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Title:
SEAMLESS PIPE MANUFACTURING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/123276
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a seamless pipe manufacturing method capable of making the longitudinal thickness distribution of a pipe more homogeneous than the prior art. The seamless pipe manufacturing method comprises a first step of measuring an external diameter distribution of a mandrel bar (B) in a longitudinal direction at a room temperature, a second step of measuring the longitudinal temperature distribution of the mandrel bar drawn and rolled in a mandrel mill (M), and a third step of measuring the longitudinal thickness distribution of the hot pipe drawn and rolled by inserting the mandrel bar thereinto. Further comprised are a fourth step of calculating the longitudinal external diameter distribution at the drawing and rolling time of the mandrel bar on the basis of the individual parameters obtained at the first to third steps, and a fifth step of adjusting the set positions of hole-type rolls (R), when the mandrel bar is inserted at a next timing for the drawing and rolling operations into the inner face of the pipe, on the basis of the longitudinal external diameter distribution of the mandrel bar.

Inventors:
SENDAI YUSUKE (JP)
KISHI MASATOMO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/055645
Publication Date:
October 16, 2008
Filing Date:
March 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO METAL IND (JP)
SENDAI YUSUKE (JP)
KISHI MASATOMO (JP)
International Classes:
B21B37/78; B21B17/02
Foreign References:
JPS5927704A1984-02-14
JPS61269909A1986-11-29
JP2001293511A2001-10-23
JPH11226623A1999-08-24
JPS5927704A1984-02-14
JPS61269909A1986-11-29
JP2001293511A2001-10-23
Other References:
See also references of EP 2133159A4
Attorney, Agent or Firm:
OHNAKA, Minoru (4F 3-6, Minamisemba 2-chome,Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 81, JP)
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Claims:
 複数の孔型ロールがそれぞれ配設された複数の圧延スタンドを備えるマンドレルミルによって、内面にマンドレルバーが挿入された管を延伸圧延する工程を有する継目無管の製造方法であって、
 マンドレルバーの常温での長手方向外径分布を測定する第1ステップと、
 前記延伸圧延工程に供した後の当該マンドレルバーの長手方向温度分布を測定する第2ステップと、
 当該マンドレルバーが挿入されて延伸圧延された管の熱間状態での長手方向肉厚分布を測定する第3ステップと、
 前記第1ステップで測定した当該マンドレルバーの常温での長手方向外径分布と、前記第2ステップで測定した当該マンドレルバーの長手方向温度分布とに基づいて、当該マンドレルバーの延伸圧延時における長手方向外径分布を予測し、該予測した長手方向外径分布を前記第3ステップで測定した管の長手方向肉厚分布に基づいて補正することにより、当該マンドレルバーの延伸圧延時における長手方向外径分布を算出する第4ステップと、
 次のタイミングで当該マンドレルバーを管の内面に挿入して延伸圧延する際に、前記第4ステップで算出した当該マンドレルバーの長手方向外径分布に基づいて、前記孔型ロールの圧下方向の設定位置を調整する第5ステップとを含むことを特徴とする継目無管の製造方法。
Description:
継目無管の製造方法

 本発明は、継目無管の製造方法に関する 特に、本発明は、管の長手方向肉厚分布を 一にすることが可能な継目無管の製造方法 関する。

 マンドレルミルとして、従来より、対向 る2つの孔型ロールが各圧延スタンドに配設 され、隣接する圧延スタンド間で孔型ロール の圧下方向を90°ずらして交互に配置した2ロ ル式のマンドレルミルや、圧下方向の成す が120°となるように3つの孔型ロールが各圧 スタンドに配設され、隣接する圧延スタン 間で孔型ロールの圧下方向を60°ずらして交 互に配置した3ロール式のマンドレルミルが いられている。また、圧下方向の成す角が90 °となるように4つの孔型ロールが各圧延スタ ンドに配設された4ロール式のマンドレルミ も適用されている。

 これらのマンドレルミルでは、管の内面 マンドレルバーが挿入され、このマンドレ バーと圧延スタンドに配設された孔型ロー との間で管が延伸圧延される。一般的に、 のマンドレルバーは複数本用意され、各マ ドレルバーが循環使用される。つまり、延 圧延に供された各マンドレルバーは、延伸 延を終了した管から抜き取られ、この後に 伸圧延される管の内面に再び挿入されて使 される。

 上記のように、各マンドレルバーは循環 用されるため、その長手方向に不均一に摩 し易い。また、延伸圧延時に管と接触する 分からの熱伝導や延伸圧延に伴う加工発熱 による熱により、マンドレルバーが、その 手方向に不均一に熱膨張する。このため、 伸圧延後の管の長手方向肉厚分布が不均一 なり易いという問題がある。

 上記のような問題を解決することを目的 して、従来、例えば、日本国特開昭59-27704 公報(特許文献1)、日本国特開昭61-269909号公 (特許文献2)、日本国特開2001-293511号公報(特 文献3)に記載の方法が提案されている。

 しかしながら、特許文献1に記載の方法は 、延伸圧延終了後のマンドレルバーの長手方 向温度分布を測定し、この測定結果からマン ドレルバーの延伸圧延中の長手方向外径分布 を算出して、この算出したマンドレルバーの 長手方向外径分布に基づいて、次の管を延伸 圧延する際の孔型ロールの圧下方向の設定位 置を調整する方法である。換言すれば、特許 文献1に記載の方法では、マンドレルバーの 耗や各マンドレルバーの長手方向外径分布 ついても何ら考慮されていない。従って、 許文献1に記載の方法では、延伸圧延後の管 長手方向肉厚分布を十分に均一化できない

 また、特許文献2に記載の方法は、マンド レルバーの1本当たりの管の延伸圧延本数に づいて算出したマンドレルバーの摩耗量の 表値や、延伸圧延終了後のマンドレルバー 温度測定値に基づいて算出したマンドレル ーの熱膨張量の代表値等に基づいて、この ンドレルバーを次の延伸圧延に供する際に 型ロールの圧下方向の設定位置を調整する 法である。換言すれば、特許文献2に記載の 法では、マンドレルバーの摩耗量や熱膨張 を考慮して孔型ロールの圧下方向の設定位 を調整するものの、摩耗量や熱膨張量の長 方向の分布については何ら考慮されていな 。従って、特許文献2に記載の方法では、延 伸圧延後の管の長手方向肉厚分布を十分に均 一化できない。

 さらに、特許文献3に記載の方法は、延伸 圧延工程を経た管の熱間状態での長手方向肉 厚分布測定値や、延伸圧延に供される前のマ ンドレルバーの長手方向外径分布測定値等に 基づいて、次の管を延伸圧延する際の孔型ロ ールの圧下方向の設定位置を調整する方法で ある。換言すれば、管の長手方向肉厚分布測 定値を、当該測定値を得たときに使用したマ ンドレルバーとは異なるマンドレルバーを用 いて次の管を延伸圧延する際に利用する方法 であるため、各マンドレルバーの長手方向外 径分布が十分に反映されない。従って、特許 文献3に記載の方法では、延伸圧延後の管の 手方向肉厚分布を十分に均一化できない。

 本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされ ものであり、従来技術に比べてより一層、 の長手方向肉厚分布を均一にすることが可 な継目無管の製造方法を提供することを課 とする。

 前記課題を解決するため、本発明は、複数 孔型ロールがそれぞれ配設された複数の圧 スタンドを備えるマンドレルミルによって 内面にマンドレルバーが挿入された管を延 圧延する工程を有する継目無管の製造方法 あって、以下の第1~第5ステップを含むこと 特徴とする。
 (1)第1ステップ:マンドレルバーの常温での 手方向外径分布を測定する。
 (2)第2ステップ:前記延伸圧延工程に供した の当該マンドレルバーの長手方向温度分布 測定する。
 (3)第3ステップ:当該マンドレルバーが挿入 れて延伸圧延された管の熱間状態での長手 向肉厚分布を測定する。
 (4)第4ステップ:前記第1ステップで測定した 該マンドレルバーの常温での長手方向外径 布と、前記第2ステップで測定した当該マン ドレルバーの長手方向温度分布とに基づいて 、当該マンドレルバーの延伸圧延時における 長手方向外径分布を予測し、該予測した長手 方向外径分布を前記第3ステップで測定した の長手方向肉厚分布に基づいて補正するこ により、当該マンドレルバーの延伸圧延時 おける長手方向外径分布を算出する。
 (5)第5ステップ:次のタイミングで当該マン レルバーを管の内面に挿入して延伸圧延す 際に、前記第4ステップで算出した当該マン レルバーの長手方向外径分布に基づいて、 記孔型ロールの圧下方向の設定位置を調整 る。

 本発明に係る方法は、第1ステップにおい て、マンドレルバーの常温での長手方向外径 分布を測定する。ここで、常温とは、マンド レルバーを初めて延伸圧延に供する前の温度 状態や、延伸圧延に供した後、使用されない で十分に時間が経過(約30分以上)した温度状 をいう。このマンドレルバーの常温での長 方向外径分布には、マンドレルバーの長手 向の摩耗量が反映されている。また、本発 に係る方法は、第2ステップにおいて、延伸 延工程に供した後の当該マンドレルバーの 手方向温度分布を測定する(例えば、延伸圧 延を終了した管から抜き取った直後や、循環 使用のためにマンドレルバー搬送ラインで搬 送されている最中に測定する)。このマンド ルバーの長手方向温度分布は、マンドレル ーの長手方向の熱膨張量の分布と相関があ 。従って、マンドレルバーの常温での長手 向外径分布と、延伸圧延工程に供した後の 該マンドレルバーの長手方向温度分布とを いれば、摩耗量及び熱膨張量の双方を加味 たマンドレルバーの延伸圧延時における(延 圧延に供している最中の)長手方向外径分布 を予測可能である。ただし、第2ステップで 定したマンドレルバーの長手方向温度分布 、実際に延伸圧延に供している最中のマン レルバーの長手方向温度分布との間には、 度測定タイミングの相違により温度差が生 ている虞がある。また、マンドレルバーの 耗が温度測定値に影響を与える可能性もあ 。このため、上記の予測したマンドレルバ の長手方向外径分布には実際の外径分布に して誤差が生じている虞がある。

 そこで、本発明に係る方法は、第3ステッ プにおいて、当該マンドレルバーが挿入され て延伸圧延された管の熱間状態での長手方向 肉厚分布を測定する。ここで、熱間状態とは 、延伸圧延終了直後は言うまでもなく、十分 に赤熱状態であることをいう。この管の熱間 状態での長手方向肉厚分布には、当該マンド レルバーの長手方向の摩耗量の分布、及び、 当該マンドレルバーの長手方向の熱膨張量の 分布の双方が影響を及ぼす。換言すれば、管 の熱間状態での長手方向肉厚分布には、摩耗 量及び熱膨張量の双方を加味した当該マンド レルバーの延伸圧延時における長手方向外径 分布の情報が含まれる。従って、第3ステッ で測定した管の長手方向肉厚分布に基づい 、前記予測したマンドレルバーの長手方向 径分布を補正すれば、当該マンドレルバー 延伸圧延時におけるマンドレルバーの長手 向外径分布を精度良く算出することが可能 ある。

 このため、本発明に係る方法は、第4ステ ップにおいて、第1ステップで測定した当該 ンドレルバーの常温での長手方向外径分布 、第2ステップで測定した当該マンドレルバ の長手方向温度分布とに基づいて、当該マ ドレルバーの延伸圧延時における長手方向 径分布を予測し、該予測した長手方向外径 布を第3ステップで測定した管の長手方向肉 厚分布に基づいて補正することにより、当該 マンドレルバーの延伸圧延時における長手方 向外径分布を算出する。従って、本発明に係 る方法によれば、マンドレルバーの摩耗量の 長手方向分布及び熱膨張量の長手方向分布の 双方を考慮した孔型ロールの圧下方向の設定 位置調整が可能である。

 そして、本発明に係る方法は、第5ステッ プにおいて、次のタイミングで当該マンドレ ルバーを管の内面に挿入して延伸圧延する際 に、第4ステップで算出した当該マンドレル ーの長手方向外径分布に基づいて、前記孔 ロールの圧下方向の設定位置を調整する。 言すれば、本発明に係る方法は、長手方向 径分布を算出したマンドレルバーと同一の ンドレルバーを用いて、別の管(長手方向外 分布を算出した際に延伸圧延した管とは異 る管)を延伸圧延するタイミングで、このマ ンドレルバーについて算出した長手方向外径 分布に基づいて、孔型ロールの圧下方向の設 定位置を調整する。従って、本発明に係る方 法によれば、複数本のマンドレルバーを循環 使用する際に、各マンドレルバーの長手方向 外径分布を反映した孔型ロールの圧下方向の 設定位置調整が可能である。

 以上のように、本発明に係る方法によれ 、マンドレルバーの摩耗量の長手方向分布 び熱膨張量の長手方向分布の双方を考慮す と共に、各マンドレルバーの長手方向外径 布を反映した孔型ロールの圧下方向の設定 置調整が可能であるため、従来の方法に比 てより一層、管の長手方向肉厚分布を均一 することができる。

図1は、本発明に係る方法が有する延伸 圧延工程を適用するマンドレルミルの装置構 成を概略的に示す模式図である。 図2は、図1に示す制御装置が行う演算 容を説明するための模式図であり、図2(a)は ンドレルバーBの長手方向外径分布を、図2(b )は管Pの長手方向肉厚分布を示す。 図3は、本発明に係る方法及び比較例に 係る方法によって管を延伸圧延した場合にお ける、延伸圧延後の管の長手方向肉厚分布を 測定した結果の一例を示す。

 以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明 係る継目無管の製造方法の一実施形態につ て説明する。
 図1は、本発明の一実施形態に係る継目無管 の製造方法が有する延伸圧延工程を適用する マンドレルミル(バーリテイナーを用いるリ インドマンドレルミル)の装置構成を概略的 示す模式図である。また、図2は、図1に示 制御装置が行う演算内容を説明するための 式図であり、図2(a)はマンドレルバーBの長手 方向外径分布を、図2(b)は管Pの長手方向肉厚 布を示す。図1に示すマンドレルミルMでは 複数本のマンドレルバーB(図1には1本のみ図 する)がそれぞれ循環使用される。また、マ ンドレルミルMの下流には、管Pの定径圧延を うための定径圧延機(サイザー等)Sが配置さ ている。

 各マンドレルバーBは、その常温での長手 方向外径分布が予め測定される。そして、こ の測定された常温での長手方向外径分布は、 制御装置2に入力され、各マンドレルバーB毎 記憶される。このマンドレルバーの常温で 長手方向外径分布は、例えば、循環使用の めにマンドレルバー搬送ラインに搬入され 直前に、公知の光学式の外径計等を用いて 定される。

 また、各マンドレルバーBは、延伸圧延工 程に供した後の長手方向温度分布が測定され る。そして、この測定された長手方向温度分 布は、制御装置2に入力され、各マンドレル ーB毎に記憶される。このマンドレルバーの 手方向温度分布は、例えば、マンドレルミ Mの入側に配置された放射温度計(図示せず) よって、延伸圧延を終了した管から抜き取 れる過程で測定される。また、例えば、循 使用のためにマンドレルバー搬送ラインで 送されている最中に、この搬送ラインに配 された放射温度計によって測定される。

 図1に示すように、本実施形態においては 、定径圧延機Sの出側に、超音波式や放射線 の肉厚計1が配置される。そして、この肉厚 1と制御装置2とにより、マンドレルミルMで 延伸圧延工程を経た管Pの熱間状態での長手 方向肉厚分布が測定される。具体的には、肉 厚計1によって管Pの周方向の平均肉厚が測定 れ、この測定された周方向平均肉厚が制御 置2に入力される。管Pが長手方向に進行す ことにより、管Pの長手方向に異なる部位に いての周方向平均肉厚が制御装置1に逐次入 力され、これにより、周方向平均肉厚の長手 方向分布が算出される。なお、本実施形態で は、肉厚計1を定径圧延機Sの出側に配置する 成について例示したが、本発明はこれに限 ものではなく、マンドレルミルMの出側など 、他の場所に肉厚計1を設置することも可能 ある。

 制御装置2は、上記のようにして長手方向 肉厚分布を測定した管Pを延伸圧延する際に いたマンドレルバーBの常温での長手方向外 分布(図2(a)に示す「冷間外径」)と、当該マ ドレルバーBの長手方向温度分布とに基づい て(これらの分布は、前述のように、制御装 2に入力され、記憶されている)、当該マンド レルバーBの延伸圧延時における長手方向外 分布(図2(a)に示す「熱間外径(補正前)」)を予 測する。図2(a)に示す例では、マンドレルバ Bの常温での長手方向外径分布が、先端から 端に向けて外径が小さくなる分布である一 、マンドレルバーBの長手方向温度分布(図 せず)は、先端から後端に向けて温度が高く る分布であるため、予測されるマンドレル ーBの延伸圧延時における長手方向外径分布 は、先端から後端に向けて外径が大きくなる 分布となっている。

 次に、制御装置2は、上記のようにして予 測したマンドレルバーBの長手方向外径分布 、当該マンドレルバーBが挿入されて延伸圧 された管Pの熱間状態での長手方向肉厚分布 (図2(b)に示す「熱間肉厚」)に基づいて補正す る。図2(b)に示す例では、管Pの熱間状態での 手方向肉厚分布は、先端から後端に向けて 厚が大きくなる分布であり、先端肉厚に対 る後端肉厚の偏差はaである。制御装置2は 予測したマンドレルバーBの長手方向外径分 を、例えば、この肉厚偏差aに基づいて補正 する。すなわち、管Pの先端肉厚よりも後端 厚の方が肉厚偏差aだけ大きければ、マンド ルバーBの先端外径よりも後端外径の方が肉 厚偏差aの2倍に相当する寸法だけ大きいはず ある。そこで、制御装置2は、先端外径に対 して後端外径が肉厚偏差aの2倍に相当する寸 だけ低下するように、予測したマンドレル ーBの長手方向外径分布の傾きを変更する補 正を行い、補正後の長手方向外径分布(図2(a) 示す「熱間外径(補正後)」)をマンドレルバ Bの延伸圧延時における長手方向外径分布と して算出する。そして、各マンドレルバーB に、算出した長手方向外径分布を記憶する

 制御装置2は、前記長手方向外径分布を算 出したマンドレルバーBを次のタイミングで Pの内面に挿入して延伸圧延する際に、当該 ンドレルバーBの長手方向外径分布に基づい て、孔型ロールRの圧下方向の設定位置を調 する。この圧下方向の設定位置の調整を行 孔型ロールRは、マンドレルミルMを構成する 全圧延スタンド(図1に示す#1~#5圧延スタンド) 配設された孔型ロールRであってもよいし、 一部の圧延スタンド(例えば、仕上圧延を行 #4、#5圧延スタンド等)に配設された孔型ロー ルRであってもよい。具体的には、以下の通 である。

 制御装置2には、マンドレルバーBの後端 保持するバーリテイナーBRの位置情報が入力 される。制御装置2は、入力されたバーリテ ナーBRの位置情報に基づき、圧下方向の設定 位置調整を行う孔型ロールRが配設された圧 スタンド(例えば、#5圧延スタンド。以下、 制御対象スタンド」という)において管Pを延 伸圧延する際に使用されるマンドレルバーB 長手方向部位を特定する。一方、制御装置2 、前記のようにして算出し記憶した複数の ンドレルバーBの長手方向外径分布の中から 、現在、延伸圧延に供するマンドレルバーB 長手方向外径分布を選択する。そして、選 したマンドレルバーBの長手方向外径分布に づき、制御対象スタンドにおいて管Pを延伸 圧延する際に使用されるマンドレルバーBの 手方向部位の外径を算出する。制御装置2は 算出したマンドレルバーBの外径に基づき、 幾何学計算によって制御対象スタンドに配設 された孔型ロールRのロールギャップを設定 、このロールギャップが得られるように制 対象スタンドの圧下装置3を制御する。圧下 置3は、シリンダ等から構成されており、前 記設定したロールギャップに応じて孔型ロー ルRの圧下方向の設定位置を調整する。

 以上に説明した本発明に係る継目無管の 造方法によれば、マンドレルミルMによる延 伸圧延工程を経た管Pの熱間状態での長手方 肉厚分布を測定し、この測定した管Pの長手 向肉厚分布に基づいて、当該管Pの内面に挿 入したマンドレルバーBの延伸圧延時におけ 長手方向外径分布を補正するため、精度良 マンドレルバーBの長手方向外径分布を算出 ることが可能であり、マンドレルバーBの摩 耗量の長手方向分布及び熱膨張量の長手方向 分布の双方を考慮した孔型ロールRの圧下方 の設定位置調整が可能である。また、長手 向外径分布を算出したマンドレルバーBと同 のマンドレルバーBを用いて、別の管P(長手 向外径分布を算出した際に延伸圧延した管 は異なる管P)を延伸圧延するタイミングで このマンドレルバーBについて算出した長手 向外径分布に基づいて、孔型ロールRの圧下 方向の設定位置を調整するため、各マンドレ ルバーBの長手方向外径分布を反映した孔型 ールRの圧下方向の設定位置調整が可能であ 。従って、従来の方法に比べてより一層、 Pの長手方向肉厚分布を均一にすることがで きる。

 図3は、以上に説明した本発明に係る方法 及び比較例に係る方法によって管を延伸圧延 した場合における、延伸圧延後の管の長手方 向肉厚分布を測定した結果の一例を示す。図 3に示すNo.1は、前記特許文献1に記載の方法と 同様の方法によって、新品のマンドレルバー (外径248mm)を用いて管を延伸圧延した場合の 果を示す。新品のマンドレルバーを用いる 合、その常温での長手方向外径分布(図3のNo. 1のA欄に実線で図示したグラフ)は一定(248mm) あるため、その延伸圧延時の長手方向外径 布(図3のNo.1のA欄に破線で図示したグラフ)は 、マンドレルバーの長手方向温度分布と同様 の傾向を示す。従って、延伸圧延終了後のマ ンドレルバーの長手方向温度分布を測定し、 この測定結果から延伸圧延時のマンドレルバ ーの長手方向外径分布を算出して、この算出 したマンドレルバーの長手方向外径分布に基 づいて、所定の孔型ロールの圧下方向の設定 位置(ロールギャップ)を調整すれば(図3のNo.1 B欄参照)、管の長手方向肉厚分布を比較的 一にすることができる(図3のNo.1のC欄参照)。

 しかしながら、長手方向に不均一に摩耗 たマンドレルバーを用いて管を延伸圧延す 場合には、延伸圧延終了後に測定したマン レルバーの長手方向温度分布のみから算出 た延伸圧延時のマンドレルバーの長手方向 径分布に基づく孔型ロールの圧下方向の設 位置調整では、管の長手方向肉厚分布を均 にすることができない。図3に示すNo.2は、 記特許文献1に記載の方法と同様の方法によ て、長手方向に不均一に摩耗したマンドレ バーを用いて管を延伸圧延した場合の結果 示す。図3のNo.2に示す例では、マンドレル ーの常温での長手方向外径分布は、摩耗に り、先端から後端に向けて外径が小さくな が(図3のNo.2のA欄に実線で図示したグラフ)、 延伸圧延時には、長手方向に不均一な熱膨張 により、長手方向外径分布はほぼ一定となっ ている(図3のNo.2のA欄に破線で図示したグラ )。しかしながら、延伸圧延終了後に測定し マンドレルバーの長手方向温度分布のみに づいて、所定の孔型ロールの圧下方向の設 位置(ロールギャップ)を調整するのでは、 際の延伸圧延時のマンドレルバーの長手方 外径分布が一定であるにも関わらず、No.1と 様の調整を行うことになり(図3のNo.2のB欄参 照)、管の長手方向肉厚分布を均一にするこ ができない(図3のNo.2のC欄参照)。

 図3に示すNo.3は、No.2の場合と異なり、延 圧延時のマンドレルバーの長手方向外径分 を算出するにあたって、延伸圧延終了後に 定したマンドレルバーの長手方向温度分布 みならず、常温で測定したマンドレルバー 長手方向外径分布をも考慮した方法によっ 、管を延伸圧延した場合の結果(長手方向に 不均一に摩耗したマンドレルバーを用いて管 を延伸圧延した結果)を示す。図3のNo.3に示す 例では、常温で測定したマンドレルバーの長 手方向外径分布(図3のNo.3のA欄に実線で図示 たグラフ)をも考慮しているため、No.2の場合 に比べれば、延伸圧延時のマンドレルバーの 長手方向外径分布を精度良く算出可能である 。しかしながら、算出した延伸圧延時のマン ドレルバーの長手方向外径分布と、ほぼ一定 である実際の延伸圧延時のマンドレルバーの 長手方向外径分布(図3のNo.3のA欄に破線で図 したグラフ)との間には依然として誤差があ ため、孔型ロールの圧下方向の設定位置(ロ ールギャップ)の調整は長手方向に一定とな ず(図3のNo.3のB欄参照)、管の長手方向肉厚分 布を十分には均一にすることができない(図3 No.3のC欄参照)。

 上記の比較例に係る方法(図3のNo.2及びNo.3 )に対して、本発明に係る方法(図3に示すNo.4) 、マンドレルミルによる延伸圧延工程を経 管の熱間状態での長手方向肉厚分布を測定 、この測定した管の長手方向肉厚分布に基 いて、当該管の内面に挿入したマンドレル ーについて予測した延伸圧延時における長 方向外径分布を補正するため、実際に延伸 延中のマンドレルバーの長手方向外径分布( 図3のNo.4のA欄に破線で図示したグラフ)と略 等の外径分布を算出可能である。そして、 発明に係る方法では、この算出したマンド ルバーの長手方向外径分布(すなわち、ほぼ 定の長手方向外径分布)に基づいて、孔型ロ ールの圧下方向の設定位置(ロールギャップ) 調整するため(図3のNo.4のB欄参照)、管の長 方向肉厚分布を均一にすることが可能であ (図3のNo.4のC欄参照)。