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Patent Searching and Data


Title:
BOOT FOR CONSTANT VELOCITY UNIVERSAL JOINT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/117613
Kind Code:
A1
Abstract:
A boot for a constant velocity universal joint, which can cope with higher bending operation angle (50 degrees or higher) without a reduction in the durability. A resin boot (7) has an annular groove (13) at a minimum root diameter section (11a) of a bellows (7c). This allows the minimum root diameter section (11a) to elastically deform when the boot (7) is bent to a bending operation angle. When the boot (7) is bent to a high bending operation angle (50 degrees or higher), crests (10) of the bellows (7c) dent to prevent a reduction in elastic deformation force of the boot (7).

Inventors:
CHOKYU MASATO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/053280
Publication Date:
October 02, 2008
Filing Date:
February 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
CHOKYU MASATO (JP)
International Classes:
F16D3/84; F16J3/04; F16J15/52
Foreign References:
JPH04106523U1992-09-14
JP2004108591A2004-04-08
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA, Hideyoshi et al. (15-26 Edobori 1-chome,Nishi-k, Osaka-shi Osaka 02, JP)
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Claims:
 等速自在継手の外側継手部材に連結される大径部と、前記等速自在継手の内側継手部材から延びる軸部材に連結される小径部と、前記大径部側から前記小径部側に向けて縮径し、複数の山部と谷部が交互に形成され、前記大径部と前記小径部を連結する蛇腹部とからなる筒状の等速自在継手用ブーツであって、
 前記蛇腹部の最小径谷部のみにその最小径谷部を変形可能とする環状の凹溝を形成することを特徴とする等速自在継手用ブーツ。
 前記ブーツが樹脂製であることを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手用ブーツ。
 前記ブーツが熱可塑性ポリエステル系エラストマー製であることを特徴とする請求項1又は2に記載の等速自在継手用ブーツ。
 前記谷部のうち少なくとも前記最小径谷部に環状の溝部を形成し、その溝部の溝底に前記凹溝を形成することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の等速自在継手用ブーツ。
 前記凹溝を軸方向に複数個スリット状に配設したことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の等速自在継手用ブーツ。
Description:
等速自在継手用ブーツ

 本発明は、自動車の駆動軸や各種産業機 に用いられ、回転トルクを伝達する等速自 継手に取り付ける等速自在継手用ブーツに するものである。

 等速自在継手用ブーツは、等速自在継手 内部(継手内部)に封入されたグリースや潤 油等の潤滑成分の外部への漏出、および、 部から継手内部に異物が侵入するのを防止 る機能を果たす。

 図4に従来の等速自在継手用ブーツ(以下 ーツとする)を取り付けた固定型等速自在継 の一つであるボールフィクス型等速自在継 (BJ)を示す。

 この等速自在継手は、外側継手部材であ 外輪1、内側継手部材である内輪3、ボール4 ケージ5で主要部が構成されている。外輪1 、内球面に複数のトラック溝1aが形成されて いる。内輪3は、外球面に外輪1のトラック溝1 aと対をなす複数のトラック溝3aが形成され、 これら外輪1のトラック溝1aと内輪3のトラッ 溝3aとの間に複数のボール4が介在され、こ ボール4は外輪1と内輪3との間に配置される ージ5のポケット5aで保持されている。

 内輪3は中心孔2を有し、この中心孔2には 部材であるシャフト6の一端が挿嵌されてい る。このシャフト6から外輪1の開口端部に亙 て、樹脂製で筒状のブーツ57が取り付けら ている。

 このブーツ57は、大径部57aと小径部57bお び蛇腹部57cとからなり、蛇腹部57cは大径部57 aと小径部57bを連結している。大径部57aは外 1の開口端部の外周面に取り付けられ、小径 57bはシャフト6の外周面に取り付けられ、そ れぞれの取り付け部分はブーツバンド8、9で め付けて固定されている。蛇腹部57cは大径 側から小径部側に向けて縮径し、複数の山 50と谷部51が交互に形成されている。なお、 この山部50と谷部51の点線で囲んだ部分にお る拡大図を図4中に交せて示している。

 なお、樹脂製のブーツ57は、例えば、熱可 性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポ ウレタンエラストマー、熱可塑性ポリアミ エラストマー、熱可塑性ポリオレフィンエ ストマーなどの高硬度、高弾性率の熱可塑 樹脂材料の中から選ばれたベース樹脂に、 定形ソフトシリカ、クレー、カーボンブラ クなどの無機質粒状体や、クルミ殻、椿の 、梅の果実の核などを粉砕した植物性粒状 を配合して成形することができる(特許文献1 参照)。

特開平10-122366号公報

 さて、図4に示したブーツ57であると、谷 51の肉厚が厚いため、ブーツ57の弾性変形力 が充分でなく屈曲耐久性に問題があるため、 谷部51にかかる応力が増大して皺が発生する とが、ブーツ57に対して高角な屈曲作動角( 部材に対する屈曲角度)をとった状態での回 転耐久試験により判明した。この谷部51に生 る皺は亀裂の発生の原因となり、ブーツ57 短寿命に繋がる。

 あるいは、図4に示すブーツ57の課題を解 するブーツとして、図5に示す等速自在継手 のブーツ67が知られている。なお、この図5に おいて、図4に示す等速自在継手と同じ部位 機能、形態を有する部品については同じ符 を付し、その詳細な説明を省略する。

 この図5に示すブーツ67は樹脂製かつ筒状 、図4に示すブーツ57と同様、大径部67aと小 部67bおよび蛇腹部67cからなり、蛇腹部67cは 径部67aと小径部67bを連結し、かつ、大径部 から小径部側に向けて縮径しており、複数 山部60と谷部61が交互に形成されている。

 蛇腹部67cの全ての谷部61には、溝部62が環 状に形成されている。溝部62の形状としては 図5に示す形状以外にも、谷部61の変形、亀 を考慮して種々の形状が提案されている。 のように、谷部61に溝部62を形成することで 、谷部61の肉厚が薄くなるため、ブーツ67は 力に対して弾性変形しやすくなり、屈曲耐 性を向上させることができる。なお、山部60 と谷部61の点線で囲んだ部分における拡大図 図5中に交わせて示している。

 しかしながら、図4あるいは図5のいずれ ブーツも、50°以上の高角な屈曲作動角を取 ば、山部がブーツの屈曲時に加わる力に耐 切れずに凹み、これに伴い、ブーツの弾性 形力が低下する問題がある。

 この課題を解決する方法として、ブーツ 蛇腹部の膜長(山部の内径と谷部の内径の差 )を大きくしてブーツを弾性変形し易くする 法が考えられている。このように、蛇腹部 膜長を大きくする方法としては、山部の各 径を大きくするか、あるいは、谷部の各内 を小さくすることが考えられる。

 しかし、山部の内径を大きくすれば、ブ ツの回転膨張性が悪くなる。換言すれば、 速自在継手の高速回転により、ブーツの山 が膨張し、他部材との干渉を起こす。また 谷部の内径を小さくすれば、ブーツが屈曲 動角をとる際、シャフトと干渉しやすくな 、谷部の早期摩耗などの不具合が生じ、い れにおいてもブーツの短寿命に繋がる。

 本発明は上記の事情に鑑みてなされたも であり、耐久性を低下させることなく屈曲 動角の高角化(50°以上)が可能である等速自 継手用ブーツを提供することを目的とする

 上記の課題を解決するための本発明の等 自在継手用ブーツは、等速自在継手の外側 手部材に連結される大径部と、前記等速自 継手の内側継手部材から延びる軸部材に連 される小径部と、前記大径部側から前記小 部側に向けて縮径する山部と谷部を有し、 記大径部と前記小径部を連結する蛇腹部と らなる筒状の等速自在継手用ブーツであっ 、前記蛇腹部の最小径谷部のみにその最小 谷部を変形可能とする環状の凹溝を形成す ことを特徴とする。

 ここで、蛇腹部の最小径谷部とは、蛇腹 の谷部において最も小径部側に位置する谷 を意味する。この最小径谷部と蛇腹部の山 において最も小径部側の谷部(最小径山部) ブーツが屈曲作動角をとる際、殆ど弾性変 しないことが本出願人により判明した。

 本発明は、上記したブーツが屈曲作動角 取る際の最小径谷部の特徴に着眼したもの あり、最小径谷部のみに凹溝を環状に形成 る。この場合、最小径谷部に形成する凹溝 より、ブーツが屈曲作動角を取る際、最小 谷部が弾性変形可能となる。

 なお、凹溝の形状は、スリット状など、 記の作用を奏する形状であれば特に限定さ るものではない。

 上記の本発明を適用するブーツは樹脂製 あるのが望ましい。これは、樹脂は軽量で るため、重量面で等速自在継手に悪影響を えることがないことが理由として挙げられ 。また、樹脂として弾性のあるものを使用 る場合には、ブーツは外部からの衝撃の吸 性が良くなって耐久性が向上し、また、弾 力により屈曲作動角を取り易くなる。

 さらに、本発明を適用するブーツは、熱 塑性ポリエステル系エラストマー製である が望ましい。熱可塑性ポリエステル系エラ トマーは耐寒性に優れ、高硬度で、弾性力 高い樹脂である。ブーツを熱可塑性ポリエ テル系エラストマー製とすると、上記した 脂製ブーツの作用および効果が顕著になる

 ブーツの蛇腹部のうち少なくとも最小径 部に環状の溝部を形成し、その溝部の溝底 凹溝を形成するのが望ましい。

 本発明は、蛇腹部の谷部のうち少なくと 最小径谷部に溝部を環状に形成するため、 ーツが屈曲作動角を取る際に弾性変形し易 なり、ブーツの屈曲耐久性を向上させるこ ができる。なお、溝部は蛇腹部の谷部のう 最小径谷部を含む数個に形成するようにし もよいが、全ての谷部に形成すると上記の 用および効果が顕著となる。

 さらに本発明は、溝部の溝底に凹溝を環 に形成することにより、ブーツが屈曲作動 を取る際、最小径谷部が弾性変形可能とな 。このため、ブーツが高角な屈曲作動角(50 以上)を取る際にも、蛇腹部の山部が凹むこ がなく、ブーツの弾性変形力が低下するの 防止することができるため、ブーツの屈曲 動角の高角化を実現することができる。な 、本発明では、既に述べたブーツの蛇腹部 膜長を大きくすることによる他部材との干 も起こらないため、ブーツの耐久性を低下 せることもない。

 凹溝は軸方向に複数個スリット状に形成 るのが好ましい。

 既に述べたように、蛇腹部の最小径谷部 凹溝を形成することにより、ブーツが屈曲 動角を取る際、最小径谷部が弾性変形可能 なり、ブーツが高角な屈曲作動角(50°以上) 取る際にも、蛇腹部の山部が凹むことがな なり、ブーツの弾性変形力が低下するのが 止されるため、ブーツの屈曲作動角の高角 を実現することができるが、本発明のよう 、最小径谷部に前記凹溝を軸方向に複数個 リット状に形成することで、上記の作用お び効果が顕著となる。

 本発明の等速自在継手用ブーツは、ブー の蛇腹部の最小径谷部に凹溝を形成するこ により、ブーツが屈曲作動角を取る際、最 径谷部を弾性変形可能とする。これにより ブーツが高角な屈曲作動角(50°以上)を取る にも、蛇腹部の山部が凹むことがなく、ブ ツの弾性変形力が低下するのを防止するこ ができるため、ブーツの屈曲作動角を高角 することができる。

 以下本発明の実施の形態について、添付 面を参照して説明する。なお、以下の実施 態において、図4に示す従来の等速自在継手 と同じ部位、機能、形態を有する部品につい ては同じ符号を付し、その詳細な説明を省略 する。

 図1に本発明の第1の実施形態を示す。こ 図1に示す等速自在継手の外輪1の開口部は、 筒状のブーツ7とシャフト6により密閉されて る。

 このブーツ7は樹脂製とする。ブーツ7を 脂製とすると、ブーツ7は軽量となり、重量 で等速自在継手に悪影響を与えることがな 。また、樹脂として弾性のあるものを使用 る場合には、ブーツ7は外部からの衝撃の吸 収性が良くなって耐久性が向上し、また、弾 性力により屈曲作動角を取り易くなる。

 ブーツ7の素材について更に述べると、ブ ーツ7は熱可塑性ポリエステル系エラストマ 製であるのが望ましい。この理由としては 熱可塑性ポリエステル系エラストマーは耐 性に優れ、高硬度で、弾性力が高い樹脂で るため、ブーツ7を熱可塑性ポリエステル系 ラストマー製とすることで、上記の樹脂製 ーツの作用および効果が顕著になる。

 上記ブーツ7は大径部7aと小径部7bおよび 腹部7cで構成されており、大径部7aは外輪1の 開口端部の外周面に取り付けられ、小径部7b シャフト6の外周面に取り付けられる。蛇腹 部7cは大径部7aと小径部7bを連結しており、大 径部側から小径部側に向けて縮径し、複数の 山部10と谷部11が交互に形成されている。

 さて、ブーツ7の蛇腹部7cの最小径谷部11a は、図中点線で囲んだ部分の拡大図に示す うに、凹溝13を環状に形成する。ここで、 小径谷部11aとは、蛇腹部7cの谷部11において 最も小径部側に位置する谷部11を意味する

 本実施形態の様に、蛇腹部7cの最小径谷 11aに凹溝13を環状に形成することで、ブーツ 7が屈曲作動角を取る際、最小径谷部11aが弾 変形可能となる。これにより、ブーツ7が高 な屈曲作動角(50°以上)を取る際にも、蛇腹 7cの山部10が凹むことがなく、ブーツ7の弾 変形力が低下するのを防止できるため、ブ ツ7の屈曲作動角の高角化(50°以上)を実現す ことができる。なお、本発明では、既に述 たブーツ7の蛇腹部7cの膜長を大きくするこ による他部材との干渉も起こらないため、 ーツ7の耐久性を低下させることもない。

 図2に本発明の第2の実施形態を示す。こ 図2に示す等速自在継手の外輪1の開口部は、 筒状のブーツ27とシャフト6により密閉されて いる。なお、ブーツ27の素材については、第1 の実施形態と同じであるため、その詳細な説 明を省略する。

 ブーツ27は大径部27aと小径部27bおよび蛇 部27cで構成されており、大径部27aは外輪1の 口端部の外周面に取り付けられ、小径部27b シャフト6の外周面に取り付けられる。蛇腹 部27cは大径部27aと小径部27bを連結しており、 大径部側から小径部側に向けて縮径し、複数 の山部20と谷部21が交互に形成されている。

 蛇腹部27cの全ての谷部21には溝部22を環状 に形成する。このように、谷部21に溝部22を 成することで、ブーツ27が屈曲作動角を取る 際、ブーツ27が弾性変形し易くなり、ブーツ2 7の屈曲耐久性を向上させることができる。 お、溝部22は、本実施形態のように全ての谷 部21に形成するのが望ましいが、最小径谷部2 1aを含む数個の谷部21に形成するようにして よい。

 また、本実施形態では、図中点線で囲ん 部分の拡大図に示すように、最小径谷部21a 形成した溝部22の溝底に凹溝14を環状に形成 する。この時の作用および効果については図 1に示す第1の実施形態と同じであるため、そ 詳細な説明を省略する。

 図3に本発明の第3の実施形態を示す。こ 図3に示す等速自在継手の外輪1の開口部は、 筒状のブーツ37とシャフト6により密閉されて いる。なお、ブーツ37の素材については、第1 の実施形態と同じであるため、その詳細な説 明を省略する。

 ブーツ37は大径部37aと小径部37bおよび蛇 部37cで構成されており、大径部37aは外輪1の 口端部の外周面に取り付けられ、小径部37b シャフト6の外周面に取り付ける。蛇腹部37c は大径部37aと小径部37bを連結しており、大径 部側から小径部側に向けて縮径し、複数の山 部30と谷部31が交互に形成されている。

 本実施形態では、谷部31には全て溝部32を 環状に形成する。このように、谷部31に溝部3 2を形成することで、ブーツ27が屈曲作動角を 取る際、ブーツ27が弾性変形し易くなり、ブ ツ27の屈曲耐久性を向上させることができ 。なお、溝部32は、本実施形態のように全て の谷部31に形成するのが望ましいが、最小径 部31aを含む数個の谷部31に形成するように てもよい。

 また、本実施形態では、図中点線で囲ん 部分の拡大図に示すように、最小径谷部31a 形成した溝部32の溝底に凹溝15を軸方向に複 数個スリット状に形成する。最小径谷部31aに 凹溝15を形成する時の作用および効果は、図1 に示す第1の実施形態と同じであるが、この 用および効果が本実施形態では顕著となる

 以上、本発明の実施の形態について説明 行ったが、これらはあくまで例示であり、 許請求の範囲に記載の意味および内容の範 内において全ての変更が可能である。

 例えば、図3に示す第3の実施形態では、 腹部の全ての谷部に溝部を形成し、最小径 部に形成した溝部の溝底に凹溝を軸方向に 数個スリット状に形成したが、谷部には溝 を形成せず、最小径谷部に凹溝を軸方向に 数個スリット状に形成することもできる。 の場合においても、図3に示す第3の実施形態 と同様、ブーツの屈曲作動角を、最小径谷部 に凹溝を一つだけ形成する場合よりも高角化 (50°以上)することができる。

本発明の第1の実施形態を示す断面図で ある。 本発明の第2の実施形態を示す断面図で ある。 本発明の第3の実施形態を示す断面図で ある。 従来の等速自在継手用ブーツを取り付 た等速自在継手を示す断面図である。 図4とは異なる従来の等速自在継手用ブ ーツを取り付けた等速自在継手を示す断面図 である。

符号の説明

1             外輪(外側継手部材)
3             内輪(内側継手部材)
6             シャフト(軸部材)
7、27、37       ブーツ
7a、27a、37a    大径部
7b、27b、37b    小径部
7c、27c、37c    蛇腹部
10、20、30      山部
11、21、31      谷部
11a、21a、31a   最小径谷部
22、32         溝部
13、14、15      凹溝