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Title:
ELECTROCONDUCTIVE FINE PARTICLES, ANISOTROPIC ELECTROCONDUCTIVE MATERIAL, AND CONNECTION STRUCTURE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/008383
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides electroconductive fine particles which can reduce a connection resistance value and can realize high connection reliability, and an anisotropic electroconductive material and a connection structure using the electroconductive fine particles. The electroconductive fine particles comprise a resin fine particle and a metal layer containing nickel or palladium and a low-melting point metal layer containing a low-melting point metal and at least one group 13 element selected from the group consisting of thallium, indium, and gallium stacked in that order on the surface of the resin fine particle. The content of the group 13 element based on the total content of the metals contained in the low-melting point metal layer is 0.01 to 6% by weight.

Inventors:
UENOYAMA SHINYA (JP)
SASAKI TAKU (JP)
SUN REN-DE (JP)
KUBOTA TAKASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062221
Publication Date:
January 15, 2009
Filing Date:
July 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SEKISUI CHEMICAL CO LTD (JP)
UENOYAMA SHINYA (JP)
SASAKI TAKU (JP)
SUN REN-DE (JP)
KUBOTA TAKASHI (JP)
International Classes:
H01B5/00; H01B5/16; H01R11/01; H01R43/00; B23K35/26; C22C13/00
Domestic Patent References:
WO2006129713A12006-12-07
WO2006025485A12006-03-09
Foreign References:
JPH0536306A1993-02-12
JPS62188184A1987-08-17
Attorney, Agent or Firm:
YASUTOMI, Yasuo et al. (5-36 Miyahara 3-chome,Yodogawa-ku, Osaka-shi, Osaka 03, JP)
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Claims:
樹脂微粒子の表面に、ニッケル又はパラジウムを含有する金属層と、低融点金属とタリウム、インジウム及びガリウムからなる群より選択される少なくとも1種の第13族元素とを含有する低融点金属層とが順次積層されている導電性微粒子であって、
前記低融点金属層中に含有される金属の合計に占める前記第13族元素の含有量は、0.01~6重量%である
ことを特徴とする導電性微粒子。 
樹脂微粒子と金属層との間に、導電層を有することを特徴とする請求項1記載の導電性微粒子。
導電層は、銅を含有することを特徴とする請求項2記載の導電性微粒子。
第13族元素は、タリウムであることを特徴とする請求項1記載の導電性微粒子。
第13族元素の含有量は、0.01~2.5重量%であることを特徴とする請求項1記載の導電性微粒子。
請求項1、2、3、4又は5記載の導電性微粒子を用いてなることを特徴とする異方性導電材料。
請求項1、2、3、4若しくは5記載の導電性微粒子、又は、請求項6記載の異方性導電材料を用いてなることを特徴とする接続構造体。
Description:
導電性微粒子、異方性導電材料 び接続構造体

本発明は、接続抵抗値を低減させることが でき、高い接続信頼性を実現することができ る、導電性微粒子に関する。また、本発明は 、該導電性微粒子を用いてなる、異方性導電 材料及び接続構造体に関する。

従来、電子回路基板において、ICやLSIは、IC LSIの電極をプリント基板にハンダ付けする とによって、接続されていた。しかし、ハ ダ付けを用いた場合、プリント基板と、ICや LSIとの接続が効率的ではなく、更に、ICやLSI 実装密度を向上させることが困難であると う問題があった。
この問題を解決するためにハンダを球状にし た、「ハンダボール」を用いて、ICやLSIを基 に接続するBGA(ボールグリッドアレイ)が開 された。BGAを用いると、チップ又は基板に 装されたハンダボールを高温で溶融させる とにより、基板とチップとを接続できる。 って、電子回路基板の生産効率が改善され チップの実装密度が向上した電子回路基板 製造できる。

近年、電子部品の小型化が要求されている ため、電子回路基板の多層化が進んでいる。 多層基板は使用環境の影響を受けやすいこと から、基板に歪みや伸縮が発生することがあ った。その結果、基板間の接続部が断線する という問題があった。例えば、ハンダボール を用いて半導体を基板に接続すると、半導体 と基板との線膨張係数が違うため、ハンダボ ールに応力が加わる。ハンダボールに応力が 加わると、ハンダボールに亀裂が入り、基板 間の接続部が断線することがあった。

特許文献1や特許文献2には、樹脂微粒子の 面に無電解めっきや電解めっきにより金属 を設けた導電性微粒子が開示されている。 脂微粒子の表面に金属層を設けた導電性微 子を用いれば、柔軟な樹脂微粒子が導電性 粒子に加わる応力を緩和する。従って、半 体と基板との接続部に応力が発生しても、 導体と基板との接続部の導通が維持できる

特許文献1や特許文献2に開示されている導 性微粒子を用いた接続方法では、導電性微 子が電極と点接触しているため、充分な導 が得られないという問題があった。この問 に対して、特許文献3には、銅等の金属層上 に更にハンダ層を設けた導電性微粒子が開示 されている。ハンダ層を設けた導電性微粒子 は、リフロー工程を経ることによりハンダ層 が溶融し、導電性微粒子が電極に面接触した 状態で接合する。従って、特許文献3に開示 れている導電性微粒子を用いることにより 高い導通性能が得られる。実際、粒子径が10 0μmを超える大きな導電性微粒子を用いて接 を行った場合には、充分な導通を得ること できていた。なお、上記リフロー工程は、 基板上で電子部品を接続する箇所に予めハ ダ層を設けた導電性微粒子を供給し、加熱 るハンダ付けの工程」を意味する。

しかし、近年の電子部品は小型化が進んでい る。電子部品を小型化するためには、電子部 品の隣接する電極間の距離が100μm未満である ことが要求されている。ところが、例えば、 特許文献3の記載に基づいて、粒子径100μm未 の導電性微粒子を作製し、隣接する電極間 距離が100μm未満の電子部品を接続した場合 充分な導通が得られなかった。更に、粒子 100μm未満の導電性微粒子を作製する段階で2 以上の導電性微粒子が凝集してしまうため 凝集した導電性微粒子を介して隣接する電 間で短絡が発生してしまうという問題があ た。

特開平5-036306号公報

特開平9-306231号公報

特開2001-220691号公報

本発明は、接続抵抗値を低減させることが でき、高い接続信頼性を実現することができ る、導電性微粒子を提供することを目的とす る。また、本発明は、該導電性微粒子を用い てなる、異方性導電材料及び接続構造体を提 供することを目的とする。

本発明は、樹脂微粒子の表面に、ニッケル又 はパラジウムを含有する金属層と、低融点金 属とタリウム、インジウム及びガリウムから なる群より選択される少なくとも1種の第13族 元素とを含有する低融点金属層とが順次積層 されている導電性微粒子であって、上記低融 点金属層中に含有される金属の合計に占める 上記第13族元素の含有量は、0.01~6重量%である 導電性微粒子である。
以下に本発明を詳述する。

金属層上に錫等を含有する低融点金属層が 設けられた導電性微粒子は、加熱されると金 属層と低融点金属層との間で金属の相互拡散 が起こることが知られていた。特に平均粒子 径が100μm未満の導電性微粒子は、金属層及び 低融点金属層の厚さが薄いため、各金属層間 の金属の相互拡散が起こりやすかった。その 結果、導電性微粒子と電極との導通性能が大 幅に低下する原因となっていた。

そこで、本発明者らは、樹脂微粒子の表面に ニッケル等の特定の金属を含有する金属層と 低融点金属層とを順次積層することにより、 各金属層間の金属の相互拡散を防止できる導 電性微粒子が得られることを見出した。また 、この導電性微粒子は、平均粒子径が100μm未 満の導電性微粒子であっても、電子部品の実 装に用いることができることを見出した。
しかしながら、金属層の表面に低融点金属層 を形成すると、低融点金属層の表面が凹凸形 状となり、低融点金属層の厚みが均一となら ないことがあった。その結果、導電性微粒子 と電極との接続抵抗値が高くなるという新た な課題が生じていた。

そこで、本発明者らは、低融点金属層に所 定量のタリウム、インジウム及びガリウムか らなる群より選択される少なくとも1種の第13 族元素を含有させることにより、低融点金属 層の表面に凹凸がなく、低融点金属層の厚み が均一となる導電性微粒子が得られることを 見出し、本発明を完成させるに至った。本発 明の導電性微粒子を用いて導電接続すると、 電極間の接続抵抗値を低減させることができ 、接続信頼性を大幅に向上させることができ る。

本発明の導電性微粒子は、樹脂微粒子の表面 に、ニッケル又はパラジウムを含有する金属 層と低融点金属層とが順次積層された構造を 有する。
上記樹脂微粒子を構成する樹脂は特に限定さ れず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ ン、ポリスチレン、ポリイソブチレン、ポリ ブタジエン等のポリオレフィン、ポリメチル メタクリレート、ポリメチルアクリレート等 のアクリル樹脂、ポリアルキレンテレフタレ ート、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポ リアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂 等のフェノール樹脂、メラミンホルムアルデ ヒド樹脂等のメラミン樹脂、ベンゾグアナミ ンホルムアルデヒド樹脂等のベンゾグアナミ ン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、エポキ シ樹脂、(不)飽和ポリエステル樹脂、ポリエ レンテレフタレート、ポリスルホン、ポリ ェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポ イミド、ポリアミドイミド、ポリエーテル トン、ポリエーテルスルホン等が挙げられ 。なかでも、エチレン性不飽和基を有する 合性単量体を1種又は2種以上重合させた樹 は、好適な硬さの樹脂微粒子を得やすいこ から好ましい。

上記樹脂微粒子の平均粒子径は特に限定され ないが、好ましい下限は1μm、好ましい上限 90μmである。上記樹脂微粒子の平均粒子径が 1μm未満であると、樹脂微粒子が凝集しやす 、凝集した樹脂微粒子を用いて得られた導 性微粒子が隣接する電極間の短絡を引き起 すことがある。上記樹脂微粒子の平均粒子 が90μmを超えると、粒子径が100μm以下の導電 性微粒子を製造できないことがある。上記樹 脂微粒子の平均粒子径のより好ましい下限は 2μm、より好ましい上限は50μmである。
なお、本明細書において樹脂微粒子の平均粒 子径は光学顕微鏡、又は、電子顕微鏡を用い て無作為に選んだ50個の粒子を観察して得ら た直径の平均値を意味する。

上記樹脂微粒子の平均粒子径の変動係数は特 に限定されないが、好ましい上限は10%である 。上記変動係数が10%を超えると、得られた導 電性微粒子が相対向する電極間隔を均一に制 御できないことがある。
なお、上記変動係数は、粒子径分布から得ら れた標準偏差を平均粒子径で除して得られた 数値である。

上記樹脂微粒子の10%K値は特に限定されない 、好ましい下限は1000MPa、好ましい上限は1500 0MPaである。上記10%K値が1000MPa未満であると、 得られた樹脂微粒子の強度が充分ではなく圧 縮変形させたときに粒子の破壊が生じること がある。その結果、相対向する電極間隔を均 一に制御できないことがある。上記10%K値が15 000MPaを超えると、導電性微粒子により、電極 が損傷することがある。上記10%K値のより好 しい下限は2000MPa、より好ましい上限は10000MP aである。
なお、上記10%K値は、微小圧縮試験器(例えば 島津製作所社製「PCT-200」)を用い、粒子を 径50μmのダイアモンド製円柱の平滑圧子端面 で、圧縮速度2.6mN/秒、最大試験荷重10gの条件 下で圧縮した場合の圧縮変位(mm)を測定し、 記式により求めることができる。
  K値(N/mm 2 )=(3/√2)・F・S -3/2 ・R -1/2
   F:粒子の10%圧縮変形における荷重値(N)
   S:粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm)
   R:粒子の半径(mm)

上記樹脂微粒子の回復率は特に限定されない が、好ましい下限は20%である。上記回復率が 20%未満であると、得られた導電性微粒子が圧 縮された後、導電性微粒子が変形されたまま 形状が回復しなくなり、接続抵抗値が高くな ることがある。上記回復率のより好ましい下 限は40%である。
なお、上記回復率は、粒子に9.8mNの荷重を負 した後の回復率をいう。

本発明の導電性微粒子は、樹脂微粒子の表面 に、ニッケル又はパラジウムを含有する金属 層を有する。なお、上記金属層は、銅等の金 属を含有する導電層を介して、樹脂微粒子の 表面に形成されていてもよい。
上記金属層は、上記低融点金属層と上記金属 層との間で、金属の相互拡散を抑制し、導電 性の低下を防止する役割を有する。特に、上 記金属層が、銅等の金属を含有する導電層を 介して、上記導電層の表面に形成されている 導電性微粒子は、銅等の金属と上記低融点金 属との間での金属の相互拡散を防止できる。
上記金属層を構成する金属のなかでも、上記 金属層の形成が容易であることからニッケル が好適である。

本発明の導電性微粒子は、樹脂微粒子の表面 に、ニッケル又はパラジウムを含有する金属 層と、低融点金属とタリウム、インジウム及 びガリウムからなる群より選択される少なく とも1種の第13族元素とを含有する低融点金属 層とが順次積層されている導電性微粒子であ る。このような導電性微粒子の場合、上記金 属層は、上記低融点金属層に拡散しにくい金 属で構成されていることが必要である。
また、本発明の導電性微粒子は、樹脂微粒子 の表面に、銅等の金属を含有する導電層と、 ニッケル又はパラジウムを含有する金属層と 、低融点金属とタリウム、インジウム及びガ リウムからなる群より選択される少なくとも 1種の第13族元素とを含有する低融点金属層と が順次積層されている導電性微粒子であって もよい。このような導電性微粒子の場合、上 記金属層は、上記低融点金属層に拡散しにく い金属で構成されており、かつ、上記銅等の 金属が上記低融点金属層に拡散することを防 止できる金属で構成されていることが好まし い。

上記金属層の厚さは特に限定されないが、 好ましい下限は0.02μm、好ましい上限は2μmで る。上記金属層の厚さが0.02μm未満であると 、上記金属層が割れやすくなることがある。 上記金属層の厚さが2μmを超えると、上記金 層を形成する際に、導電性微粒子が凝集し すく、凝集した導電性微粒子は隣接する電 間の短絡を引き起こすことがある。更に、 られた導電性微粒子の柔軟性が損なわれる とがある。上記金属層の厚さのより好まし 下限は0.05μm、より好ましい上限は1μmである 。

本発明の導電性微粒子は、低融点金属とタリ ウム、インジウム及びガリウムからなる群よ り選択される少なくとも1種の第13族元素とを 含有する低融点金属層を有する。
上記低融点金属層は、リフロー工程により溶 融して電極に接合し、電極間を導通させる役 割を有する。

本発明における上記低融点金属層中に含有さ れる金属の合計に占めるタリウム、インジウ ム及びガリウムからなる群より選択される少 なくとも1種の第13族元素の含有量は、0.01~6重 量%である。
従来のめっき方法で、上記金属層の表面に低 融点金属層を形成すると、低融点金属層の表 面が凹凸形状となり、厚みが均一とならない 。その結果、接続抵抗値が高くなってしまう 。しかしながら、上記低融点金属層中に、タ リウム、インジウム及びガリウムからなる群 より選択される少なくとも1種の第13族元素を 所定量含有することで、上記金属層の表面に 低融点金属層が均一に形成された導電性微粒 子が得られる。その結果、接続抵抗値が低く なる。
また、形成された低融点金属層は、低融点金 属の結晶子径が小さく、緻密なめっき構造と なるため、適度な硬度を有する。本発明の導 電性微粒子を異方性導電材料に使用した場合 、異方性導電材料に含まれるバインダー樹脂 を容易に排除し、導電性微粒子が電極に接触 できるため、接続抵抗値を低減させることが できる。

上記低融点金属層中に含有される金属の合計 に占めるタリウム、インジウム及びガリウム からなる群より選択される少なくとも1種の 13族元素の含有量の下限は、0.01重量%、上限 6重量%である。上記第13族元素の含有量が0.0 1重量%未満であると、低融点金属層の表面が 凸形状となり、厚みが均一とならないため 電極間の接続抵抗値が高くなる。上記第13 元素の含有量が6重量%を超えると、低融点金 属層に含まれる低融点金属の含有量が減少す るため、電極間の接続抵抗値が高くなる。上 記第13族元素の含有量の好ましい上限は2.5重 %であり、より好ましい上限は1.0重量%であ 。
なお、上記第13族元素の含有量は、エネルギ 分散蛍光X線分析装置(島津製作所社製「Rayny  EDX-800HS」)により測定できる。

上記低融点金属層を構成する低融点金属は特 に限定されないが、錫、又は錫を含有する合 金であることが好ましい。上記合金は、錫- 合金、錫-銅合金、錫-銀-銅合金、錫-ビスマ 合金、錫-亜鉛合金等が挙げられる。
なかでも、融点が低いことから、低融点金属 は、錫、錫-銀合金、錫-銀-銅合金が好適であ る。

更に、上記低融点金属層と電極との接合強度 を向上させるために、上記低融点金属層に、 ニッケル、銅、アンチモン、アルミニウム、 亜鉛、鉄、金、チタン、リン、ゲルマニウム 、テルル、コバルト、ビスマス、マンガン、 クロム、モリブデン、パラジウム等の金属を 含有させてもよい。なかでも、上記低融点金 属層と電極との接合強度を向上させる効果に 優れていることから、上記低融点金属層に、 ニッケル、銅、アンチモン、アルミニウム、 亜鉛を含有させることが好適である。
上記低融点金属層中に含有される金属の合計 に占める上記金属の含有量は特に限定されな いが、好ましい下限は0.0001重量%、好ましい 限は1重量%である。上記低融点金属層中に含 有される金属の合計に占める上記金属の含有 量が、0.0001~1重量%の範囲内であることにより 、上記低融点金属層と電極との接合強度をよ り向上させることができる。

上記低融点金属層に含まれる低融点金属の平 均結晶子径は特に限定されないが、好ましい 上限は40nmである。上記平均結晶子径が40nmを えると、低融点金属層の硬度が低下し、電 との接合強度が充分に得られないことがあ 。
なお、平均結晶子径は、X線回折による低融 金属結晶の(111)ピークから機器依存の値を取 り除いた半値幅を算出し、Scherrerの式を用い ことにより算出できる。

上記低融点金属層の厚さは特に限定されな いが、好ましい下限は0.05μm、好ましい上限 10μmである。上記低融点金属層の厚さが0.05μ m未満であると、リフローして溶融させても 分に電極に接合できないことがある。上記 融点金属層の厚さが10μmを超えると、上記低 融点金属層を形成する際に導電性微粒子が凝 集しやすく、凝集した導電性微粒子は隣接す る電極間の短絡を引き起こすことがある。上 記低融点金属層の厚さのより好ましい下限は 0.1μm、より好ましい上限は6μmである。

本発明の導電性微粒子の平均粒子径は特に限 定されないが、好ましい下限は2μm、好まし 上限は100μmである。本発明の導電性微粒子 平均粒子径が2μm未満であると、導電性微粒 の製造時に、導電性微粒子が凝集すること ある。本発明の導電性微粒子の平均粒子径 100μmを超えると、本発明の優れた効果が充 に発揮されないことがある。上記平均粒子 のより好ましい上限は60μmである。
なお、上記導電微粒子の平均粒子径は光学顕 微鏡、又は、電子顕微鏡を用いて無作為に選 んだ50個の粒子を観察して得られた直径の平 値である。

本発明の導電性微粒子を製造する方法は特に 限定されない。しかしながら、従来の電解め っき法により金属層や低融点金属層を形成す る方法では、平均粒子径が100μm未満の導電性 微粒子を製造することは困難である。これは 、小さな樹脂微粒子に電解めっき法によりめ っきを施そうとすると、樹脂微粒子が凝集し て均一なめっきができないからである。
本発明者らは、金属層及び低融点金属層をそ れぞれ無電解めっき法により形成させた場合 に、平均粒子径が100μm未満の導電性微粒子で あってもほとんど凝集せず、めっき層を形成 できることを見出した。

更に、本発明者らは、無電解めっき法にお いて、所定量のタリウム、インジウム及びガ リウムからなる群より選択される少なくとも 1種の第13族元素の塩を含有する低融点金属め っき液を用いることで、導電性微粒子の表面 に凹凸がなく、均一な厚さの低融点金属層を 形成でき、接続抵抗値が低く、接続信頼性に 優れる導電性微粒子が得られることを見出し た。

本発明の導電性微粒子を製造する方法は特 に限定されないが、樹脂微粒子の表面に無電 解めっき法によりニッケル又はパラジウムを 含有する金属層を形成する工程と、上記金属 層上に、低融点金属めっき液を用い、無電解 めっき法により低融点金属とタリウム、イン ジウム及びガリウムからなる群より選択され る少なくとも1種の第13族元素とを含有する低 融点金属層を形成する工程を有する導電性微 粒子の製造方法であって、上記低融点金属層 を形成する工程において、上記低融点金属塩 と上記第13族元素の塩とを含有する低融点金 めっき液を用いる導電性微粒子の製造方法 あることが好ましい。

上記低融点金属層を形成する工程において、 前期めっき工程として、上記低融点金属塩と 上記第13族元素の塩とを含有する低融点金属 っき液を用いて上記第13族元素を含有する 融点金属層を形成し、次いで後期めっき工 として、上記第13族元素の塩を含有しない低 融点金属めっき液を用いて上記第13族元素を 有しない低融点金属層を形成させることも きる。
前期めっき工程と後期めっき工程とを行なう ことにより、低融点金属層全体に含有される 金属に占める上記第13族元素の含有量を容易 調整できる。

本発明の導電性微粒子を製造する方法では、 上記樹脂微粒子の表面に無電解めっき法によ りニッケル又はパラジウムを含有する金属層 を形成する工程において、従来公知の無電解 めっき法と同様の方法を用いることができる 。
なお、銅等の金属を含有する導電層を形成す る工程を有する場合も、従来公知の無電解め っき法と同様の方法を用いることができる。

本発明の導電性微粒子を製造する方法では、 低融点金属層を形成する工程において、低融 点金属塩と上記第13族元素の塩とを含有し、 つ、上記第13族元素の塩の含有量が低融点 属塩100重量部に対して0.05~5重量部である低 点金属めっき液を用いることが好ましい。
上記第13族元素の塩の含有量が0.05重量部未満 であると、低融点金属層の表面が凹凸形状と なり、厚みが均一とならないことがある。上 記第13族元素の塩の含有量が5重量部を超える と、めっき反応が進行しないことがある。上 記第13族元素の塩の含有量は0.1~3重量部であ ことがより好ましい。

上記低融点金属塩は特に限定されず、塩化錫 等が挙げられる。
上記第13族元素の塩は特に限定されず、上記 13族元素の硝酸塩、上記第13族元素の塩化物 等が挙げられる。具体的には、例えば、硝酸 タリウム、硫酸タリウム、塩化タリウム、硝 酸ガリウム、硫酸ガリウム、塩化ガリウム、 硝酸インジウム、硫酸インジウム、塩化イン ジウム等が挙げられる。

本発明の導電性微粒子は、絶縁性のバインダ ー樹脂中に分散させることにより異方性導電 材料としても好適に用いることができる。例 えば、本発明の導電性微粒子をバインダー樹 脂や粘接着剤等と混合、混練することにより 、異方性導電ペースト、異方性導電インク、 異方性導電粘接着剤、異方性導電フィルム、 異方性導電シート等の異方性導電材料として 使用できる。本発明の導電性微粒子を用いて なる異方性導電材料もまた、本発明の1つで る。
また、本発明の導電性微粒子は特に狭小な電 極間の導電接続に用いたときに、高い接続信 頼性を発揮できる接続構造体が得られる。本 発明の導電性微粒子を用いてなる接続構造体 もまた、本発明の1つである。

本発明は、接続抵抗値を低減させることが でき、高い接続信頼性を実現することができ る、導電性微粒子を提供することを目的とす る。また、本発明は、該導電性微粒子を用い てなる、異方性導電材料及び接続構造体を提 供することを目的とする。

以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に 詳しく説明するが、本発明はこれら実施例の みに限定されない。

(実施例1)
テトラメチロールメタンテトラアクリレート 50重量部とジビニルベンゼン50重量部とを共 合させて得られた、平均粒子径10μmの樹脂微 粒子5gに、パラジウム触媒を担持させた。次 で、下記銅めっき液(pH10、めっき液温65℃) て無電解銅めっきを行い、樹脂微粒子表面 厚さ0.2μmの銅めっき層(導電層)を形成した。

(銅めっき液組成)
硫酸銅五水和物:21g/L
ホルムアルデヒド:60g/L
エチレンジアミン四酢酸:45g/L
ビピリジル:40ppm
ポリエチレングリコール(分子量1000):50ppm

上記銅めっき層を形成した銅めっき被覆樹 脂微粒子の表面に、パラジウム触媒を担持さ せた。次いで、下記ニッケルめっき液(pH12、 っき液温50℃)にて無電解ニッケルめっきを い、銅めっき層の上に厚さ0.05μmのニッケル めっき層(金属層)を形成した。

(ニッケルめっき液組成)
硫酸ニッケル六水和物:450g/L
次亜リン酸ナトリウム:150g/L
クエン酸ナトリウム:116g/L
トリエタノールアミン:7.5g/L
硝酸タリウム:2ppm

上記ニッケルめっき層を形成したニッケル めっき被覆樹脂微粒子を下記錫めっき液(pH9 めっき液温50℃)にて無電解錫めっきを行い ニッケルめっき層の上に厚さ1μmの錫めっき (低融点金属層)を形成し、平均粒子径12.5μm 導電性微粒子を得た。

(錫めっき液組成)
塩化錫(II)二水和物:18g/L
塩化チタン(III):26g/L
クエン酸ナトリウム:50g/L
ニトリロ酢酸三ナトリウム一水和物:38g/L
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和 物:43g/L
グリシルグリシン:250ppm
ベンゾトリアゾール:100ppm
硝酸タリウム:20ppm

なお、上記錫めっき層中に含有される金属 の合計に占めるタリウムの含有量は、エネル ギー分散蛍光X線分析装置(島津製作所社製「R ayny EDX-800HS」)により求めた。以下、同様と る。

(実施例2)
錫めっき層を形成する際に錫めっき液を以下 の組成とした以外は、実施例1と同様にして 電性微粒子を得た。

(錫めっき液組成)
塩化錫(II)二水和物:18g/L
塩化チタン(III):26g/L
クエン酸ナトリウム:50g/L
ニトリロ酢酸三ナトリウム一水和物:38g/L
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和 物:43g/L
グリシルグリシン:250ppm
ベンゾトリアゾール:100ppm
硝酸タリウム:100ppm

(実施例3)
錫めっき層を形成する際に錫めっき液を以下 の組成とした以外は、実施例1と同様にして 電性微粒子を得た。

(錫めっき液組成)
塩化錫(II)二水和物:18g/L
塩化チタン(III):26g/L
クエン酸ナトリウム:50g/L
ニトリロ酢酸三ナトリウム一水和物:38g/L
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和 物:43g/L
グリシルグリシン:250ppm
ベンゾトリアゾール:100ppm
硝酸タリウム:250ppm

(実施例4)
錫めっき層を形成する際に錫めっき液を以下 の組成とした以外は、実施例1と同様にして 電性微粒子を得た。

(錫めっき液組成)
塩化錫(II)二水和物:18g/L
塩化チタン(III):26g/L
クエン酸ナトリウム:50g/L
ニトリロ酢酸三ナトリウム一水和物:38g/L
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和 物:43g/L
グリシルグリシン:250ppm
ベンゾトリアゾール:100ppm
硝酸タリウム:400ppm

(実施例5)
テトラメチロールメタンテトラアクリレート 50重量部とジビニルベンゼン50重量部とを共 合させて得られた、平均粒子径10μmの樹脂微 粒子5gに、パラジウム触媒を担持させた。次 で、下記ニッケルめっき液(pH12、めっき液 50℃)にて無電解ニッケルめっきを行い、厚 0.05μmのニッケルめっき層(金属層)を形成し 。

(ニッケルめっき液組成)
硫酸ニッケル六水和物:450g/L
次亜リン酸ナトリウム:150g/L
クエン酸ナトリウム:116g/L
トリエタノールアミン:7.5g/L
硝酸タリウム:2ppm

上記ニッケルめっき層を形成したニッケル めっき被覆樹脂微粒子を下記錫めっき液(pH9 めっき液温50℃)にて無電解錫めっきを行い ニッケルめっき層の上に厚さ1μmの錫めっき (低融点金属層)を形成し、平均粒子径12.1μm 導電性微粒子を得た。

(錫めっき液組成)
塩化錫(II)二水和物:18g/L
塩化チタン(III):26g/L
クエン酸ナトリウム:50g/L
ニトリロ酢酸三ナトリウム一水和物:38g/L
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和 物:43g/L
グリシルグリシン:250ppm
ベンゾトリアゾール:100ppm
硝酸タリウム:20ppm

(実施例6)
錫めっき層を形成する際に錫めっき液を以下 の組成とした以外は、実施例5と同様にして 電性微粒子を得た。

(錫めっき液組成)
塩化錫(II)二水和物:18g/L
塩化チタン(III):26g/L
クエン酸ナトリウム:50g/L
ニトリロ酢酸三ナトリウム一水和物:38g/L
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和 物:43g/L
グリシルグリシン:250ppm
ベンゾトリアゾール:100ppm
硝酸タリウム:100ppm

(実施例7)
錫めっき層を形成する際に錫めっき液を以下 の組成とした以外は、実施例5と同様にして 電性微粒子を得た。

(錫めっき液組成)
塩化錫(II)二水和物:18g/L
塩化チタン(III):26g/L
クエン酸ナトリウム:50g/L
ニトリロ酢酸三ナトリウム一水和物:38g/L
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和 物:43g/L
グリシルグリシン:250ppm
ベンゾトリアゾール:100ppm
硝酸タリウム:250ppm

(実施例8)
錫めっき層を形成する際に錫めっき液を以下 の組成とした以外は、実施例5と同様にして 電性微粒子を得た。

(錫めっき液組成)
塩化錫(II)二水和物:18g/L
塩化チタン(III):26g/L
クエン酸ナトリウム:50g/L
ニトリロ酢酸三ナトリウム一水和物:38g/L
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和 物:43g/L
グリシルグリシン:250ppm
ベンゾトリアゾール:100ppm
硝酸タリウム:400ppm

(実施例9)
テトラメチロールメタンテトラアクリレート 50重量部とジビニルベンゼン50重量部とを共 合させて得られた、平均粒子径10μmの樹脂微 粒子5gに、パラジウム触媒を担持させた。次 で、下記銅めっき液(pH10、めっき液温65℃) て無電解銅めっきを行い、樹脂微粒子表面 厚さ0.2μmの銅めっき層(導電層)を形成した。

(銅めっき液組成)
硫酸銅五水和物:21g/L
ホルムアルデヒド:60g/L
エチレンジアミン四酢酸:45g/L
ビピリジル:40ppm
ポリエチレングリコール(分子量1000):50ppm

上記銅めっき層を形成した銅めっき被覆樹 脂微粒子の表面に、パラジウム触媒を担持さ せた。次いで、下記パラジウムめっき液(pH10 めっき液温50℃)にて無電解パラジウムめっ を行い、銅めっき層の上に厚さ0.05μmのパラ ジウムめっき層(金属層)を形成した。

(パラジウムめっき液組成)
硫酸パラジウム:4.0mol/L
エチレンジアミン:2.4g/L
ギ酸ナトリウム:4.0mol/L

上記パラジウムめっき層を形成したパラジ ウムめっき被覆樹脂微粒子を下記錫めっき液 (pH9、めっき液温50℃)にて無電解錫めっきを い、パラジウムめっき層の上に厚さ1μmの錫 っき層(低融点金属層)を形成し、平均粒子 12.5μmの導電性微粒子を得た。

(錫めっき液組成)
塩化錫(II)二水和物:18g/L
塩化チタン(III):26g/L
クエン酸ナトリウム:50g/L
ニトリロ酢酸三ナトリウム一水和物:38g/L
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和 物:43g/L
グリシルグリシン:250ppm
ベンゾトリアゾール:100ppm
硝酸タリウム:20ppm

(実施例10)
テトラメチロールメタンテトラアクリレート 50重量部とジビニルベンゼン50重量部とを共 合させて得られた、平均粒子径10μmの樹脂微 粒子5gに、パラジウム触媒を担持させた。次 で、下記銅めっき液(pH10、めっき液温65℃) て無電解銅めっきを行い、樹脂微粒子表面 厚さ0.2μmの銅めっき層(導電層)を形成した。

(銅めっき液組成)
硫酸銅五水和物:21g/L
ホルムアルデヒド:60g/L
エチレンジアミン四酢酸:45g/L
ビピリジル:40ppm
ポリエチレングリコール(分子量1000):50ppm

上記銅めっき層を形成した銅めっき被覆樹 脂微粒子の表面に、パラジウム触媒を担持さ せた。次いで、下記ニッケルめっき液(pH12、 っき液温50℃)にて無電解ニッケルめっきを い、銅めっき層の上に厚さ0.05μmのニッケル めっき層(金属層)を形成した。

(ニッケルめっき液組成)
硫酸ニッケル六水和物:450g/L
次亜リン酸ナトリウム:150g/L
クエン酸ナトリウム:116g/L
トリエタノールアミン:7.5g/L
硝酸タリウム:2ppm

上記ニッケルめっき層を形成したニッケル めっき被覆樹脂微粒子を下記錫めっき液(pH9 めっき液温50℃)にて無電解錫めっきを行い ニッケルめっき層の上に厚さ1μmの錫めっき (低融点金属層)を形成し、平均粒子径12.5μm 導電性微粒子を得た。

(錫めっき液組成)
塩化錫(II)二水和物:18g/L
塩化チタン(III):26g/L
クエン酸ナトリウム:50g/L
ニトリロ酢酸三ナトリウム一水和物:38g/L
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和 物:43g/L
グリシルグリシン:250ppm
ベンゾトリアゾール:100ppm
硝酸ガリウム:20ppm

なお、上記錫めっき層中に含有される金属 の合計に占めるガリウムの含有量は、エネル ギー分散蛍光X線分析装置(島津製作所社製「R ayny EDX-800HS」)により求めた。以下、同様と る。

(実施例11)
錫めっき層を形成する際に錫めっき液を以下 の組成とした以外は、実施例10と同様にして 電性微粒子を得た。

(錫めっき液組成)
塩化錫(II)二水和物:18g/L
塩化チタン(III):26g/L
クエン酸ナトリウム:50g/L
ニトリロ酢酸三ナトリウム一水和物:38g/L
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和 物:43g/L
グリシルグリシン:250ppm
ベンゾトリアゾール:100ppm
硝酸ガリウム:100ppm

(実施例12)
錫めっき層を形成する際に錫めっき液を以下 の組成とした以外は、実施例10と同様にして 電性微粒子を得た。

(錫めっき液組成)
塩化錫(II)二水和物:18g/L
塩化チタン(III):26g/L
クエン酸ナトリウム:50g/L
ニトリロ酢酸三ナトリウム一水和物:38g/L
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和 物:43g/L
グリシルグリシン:250ppm
ベンゾトリアゾール:100ppm
硝酸ガリウム:250ppm

(実施例13)
錫めっき層を形成する際に錫めっき液を以下 の組成とした以外は、実施例10と同様にして 電性微粒子を得た。

(錫めっき液組成)
塩化錫(II)二水和物:18g/L
塩化チタン(III):26g/L
クエン酸ナトリウム:50g/L
ニトリロ酢酸三ナトリウム一水和物:38g/L
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和 物:43g/L
グリシルグリシン:250ppm
ベンゾトリアゾール:100ppm
硝酸ガリウム:400ppm

(実施例14)
テトラメチロールメタンテトラアクリレート 50重量部とジビニルベンゼン50重量部とを共 合させて得られた、平均粒子径10μmの樹脂微 粒子5gに、パラジウム触媒を担持させた。次 で、下記銅めっき液(pH10、めっき液温65℃) て無電解銅めっきを行い、樹脂微粒子表面 厚さ0.2μmの銅めっき層(導電層)を形成した。

(銅めっき液組成)
硫酸銅五水和物:21g/L
ホルムアルデヒド:60g/L
エチレンジアミン四酢酸:45g/L
ビピリジル:40ppm
ポリエチレングリコール(分子量1000):50ppm

上記銅めっき層を形成した銅めっき被覆樹 脂微粒子の表面に、パラジウム触媒を担持さ せた。次いで、下記ニッケルめっき液(pH12、 っき液温50℃)にて無電解ニッケルめっきを い、銅めっき層の上に厚さ0.05μmのニッケル めっき層(金属層)を形成した。

(ニッケルめっき液組成)
硫酸ニッケル六水和物:450g/L
次亜リン酸ナトリウム:150g/L
クエン酸ナトリウム:116g/L
トリエタノールアミン:7.5g/L
硝酸タリウム:2ppm

上記ニッケルめっき層を形成したニッケル めっき被覆樹脂微粒子を下記錫めっき液(pH9 めっき液温50℃)にて無電解錫めっきを行い ニッケルめっき層の上に厚さ1μmの錫めっき (低融点金属層)を形成し、平均粒子径12.5μm 導電性微粒子を得た。

(錫めっき液組成)
塩化錫(II)二水和物:18g/L
塩化チタン(III):26g/L
クエン酸ナトリウム:50g/L
ニトリロ酢酸三ナトリウム一水和物:38g/L
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和 物:43g/L
グリシルグリシン:250ppm
ベンゾトリアゾール:100ppm
硝酸インジウム:20ppm

なお、上記錫めっき層中に含有される金属 の合計に占めるインジウムの含有量は、エネ ルギー分散蛍光X線分析装置(島津製作所社製 Rayny EDX-800HS」)により求めた。以下、同様 する。

(実施例15)
錫めっき層を形成する際に錫めっき液を以下 の組成とした以外は、実施例14と同様にして 電性微粒子を得た。

(錫めっき液組成)
塩化錫(II)二水和物:18g/L
塩化チタン(III):26g/L
クエン酸ナトリウム:50g/L
ニトリロ酢酸三ナトリウム一水和物:38g/L
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和 物:43g/L
グリシルグリシン:250ppm
ベンゾトリアゾール:100ppm
硝酸インジウム:100ppm

(実施例16)
錫めっき層を形成する際に錫めっき液を以下 の組成とした以外は、実施例14と同様にして 電性微粒子を得た。

(錫めっき液組成)
塩化錫(II)二水和物:18g/L
塩化チタン(III):26g/L
クエン酸ナトリウム:50g/L
ニトリロ酢酸三ナトリウム一水和物:38g/L
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和 物:43g/L
グリシルグリシン:250ppm
ベンゾトリアゾール:100ppm
硝酸インジウム:250ppm

(実施例17)
錫めっき層を形成する際に錫めっき液を以下 の組成とした以外は、実施例14と同様にして 電性微粒子を得た。

(錫めっき液組成)
塩化錫(II)二水和物:18g/L
塩化チタン(III):26g/L
クエン酸ナトリウム:50g/L
ニトリロ酢酸三ナトリウム一水和物:38g/L
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和 物:43g/L
グリシルグリシン:250ppm
ベンゾトリアゾール:100ppm
硝酸インジウム:400ppm

(比較例1)
錫めっき層を形成する際に錫めっき液に硝酸 タリウムを添加しなかったこと以外は、実施 例1と同様にして導電性微粒子を得た。なお 得られた導電性微粒子には、均一な厚さの 融点金属層が形成されていなかったため、 均粒子径の測定を行なわなかった。

(比較例2)
錫めっき層を形成する際に錫めっき液を以下 の組成とした以外は、実施例1と同様にして 電性微粒子を得た。

(錫めっき液組成)
塩化錫(II)二水和物:18g/L
塩化チタン(III):26g/L
クエン酸ナトリウム:50g/L
ニトリロ酢酸三ナトリウム一水和物:38g/L
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和 物:43g/L
グリシルグリシン:250ppm
ベンゾトリアゾール:100ppm
硝酸タリウム:700ppm

(比較例3)
錫めっき層を形成する際に錫めっき液に硝酸 タリウムを添加しなかったこと以外は、実施 例5と同様にして導電性微粒子を得た。なお 得られた導電性微粒子には、均一な厚さの 融点金属層が形成されていなかったため、 均粒子径の測定を行なわなかった。

(比較例4)
錫めっき層を形成する際に錫めっき液を以下 の組成とした以外は、実施例5と同様にして 電性微粒子を得た。

(錫めっき液組成)
塩化錫(II)二水和物:18g/L
塩化チタン(III):26g/L
クエン酸ナトリウム:50g/L
ニトリロ酢酸三ナトリウム一水和物:38g/L
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和 物:43g/L
グリシルグリシン:250ppm
ベンゾトリアゾール:100ppm
硝酸タリウム:700ppm

(比較例5)
錫めっき層を形成する際に錫めっき液を以下 の組成とした以外は、実施例10と同様にして 電性微粒子を得た。

(錫めっき液組成)
塩化錫(II)二水和物:18g/L
塩化チタン(III):26g/L
クエン酸ナトリウム:50g/L
ニトリロ酢酸三ナトリウム一水和物:38g/L
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和 物:43g/L
グリシルグリシン:250ppm
ベンゾトリアゾール:100ppm
硝酸ガリウム:700ppm

(比較例6)
錫めっき層を形成する際に錫めっき液を以下 の組成とした以外は、実施例14と同様にして 電性微粒子を得た。

(錫めっき液組成)
塩化錫(II)二水和物:18g/L
塩化チタン(III):26g/L
クエン酸ナトリウム:50g/L
ニトリロ酢酸三ナトリウム一水和物:38g/L
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和 物:43g/L
グリシルグリシン:250ppm
ベンゾトリアゾール:100ppm
硝酸インジウム:700ppm

(導電性微粒子の表面観察)
実施例1~17及び比較例1~6で得られた導電性微 子の表面を、電子顕微鏡で観察した。実施 1~17、比較例2、4~6で得られた導電性微粒子の 表面には、全体を覆うように低融点金属層が 形成されていた。比較例1、3で得られた導電 微粒子の表面には、均一な厚さの低融点金 層が形成されていなかった。

(異方性導電フィルムの作製)
実施例1~17及び比較例1~6で得られた導電性微 子を用いて、以下の方法によりそれぞれ異 性導電フィルムを作製した。
バインダー樹脂としてエポキシ樹脂(油化シ ルエポキシ社製「エピコート828」)100重量部 トリスジメチルアミノエチルフェノール2重 量部、及び、トルエン100重量部を、遊星式攪 拌機を用いて充分に混合した後、離型フィル ム上に乾燥後の厚さが10μmとなるように塗布 、トルエンを揮発させて接着性フィルム1を 得た。
次いで、バインダー樹脂としてエポキシ樹脂 (油化シェルエポキシ社製「エピコート828」)1 00重量部、トリスジメチルアミノエチルフェ ール2重量部、及び、トルエン100重量部に、 実施例1~17及び比較例1~6で得られた導電性微 子のいずれかを添加し、遊星式攪拌機を用 て充分に混合した後、離型フィルム上に乾 後の厚さが25μmとなるように塗布し、トルエ ンを揮発させて導電性微粒子を含有する接着 性フィルム2をそれぞれ得た。
なお、接着性フィルム2における導電性微粒 の含有量が5万個/cm 2 となるように調整した。
得られた接着性フィルム1と接着性フィルム2 を常温でラミネートし、2層構造を有する厚 さ35μmの異方性導電フィルムを得た。

(接続抵抗値の測定)
得られた異方性導電フィルムを5mm×5mmの大き に切断した。切断した異方性導電フィルム 、一方に抵抗測定用の引き回し線が形成さ たアルミニウム電極(高さ0.2μm、L/S=20μm/20μm )を有するガラス基板(幅200μm、長さ1mm)のアル ミニウム電極側のほぼ中央に貼り付けた。次 いで、同じアルミニウム電極を有するガラス 基板(幅200μm、長さ1mm)を、電極同士が重なる うに位置合わせをしてから貼り合わせた。 のガラス基板の積層体を、10N、240℃の圧着 件でリフローした後、対向する電極間の接 抵抗値を測定した。また、接続抵抗値の評 を以下の基準で行った。結果を表1に示した 。
○:対向する電極間の接続抵抗値が4ω未満
×:対向する電極間の接続抵抗値が4ω以上

本発明は、接続抵抗値を低減させることが でき、高い接続信頼性を実現することができ る、導電性微粒子を提供することを目的とす る。また、本発明は、該導電性微粒子を用い てなる、異方性導電材料及び接続構造体を提 供することを目的とする。