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Patent Searching and Data


Title:
BEARING MECHANISM WITH SLIDE BEARING
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/054122
Kind Code:
A1
Abstract:
A bearing mechanism (1) includes a housing (3) having a circular tubular inner peripheral surface (2), a rack shaft (5) inserted and mounted in the housing (3) and having a circular tubular outer peripheral surface (4), and a slide bearing (6) placed between the inner peripheral surface (2) of the housing (3) and the outer peripheral surface (4) of the rack shaft (5).

Inventors:
HIROSE MASAHIKO (JP)
OHARA YOSHIHIDE (JP)
HASHIMOTO MASAAKI (JP)
TANAKA TAKAHIRO (JP)
KAIDA HIDETOSHI (JP)
OKI EIJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/002981
Publication Date:
April 30, 2009
Filing Date:
October 21, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JTEKT CORP (JP)
OILES INDUSTRY CO LTD (JP)
HIROSE MASAHIKO (JP)
OHARA YOSHIHIDE (JP)
HASHIMOTO MASAAKI (JP)
TANAKA TAKAHIRO (JP)
KAIDA HIDETOSHI (JP)
OKI EIJI (JP)
International Classes:
B62D3/12; B62D5/22; F16C17/02; F16C27/06; F16C35/02
Foreign References:
JP2006234152A2006-09-07
JP2007050762A2007-03-01
JP2004255988A2004-09-16
JP2004347105A2004-12-09
JP2007040429A2007-02-15
JP2004347105A2004-12-09
Other References:
See also references of EP 2202129A4
Attorney, Agent or Firm:
TAKADA, Takeshi (Hanabusa Building12-6, Minamiaoyama 5-chom, Minato-ku Tokyo, JP)
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Claims:
 円筒状の内周面を有したハウジングと、このハウジング内に挿着されていると共に円筒状の外周面を有したラック軸と、ハウジングの内周面とラック軸の外周面との間に介在された滑り軸受とを具備しており、ハウジングはその内周面に係止溝を有しており、滑り軸受は、円筒状の軸受本体と、この軸受本体に設けられていると共に軸受本体の軸方向の一方の端面から軸受本体の軸方向の他方の端面に向かって伸びた一方のスリットと、軸受本体に設けられていると共に軸受本体の他方の端面から軸受本体の一方の端面に向かって伸びた他方のスリットと、軸受本体の内側に設けられていると共に軸心周りの方向において少なくとも部分的に互いに離間した複数の摺動面と、軸受本体の外面に設けられた少なくとも一つの装着溝と、軸受本体の外面から径方向に突出すると共に軸受本体を縮径させるように装着溝に嵌装された弾性リングと、ハウジングの係止溝に弾性的な締め代をもって配されていると共にハウジングに対する軸受本体の軸方向の移動を弾性的に規制する規制手段とを具備しており、弾性リングは、その外周面で締め代をもってハウジングに嵌装されており、軸受本体は、摺動面を介してラック軸を弾性リングの弾性力をもって締め付けて当該ラック軸の外周面に装着されており、規制手段は、係止溝に向かって径方向外方向に突出して軸受本体の外周面に一体的に形成された突起と、この突起を囲繞して当該突起に装着された他の弾性リングとを具備しており、係止溝は、ハウジングの軸方向に対して直交する一対の壁面と、ハウジングの軸心周りの方向に伸びる壁面とで規定されており、他の弾性リングは、係止溝を規定する一対の壁面に接触して弾性的に圧縮されている軸受機構。
 規制手段の突起は、ハウジングの内周面の係止溝に他の弾性リングによる弾性的な締め代をもって配されている請求項1に記載の軸受機構。
 規制手段の突起は、他の弾性リングを装着するための環状溝を有しており、規制手段の突起は、その外周面が一対の壁面との間に隙間をもって係止溝に配されており、他の弾性リングは、軸方向において部分的に環状溝から突出していると共に部分的に突出した部位で一対の壁面に接触している請求項1又は2に記載の軸受機構。
 ハウジングにおける係止溝を有した円筒状の内周面とハウジング内に挿着されるラック軸の円筒状の外周面との間に介在される滑り軸受であって、円筒状の軸受本体と、この軸受本体に設けられていると共に軸受本体の軸方向の一方の端面から軸受本体の軸方向の他方の端面に向かって伸びた一方のスリットと、軸受本体に設けられていると共に軸受本体の他方の端面から軸受本体の一方の端面に向かって伸びた他方のスリットと、軸受本体の内側に設けられていると共に軸心周りの方向において少なくとも部分的に互いに離間した複数の摺動面と、軸受本体の外面に設けられた少なくとも一つの装着溝と、軸受本体の外面から径方向に突出すると共に軸受本体を縮径させるように装着溝に嵌装された弾性リングと、ハウジングの係止溝に弾性的な締め代をもって配されるようになっていると共にハウジングに対する軸受本体の軸方向の移動を弾性的に規制するようになっている規制手段とを具備しており、弾性リングは、その外周面で締め代をもってハウジングに嵌装されるようになっており、軸受本体は、摺動面を介してラック軸を弾性リングの弾性力をもって締め付けて当該ラック軸の外周面に装着されるようになっており、規制手段は、係止溝に向うように径方向外方向に突出して軸受本体の外周面に一体的に形成された突起と、この突起を囲繞して当該突起に装着された他の弾性リングとを具備しており、係止溝は、ハウジングの軸方向に対して直交する一対の壁面と、ハウジングの軸心周りの方向に伸びる壁面とで規定されており、他の弾性リングは、係止溝を規定する一対の壁面に接触して弾性的に圧縮されるようになっている滑り軸受。
Description:
滑り軸受を具備した軸受機構

 本発明は、例えば自動車のラック軸を直 自在に支承するためにラック軸とハウジン との間に介在される滑り軸受を具備した軸 機構に関する。

特開2004-347105号公報

 自動車の操舵用のラック軸を直動自在に 承するラック軸用軸受としては合成樹脂か なる滑り軸受が使用されている。

 滑り軸受は、転がり軸受に比べ、価格が く、振動吸収性に優れるという利点を有す ものの、滑り軸受とラック軸との間に適度 クリアランス(軸受隙間)を必要とするため ラック軸に生じる振動によりラック軸と滑 軸受との間に衝突音を発生し、自動車を運 する者に不快音として伝達されるという問 がある。この衝突音の発生を抑制すべく滑 軸受とラック軸との間のクリアランスを小 くすると、摩擦トルクが増大する上に、直 開始時と直動中との摩擦トルクの差が大き なると共にラック軸の外径寸法誤差による ティックスリップ現象等に起因して直動中 おいて摩擦トルクの変動が生じる等の摩擦 ルクの安定性を阻害する要因となる。

 また、ラック軸は、滑り軸受を介してハ ジングに直動自在に支承されるのであるが ハウジングの内径の真円度は通常それ程高 なく、斯かるハウジング内に合成樹脂から る滑り軸受を圧入、固定すると、ハウジン の内径の真円度に影響されて滑り軸受が歪 でラック軸との間のクリアランスに差異が じ、これによっても摩擦トルクの安定性を 害することにもなる。

 特許文献1には、ラック軸との衝突音をな くし得る上に、直動摩擦抵抗を減少でき、し かも、直動開始時と直動中との直動摩擦抵抗 の差を小さくできると共にラック軸の外径寸 法誤差及びハウジングの内径の真円度等に影 響されないで、安定した直動摩擦抵抗を得る ことができ、而して、ラック軸を円滑に支承 できてラック軸の直動をよりスムースに行わ せることができる滑り軸受及び斯かる滑り軸 受を具備した軸受機構が提案されている。

 この軸受機構では、滑り軸受をハウジン から軸方向に抜け出さないように滑り軸受 ハウジングに係止させるのであるが、ハウ ングに溝を設ける一方、滑り軸受に鍔(爪) 設けて、鍔を溝に嵌合させてこれにより抜 出し防止のための係止を行う場合等では、 への鍔の装着を可能にするために溝におい 鍔とハウジングとの間にクリアランス(隙間) が存在することになる。斯かるクリアランス (隙間)が存在すると、塗布されたグリース等 潤滑剤の影響で滑り軸受とハウジングとの の静止摩擦抵抗よりも滑り軸受とラック軸 の間の静止摩擦抵抗が大きい場合には、ラ ク軸の直動開始時には滑り軸受がラック軸 共にハウジングに対してクリアランス分だ 直動され、その後、滑り軸受に対してラッ 軸が直動されることになり、両摩擦抵抗の 異によりハンドルでの操舵感覚が損なわれ 虞がある。

 またラック軸用の軸受機構は、路面走行 の車輪からラック軸に加わる微振動を操舵 に伝達させないようにする機能(フラッター 抑制効果)をも有しているが、上記のような リアランス(隙間)が存在する軸受機構では、 ラック軸の振動と共に滑り軸受自体も振動し てフラッター抑制効果が十分に得られない虞 もある。

 本発明は、前記諸点に鑑みてなされたも であって、その目的とするところは、ラッ 軸との衝突音をなくし得る上に、直動摩擦 抗を減少でき、しかも、直動開始時と直動 との直動摩擦抵抗の差を小さくできると共 ラック軸の外径寸法誤差及びハウジングの 径の真円度等に影響されないで、安定した 動摩擦抵抗を得ることができ、而して、ラ ク軸を円滑に支承できてラック軸の直動を りスムースに行わせることができ、その上 ハンドルでの操舵感覚を向上できると共に ラッター抑制効果を十分に維持できる軸受 構を提供することにある。

 本発明の軸受機構は、円筒状の内周面を したハウジングと、このハウジング内に挿 されていると共に円筒状の外周面を有した ック軸と、ハウジングの内周面とラック軸 外周面との間に介在された滑り軸受とを具 しており、ここで、ハウジングはその内周 に係止溝を有しており、滑り軸受は、円筒 の軸受本体と、この軸受本体に設けられて ると共に軸受本体の軸方向の一方の端面か 軸受本体の軸方向の他方の端面に向かって びた一方のスリットと、軸受本体に設けら ていると共に軸受本体の他方の端面から軸 本体の一方の端面に向かって伸びた他方の リットと、軸受本体の内側に設けられてい と共に軸心周りの方向において少なくとも 分的に互いに離間した複数の摺動面と、軸 本体の外面に設けられた少なくとも一つの 着溝と、軸受本体の外面から径方向に突出 ると共に軸受本体を縮径させるように装着 に嵌装された弾性リングと、ハウジングの 止溝に弾性的な締め代をもって配されてい と共にハウジングに対する軸受本体の軸方 の移動を弾性的に規制する規制手段とを具 しており、弾性リングは、その外周面で締 代をもってハウジングに嵌装されており、 受本体は、摺動面を介してラック軸を弾性 ングの弾性力をもって締め付けて当該ラッ 軸の外周面に装着されており、規制手段は 係止溝に向かって径方向外方向に突出して 受本体の外周面に一体的に形成された突起 、この突起を囲繞して当該突起に装着され 他の弾性リングとを具備しており、係止溝 、ハウジングの軸方向に対して直交する一 の壁面と、ハウジングの軸心周りの方向に びる壁面とで規定されており、他の弾性リ グは、係止溝を規定する一対の壁面に接触 て弾性的に圧縮されている。

 本発明の軸受機構によれば、軸受本体が ウジングの内周面に挿入されると、軸受本 の外周面から突出する弾性リングは、ハウ ングの内周面に対して締め代をもって弾性 形し、当該弾性変形によりハウジングの内 の真円度等の寸法誤差を吸収できる。また かる軸受機構によれば、軸受本体の両端面 対して開口端を有したスリットにより縮径 在となっている軸受本体は、弾性リングに って縮径されてその内部に挿通されたラッ 軸を複数の摺動面を介して締め付けるので ラック軸との間のクリアランスを零にでき 、ラック軸との間の衝突をなくし得、結果 して不快音として伝達される衝突音の発生 なくし得る上に、直動開始時と直動中との 動摩擦抵抗の差を小さくできると共にラッ 軸の外径寸法誤差を吸収できて安定した直 摩擦抵抗を得ることができる。

 更に本発明の軸受機構によれば、規制手 がハウジングの係止溝に弾性的な締め代を って配されると共にハウジングに対する軸 本体の軸方向の移動を弾性的に規制するた に、滑り軸受とハウジングとの間の静止摩 抵抗よりも滑り軸受とラック軸との間の静 摩擦抵抗が大きい場合でも、ラック軸の直 開始時に滑り軸受がラック軸と共にハウジ グに対して軸方向に直動されることを弾性 に阻止できて滑り軸受をハウジングに対し 保持でき、ラック軸の直動開始時でも直動 と同様に滑り軸受に対して軸方向にラック が直動されることになり、ハンドルでの操 感覚を向上できる上に、フラッター抑制効 を十分に維持できるのみならず、規制手段 係止溝に向かって径方向外方向に突出して 受本体の外周面に一体的に形成された突起 、この突起を囲繞して当該突起に装着され 他の弾性リングとを具備しており、他の弾 リングが係止溝を規定する一対の壁面に接 して弾性的に圧縮されているために、軸受 体の軸方向における上記の効果のかたぎき 防ぐことができ、ラック軸の両方向の直動 同等の効果を期待できる。

 規制手段の突起は、一個でもよいが、好 しくは、複数個であり、規制手段において 個の突起を設ける場合には、これらを軸対 に配置し、三個以上の突起を設ける場合に 、軸心周りの方向でこれらを等しい中心角 もって配置するとよい。係止溝は、ハウジ グの内周面の全周にわたって設けられた一 の環状のものであってもよいが、これに代 て、規制手段の突起に対応して設けられた 個又は複数個であってもよい。

 規制手段の突起は、円柱状、楕円柱状、 頭円錐状若しくは角柱状又は円筒状、楕円 状、中空截頭円錐状若しくは角筒状であっ もよい。斯かる突起は、ハウジングの内周 の係止溝に他の弾性リングによる弾性的な め代をもって配されていてもよく、好まし 例では、規制手段の突起は、他の弾性リン を装着するための環状溝を有しており、規 手段の突起は、その外周面が一対の壁面と 間に隙間をもって係止溝に配されており、 の弾性リングは、軸方向において部分的に 状溝から突出していると共に部分的に突出 た部位で一対の壁面に接触している。規制 段は、他の弾性リングが装着された突起に えて、他の弾性リングが装着されてない突 を具備していてもよい。

 装着溝に嵌装された弾性リングは、弾性 ングの弾性係数にもよるが、その外径が、 ウジングの内周面の径よりも0.3mmから1.0mm程 度大きいものを、その内径が、装着溝の底面 の径よりも0.3mmから1.0mm程度小さいものを好 しい例として提示し得るが、要は、ハウジ グの内周面に対して締め代をもち、かつ複 の摺動面を介してラック軸を適度な弾性力 締め付けて摺動面とラック軸との間のクリ ランスを零とする程度に、軸受本体の外周 から突出すると共に軸受本体を縮径させる うになっていればよく、具体的には、少な とも、外径がハウジングの内周面の径より 大きく、内径が溝の底面の径よりも小さけ ばよい。

 いずれの弾性リングも、断面円形状の所 Oリングであってよいが、その他の断面X字 状、断面U字形状又は断面台形状のリング等 あってもよく、弾性リングを形成する弾性 料としては、天然ゴム、合成ゴム、弾性を する熱可塑性合成樹脂、例えばポリエステ エラストマーのいずれであってもよい。

 ハウジングにおける係止溝を有した円筒 の内周面とハウジング内に挿着されるラッ 軸の円筒状の外周面との間に介在される本 明の滑り軸受は、円筒状の軸受本体と、こ 軸受本体に設けられていると共に軸受本体 軸方向の一方の端面から軸受本体の軸方向 他方の端面に向かって伸びた一方のスリッ と、軸受本体に設けられていると共に軸受 体の他方の端面から軸受本体の一方の端面 向かって伸びた他方のスリットと、軸受本 の内側に設けられていると共に軸心周りの 向において少なくとも部分的に互いに離間 た複数の摺動面と、軸受本体の外面に設け れた少なくとも一つの装着溝と、軸受本体 外面から径方向に突出すると共に軸受本体 縮径させるように装着溝に嵌装された弾性 ングと、ハウジングの係止溝に弾性的な締 代をもって配されるようになっていると共 ハウジングに対する軸受本体の軸方向の移 を弾性的に規制するようになっている規制 段とを具備しており、弾性リングは、その 周面で締め代をもってハウジングに嵌装さ るようになっており、軸受本体は、摺動面 介してラック軸を弾性リングの弾性力をも て締め付けて当該ラック軸の外周面に装着 れるようになっており、規制手段は、係止 に向うように径方向外方向に突出して軸受 体の外周面に一体的に形成された突起と、 の突起を囲繞して当該突起に装着された他 弾性リングとを具備しており、係止溝は、 ウジングの軸方向に対して直交する一対の 面と、ハウジングの軸心周りの方向に伸び 壁面とで規定されており、他の弾性リング 、係止溝を規定する一対の壁面に接触して 性的に圧縮されるようになっている。

 本発明による滑り軸受を上述の軸受機構 用いることにより、ラック軸を円滑に支承 きてラック軸の直動をよりスムースに行わ ることができ、その上、ハンドルでの操舵 覚を向上できる上に、フラッター抑制効果 十分に維持できる軸受機構を提供すること できる。

 本発明においては、軸受本体には一方及 他方のスリットの夫々を複数個設けてもよ 、各スリットは一対の摺動面の間を通って びていても、一方及び他方のスリットは、 心周りの方向において交互に配されていて よく、各摺動面は、軸受本体の両端面から 方向において所定距離だけ離れた位置間で 受本体の内側に設けられていてもよく、ま 、複数の摺動面は、軸心周りの方向におい 等間隔に配されているとよく、好ましい例 は、軸受本体の外周面には軸方向において いに離間された少なくとも二つの装着溝が けられており、各装着溝に軸受本体の外周 から突出すると共に軸受本体を縮径させる うに弾性リングが嵌装されており、軸方向 おいて二つの装着溝間に摺動面の軸方向の 央部が位置しており、各摺動面は、軸方向 おいて二つの装着溝間で軸受本体の内側に けられていてもよく、また軸方向において つの装着溝を越えて軸受本体の内側に設け れていてもよい。

 装着溝に嵌装される弾性リングは、装着 の容積よりも大きな体積を有しているとよ 。弾性リングは、装着溝において隙間なし 軸受本体にぴったりと配されている必要は く、軸受本体に対して若干の隙間をもって 着溝に嵌装されていてもよく、軸受本体の 周面から径方向に突出する弾性リングの部 がハウジングによって正規に押圧された場 に変形して装着溝を完全に埋めるようにな ていてもよく、或いはこのようにハウジン によって正規に押圧された場合にも軸受本 に対して若干の隙間をもつ一方、意図しな 外力によりハウジングがラック軸に対して 規の位置から偏心して部分的にハウジング よって強く押圧された場合には斯かる過度 押圧された部位で変形して溝を完全に埋め 剛性を増大し、これによりハウジングの意 しない偏心に逆らうようになっていてもよ 。

 滑り軸受は、好ましくは、ハウジングに して自由端部となる部位での軸受本体の径 向の最大厚みの0.3%から10%の幅をもったクリ アランスがハウジングの内周面と自由端部と なる部位での軸受本体の外周面との間に生じ るようになっている。クリアランスが0.3%よ も少ないと、意図しない外力によりハウジ グがラック軸に対して正規の位置から偏心 た場合に、ハウジングが容易に軸受本体に 触して異常音等を発生させる虞があり、ク アランスが10%よりも大きいと、意図しない 力によりハウジングがラック軸に対して正 の位置から容易に大きく偏心して軸受機構 よる調心効果を低下させる虞があり、した って、上記のようになっていると、ハウジ グの軸受本体への接触を回避できてハウジ グをラック軸に対して正規の位置に確実に 持できる。

 本発明においては、各摺動面は平坦面又 円弧状の突面若しくは凹面であってもよく 各摺動面が平坦面である場合には、径方向 おいて互いに対面すると共に互いに平行な 動面間の距離は、各端面における軸受本体 内径よりも小さくても、各摺動面が円弧状 突面である場合には、径方向において互い 対面する摺動面の頂部間の距離は、各端面 おける軸受本体の内径よりも小さくても、 摺動面が円弧状の凹面である場合には、径 向において互いに対面する摺動面の底部間 距離は、各端面における軸受本体の内径よ も小さくてもよい。

 各摺動面において、それが平坦面である 合には、軸心周りの方向のその中央部でラ ク軸を弾性リングの弾性力をもって締め付 るようになっていても、それが円弧状の突 である場合には、その頂部でラック軸を弾 リングの弾性力をもって締め付けるように っていても、そして、それが円弧状の凹面 ある場合には、その底部でラック軸を弾性 ングの弾性力をもって締め付けるようにな ていてもよく、円弧状の凹面は、ラック軸 外周面の曲率よりも小さな曲率又は実質的 同一の曲率を有しているとよい。

 好ましい例では、軸受本体の内側は、軸 本体の一方の端面から摺動面の軸方向の一 まで伸びると共に徐々に縮径した一方のテ パ面と、軸受本体の他方の端面から摺動面 軸方向の他端まで伸びると共に徐々に縮径 た他方のテーパ面とを具備しており、ここ 、一方のテーパ面は、他方のテーパ面の軸 向長より長い軸方向長を有していてもよく 一方のテーパ面は、他方のテーパ面のテー 角度より大きなテーパ角度を有していても く、斯かるテーパ面を有した滑り軸受によ ば、一方のテーパ面側から軸受本体をラッ 軸の外周面へ容易に装着できる結果、組付 工数を大幅に削減できる。

 本発明の軸受機構において、複数の摺動 と軸受本体とは、合成樹脂から一体成形さ たものであり、複数の摺動面と軸受本体と 形成する合成樹脂としては、ポリアセター 樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂 び四ふっ化エチレン樹脂などの熱可塑性合 樹脂を好ましい例として挙げることができ 。

 本発明によれば、ラック軸との衝突音を くし得る上に、直動摩擦抵抗を減少でき、 かも、直動開始時と直動中との直動摩擦抵 の差を小さくできると共に、ラック軸の外 寸法誤差及びハウジングの内径の真円度等 影響されないで、安定した直動摩擦抵抗を ることができ、而して、ラック軸を円滑に 承できてラック軸の直動をよりスムースに わせることができ、その上、ハンドルでの 舵感覚を向上できると共にフラッター抑制 果を十分に維持できる軸受機構を提供する とができる。

 以下、図を参照して本発明及びその好ま い実施例を説明する。なお、本発明はこれ の例に何等限定されないのである。

 図1は、本発明の好ましい例において滑り軸 受の図3に示すI-I線矢視断面を含む説明図、
 図2は、図1に示す例の滑り軸受の右側面説 図、
 図3は、図1に示す例の滑り軸受の左側面説 図、
 図4は、図1に示す例において滑り軸受の平 説明図、そして、
 図5は、図1に示す例において滑り軸受の底 説明図である。

 図1から図5において、本例の軸受機構1は 円筒状の内周面2を有したハウジング3と、 ウジング3内に挿着されていると共に円筒状 外周面4を有したラック軸5と、ハウジング3 内周面2とラック軸5の外周面4との間に介在 れた滑り軸受6とを具備している。

 ハウジング3は、その内周面2に円環状の 止溝11を有しており、係止溝11は、ハウジン 3の軸心Xに沿う方向である軸方向Aに対して 交する円環状の一対の壁面12及び13と、ハウ ジング3の軸心X周りの方向である円周方向Bに 伸びる円環状の壁面14とで規定されている。

 軸方向Aに移動自在なラック軸5は、一方 はステアリングホイールに、他方では車輪 夫々連結機構を介して連結されており、斯 る連結機構は知られているので説明を省く

 滑り軸受6は、円筒状の軸受本体21と、軸 本体21の一方の端面22から軸方向Aであって 受本体21の他方の端面23に向かって伸びて軸 本体21に設けられた2個一組の合計2組のスリ ット24及び25並びに26及び27と、軸受本体21の 方の端面23から軸方向Aであって軸受本体21の 一方の端面22に向かって伸びて軸受本体21に けられた二個のスリット28及び29と、軸受本 21の内側に設けられていると共にスリット24 から29により円周方向Bにおいて部分的に互い に離間した複数、本例では六個の摺動面とし ての円弧状の凹面30及び31並びに32、33、34及 35と、軸受本体21の外面41に設けられた少な とも一つ、本例では二つの装着溝42と、軸受 本体21の外面41から突出すると共に軸受本体21 を縮径させるように装着溝42の夫々に嵌装さ た弾性リング43と、ハウジング3の係止溝11 弾性的な締め代をもって配されていると共 ハウジング3に対する軸受本体21の軸方向Aの 動を弾性的に規制する規制手段44とを具備 ている。

 端面22側において開口すると共に軸方向A おいて端面23側の装着溝42を超えて伸びたス リット24から27において、一方の組の二個の リット24及び25は、凹面30を挟んで配されて り、スリット24及び25に対して軸心Xに関して 対称に配された他方の組の二個のスリット26 び27は、凹面30に対して軸心Xに関して対称 、即ち円周方向Bにおいて180°の角度間隔を って配された凹面31を挟んで配されている。

 端面23側において開口すると共に軸方向A おいて端面22側の装着溝42を超えて伸びたス リット28及び29は、軸心Xに関して互いに対称 、即ち円周方向Bにおいて互いに180°の角度 隔をもって配されており、円周方向Bにおい て一方の組のスリット24及び25と他方の組の リット26及び27と間のほぼ中央部に配されて る。

 スリット24から27は、一個でもよく、また 、スリット28及び29も、一個でもよいが、本 のように構成されていると、軸受本体21の縮 径を均等に且つ容易に得ることができるので 好ましい。

 凹面30から35を含む軸受本体21は、合成樹 、例えばポリアセタール樹脂、ポリアミド 脂などの熱可塑性合成樹脂から一体成形さ たものである。

 夫々が実質的にラック軸5の外周面4の曲 と同一の曲率を有する凹面30から35において 互いに隣接する一方の組のスリット24及び25 に挟まれた凹面30と同じく互いに隣接する他 の組のスリット26及び27に挟まれた凹面31と 、円周方向Bにおいて180°の角度間隔をもっ 配されており、円周方向Bにおいて一方の組 のスリット24及び25並びに他方の組のスリッ 26及び27とスリット28及び29との間に配された 凹面32、33、34及び35の夫々は、円周方向Bにお いて等角度間隔で配されており、これら凹面 30から35は、軸受本体21の両端面22及び23から 方向Aにおいて所定距離だけ離れた位置間で って軸方向Aにおいて二つの装着溝42を越え 軸受本体21の内側に設けられており、しか 、凹面30から35の夫々の軸方向Aの中央部は、 軸方向Aにおいて二つの装着溝42間に位置して いる。

 軸受本体21の内側は、凹面30から35に加え 、端面22から端面23に向かって軸方向Aに伸 ると共に徐々に縮径したテーパ面51と、端面 23から端面22に向かって軸方向Aに伸びると共 徐々に縮径したテーパ面52と、端面22から軸 方向Aに伸びてスリット28及び29の軸方向Aの一 端の夫々に接続された通気用溝53及び54と、 リット24から27の夫々の軸方向Aの一端からテ ーパ面52まで伸びると共に円弧状の凹面30か 35の夫々の曲率と同一の曲率を有する摺動面 としての円弧状の連接凹面55及び56並びに57及 び58とを具備しており、凹面30は、円周方向B おいて連接凹面55及び56の夫々を介して凹面 35及び32の夫々に連接されており、凹面31は、 円周方向Bにおいて連接凹面57及び58の夫々を して凹面33及び34の夫々に連接されており、 凹面32及び33は、円周方向Bにおいてスリット2 8及び通気用溝53により互いに分断されており 、凹面34及び35は、円周方向Bにおいてスリッ 29及び通気用溝54により互いに分断されてい る。

 軸受本体21の外面41に軸方向Aにおいて互 に離間されて設けられている二つの装着溝42 は、軸受本体21の外面41側での環状の三つの 起61、62及び63により規定されており、突起61 、62及び63における軸受本体21の外面41の径は 夫々互いに等しい一方、ハウジング3の内周 面2の径より小さく、突起61、62及び63におけ 軸受本体21の外面41とハウジング3の内周面2 の間に環状の隙間(クリアランス)64が生じる うになっている。

 Oリングからなる各弾性リング43は、ハウ ング3の内周面2に嵌装されていない一方、 着溝42に装着されている状態で、ハウジング 3の内周面2の径よりも大きい外径を有し、ハ ジング3の内周面2に嵌装されていない上に 装着溝42にも装着されていない状態で、装着 溝42の底面65の径よりも小さい内径を有して り、而して、軸受本体21の突起61、62及び63に おける外面41から突出すると共に軸受本体21 縮径させるように装着溝42に嵌装されている 弾性リング43の夫々は、嵌装される装着溝42 容積よりも大きな体積を有しており、締め けられて変形して隙間なしに装着溝42に充填 されても部分的に外面41から突出するように っている。

 各弾性リング43は、その外周面で締め代 もってハウジング3の内周面2に嵌装されてお り、軸受本体21は、その外面41とハウジング3 内周面2との間に隙間64をもってハウジング3 の内周面2に配されていると共に連接凹面55か ら58を含む凹面30から35を介してラック軸5を 性リング43の弾性力をもって締め付けてラッ ク軸5の外周面4に装着されている。

 規制手段44は、係止溝11に向かって径方向 外方向に突出して軸受本体21の外面41に一体 に形成された二個一組の合計二組の突起71及 び72と、一方の組の突起71の夫々を囲繞して 該突起71の夫々に装着された弾性リング73と 具備している。

 端面22に隣接すると共に通気用溝53及び54 対応する位置に配された一方の組の二つの 起71は、互いに円周方向Bにおいて180°の角 間隔をもって配されており、端面22に隣接す ると共にスリット24及び25間及びスリット26及 び27間に配された他方の組の二つの突起72は 互いに円周方向Bにおいて180°の角度間隔を って配されており、係止溝11に配されている と共に軸受本体21に一体形成された突起71及 72は、互いに円周方向Bにおいて90°の等角度 隔をもって配されている。

 円柱状の突起71の夫々は、その円筒状の 周面75が一対の壁面12及び13との間に軸方向A 隙間76及び77をもつと共にその先端面78が壁 14との間に径方向の隙間64よりも大きな径方 向の隙間79をもって係止溝11に配されており その外周面75に弾性リング73を装着するため 環状溝80を有している。

 環状溝80の夫々に装着された弾性リング73 は、軸方向Aにおいて部分的に環状溝80から突 出していると共に部分的に突出した部位で一 対の壁面12及び13に接触して弾性的に圧縮さ ており、こうして、規制手段44の突起71の夫 は、ハウジング3の内周面2の係止溝11に弾性 リング73による弾性的な締め代をもって配さ ている。

 四角柱状の突起72の夫々は、その平坦状 外周面81が一対の壁面12及び13との間に軸方 Aの隙間82及び83をもつと共にその先端面84が 面14との間に径方向の隙間64よりも大きな径 方向の隙間85をもって係止溝11に配されてい 。

 規制手段44は、各突起71と各環状溝80に配 れた弾性リング73とによりハウジング3に対 る軸受本体21の軸方向Aの移動を弾性的に規 するようになっている。

 突起72にも突起71と同様に弾性リング73を 着してもよく、この場合、突起72に環状溝80 と同様な環状溝を形成して斯かる環状溝に弾 性リングを装着するとよく、また、突起72と ては、四角柱状に限らないのであって円柱 でもよい一方、突起71もまた、円柱状に限 ないのであって四角柱状でもよく、夫々弾 リング73が装着された一対の突起71は、本例 ようにX軸に関して対称に配されているのが 好ましいのであるが、弾性リング73が装着さ た突起71としては一個又は三個以上であっ もよく、三個以上の突起71を設ける場合には 、突起72を省略して、これら三個以上の突起7 1を互いに円周方向Bにおいて等角度間隔をも て配してもよい。

 以上の軸受機構1では、軸受本体21の外面4 1の装着溝42に弾性リング43を嵌装することに り、スリット24から29を有する軸受本体21は 弾性リング43の弾性圧縮力により縮径され 軸受本体21が縮径された状態の滑り軸受6は ウジング3内に配置され、その後、軸受本体2 1の内側にラック軸5を挿入することにより、 受本体21は弾性リング43の弾性圧縮力に抗し てスリット24から29により拡径すると共にラ ク軸5はその外周面4で弾性リング43の弾性圧 力をもって連接凹面55から58を含む凹面30か 35により締め付けられることになる一方、 弾性リング43は、その外周面で締め代をもっ てハウジング3の内周面2に接触されることに り、しかも、弾性的な締め代をもった弾性 ング73の圧縮変形により突起71と弾性リング 73とは軸方向Aにおいて隙間なしに係止溝11に されることになる。

 したがって、連接凹面55から58を含む凹面 30から35とラック軸5の外周面4との間のクリア ランスは零となり、軸受本体21とラック軸5と の間の衝突をなくし得、結果として運転者に 不快音として伝達される衝突音の発生はなく 、軸受本体21の装着溝42に嵌装された弾性リ グ43はハウジング3の内周面2に対して締め代 もっているので、弾性リング43は弾性変形 、当該弾性変形によりハウジング3の内径の 円度等の寸法誤差を吸収でき、しかも、規 手段44の突起71と弾性リング73とがハウジン 3の係止溝11に軸方向Aにおいて弾性的な締め 代をもって配されると共にハウジング3に対 る軸受本体21の軸方向Aの移動を弾性的に規 するために、弾性リング43とハウジング3の 周面2との間の静止摩擦抵抗よりも滑り軸受6 の連接凹面55から58を含む凹面30から35とラッ 軸5の外周面4との間の静止摩擦抵抗が大き 場合でも、ラック軸5の軸方向Aの直動開始時 に滑り軸受6がラック軸5と共にハウジング3に 対して軸方向Aに直動されることを弾性的に 止できて滑り軸受6をハウジング3に対して保 持でき、ラック軸5の直動開始時でも直動中 同様に滑り軸受6に対して軸方向Aにラック軸 5が直動されることになり、ハンドルでの操 感覚を向上できる上に、フラッター抑制効 を十分に維持できる。

 軸受機構1ではまた、ハウジング3内とハ ジング3外とをスリット28及び29並びに通気用 溝53及び54を介して連通させることができる で、ラック軸5の軸方向Aの移動においてハウ ジング3内に対するハウジング3外の空気の出 を確保できる。

 上記では、各摺動面を連接凹面55から58を 含む凹面30から35で構成したが、これに代え 、各摺動面を円弧状の突面又は平坦面で構 してもよい。