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Patent Searching and Data


Title:
DIAPHRAGM VALVE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/130003
Kind Code:
A1
Abstract:
A diaphragm valve directly connected to a gas container and used to supply a high-pressure gas from the gas container to the outside or to place a high-pressure gas into the gas container from the outside. The diaphragm valve has a hollow valve body (10) in which a closed valve chamber for interconnecting an inflow path and an outflow path for a high-pressure gas is formed, a gland nut (40) screwed to the valve body (10) to enclose the inside of the valve body (10), a spindle (20) screwed to the gland nut (40) and capable of moving a valve element (51) inside the closed valve chamber (16) in the opening/closing directions along the screw, a plug (56) having one end in contact with the spindle (20) and the other end to which the valve element (51) is fitted, and a diaphragm (52) fitted to the other end of the plug (56), enclosing the closed valve chamber (16), and having one-way spring elasticity for applying biasing force in the direction of the spindle (20) to act on the plug (56).

Inventors:
YOSHIDA TAKUO
SATO TAKEMI
HIGASHI YUICHIRO
KOMURA SABURO
Application Number:
PCT/JP2008/057485
Publication Date:
October 30, 2008
Filing Date:
April 17, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KOHDA CO LTD (JP)
YOSHIDA TAKUO
SATO TAKEMI
HIGASHI YUICHIRO
KOMURA SABURO
International Classes:
F16K41/12; F16K1/02; F16K31/50
Foreign References:
JP2006153230A2006-06-15
JPH08219304A1996-08-30
JPS6372984A1988-04-02
JP2001509579A2001-07-24
Attorney, Agent or Firm:
TSUKUNI, Hajime (22-12 Toranomon 1-chome,Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
 ガスボンベに直接接続され、前記ガスボンベから外部への高圧ガスの供給又は外部から前記ガスボンベへの高圧ガスの充填に用いられるダイヤフラム式バルブであって、
 前記高圧ガスの流入路と流出路とを接続する閉鎖弁室を設けた中空状のバルブ本体と、
 前記バルブ本体に螺合し、前記バルブ本体内を密閉するグランドナットと、
 前記グランドナットに螺合し、ねじに沿って前記閉鎖弁室内の弁体を開閉方向に動作させることが可能なスピンドルと、
 一端側が前記スピンドルに当接し、他端側に前記弁体を取り付けたプラグと、
 前記プラグの他端側に取り付けられ、前記閉鎖弁室を密閉するとともに、前記スピンドル方向の付勢力を前記プラグに作用させる一方向のばね弾性を有するダイヤフラムとを備え、
 前記スピンドルを開方向に動作させたときに、前記ダイヤフラムの付勢力が前記プラグを押し上げて前記弁体を開状態にさせ、また、前記スピンドルを閉方向に動作させたときに、前記プラグが付勢力に抗して前記ダイヤフラムを撓ませて前記弁体を閉状態にさせるダイヤフラム式バルブ。
 前記ダイヤフラムが、前記バルブ本体内の取付部の形状に対応する金属板からなり、
 前記バルブ本体内の取付部において部材間に挟持され、前記閉鎖弁室を密閉する略平坦な周縁部と、
 前記周縁部から前記スピンドル方向に突出するように成形され、前記スピンドルの開閉方向の動作に伴って撓み、前記スピンドルを開方向に動作させたときに前記撓みを復元し、前記プラグを押し上げて前記弁体を開状態にさせる付勢力を作用させる本体部とを備えた請求項1記載のダイヤフラム式バルブ。
 前記ダイヤフラムの本体部を、前記本体部の形状に対応する金属板からなる補強板により補強した請求項2記載のダイヤフラム式バルブ。
 前記補強板が、前記スピンドル方向の付勢力を前記プラグに作用させる一方向のばね弾性を有する請求項3記載のダイヤフラム式バルブ。
 前記ダイヤフラムの本体部の突出量の範囲を、前記弁体の開閉ストロークの範囲以上とし、前記スピンドルを閉方向に動作させたときに、前記ダイヤフラムの本体部が、前記周縁部を超えて撓まないようにした請求項2~4いずれか記載のダイヤフラム式バルブ。
Description:
ダイヤフラム式バルブ

 本発明は、ガスボンベに直接接続されて 圧ガスの供給又は充填に用いられるダイヤ ラム式バルブに関し、特に、弁体を開状態 させるスプリングを省略してバルブ全体を さ方向に小型化することができるとともに スプリング及びその周辺部品を削減して構 の簡単化を図ることができ、さらに、弁体 開閉させるハンドルの操作力を軽減して操 性を向上させることが可能なダイヤフラム バルブに関する。

 従来から圧縮ガスや液化ガスを充填した スボンベに用いられるバルブとして、パッ 式バルブとダイヤフラム式バルブとがある パック式バルブは、パッキング式のジョイ ト又はボルトを用いてバルブ内の気密性を 保しており、一方、ダイヤフラム式バルブ 、弁体の移動とともに撓む金属薄板製のダ ヤフラムによってバルブ内の気密性を確保 ている。

 そして、両バルブを比較すると、パック バルブは、消耗品であるダイヤフラムを用 ないので寿命が長く、分解してメンテナン することにより、繰り返し使用することが きる。一方、ダイヤフラム式バルブは、ダ ヤフラムが劣化してしまうためにパック式 ルブよりも寿命が短いが、あらかじめ定め れた耐用年数や使用回数を超えない範囲内 使い捨てることにより、メンテナンスの手 なく安全性を確保することができる。この うな取り扱いの容易さから、近年、使い捨 のダイヤフラム式バルブが、国際的なデフ クトスタンダードとなりつつある。

 従来のガスボンベ用のダイヤフラム式バ ブとして、例えば、特許第2537148号(特許文 1)では、弁体(環状部材16)を開閉動作させる めのスピンドル(上部軸30)と、前記弁体を取 付けたプラグ(ピストン24)とを、ダイヤフラ ム(気密膜40)を介して互いに当接させるとと に、プラグをスプリング(弾性手段26)によっ 押し上げて、スピンドル方向の付勢力を作 させた構成のものが提案されている。

 また、特開2006-153230号(特許文献2)及び特 2006-144950号(特許文献3)では、弁体(閉止部材19 )を開閉動作させるためのスピンドル(推進ね 部材16)と、前記弁体を取り付けたプラグ(中 間伝動具17)と、このプラグに取り付けられた ダイヤフラム18とを備え、プラグをスプリン (開弁ばね21)によって押し上げて、スピンド ル方向の付勢力を作用させた構成のものが提 案されている。

 これら従来のダイヤフラム式バルブでは、 ピンドルを開方向に動作させると、スプリ グの付勢力がプラグを押し上げて弁体を開 態にさせ、また、スピンドルを閉動作させ と、プラグが付勢力に抗してスプリングを ませて弁体を閉状態にさせていた。

特許第2537148号(第1~3図参照)

特開2006-153230号(図1参照)

特開2006-144950号(図1~4参照)

 しかし、上述した従来のダイヤフラム式 ルブは、いずれもスプリングによってプラ に付勢力を作用させる構成となっていたの 、バルブ本体内にスプリングを縦にして収 するためのスペースを確保しなければなら 、バルブ全体が高さ方向に大型化してしま という問題があった。

 また、従来のダイヤフラム式バルブでは スプリングのみならず、このスプリングを ルブ本体内で保持するための周辺部品(例え ば、特許文献1のリング28、特許文献2,3の押圧 スリーブ22参照)を必要とし、部品点数が増大 して構造が複雑化するのみならず、バルブ全 体の組立作業に手間が掛かるという問題があ った。

 ここで、本出願人は、特願2006-206059号に いて消耗部品の交換などのメンテナンスに り再使用可能なダイヤフラム式バルブを提 しているが、このようなダイヤフラム式バ ブにスプリングやその周辺部品を追加すれ 、使い捨てる消耗部品が増大してリサイク 性が低減してしまい、メンテナンス時にお る消耗部品の交換作業に手間が掛かるとい 問題もあった。

 さらに、従来のダイヤフラム式バルブで 、スプリングの大きな付勢力が、プラグを してスピンドルに常時作用しているので、 ピンドルを回転させるためのハンドル操作 力を必要とし、操作性が悪いという問題も った。

 これに加え、スプリングの大きな付勢力 、互いに螺合するスピンドルとグランドナ トとのねじ部に常時作用すると、一般にス ンレス鋼からなるスピンドルとグランドナ トとのねじ部の相互間で金属部品同士の「 じり」が生じ、これら金属部品の接合部分 機械的に損傷してしまうという問題もあっ 。

 本発明は、上記問題点に鑑みてなされた のであり、弁体を開状態にさせるスプリン を省略してバルブ全体を高さ方向に小型化 ることができるとともに、スプリング及び の周辺部品を削減して構成の簡単化を図る とができ、さらに、弁体を開閉させるハン ルの操作力を軽減して操作性を向上させる とが可能なダイヤフラム式バルブの提供を 的とする。

 上記目的を達成するために、本発明のダ ヤフラム式バルブの一つの実施態様は、ガ ボンベに直接接続され、前記ガスボンベか 外部への高圧ガスの供給又は外部から前記 スボンベへの高圧ガスの充填に用いられる イヤフラム式バルブであって、前記高圧ガ の流入路と流出路とを接続する閉鎖弁室を けた中空状のバルブ本体と、前記バルブ本 に螺合し、前記バルブ本体内を密閉するグ ンドナットと、前記グランドナットに螺合 、ねじに沿って前記閉鎖弁室内の弁体を開 方向に動作させることが可能なスピンドル 、一端側が前記スピンドルに当接し、他端 に前記弁体を取り付けたプラグと、前記プ グの他端側に取り付けられ、前記閉鎖弁室 密閉するとともに、前記スピンドル方向の 勢力を前記プラグに作用させる一方向のば 弾性を有するダイヤフラムとを備え、前記 ピンドルを開方向に動作させたときに、前 ダイヤフラムの付勢力が前記プラグを押し げて前記弁体を開状態にさせ、また、前記 ピンドルを閉方向に動作させたときに、前 プラグが付勢力に抗して前記ダイヤフラム 撓ませて前記弁体を閉状態にさせる構成と てある。

本発明の一実施形態に係るダイヤフラ 式バルブを示す断面図である。 上記ダイヤフラム式バルブを構成する 換部品ユニットとリング状部材とを示す拡 断面図である。 上記交換部品ユニットに含まれるダイ フラム及び補強板を示すものであり、同図( a)は部分断面斜視図、同図(b)は同図(a)のA-A線 面図である。 本バルブ開閉時における上記ダイヤフ ムの動作を示す部分拡大図である。

発明の詳細な説明

全般的説明
 本発明のダイヤフラム式バルブの一つの実 態様は、ガスボンベに直接接続され、前記 スボンベから外部への高圧ガスの供給又は 部から前記ガスボンベへの高圧ガスの充填 用いられるダイヤフラム式バルブであって 前記高圧ガスの流入路と流出路とを接続す 閉鎖弁室を設けた中空状のバルブ本体と、 記バルブ本体に螺合し、前記バルブ本体内 密閉するグランドナットと、前記グランド ットに螺合し、ねじに沿って前記閉鎖弁室 の弁体を開閉方向に動作させることが可能 スピンドルと、一端側が前記スピンドルに 接し、他端側に前記弁体を取り付けたプラ と、前記プラグの他端側に取り付けられ、 記閉鎖弁室を密閉するとともに、前記スピ ドル方向の付勢力を前記プラグに作用させ 一方向のばね弾性を有するダイヤフラムと 備え、前記スピンドルを開方向に動作させ ときに、前記ダイヤフラムの付勢力が前記 ラグを押し上げて前記弁体を開状態にさせ また、前記スピンドルを閉方向に動作させ ときに、前記プラグが付勢力に抗して前記 イヤフラムを撓ませて前記弁体を閉状態に せる構成としてある。

 このような構成によれば、ダイヤフラム 体にプラグを押し上げる付勢力をもたせた とにより、従来のようなスプリングを構成 ら省略することができ、バルブ全体を高さ 向に小型化することができる。また、スプ ング、及びこのスプリングをバルブ本体内 保持するための周辺部品を削減して構成の 単化を図ることができ、バルブの組立及び ンテナンスを容易に行うことができるよう なる。

 さらに、ダイヤフラムがプラグに作用さ る付勢力は、弁体を微小移動(例えば、約1mm 程度)させるのに十分な小さな力であるから 弁体を開閉させるハンドルの操作力を軽減 て操作性を向上させることができ、また、 ピンドルとグランドナットとのねじ部の相 間における金属部品同士の「かじり」を防 することが可能となる。

 ここで、ダイヤフラムが有する「一方向 ばね弾性」とは、ダイヤフラムがプラグに 用させる一方向のみの付勢力ないしばね弾 を意味する。これは、従来のダイヤフラム バルブにおけるダイヤフラムが、弁体の開 向及び閉方向の二方向にクリックアクショ して、弁体の開状態及び閉状態の各時点に いて付勢力を失う構成と相違する。但し、 イヤフラム自体が二方向にクリックアクシ ンするものであっても、閉方向のクリック クションを構造上制限した場合は、開方向 クリックアクションの過程において生じる 勢力ないしばね弾性が、本発明における「 方向のばね弾性」に相当する。

 好ましくは、上述した本発明のダイヤフ ム式バルブにおいて、前記ダイヤフラムが 前記バルブ本体内の取付部の形状に対応す 金属板からなり、前記バルブ本体内の取付 において部材間に挟持され、前記閉鎖弁室 密閉する略平坦な周縁部と、前記周縁部か 前記スピンドル方向に突出するように成形 れ、前記スピンドルの開閉方向の動作に伴 て撓み、前記スピンドルを開方向に動作さ たときに前記撓みを復元し、前記プラグを し上げて前記弁体を開状態にさせる付勢力 作用させる本体部とを備えた構成とする。

 このような構成によれば、ダイヤフラム 本体部をスピンドル方向に突出するように 形するといった簡単な構成により、ダイヤ ラムに一方向のばね弾性をもたせることが き、スピンドル方向の付勢力をプラグに作 させることが可能となる。また、このよう ダイヤフラムによってプラグに作用される 勢力は、本体部の突出量の範囲内における さな力であるから、弁体を開閉させるハン ルの操作力を軽減して操作性を向上させる とが可能となる。

 好ましくは、上述した本発明のダイヤフ ム式バルブにおいて、前記ダイヤフラムの 体部を、前記本体部の形状に対応する金属 からなる補強板により補強した構成とする

 このような構成によれば、ダイヤフラム 本体部を補強板によって補強したことによ 、弁体の開閉動作時において、ダイヤフラ の本体部が撓み変形する際の負担を軽減し 良好な撓み変形と耐久性の向上とを図るこ が可能となる。

 好ましくは、上述した本発明のダイヤフ ム式バルブにおいて、前記補強板が、前記 ピンドル方向の付勢力を前記プラグに作用 せる一方向のばね弾性を有する構成とする

 このような構成によれば、ダイヤフラム 本体部及び補強板の双方が一方向のばね弾 を発揮させるので、これらダイヤフラムの 体部及び補強板の微小な突出量の範囲内に いて、弁体を開状態にさせるのに十分な付 力をもたせることができる。

 好ましくは、上述した本発明のダイヤフ ム式バルブにおいて、前記ダイヤフラムの 体部の突出量の範囲を、前記弁体の開閉ス ロークの範囲以上とし、前記スピンドルを 方向に動作させたときに、前記ダイヤフラ の本体部が、前記周縁部を超えて撓まない うにした構成としてある。

 このような構成によれば、ダイヤフラムの 体部が周縁部を超える前に弁体が閉状態と るので、本体部が周縁部を超えて撓むのを 造上制限することができ、本体部がスピン ルの反対方向に反転して付勢力を失ってし うことを防止することができる。これによ 、常に、スピンドル方向の付勢力をプラグ 作用させることが可能となる。
[発明の効果]

 本発明のダイヤフラム式バルブによれば ダイヤフラム自体にプラグを押し上げる付 力をもたせたことにより、従来のようなス リングを構成から省略することができ、バ ブ全体を高さ方向に小型化することができ 。また、スプリング、及びこのスプリング バルブ本体内で保持するための周辺部品を 減して構成の簡単化を図ることができ、バ ブの組立及びメンテナンスを容易に行うこ ができるようになる。

 さらに、ダイヤフラムがプラグに作用さ る付勢力は、弁体を微小移動させるのに十 な小さな力であるから、弁体を開閉させる ンドルの操作力を軽減して操作性を向上さ ることができ、また、スピンドルとグラン ナットとのねじ部の相互間における金属部 同士の「かじり」を防止することが可能と る。

図示された実施形態の説明

 以下、本発明の一実施形態に係るダイヤ ラム式バルブついて、図面を参照しつつ説 する。なお、以下の説明では、ステンレス 等の種類を例示するにあたってJISコードを 略して記載してある。

 図1は本発明の一実施形態に係るダイヤフ ラム式バルブを示す断面図である。図2は上 ダイヤフラム式バルブを構成する交換部品 ニットとリング状部材とを示す拡大断面図 ある。図3は上記交換部品ユニットに含まれ ダイヤフラム及び補強板を示すものであり 同図(a)は部分断面斜視図、同図(b)は同図(a) A-A線断面図である。図4は本バルブ開閉時に おける上記ダイヤフラムの動作を示す部分拡 大図である。

 図1において、本実施形態に係るダイヤフ ラム式バルブ1は、主として、バルブ本体10と 、スピンドル20と、ハンドル30と、グランド ット40と、交換部品ユニット50と、押圧部材5 5と、リング状部材60とで構成してある。

[バルブ本体]
 バルブ本体10は、その胴部11内に断面略円形 の中空部11aを設けたハウジングであり、耐腐 食性を有する金属材料、例えば、SUS316のステ ンレス鋼により形成してある。胴部11の下方 び一側方には、それぞれ雄ねじ部12,13を分 させて連成してある。下方の雄ねじ部12内に は、中空部11a内に連通するガスの流入路14が 設してある。また、一側方の雄ねじ部13内 は、中空内に連通するガスの流出路15が穿設 してある。

 これら流入路14及び流出路15が共に開口す る中空部11aの下端側を、後述する略円板状の ダイヤフラム52によって密閉することにより 鎖弁室16を形成している。そこで、図2に示 ように、中空部11aの下端側には、ダイヤフ ム52の周縁部52a(図3(a)参照)を載置して圧接 持するための環状段差である座部(取付部)17 形成してある。また、座部17とダイヤフラ 52とを直接接触させないように、座部17とダ ヤフラム52との間に、樹脂製又は金属製の ング状部材60を介在させてある。このように して形成された閉鎖弁室16内には、ガスの流 口14aが開口しており、この流入口14aは、後 する弁体51によって開閉される。

 さらに、バルブ本体10の胴部11側壁におけ る座部17上方には、ねじ孔19が設けてあり、 のねじ孔19には検知プラグ(ボルト)70が締結 てある。この検知プラグ70を外すことにより 、ねじ孔19を介して、ダイヤフラム52の破損 はシール不良によるガス漏れの有無を検査 ることができる。なお、検知プラグ70と胴部 11側壁との間には、ガスケット83が介設して り、万が一、ダイヤフラム52の気密性が損な われた場合でも、外部にガス漏れが生じない ようになっている。このガスケット83の材料 して、例えば、PTFE等のフッ素樹脂を用いる ことができる。

[スピンドル]
 スピンドル20は、弁体51を開閉動作させるた めの軸部材であり、例えば、耐腐食性を有す るSUS304等のステンレス鋼又はニッケルメッキ を施したC3604BDにより形成してある。スピン ル20の上端部には、ハンドル30を取り付ける めの雄ねじ部21が設けてあり、この雄ねじ 21にナット22を締結することによりハンドル3 0を固定している。

 スピンドル20の下端部外周には、雄ねじ 24が設けてある。この雄ねじ部24は、次に述 るグランドナット40の軸受孔41に連成した雌 ねじ部42と螺合しており、ハンドル30を回転 せると、ねじのピッチでスピンドル20が上下 方向に進退動作するようになっている。

 ここで、本実施形態のダイヤフラム式バ ブ1は、スピンドル20の下端部と、交換部品 ニット50の後述するプラグ56とを連結させず 、これらスピンドル20とプラグ56とを互いに 接させることにより連動させる構成を採用 ている。後に詳述するが、ハンドル30を回転 させてスピンドル20を上下方向に進退動作さ ると、この進退動作がプラグ56に伝達され 。すると、このプラグ56に取り付けられたダ イヤフラム52が、その本体部52bの突出量L1(図3 (a),(b)及び図4参照)の範囲内で撓み又は復元し 、プラグ56の下端側に取り付けた弁体51が上 方向に開閉動作するようになっている。

 このようなスピンドル20の下端面には、 ラグ56の上端面56aに当接するブッシュ23が埋 してある。このブッシュ23は、スピンドル20 よりも高硬度を有するSK5等の炭素工具鋼によ って形成してあり、プラグ56の上端面56aとの 接によるスピンドル20の摩損、変形を防止 ている。

[グランドナット]
 グランドナット40は、上述したバルブ本体10 の中空部11aの蓋となり、且つスピンドル20と 合してこれを支持するものである。このグ ンドナット40の材料としては、SUS303、SUS304 のステンレス鋼、又はニッケルメッキを施 て耐食性をもたせたC3604BD等の黄銅(真鍮)な を例示することができ、特に、ニッケルメ キを施して耐食性をもたせたC3604BD等の黄銅( 真鍮)が好適である。

 グランドナット40の中空内部には、上か 順に軸受孔41、雌ねじ部42及び収納部43が連 してあり、略環状の下端面が押圧端44となっ ている。また、グランドナット40の下端部外 には雄ねじ部45が設けてあり、この雄ねじ 45は、バルブ本体10の胴部11内周に形成した ねじ部18と螺合している。

 なお、グランドナット40とバルブ本体10と の接合部、グランドナット40とスピンドル20 の接触部には、それぞれOリング81,82が介設 てある。これらOリング81,82より、万が一、 イヤフラム52の気密性が損なわれた場合でも 、外部にガス漏れが生じないようになってい る。これらOリング81,82の材料として、例えば 、FPM等のフッ素ゴム又はNBR等のニトリルゴム などを用いることができ、好ましくは、FPM等 のフッ素ゴムを用いるとよい。

[交換部品ユニット]
 図1及び図2に示すように、交換部品ユニッ 50は、弁体51、ダイヤフラム52、補強板53、保 持部材54及びプラグ56とを組み立てて一体化 た構成となっている。この交換部品ユニッ 50を、ダイヤフラム式バルブ1のメンテナン 時にそっくり交換することにより、メンテ ンス後のダイヤフラム式バルブ1の気密性及 安全性を回復させて再使用可能としている

<弁体>
 弁体51は、上述したように、バルブ本体10の ガスの流入口14aを開閉させて、ガスの流通を 制御するためのものであり、ダイヤフラム式 バルブ1の気密性及び安全性を左右する重要 部品である。この弁体51としては、気密性に 優れ、長年使用しても容易に変形しない樹脂 材料により形成してある。この材料として、 例えば、PCTFE、PVDF又はポリアミドを用いるこ とができ、特に、PCTFEが好適である。

<ダイヤフラム>
 ダイヤフラム52は、上述したように、弁体51 の開閉動作を許容しつつ、バルブ本体10の閉 弁室16を密閉するためのものであり、弁体51 と同様、ダイヤフラム式バルブ1の気密性及 安全性を左右する重要な部品である。この イヤフラム52も、腐食性のガスに直接接触す るものであるから、耐腐食性に優れた金属材 料、例えば、SUS316のステンレス鋼の円形薄板 により形成してある。

 図3(a),(b)に示すように、ダイヤフラム52は 、中心部に保持部材54の雄ねじ部54bを挿通す ための挿通孔52cを設けた板厚0.08~0.15mmの円 薄板を複数枚、例えば、2枚重ね合わせて形 してあり、その気密性と耐久性を向上させ いる。本発明において、好ましい円形薄板 枚数は2~5枚であり、より好ましくは2~3枚で る。円形薄板がこの枚数であると、十分な 密性と耐久性が得られるためである。

 ここで、本実施形態のダイヤフラム52は その本体部52bが、略平坦な周縁部52aから上 向(スピンドル20の方向)に突出するように成 した構成としてある。この本体部52bは、下 向(スピンドル20の反対方向)に撓んだ状態と なったときに上方向の付勢力(図3(b)の白抜き 印P参照)を発揮し、ダイヤフラム52が取り付 けられたプラグ56に上方向の付勢力を作用さ る。

 本実施形態では、ダイヤフラム52の本体 52bの突出量L1を約1mmに設定してあり、また、 本体部52bの上方向の付勢力(後述する補強板53 の上方向の付勢力を含む)を、弁体51、保持部 材54及びプラグ56の組立体を1mm程度押し上げ のに十分な数kgの範囲内で設定してある。こ の本体部52bの上方向の付勢力である数kgは、 来のスプリングの上方向の付勢力である数 kgと比較して極めて小さい。

 また、ダイヤフラム52は、本体部52bの突 量L1の範囲内において撓み変形可能となって おり、図4に示すように、本体部52bの突出量L1 の範囲が、弁体51の開閉ストロークL2の範囲 りやや大きくなるように設定してある。さ に、本体部52bが周縁部52aの位置まで撓んだ きに、弁体51がガスの流入口14aを閉鎖する位 置関係となっており、本体部52bが周縁部52aを 超えて撓まないように構造上制限している。

 このような構成により、ダイヤフラム52 本体部52bの撓み変形を、突出量L1の範囲内に 制限することができ、本体部52bが周縁部52aよ りも下方向に撓んで反転してしまい、上方向 の付勢力を失ってしまうことを防止している 。この結果、常に、上方向の付勢力をプラグ 56に作用させることが可能となる。

<補強板>
 補強板53は、図3(a),(b)に示すように、ダイヤ フラム52より小径の板厚0.08~0.15mmで、中心部 保持部材54の雄ねじ部54bを挿通するための挿 通孔53aを設けた円板状薄板を複数枚、例えば 3枚重ねたものであり、例えば、SUS316のステ レス鋼により形成してある。

 この補強板53は、ダイヤフラム52の本体部 52bの上面に圧接保持され、ダイヤフラム52を 強している。すなわち、ダイヤフラム52は その撓み変形を良好にするため薄型化され が、ダイヤフラム52の本体部52bが撓み変形す る際に中心側の負担が大きくなる。そこで、 ダイヤフラム52の本体部52bを補強板53により 強し、良好な撓み変形と耐久性の向上とを っている。

 本発明において、好ましい補強板53の枚 は2~5枚であり、より好ましくは2~4枚で、特 3枚が好適である。補強板53がこの枚数であ と、ダイヤフラム52の本体部52bの保護と十分 な耐久性が得られるからである。このような 補強板53は、高圧ガスの圧力やプラグ56の押 力による変形からダイヤフラム52の本体部52b を保護しているとともに、ダイヤフラム52と 持部材54の溶接部(図4の符号52d参照)をも保 している。

 ここで、本実施形態の補強板53は、ダイ フラム52の本体部52bに対応する形状に成形し てあり、本体部52bと同様に、下方向に撓んだ 状態において上方向のばね弾性を発揮する。 このような補強板53によって、薄板からなる 体部52bのばね弾性を補うことができ、これ 本体部52b及び補強板53の微小な突出量の範 内において、弁体51を開状態にさせるのに十 分な付勢力をもたせることができる。

<保持部材>
 保持部材54は、上述した弁体51、ダイヤフラ ム52及び補強板53を一体的に保持するための のである。保持部材54の下面側には、弁体51 略同形の嵌合凹部54aが設けてあり、この嵌 凹部54a内に弁体51をかしめ固定している。

 また、保持部材54の上面中心には、雄ね 部54bが立設してある。この雄ねじ部54bの基 は、ダイヤフラム52及び補強板53を取り付け ための肩部が設置してある。上述したダイ フラム52及び補強板53の中心に穿設した挿通 孔52c,53aに雄ねじ部54bを挿通させることによ 、保持部材54の上面にダイヤフラム52及び補 板53を重ねて配置している。

 さらに、図4に示すように、ダイヤフラム 52の挿通孔52cの周辺部を保持部材54の上面に ーザー溶接(図中の符号52d参照)している。本 実施形態では、ダイヤフラム52の挿通孔52cの 辺部をパルスYAGレーザー溶接し、一定の溶 深さで円形に縫い合わせ式溶接し、耐久性 気密性とを確保している。ここで、ダイヤ ラム52の溶接深さは、ダイヤフラム52の板厚 を除いた保持部材54のみに対する溶け込み深 であり、約0.1~0.5mm、好ましくは、約0.2~0.25mm の範囲とする。なお、本発明において溶接方 式は、縫い合わせ式に限定されず、突き合わ せ式を採用することもできるが、縫い合わせ 式が、ダイヤフラム52の耐久性及び密閉性を 保することができることから好ましい。

<プラグ>
 プラグ56は、弁体51及びダイヤフラム52を組 付けた保持部材54と、補強板53とを一体化し て交換部品ユニット50を形成するとともに、 ピンドル20と当接により連動して、弁体51を 上下方向に開閉動作させるものである。この プラグ56は、例えば、SUS303又はSUS304のステン ス鋼により形成してある。本発明において SUS303を用いることが好ましい。

 プラグ56の上端面56aは、上述したスピン ル20との当接面であり、本実施形態では、上 端面56aを略球面状に加工してある。これによ り、上端面56aの球面頂部がスピンドル20の下 面に埋設したブッシュ23と当接するように っている。

 一方、プラグ56の下端側には、保持部材54 の雄ねじ部54bに螺合する雌ねじ部56bが形成し てある。また、図2に示すように、プラグ56の 上端側の外形は、このプラグ56を回転させて 持部材54と締結させるためのナット部56cと っている。

 さらに、図2及び図4に示すように、雌ね 部56bと雄ねじ部54bとを螺合させたときに、 ラグ56の下端面が、保持部材54の上面で重な 合うダイヤフラム52及び補強板53の中心側を 押圧挟持するが、この場合に、ダイヤフラム 52の溶接部52aに負荷が掛からないよう、プラ 56の下端面には、溶接部52aを回避するため 環状の凹部56dが形成してある。

<交換部品ユニットの組み立て>
 ここで、交換部品ユニット50の組み立て手 について説明する。あらかじめ保持部材54の 嵌合凹部54a内に弁体51をかしめ固定するとと に、ダイヤフラム52の挿通孔52cに雄ねじ部54 bを挿通させた後、保持部材54の上面にダイヤ フラム52を溶接する。次いで、補強板53の挿 孔53aに雄ねじ部54bを挿通させて、保持部材54 に溶接したダイヤフラム52に補強板53を積層 せる。その後、保持部材54の雄ねじ部54bにプ ラグ56の雌ねじ部56bを螺合させる。これによ 、プラグ56の下端面に補強板53とダイヤフラ ム52とが押圧挟持され、交換部品ユニット50 組み立てが完了する。

 なお、交換部品ユニット50を組み立てる き、及び雄ねじ部54bと雌ねじ部56bとを螺合 せるときには、接着剤などによって部材相 間を接着し、容易に外れないようにするこ が好ましい。この接着剤としては、嫌気性 態で固まるものがより好ましい。

 このような交換部品ユニット50を一度組 立てた後は、一纏まりの一部品として取り われ、本ダイヤフラム式バルブ1のメンテナ ス時には、新しい交換部品ユニット50とそ くり交換されることになる。この交換部品 ニット50があらかじめ組み立てられた状態で 提供される場合には、本ダイヤフラム式バル ブ1のメンテナンス時に交換部品ユニット50を 組み立てたり分解したりする手間が一切掛か らない。

[押圧部材]
 押圧部材55は、ダイヤフラム52の外径と同じ 厚肉円板状の部材であり、例えば、SUS303又は SUS304などのステンレス鋼により形成してある 。本発明においてはSUS303を用いることが好ま しい。図2及び図4に示すように、この押圧部 55の下面側には、座部17の内径と略等しい外 径の円形凹部55aが形成してあり、押圧部材55 周縁部のみがダイヤフラム52の周縁部52aに 接するようになっている。これにより、押 部材55は、ダイヤフラム52の本体部52bの上方 の撓み変形を許容しつつ、周縁部52aのみを ルブ本体10の座部17に押圧挟持している。

 また、押圧部材55の中心にはプラグ56の挿 通孔55bが穿設してある。本実施形態では、こ の挿通孔55bの直径を、プラグ56のナット部56c 最大外径よりも大きくしてあり、組み立て 了した交換部品ユニット50のプラグ56を挿通 孔55bに挿通させて、押圧部材55を交換部品ユ ット50に取り付けるようにしてある。

 なお、押圧部材55の挿通孔55bの直径を、 ット部56cの外径よりも小さくし、先に押圧 材55をプラグ56に取り付けて、その後に保持 材54をプラグ56に締結させる構成としてもよ い。このような構成とした場合は、挿通孔55b よりも大径のナット部56cがストッパの役割を 果たして押圧部材55の抜けを防止し、押圧部 55を交換部品ユニット50の構成部品として一 体に組み込むことが可能となる。

[リング状部材]
 図1及び図2に示すように、リング状部材60は 、バルブ本体10に交換部品ユニット50を組み けたときに、座部17と、ダイヤフラム52の周 部52aとの間に介在して、密閉性を向上させ とともに、これら金属部品同士の接触を防 するものである。

 このリング状部材60は、座部17とほぼ同一 寸法の薄板又は薄膜の環状体であり、バルブ 本体10の座部17の面精度低下を生じない金属 は樹脂材料により形成する。本実施形態で 、アンモニア、塩化水素又は塩素等の腐食 ガスの使用を考慮して、より耐腐食性に優 た樹脂材料、例えば、PCTFE(ポリクロロ・ト フルオロ・エチレン)製の樹脂シート材によ て形成してある。

 PCTFEは、フッ素樹脂特有の優れた化学的 定性を有しており、このPCTFEからなるリング 状部材60を、腐食性ガスの流通する閉鎖弁室1 6内に配設しても容易に劣化することがない また、リング状部材60は、押圧部材55側から 荷重によって座部17と、ダイヤフラム52の周 縁部52aとの間に圧接挟持されるが、PCTFEの高 圧縮強さ、低摩擦係数により、容易に破損 るようなこともない。したがって、このよ な耐腐食性の樹脂シートからなるリング状 材60によれば、座部17と、ダイヤフラム52の 縁部52aとの気密性を維持しつつ、これら金 部材同士の接触による変形を防止すること できる。

 なお、リング状部材60の材質は、PCTFEに限 らず、耐腐食性を有するPTFE,PVDF等のフッ素系 樹脂を用いてもよい。また、使用対象となる ガスが、腐食性を有しないものである場合は 、ポリアミド,ポリアセタール等の樹脂材料 使用することができる。また、銀等の金属 料を用いることも可能である。

 さらに、本実施形態では、リング状部材6 0の外径を、座部17の外径と同じ26mm、リング 部材60の内径を、座部17の内径20mmよりも1mm大 きい21mmとし、環状体の幅を2.5mmに設定してあ る。ここで、リング状部材60の内径を、座部1 7の内径20mmよりも1mm大きくしたのは、座部17 、ダイヤフラム52の周縁部52aとの間に押圧挟 持されたときに、リング状部材60の内径端縁 変形して座部17の内側にはみ出さないよう するためである。また、リング状部材60の肉 厚は、厚過ぎると温度の影響を受けやすく、 薄過ぎると押圧力で破断してしまうので、こ れを考慮して0.5mmの薄膜とした。

[ダイヤフラム式バルブの組み立て]
 次に、上記構成からなる本ダイヤフラム式 ルブ1の組み立て手順について、図1及び図2 参照しつつ説明する。

 まず、押圧部材55の挿通孔55bに交換部品 ニット50のプラグ56を挿通させ、交換部品ユ ット50に押圧部材55を取り付ける。そして、 バルブ本体10の座部17にリング状部材60を配設 した後、中空部11a内に交換部品ユニット50及 押圧部材55の組立体を入れる。すると、バ ブ本体10の閉鎖弁室16内に保持部材54及び弁 51が配置されるとともに、リング状部材60を 設した座部17上にダイヤフラム52の周縁部52a 及び押圧部材55の周縁部が載置される。

 この一方で、グランドナット40の外側略 央部に大径のOリング81、軸受孔41内に小径の Oリング82をそれぞれ組み付ける。そして、ス ピンドル20上端のボルト部21を、グランドナ ト40の軸受孔41に挿通させ、互いの雄ねじ部2 4と雌ねじ部42とを螺合させる。これにより、 グランドナット40の軸受孔41にスピンドル20が 回動自在に支持される。次いで、スピンドル 20を組み付けたグランドナット40の雄ねじ部45 を、バルブ本体10の雌ねじ部18に螺合させる

 すると、あらかじめバルブ本体10の中空 11a内に入れた交換部品ユニット50のプラグ56 、グランドナット40の収納部43内に収納され 、グランドナット40の押圧端44が押圧部材55の 周縁部に当接する。その後さらに、グランド ナット40の雄ねじ部45を、バルブ本体10の雌ね じ部18に締結させると、グランドナット40の 圧端44が押圧部材55に垂直方向の荷重を加え 間にリング状部材60を介在させた状態で、 イヤフラム52の周縁部が座部17に圧接挟持さ る。これにより、スピンドル20、グランド ット40、交換部品ユニット50、押圧部材55及 リング状部材60が単一の組立体となり、図1 示すダイヤフラム式バルブ1が概ね組み上が 。

 その後、このダイヤフラム式バルブ1のガ ス漏れ検査を行い、この検査終了後、バルブ 本体10のねじ孔19にガスケット83を介して検知 プラグ70を締結させ、最後に、スピンドル20 ボルト部21にハンドル30を取り付けてナット2 2を締結させると、ダイヤフラム式バルブ1の み立てが完了する。

 上記構成からなるダイヤフラム式バルブ1 は、バルブ本体10の雄ねじ部12を、図示しな ガスボンベに直接接続して、高圧ガスの供 又は充填に用いられる。そして、このダイ フラム式バルブ1は、圧縮ガス又は液化ガス ような高圧ガスにおいて使用することがで 、アンモニア、塩化水素、塩素、二酸化硫 、硫化水素又は二酸化窒素等の腐食性を有 る液化ガス、あるいは亜酸化窒素、酸化エ レン、シアン化水素等の腐食性を有しない 化ガスの双方に好ましく使用することがで 、より好ましくは腐食性を有する液化ガス 使用することができる。

[ダイヤフラム式バルブの作用効果]
 上記構成からなる本実施形態のダイヤフラ 式バルブ1では、図1及び図4に示すように、 ンドル30を操作して、スピンドル20を開方向 に動作させると、ダイヤフラム52の本体部52b 付勢力(図中の白抜き矢印P参照)がプラグ56 押し上げて弁体51を開状態にさせる。また、 上記と逆方向にハンドル30を操作して、スピ ドル20を閉方向に動作させると、プラグ56が 付勢力に抗してダイヤフラム52の本体部52bを ませて弁体51を閉状態にさせる。

 このような本実施形態に係るダイヤフラ 式バルブ1によれば、図3及び図4に示すよう 、ダイヤフラム52の本体部52bにプラグ56を押 し上げる付勢力をもたせたことにより、従来 のようなスプリングを構成から省略すること ができ、バルブ全体を高さ方向に小型化する ことができる。また、スプリング、及びこの スプリングをバルブ本体10内で保持するため 周辺部品を削減して構成の簡単化を図るこ ができ、バルブの組立及びメンテナンスを 易に行うことができるようになる。

 さらに、ダイヤフラム52がプラグ56に作用 させる付勢力は、弁体51を微小移動させるの 十分な小さな力であるから、弁体51を開閉 せるハンドル30の操作力を軽減して操作性を 向上させることができ、また、スピンドル20 雄ねじ部24と、グランドナット40の雌ねじ部 42との間における金属部品同士の「かじり」 防止することが可能となる。

 ダイヤフラム52の本体部52bがプラグ56に作 用させる付勢力は、弁体51を微小移動(本実施 形態ではL2=約1mm)させるのに十分な小さな力 あるから、弁体51を開閉させるハンドル30の 作力を軽減して操作性を向上させることが き、また、スピンドルとグランドナットと ねじ部の相互間における金属部品同士の「 じり」を防止することが可能となる。

 ダイヤフラム52の本体部52bをスピンドル20 の方向に突出するように成形するといった簡 単な構成により、ダイヤフラム52に一方向の ね弾性をもたせることができ、スピンドル2 0の方向の付勢力をプラグ56に作用させること が可能となる。また、このようなダイヤフラ ム52によってプラグ56に作用される付勢力は 本体部52bの突出量L1の範囲内における小さな 力であるから、弁体51を開閉させるハンドル3 0の操作力を軽減して操作性を向上させるこ が可能となる。

 ダイヤフラム52の本体部52bを補強板53によ って補強したことにより、弁体51の開閉動作 において、ダイヤフラム52の本体部52bが撓 変形する際の負担を軽減し、良好な撓み変 と耐久性の向上とを図ることが可能となる

 ダイヤフラム52の本体部52b及び補強板53の 双方が一方向のばね弾性を発揮させるので、 これらダイヤフラム52の本体部52b及び補強板5 3の微小な突出量の範囲内において、弁体51を 開状態にさせるのに十分な付勢力をもたせる ことができる。

 ダイヤフラム52の本体部52bの突出量L1の範 囲を、弁体51の開閉ストロークL2の範囲より や大きくし、スピンドル20を閉方向に動作さ せたときに、ダイヤフラム52の本体部52bが、 縁部52aを超えて撓まないようにしてある。 れにより、ダイヤフラム52の本体部52bが周 部52aを超える前に弁体51が閉状態となるので 、本体部52bが周縁部52aを超えて撓むのを構造 上制限することができ、本体部52bがスピンド ル20の反対方向に反転して付勢力を失ってし うことを防止することができる。この結果 常に、スピンドル20の方向の付勢力をプラ 56に作用させることが可能となる。

符号の説明

 1 ダイヤフラム式バルブ
 10 バルブ本体
 11 胴部
 11a 中空部
 12,13 雄ねじ部
 14 流入路
 14a 流入口
 15 流出路
 16 閉鎖弁室
 17 座部(取付部)
 18 雌ねじ部
 19 ねじ孔
 20 スピンドル
 21 ボルト部
 22 ナット
 23 ブッシュ
 24 雄ねじ部
 30 ハンドル
 40 グランドナット
 41 軸受孔
 42 雌ねじ部
 43 収納部
 44 押圧端
 45 雄ねじ部
 50 交換部品ユニット
 51 弁体
 52 ダイヤフラム
 52a 周縁部
 52b 本体部
 52c 挿通孔
 52d 溶接部
 53 補強板
 53a 挿通孔
 54 保持部材
 54a 嵌合凹部
 54b 雄ねじ部
 55 押圧部材
 55a 円形凹部
 55b 挿通孔
 56 プラグ
 56a 上端面
 56b 雌ねじ部
 56c ナット部
 56d 凹部
 60 リング状部材
 70 検知プラグ
 81,82 Oリング
 83 ガスケット