形態3によるトル リミッタ付きギア機構の構成を示す説明図 ある。図2等に示したものと同一あるいは相 する部分に同じ符号を使用し、その部分の 複説明を省略する。図9は、実施の形態3に るトルクリミッタ付きギア機構の大ギア15等 の断面を示したもので、図示を省略した部分 は実施の形態1等で説明したものと概ね同様 構成されている。なお、図9に示した凸部19a, 19b及び溝部20a,20bは、図示した数に限定され ものではない。

 図9の大ギア15は、実施の形態2で説明した 大ギア15と同様に、図9において上面に設ける 複数の溝部20bと下面に設ける複数の溝部20aと を上下方向において重ならないように、例え ば等間隔をもって交互に配置して構成したも のである。また、溝部20a,20bの深さや幅、換 すると各溝部の延設方向即ち円周方向に直 する断面の大きさを、各溝部に対応する凸 19a,19b等の大きさと同じ、またはそれ以上と ながら、これらの溝部20a,20bを設ける大ギア 15の各部分が肉厚dとなるように構成している 。またさらに、ギア歯を設けている大ギア15 円周部分の肉厚d’も、前述の肉厚dと同様 ものとして大ギア15全体を同じ肉厚で構成し ている。

 以上のように、この発明の実施の形態3に よれば、大ギア15全体を同じ肉厚となるよう 構成したので、大ギア15の形成が容易にな 、また反りや変形の発生が少なくなって製 ばらつきを抑えることができ、一定のトル リミット値に基いて安定した抑制動作を行 トルクリミッタ付きギア機構が得られると う効果がある。

実施の形態4.
 図10は、この発明の実施の形態4によるトル リミッタ付きギア機構の構成を示す説明図 ある。図2等に示したものと同一あるいは相 当する部分に同じ符号を使用し、その部分の 重複説明を省略する。図10は、実施の形態4に よるトルクリミッタ付きギア機構の大ギア15 の断面を示したもので、図示を省略した部 は実施の形態1等で説明したものと概ね同様 に構成されている。
 図10に示した大ギア15は、上面に複数の溝部 20bが設けられ、下面にも複数の溝部20aが設け られている。これらの各溝部は、実施の形態 1等で説明したものと同様に小ギア13及び同期 部材16の各凸部に対応して設けられている。 お、図10に示した凸部19a,19b及び溝部20a,20bは 、図示した数に限定されるものではない。

 図10の大ギア15は、上面に設けられている各 溝部20aの間隔部分に複数の溝20cを設けている 。図10に例示したものは、上記の各間隔部分 各々二つの溝20cを設けている。各溝20cは、 部20aまたは溝部20bもしくは大ギア15と同心 状を成すものである。換言すると、各溝20c 、小ギア13及び同期部材16の各凸部に対応し いない位置に設けられている。このように ギア15は、複数の溝20cを設けてフェルト接 部を形成している。
 また、図10に示した溝20cは、隣合う溝20cと 間隔部分がエッジ形状となるように設けら ている。詳しくは、溝部20bの各間隔に設け れた複数の溝20cによって形成された複数の ッジ部がフェルト部材14bに接し、また溝部20 aの各間隔に設けられた複数の溝20cによって 成された複数のエッジ部がフェルト部材14a 接するように、大ギア15のフェルト部材14a,14 bと接する各面を構成している。

 以上のように、この発明の実施の形態4によ れば、小ギア13及び同期部材16に設けられて る各凸部と対応していない位置に大ギア15と 同心円状の複数の溝20cを備えたので、大ギア 15の軽量化を図ることができ、また大ギア15 フェルト部材14a,14bとの接触面積が少なくな 、フェルト部材14a,14bが溝部20cにガイドされ て確実にスリップするようになり、一定のト ルクリミット値に基いて安定した抑制動作を 行うことができるという効果がある。
 また、各溝20cの間隔部分をエッジ状に形成 、当該エッジ部が各フェルト部材14a,14bに接 するようにしたので、溝部20cにガイドされた フェルト部材14a,14bが確実にスリップするよ になり、一定のトルクリミット値に基いて 定した抑制動作を行うことができるという 果がある。

 なお、上記の各実施の形態では、大ギア1 5の上下面に溝部20a,20bを設け、フェルト部材1 4a,14bを介して対向する小ギア13および同期部 16の面に凸部19a,19bを設けた構成であるが、 ギア15の上下面に凸部19a,19bを設け、この上 面に対向する小ギア13および同期部材16の面 に溝部20a,20bを設ける構成としても、上記各 施の形態と同一の作用効果を得ることがで る。

 以上のように、この発明に係るトルクリ ッタ付きギア機構は、フェルト部材と接す 一方のギアの面に設けられている凸部に対 させて他方のギアの面に同心円状の溝部を けるように構成して、経時変化によりフェ ト部材の厚みが薄くなって凸部がフェルト 材を貫通しても、一方のギアの各凸部の先 部分と他方のギアとの接触を防ぐことがで 、設定されたトルクリミット値によるスリ プ発生が確実になり、トルクリミット値に く安定した抑制動作を行うことができ、ま 、接触による異音の発生を防ぐことができ トルクリミッタ付きギア機構を用いた車載 映像機器などに用いるのに適している。




 
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