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Patent Searching and Data


Title:
PLATE THICKNESS CONTROLLER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/090596
Kind Code:
A1
Abstract:
A plate thickness controller provided in a rolling machine for rolling a metal material performs plate thickness control with high precision by separately detecting variations in rolling load occurring through rotation of an upper roll and a lower roll. Based on the kiss roll time load at a plurality of rotary positions of the upper and lower rolls, each component of variation caused by eccentricity of the roll due to the kiss roll time load is separately extracted for the upper and lower rolls. Based on each variation component due to the kiss roll time load thus extracted, each component of variation caused by eccentricity of the roll due to the rolling load is then extracted individually for the upper and lower rolls. A roll gap command value corresponding to each rotary position is operated based on each variation component of rolling load thus extracted such that variation in plate thickness of a metal material under rolling is reduced and then the roll gas is operated.

Inventors:
IMANARI HIROYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/050924
Publication Date:
July 31, 2008
Filing Date:
January 22, 2007
Export Citation:
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Assignee:
TOSHIBA MITSUBISHI ELEC INC (JP)
IMANARI HIROYUKI (JP)
International Classes:
B21B37/18; B21C51/00
Foreign References:
JP2006142350A2006-06-08
JPH05317944A1993-12-03
JPH07230445A1995-08-29
Attorney, Agent or Firm:
TAKADA, Mamoru et al. (Takahashi & Partners5th Floor, Intec 88Bldg.,20, Araki-cho,,Shinjuku-ku, Tokyo07, JP)
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Claims:
 金属材料を圧延する圧延機に設けられ、圧延スタンドの上下ワークロール及び上下バックアップロールのロール偏芯に起因する板厚変動を制御する板厚制御装置であって、
 キスロール時荷重及び圧延荷重を検出する荷重検出器と、
 前記上下ワークロール及び前記上下バックアップロールの複数の回転位置において前記荷重検出器により検出されたキスロール時荷重に基づいて、キスロール時荷重の、前記各回転位置における前記上ワークロール及び前記上バックアップロールのロール偏芯に起因する変動成分と、前記各回転位置における前記下ワークロール及び前記下バックアップロールのロール偏芯に起因する変動成分とを別々に抽出するキスロール時荷重変動抽出手段と、
 前記キスロール時荷重変動抽出手段によって別々に抽出されたキスロール時荷重の各変動成分に基づいて、前記各回転位置において前記荷重検出器により検出された圧延荷重の、前記各回転位置における前記上ワークロール及び前記上バックアップロールのロール偏芯に起因する変動成分と、前記各回転位置における前記下ワークロール及び前記下バックアップロールのロール偏芯に起因する変動成分とを別々に抽出する圧延荷重変動抽出手段と、
 前記圧延荷重変動抽出手段によって別々に抽出された圧延荷重の各変動成分に基づいて、圧延されている前記金属材料の板厚変動を低減させるように、前記各回転位置に対応したロールギャップ指令値を演算する操作量演算手段と、
 前記操作量演算手段によって演算されたロールギャップ指令値に基づいて、前記各回転位置に対応してロールギャップを操作するロールギャップ操作手段と、
を備えたことを特徴とする板厚制御装置。
 圧延荷重変動抽出手段は、
 上下バックアップロールの直径差が所定の閾値より小さい場合に、荷重検出器によって検出された圧延荷重を所定の比率に分離することにより、圧延荷重の、上ワークロール及び前記上バックアップロールのロール偏芯に起因する変動成分と、下ワークロール及び前記下バックアップロールのロール偏芯に起因する変動成分とを抽出することを特徴とする請求項1に記載の板厚制御装置。
 操作量演算手段は、
 金属材料の圧延開始後の所定期間は、
 前記金属材料の圧延時に、圧延荷重変動抽出手段によって別々に抽出された圧延荷重の各変動成分と、
 キスロール時荷重変動抽出手段によって別々に抽出されたキスロール時荷重の各変動成分、及び、前記金属材料の圧延前に実施された金属材料の圧延時に、前記圧延荷重変動抽出手段によって別々に抽出された圧延荷重の各変動成分の何れか一方と、
の所定の重み付け合算値に基づいて、ロールギャップ指令値を演算することを特徴とする請求項1に記載の板厚制御装置。
Description:
板厚制御装置

 この発明は、金属材料を圧延する圧延機 設けられ、圧延される金属材料(圧延材)の 厚変動を制御する板厚制御装置に関するも である。

 薄板圧延や厚板圧延における品質制御の つに、圧延材の幅方向中央部の板厚を制御 る自動板厚制御(Automatic Gage Control:AGC)があ 。この自動板厚制御を実施する具体的な板 制御方法としては、例えば、圧延機出側に 置された板厚計の測定値をフィードバック るモニターAGC、圧延荷重やロールギャップ( 上下圧延ロールの間隙)から推定したゲージ ータ板厚を用いるゲージメータAGC(Gage Meter  AGC:GM-AGC)、圧延荷重を利用するミル定数可変 御(Mill Modulus Control:MMC)等が挙げられる。

 上記自動板厚制御において、板厚精度の 上を阻害する外乱には、熱間圧延において 、例えば、圧延材の温度変動が挙げられる また、熱間圧延及び冷間圧延に共通な外乱 しては、例えば、張力制御の劣化によって じる張力変動、オペレータの手動操作によ 速度やロールギャップの変更、ロール構造 ロール研磨の精度不良等によって、ロール 回転位置に関連して発生するロール偏芯等 挙げられる。

 これらの外乱のうち、上記ロール偏芯の 生は、主に支持ロールのオイルベアリング おける油の注入のためのキー溝が数百トン ら2~3千トンという大きな圧延荷重を受けた に、軸振れを起こすことが原因となる。そ て、ロール偏芯によって軸振れが発生する 、ロールの回転に合わせてロールギャップ 変動も発生する。なお、キー溝を備えてい いロールでも、例えば、ロール研磨時の非 称性や熱膨張の偏り等が原因となって、ロ ル回転に依存したロールギャップの変動は 生する。

 ここで、ロールギャップを制御する装置 、ロールギャップが設定値に近づくように ロールギャップ検出器の検出値をフィード ックして圧下装置等を制御する。しかし、 ール偏芯等といったロールの軸振れに依存 る外乱は、ロールギャップ検出器によって 出することができない、即ち、ロールの軸 れは、ロールギャップ検出器の検出値には れない。このため、ロールギャップ検出器 使用してもロールの軸振れに依存する外乱 制御することはできない。しかし、上記ロ ルの軸振れに依存する外乱は、実際にはロ ルギャップを変化させているため、圧延荷 には現れる。したがって、ロール軸振れに 存する外乱は、板厚の制御に圧延荷重を利 する上記MMC、GM-AGC等において、板厚精度の 上を阻害する大きな要因となっている。

 そして、軸振れ等といったロール偏芯に起 する外乱を低減させるため、従来から、ロ ル偏芯制御が実施されている。このロール 芯制御は、主に次の3つの制御方法が知られ ている。
 なお、以下においては、上下2個の圧延ロー ルのみで構成される、いわゆる2Hiミルの場合 、上下2個の圧延ロール及び上下2個の支持ロ ルの4ロールで構成される、いわゆる4Hiミル の場合、上下2個の圧延ロール及び上下2個の 間ロール、上下2個の支持ロールの6ロール 構成される、いわゆる6Hiミルの場合、その の場合においても、同様に考えることがで る。したがって、圧延ロールをワークロー (Work Roll:WR)と、支持ロール等の圧延ロール 外のロールをバックアップロール(Back UP Rol l:BUR)と表現する。

(A)ロール偏芯制御1
 圧延材を圧延する前に、上下ワークロール 接触させて一定の荷重を掛けた状態(キスロ ール状態)でロールを回転させ、キスロール 荷重を検出する。そして、検出されたキス ール時荷重を高速フーリエ変換する等して ール偏芯周波数を分析する。圧延中は、分 された周波数のロール偏芯が発生するもの 仮定し、圧延荷重を利用したフィードバッ 制御を実施せず、仮定した上記ロール偏芯 よる影響を低減させるようにロールギャッ 操作量を出力する(例えば、特許文献1及び2 照)。
(B)ロール偏芯制御2
 圧延機出側に設置された板厚計によって板 変動を測定する。そして、板厚計によって 定された板厚変動とロールの回転位置とを 連付けて板厚偏差を演算し、演算された板 偏差に基づいて、ロール偏芯による板厚変 を低減させるように、ロールギャップを操 する(例えば、特許文献3参照)。
(C)ロール偏芯制御3
 圧延材の圧延中に圧延荷重を取り込み、取 込んだ圧延荷重からロール偏芯成分を抽出 る。そして、抽出したロール偏芯成分をロ ルギャップ信号に変換し、ロール偏芯によ 圧延荷重変動を抑制するように、ロールギ ップを操作する(例えば、特許文献4参照)。

日本特開昭60-141321号公報

日本特開昭62-254915号公報

日本特開平11-77128号公報

日本特開2002-282917号公報

 特許文献1及び2に記載の上記ロール偏芯制 1に示す方法では、キスロール時荷重に基づ てロール偏芯周波数を分析し、その分析結 に基づいて圧延中のロールギャップ操作量 制御しているため、高精度の板厚制御が実 できないといった問題があった。即ち、上 ロール偏芯制御1に示す方法では、ロールの 回転位置に関連して発生する荷重の変動成分 を正弦波と仮定しているが、実際の荷重の変 動成分には、最も低次の周波数、いわゆる基 本周波数の周波数成分だけでなく、基本周波 数の2倍、3倍、それ以上の周波数成分が現れ 場合もある。このため、複合された外乱の 合に、どの周波数の外乱を低減させるか特 することが困難であるといった問題があっ 。
 さらに、ロール偏芯は、一般に、バックア プロールが発生の原因であることが多いが ワークロールの研磨状態や熱膨張等によっ も発生し得るため、圧延中にロール偏芯の 因が変化することがある。また、キスロー 時荷重の変動量の振幅は、圧延する圧延材 硬さ等が要因となり、圧延荷重の変動量の 幅とは異なる場合が多い。このため、ロー 偏芯周波数の正確な分析が困難であった。

 特許文献3に記載の上記ロール偏芯制御2に す方法では、板厚制御を適用できる圧延機 、その出側に板厚計が設置されているもの 限られる。また、例えば、7スタンドで構成 れる熱間薄板タンデム圧延機の場合、製品 厚変動としては、後段の第5、第6、第7スタ ドのロール偏芯による板厚変動が現れ易い 、一般に、板厚計は第7スタンド出側に設置 される。この場合、第5、第6スタンドのロー 偏芯による板厚変動は制御できず、高精度 板厚制御が実現できないといった問題があ た。
 さらに、圧延スタンドからその出側に配置 れた板厚計まで圧延材のトラッキングを正 に行うには、圧延材速度を正確に取得する 要がある。この圧延材速度は、ロール周速 び先進率に基づいて算出することが可能で るが、実測可能なロール周速に対して先進 は予測値である。このため、圧延材速度に 誤差が含まれ、正確なトラッキングが実現 きないといった問題もあった。

 特許文献4に記載の上記ロール偏芯制御3に す方法では、ロールギャップの操作に、実 に発生している圧延荷重の変動を用いるた 、上記ロール偏芯制御1及び2に示す方法と比 較して、板厚に影響の大きい変動成分を直接 的に制御でき、圧延の経過により変化するロ ールの状態を的確に反映することができる。 また、圧延材の移送を考慮する必要がないた め、ロール偏芯制御2の場合のようにトラッ ング誤差も生じない。
 しかし、ロール偏芯成分の抽出に圧延荷重 実績値を収集する必要があるため、圧延開 後バックアップロールが1回転する間は高精 度の板厚制御が実施できないといった問題が あった。また、上下に配置されたバックアッ プロール径が異なる場合には、同じ径を有す るバックアップロールが上下に配置された場 合と比較して、高精度の板厚制御が実施し難 いといった問題もあった。

 なお、以下に、上下に配置されたバックア プロールの径が異なる場合に、高精度の板 制御が困難である理由について説明する。
 金属材料の圧延を行う圧延機は、一般に、 ークロールを駆動する方式のものが多い。 の場合、1つ或いは直列に接続された電動機 の動力はピニオンギア等を介してワークロー ルに伝達され、伝達された動力によって上下 のワークロールが駆動される。ここで、駆動 されるワークロールは、上下のワークロール の周速を同じにするために、その直径が約0.5 mm以内の精度で管理されている。一方、駆動 れないバックアップロールは、直径の管理 それほど厳格ではなく、その直径が10%以上 なる場合もある。そして、上下のバックア プロールに直径差が生じている場合には、 ール偏芯によって発生する短い周期の圧延 重の変動に加えて、ビート或いはうねりと ばれる長い周期の圧延荷重の変動が発生す 。

 図8は圧延荷重及びロールギャップに対す る上下バックアップロールの直径差とロール 偏芯との影響を示す図であり、(a)は圧延荷重 変動のシミュレーション結果を、(b)はロール ギャップ変動のシミュレーション結果を示し ている。なお、図8(a)及び(b)とも、上バック ップロールの直径が1170mm、下バックアップ ールの直径が1260mmとして演算した結果であ 。また、図8(b)の破線は上バックアップロー の回転によって発生するギャップ変動を、 点鎖線は下バックアップロールの回転によ て発生するギャップ変動を、実線は上下バ クアップロールが回転することによって発 する全体のギャップ変動を示している。

 図8において、上下バックアップロールに 直径差が生じている場合、その回転によって 発生する各ギャップ変動は、周期の異なる正 弦波として表される。そして、上記各ギャッ プ変動を重ね合わせることによって得られる 全体のギャップ変動、及び、圧延荷重変動は 、上下バックアップロールの回転(ロール偏 )によって生じる約0.5秒程度の短い周期の波 分と、上下バックアップロールの直径差に って生じる約4.5秒程度の長い周期のうねり 分とを備えている。

 なお、図8はシミュレーション結果を示し たものであるため、ギャップ変動を上下のバ ックアップロールに分離して表示することは 容易である。しかし、実際には、圧延荷重及 びロールギャップとも、上下方向に1つの値 か検出することはできない。即ち、圧延機 は、圧延材の幅方向の少なくとも2箇所、即 、作業側(Work Side:WS)と電動機側(Drive Side:DS) とに荷重検出器が設置されることが多く、WS びDS独立に圧延荷重を測定できる。しかし その測定原理上、上下のワークロールの圧 荷重を独立に検出することはできない。ま 、上下のバックアップロールに直径差があ 場合には、上下のバックアップロールの回 速度にも差が生じるため、上下何れか一方 バックアップロールの回転速度を基準にし 場合に、他方のバックアップロールの回転 度を考慮しないことになる。このため、ロ ル偏芯による圧延荷重の変動を十分に抑制 ることができない。

 上記問題を解決するためには、ロール偏 制御3に示す方法のように、上下のバックア ップロールを分離して考えることが必要であ る。即ち、上バックアップロールが回転する ことによって生じる圧延荷重変動と下バック アップロールが回転することによって生じる 圧延荷重変動とを、全体の圧延荷重変動から 的確に分離し、分離された上下の各圧延荷重 変動に基づいて制御を実施しなければならな い。しかし、特許文献4には、その具体的方 が何も開示されていない。

 この発明は、上述のような課題を解決す ためになされたもので、その目的は、上側 ロールが回転することによって生じる圧延 重変動と下側のロールが回転することによ て生じる圧延荷重変動とを的確に分離して 分離された各圧延荷重変動に応じてロール ャップを制御することにより、板厚制御を 精度に実施することができる板厚制御装置 提供することである。

 この発明に係る板厚制御装置は、金属材 を圧延する圧延機に設けられ、圧延スタン の上下ワークロール及び上下バックアップ ールのロール偏芯に起因する板厚変動を制 する板厚制御装置であって、キスロール時 重及び圧延荷重を検出する荷重検出器と、 下ワークロール及び上下バックアップロー の複数の回転位置において荷重検出器によ 検出されたキスロール時荷重に基づいて、 スロール時荷重の、各回転位置における上 ークロール及び上バックアップロールのロ ル偏芯に起因する変動成分と、各回転位置 おける下ワークロール及び下バックアップ ールのロール偏芯に起因する変動成分とを 々に抽出するキスロール時荷重変動抽出手 と、キスロール時荷重変動抽出手段によっ 別々に抽出されたキスロール時荷重の各変 成分に基づいて、各回転位置において荷重 出器により検出された圧延荷重の、各回転 置における上ワークロール及び上バックア プロールのロール偏芯に起因する変動成分 、各回転位置における下ワークロール及び バックアップロールのロール偏芯に起因す 変動成分とを別々に抽出する圧延荷重変動 出手段と、圧延荷重変動抽出手段によって 々に抽出された圧延荷重の各変動成分に基 いて、圧延されている金属材料の板厚変動 低減させるように、各回転位置に対応した ールギャップ指令値を演算する操作量演算 段と、操作量演算手段によって演算された ールギャップ指令値に基づいて、各回転位 に対応してロールギャップを操作するロー ギャップ操作手段と、を備えたものである

 この発明によれば、上側のロールが回転 ることによって生じる圧延荷重変動と下側 ロールが回転することによって生じる圧延 重変動とを的確に分離して、分離された各 延荷重変動に応じてロールギャップを制御 ることにより、板厚制御を高精度に実施す ことができる。

この発明の実施の形態1における板厚制 御装置を示す全体構成図である。 測定される圧延荷重の概念を示す図で る。 ワークロール及びバックアップロール 位置関係を説明するための図である。 バックアップロールの回転角度の変化 伴う圧延荷重の変動を示す図である。 この発明の実施の形態1におけるキスロ ール時荷重変動抽出手段の動作を説明するた めの図である。 この発明の実施の形態1における板厚制 御装置の要部を示す構成図である。 この発明の実施の形態2における板厚制 御装置を示す全体構成図である。 圧延荷重及びロールギャップに対する 下バックアップロールの直径差とロール偏 との影響を示す図である。

符号の説明

 1 圧延材、 2 ハウジング、 3 ワークロー ル、 3a 上ワークロール、
 3b 下ワークロール、 4 バックアップロー 、 4a 上バックアップロール、
 4b 下バックアップロール、 4c 基準位置、  5 圧下装置、
 6 荷重検出器、 7 ロール回転数検出器、  8 ロール基準位置検出器、
 9 ロールギャップ検出器、 10 キスロール 荷重変動抽出手段、
 11 圧延荷重変動抽出手段、 12 操作量演算 手段、
 13 ロールギャップ操作手段 14 位置目盛、  14a 基準位置、
 15 荷重分配手段、 16 上側荷重変動抽出部 、 17 下側荷重変動抽出部、
 18a 圧延荷重記録手段、 18b 圧延荷重記録 段、
 19a 平均値演算手段、 19b 平均値演算手段  20a 偏差演算手段、
 20b 偏差演算手段、 21a 上側下算手段、 21 b 下側加算手段、
 22a 上側スイッチ、 22b 下側スイッチ、
 23 ロールギャップ修正量演算手段、 24a  ミット、 24b リミット、
 25a スイッチ、 25b スイッチ、 26a 加算器 、 26b 加算器、

 この発明をより詳細に説明するため、添 の図面に従ってこれを説明する。なお、各 中、同一又は相当する部分には同一の符号 付しており、その重複説明は適宜に簡略化 いし省略する。

実施の形態1.
 図1はこの発明の実施の形態1における板厚 御装置を示す全体構成図である。図1におい 、1は圧延機によって圧延される金属材料か らなる圧延材、2は圧延機のハウジング、3は ワークロール3a及び下ワークロール3bによっ て構成されるワークロール、4は上バックア プロール4a及び下バックアップロール4bによ て構成されるバックアップロール、5は圧延 材1に圧延荷重を作用させる圧下装置、6はキ ロール時荷重及び圧延荷重を検出する荷重 出器、7はロールの回転数を検出するロール 回転数検出器、8はバックアップロール4が1回 転する毎に所定の基準位置を検出するロール 基準位置検出器、9は上下ワークロール3a及び 3bの間隙、即ち、ロールギャップを検出する ールギャップ検出器である。

 10はキスロール時荷重変動抽出手段、11は 圧延荷重変動抽出手段である。キスロール時 荷重変動抽出手段10は、上下ワークロール3a 3b及び上下バックアップロール4a、4bの複数 回転位置において上記荷重検出器6により検 されたキスロール時荷重に基づいて、キス ール時荷重の上記各回転位置における上ワ クロール3a及び上バックアップロール4aのロ ール偏芯に起因する変動成分と、キスロール 時荷重の上記各回転位置における下ワークロ ール3b及び下バックアップロール4bのロール 芯に起因する変動成分とを別々に抽出する 圧延荷重変動抽出手段11は、キスロール時荷 重変動抽出手段10によって別々に抽出された スロール時荷重の上下の各変動成分に基づ て、上記各回転位置において荷重検出器6に より検出された圧延荷重の、上記各回転位置 における上ワークロール3a及び上バックアッ ロール4aのロール偏芯に起因する変動成分 、上記検出された圧延荷重の上記各回転位 における下ワークロール3b及び下バックアッ プロール4bのロール偏芯に起因する変動成分 を別々に抽出する。

 12は操作量演算手段、13はロールギャップ操 作手段である。操作量演算手段12は、圧延荷 変動抽出手段11によって別々に抽出された 延荷重の上下の各変動成分に基づいて、圧 されている圧延材1の板厚変動を低減させる うに、上記各回転位置に対応したロールギ ップ指令値を演算する。ロールギャップ操 手段13は操作量演算手段12によって演算され たロールギャップ指令値に基づいて、上記各 回転位置に対応してロールギャップを操作す る。また、ロールギャップ操作手段13は、例 ば、MMCやGM-AGCによって得られたロールギャ プ量に、上記操作量演算手段12によって演 されたロールギャップ修正量を加えた値を ールギャップの設定値として、圧下装置5を 御する。
 なお、実施の形態1の以下の説明においては 、一例として、上下2つのワークロール3及び 下2つのバックアップロール4の4ロールで構 される4Hiミルの場合について説明する。

 板厚制御装置は上記のように構成され、 延材1は、出側で所望の板厚となるように、 ロールギャップと速度とが適切に調整された ワークロール3によって圧延される。ここで ワークロール3は、上ワークロール3aが上バ クアップロール4aに上方から支えられ、下ワ ークロール3bが下バックアップロール4bに下 から支えられることにより、ロール幅方向 たわみが少なくなるように構成される。ま 、バックアップロール4は、ハウジング2に対 して回動自在に支持されており、圧延材1に 用させる圧延荷重にも十分に耐え得る構造 成している。

 圧下装置5は、電動機制御によるもの(電動 下という)、油圧制御によるもの(油圧圧下と いう)の2種類が存在するが、油圧圧下の方が 速応答を得やすい。このため、ロール偏芯 よる外乱のように短い周期の波成分に対応 て圧延荷重制御を実施するには、一般に、 速応答が可能な油圧圧下が採用される。ま 、上下ワークロール3a及び3bの間隙、即ち、 ロールギャップは、上記圧下装置5によって 整される。
 荷重検出器6は、例えば、ハウジング2と圧 装置5との間に埋め込まれたロードセル(Load  Cell)によって圧延荷重を直接的に測定する方 や、油圧圧下装置で検出される圧力から圧 荷重を計算する方法等によって、キスロー 時荷重や圧延荷重を検出する。

 ロール回転数検出器7は、ワークロール3 このワークロール3を駆動する電動機の軸(図 示せず)に設けられ、ワークロール3等の回転 を検出する。ここで、上記ロール回転数検 器7は、例えば、ワークロール3の回転角度 応じたパルスを出力するパルス出力部と、 ルス出力部から出力されたパルスを検出し ワークロール3の回転角度を演算する角度演 部とを備えることにより、ワークロール3の 回転数の検出とともに、より詳細な回転角度 を検出できるように構成される。なお、ワー クロール3とバックアップロール4との直径の が既知である場合、ロール回転数検出器7に よって検出されたワークロール3の回転数と 転角度とに基づいて、ワークロール3とバッ アップロール4との間にスリップがない場合 におけるバックアップロール4の回転数と回 角度とを容易に演算することができる。

 ロール基準位置検出器8は、例えば、バック アップロール4が1回転する度に、近接スイッ 等のセンサがバックアップロール4に設けら れた被検出体を検出すること等によって基準 位置を検出する。また、例えば、パルスジュ ネレータ(Pulse Generator)を利用することにより 、バックアップロール4の回転角度に依存し パルスを取り出し、バックアップロール4の 転角度を検出することによって基準位置を 出する。なお、図1ではロール基準位置検出 器8を上バックアップロール4aにのみ取り付け た場合を示しているが、上下バックアップロ ール4a及び4bにロール基準位置検出器8を取り けて、上下バックアップロール4a及び4bの各 基準位置を検出するように構成しても良い。 なお、図7は他の板厚制御装置を示す全体構 図であり、図1に示す板厚制御装置に対して ロール基準位置検出器8が取り付けられてい ないものを示したものである。即ち、図7に す板厚制御装置では、ロール基準位置検出 8からの信号を利用しない。詳細については 述する。
 ロールギャップ検出器9は、例えば、バック アップロール4と圧下装置5との間に設けられ 間接的に上下ワークロール3a及び3bの間に形 成されるロールギャップを検出する。

 次に、図2乃至図6に基づいて、上記キスロ ル時荷重変動抽出手段10、圧延荷重変動抽出 手段11、操作量演算手段12の各構成及び動作 具体的に説明する。
 図2は測定される圧延荷重の概念を示す図で ある。図2に示すように、圧延荷重は、バッ アップロール4等にロール偏芯が生じていな 場合でも、圧延材1の温度変化や板厚変化等 によって、時間、即ち、ロールの回転ととも に変動する。一方、バックアップロール4等 ロール偏芯が生じている場合には、圧延荷 は、ロール偏芯以外による上記圧延荷重変 に、ロール偏芯による圧延荷重の変動成分 重ね合わせたものとして表される。なお、 下に説明する本板厚制御装置の具体的制御 、ロール偏芯による圧延荷重変動とロール 芯以外による圧延荷重変動とを的確に分離 るとともに、ロール偏芯による圧延荷重変 を本板厚制御装置で制御し、ロール偏芯以 による圧延荷重変動を上記MMCやGM-AGCで制御 ることが基本的な考えである。

 次に、図3に基づいて、圧延荷重変動抽出 手段11等の各構成及び動作を説明する際に必 な事項について説明する。なお、図3はワー クロール及びバックアップロールの位置関係 を説明するための図である。図3において、14 は圧延機のハウジング2等に固定された、バ クアップロール4の回転位置検出用の位置目 、4cはバックアップロール4の一部に予め設 され、バックアップロール4の回転に連動し て回転する基準位置である。上記位置目盛14 、例えば、バックアップロール4の周囲を取 り囲むように、バックアップロール4の直近 側に設けられ、バックアップロール4の全周 n等分するように、即ち、バックアップロー ル4の回転軸を中心として所定角度(360/n度)毎 、目盛が設けられる。そして、位置目盛14 基準位置14a(固定された基準位置)を0として 第(n-1)まで番号付けされる。なお、上記nは 例えばn=30~40程度の値が設定される。ここで 上記位置目盛14は圧延荷重変動抽出手段11等 を説明するために設けられたものであり、実 際の機器類に目盛自体は付されていなくても 良い。

 ここで、θ WT0 はバックアップロール4の基準位置4cが、固定 された基準位置14aに一致する際のワークロー ル3の回転角度、θ WT はバックアップロール4がθ BT だけ回転した後のワークロール3の回転角度 ある。ここで、上記θは角度を表し、添え字 の左側Wはワークロール3、Bはバックアップロ ール4を、添え字の右側Tは上側、Bは下側をそ れぞれ表している。なお、以下においては、 バックアップロール4の回転角度とは、バッ アップロール4の基準位置4cが、固定された 準位置14aからバックアップロール4の回転に 動して移動する角度を表すものとする。例 ば、バックアップロール4の回転角度が90度 あるとは、バックアップロール4の基準位置 4cが、固定された基準位置14aからバックアッ ロール4の回転方向に90度の回転した位置に ることを示している。また、バックアップ ール4の回転角度が位置目盛14の最も近接す 目盛(例えば、位置目盛14のj番目の目盛)に る状態を、バックアップロール4の回転角度 号がjであるとして説明する。

 なお、上記バックアップロール4の基準位 置4c及び固定された基準位置14aに、近接セン 等のセンサとこのセンサによって検出され 被検出体とを埋め込むことにより、上記セ サ及び被検出体によってロール基準位置検 器8を構成しても良い。かかる場合、例えば 、バックアップロール4の基準位置4cに設けら れた近接センサが、バックアップロール4と もに回転して固定された基準位置14aに達す ことにより、基準位置14aに埋め込まれた被 出体が上記近接センサによって検出される 即ち、バックアップロール4の基準位置4cが 固定された基準位置14aを通過したと認識さ る。

 次に、図4に基づいて、圧延荷重のロール偏 芯に起因する変動成分を抽出する方法につい て説明する。図4はバックアップロールの回 角度の変化に伴う圧延荷重の変動を示す図 ある。図4において、バックアップロープ4の 基準位置4cが基準位置14aにある場合、即ち、 ックアップロール4の回転角度番号が0の場 、圧延荷重はP 10 を示しており、バックアップロール4の回転 度番号が1、2、3‥‥と進むにつれ、圧延荷 はP 11 、P 12 、P 13 ‥‥と変化していく。そして、バックアップ ロープ4が1回転して、回転角度番号が(n-1)か 再び0となり、圧延荷重P 20 が採取された時点で圧延荷重P 10 とP 20 とを直線で結ぶと、この直線が、ロール偏芯 による圧延荷重変動を除いた圧延荷重と見な すことができる。したがって、ロール偏芯に よる圧延荷重変動は、各回転角度番号におい て測定した圧延荷重P 11 、P 12 、P 13 ‥‥P 20 と上記直線との差から求めることができる。

 なお、実際に測定される圧延荷重P ij の値(実績値)には、温度変動・板厚変動・張 変動等による圧延荷重変動、ロール偏芯に る圧延荷重変動に加え、ノイズ成分が含ま ることが多い。このため、実際の圧延荷重P ij の実績値は図4に示すようななだらかな曲線 に分布する訳ではなく、上記直線を求める めに結ぶべき始点の圧延荷重P i0 と終点の圧延荷重P (i+1)0 とを特定することが困難な場合もある。そこ で、圧延荷重P i0 と圧延荷重P (i+1)0 との変化が大きくないものと仮定すると、測 定した各圧延荷重P i0 、P i1 、P i2 、P i3 ‥‥P (i+1)0 と、圧延荷重P i0 、P i1 、P i2 、P i3 ‥‥P i(n-1) のn個の平均値との差δP ij を圧延荷重のロール偏芯に起因する変動成分 と見なすことができる。この方法の利点は、 圧延荷重の実績値の採取を(n-1)区分目までに 少させることができ、また、ノイズ等によ 圧延荷重の変動にも強いことである。なお 圧延荷重の実績値にフィルタリング処理を して、ノイズ成分を低減させることも有効 手段である。

 次に、図5に基づいて、キスロール時荷重 変動抽出手段10について説明する。図5はこの 発明の実施の形態1におけるキスロール時荷 変動抽出手段の動作を説明するための図で る。

 なお、キスロール時荷重変動抽出手段10 よってキスロール時荷重のロール偏芯に起 する変動成分を抽出する方法は、上記特許 献1の図3乃至図5に記載の方法に準ずる。即 、特許文献1記載のものでは、キスロール時 重の変動からロール偏芯量、即ちギャップ に変換している。例えば、図3に示すブロッ ク103及び113等で上記変換を行っている。しか し、キスロール時は、ロール偏芯による荷重 変動以外の荷重の変動はないものとみなせる ため、ギャップではなく荷重をそのまま扱っ ても良い。また、上記特許文献1記載のもの は、サンプリングパルスを発生させる装置 必要としているが、バックアップロールの 転位置が分かれば、その装置は必ずしも必 としない。また、特許文献1におけるマーク ルスの発生装置は、本願のロール基準位置 出器8に相当するが、このマークパルスの発 生装置についても、バックアップロールの回 転位置が分かれば、その装置は必ずしも必要 ではない。

 本願における動作では、図5において、先 ず、上下ワークロール3a及び3bをキスロール 態として上下バックアップロール4a及び4bを 転させ、キスロール時荷重と上下バックア プロール4a及び4bの各回転角度とを、バック アップロール4の基準位置4cから順次測定及び 記録する。この時、バックアップロール4の 準位置4cは、必ずしも固定された基準位置14a に一致させる必要はない。ここで、図5はバ クアップロール4の回転角度5度毎にキスロー ル時荷重を測定及び記録した場合を示してお り、上段の表は、上バックアップロール4aを 準として1回転させた場合のデータの一例を 示している。図5の上段の表に示す状態では 上下バックアップロール4a及び4bで15度の回 角度差が生じている。かかる場合、上下バ クアップロール4a及び4bの直径差が0であれば 、上バックアップロール4aを何回転させても 下バックアップロール4a及び4bの回転角度差 は15度の状態を維持する。しかし、上下バッ アップロール4a及び4bに直径差が生じている 場合には、上バックアップロール4aの1回転後 、2回転後と回転が進むに従い上下バックア プロール4a及び4bの回転角度差が大きくなる そして、上記直径差に応じた所定の回転後 、上下バックアップロール4a及び4bの回転角 度差は(15+360)度となって初期状態に戻る。図5 の下段の表は、下バックアップロール4bを基 として1回転させた場合のデータの一例を示 しており、上下バックアップロール4a及び4b 20度の回転角度差が生じている場合を示して いる。なお、特許文献1では、図3に示すブロ ク102、112、203、213においてサンプリングパ ス毎に荷重を読み込むと記載されている。 願の図5に示す例では、特許文献1記載のも においてサンプリングパルスを5度毎に発生 せる場合に相当する。また、上記測定は、 スロール状態で実施する必要があるため、 えば、バックアップロール4やワークロール 3の交換時に、圧延を開始するまでの時間を 用して実施することが可能である。

 このように、特許文献1に記載される方法 に準ずる方法でキスロール時の荷重変動を測 定することにより、上下バックアップロール 4a及び4bの回転角度に応じたキスロール時荷 の変動成分を次式によって求めることがで る。

 ここで、p TOP は上バックアップロール4aによるキスロール 荷重の変動成分、p BOT は下バックアップロール4bによるキスロール 荷重の変動成分、p TOP0 は上バックアップロール4aによるキスロール 荷重の変動成分の振幅、p BOT0 は下バックアップロール4bによるキスロール 荷重の変動成分の振幅、θ TOP は上バックアップロール4aの固定された基準 置14aからの回転角度、θ BOT は下バックアップロール4bの固定された基準 置14aからの回転角度、φ TOP は上バックアップロール4aの固定された基準 置14aからの位相差、φ BOT は下バックアップロール4bの固定された基準 置14aからの位相差を示している。

 次に、図6に基づいて、上記圧延荷重変動抽 出手段11、操作量演算手段12の具体的構成及 動作について説明する。図6はこの発明の実 の形態1における板厚制御装置の要部を示す 構成図である。図6において、15は荷重分配手 段、16は上側荷重変動抽出部、17は下側荷重 動抽出部である。荷重分配手段15は荷重検出 器6によって検出された圧延荷重Pを、上バッ アップロール4aと下バックアップロール4bと に個別に発生するものと仮定して、上バック アップロール4aに発生する圧延荷重P T と下バックアップロール4bに発生する圧延荷 P B とに分離する。上側荷重変動抽出部16は荷重 配手段15によって分離された圧延荷重P T に基づいて、上バックアップロール4aの複数 回転位置における圧延荷重P Tj のロール偏芯に起因する変動成分を抽出する 。下側荷重変動抽出部17は荷重分配手段15に って分離された圧延荷重P B に基づいて、下バックアップロール4bの複数 回転位置における圧延荷重P Bj のロール偏芯に起因する変動成分を抽出する 。そして、上記圧延荷重変動抽出手段11は、 重分配手段15、上側荷重変動抽出部16、下側 荷重変動抽出部17から構成される。

 また、18aはバックアップロール4の各回転角 度番号にそれぞれ対応して設けられたn個の 延荷重記録手段である。各圧延荷重記録手 18aには、バックアップロール4が対応する回 角度番号に達した際の圧延荷重P Tj が所定期間記録される。19aは各圧延荷重記録 手段18aに記録された圧延荷重P Tj に基づいて、バックアップロール4が一回転 る間に検出されたn個の圧延荷重P Tj (j=0~(n-1))の平均値を演算する平均値演算手段 20aは各圧延荷重記録手段18aにそれぞれ対応 て設けられた偏差演算手段である。各偏差 算手段20aは、対応する圧延荷重記録手段18a 記録された圧延荷重P Tj の上記平均値からの偏差δP Tj を、バックアップロール4が一回転する毎に 算して出力する。

 上記上側荷重変動抽出部16は、圧延荷重 録手段18a、平均値演算手段19a、偏差演算手 20aから構成される。一方、上記下側荷重変 抽出部17は、上側荷重変動抽出部16と同様の 成を有し、圧延荷重記録手段18b、平均値演 手段19b、偏差演算手段20bを備えている。

 また、図6における21aは上側加算手段、21bは 下側加算手段、22aは上側スイッチ、22bは下側 スイッチ、23はロールギャップ修正量演算手 である。上側加算手段21aは上側荷重変動抽 部16から出力された、圧延荷重P Tj のロール偏芯による変動成分を、回転角度番 号毎に加算する。下側加算手段21bは下側荷重 変動抽出部17から出力された、圧延荷重P Bj のロール偏芯による変動成分を、回転角度番 号毎に加算する。上側スイッチ22aは上側加算 手段21aによって回転角度番号毎に加算された 、圧延荷重P Tj のロール偏芯による変動成分を、バックアッ プロール4の回転角度番号に応じて出力する 下側スイッチ22bは下側加算手段21bによって 転角度番号毎に加算された、圧延荷重P Bj のロール偏芯による変動成分を、バックアッ プロール4の回転角度番号に応じて出力する ロールギャップ修正量演算手段23は上側スイ ッチ22aの出力値と下側スイッチ22bの出力値と に基づいて、バックアップロール4の回転角 番号に応じたロールギャップの修正量を演 する。

 上記操作量演算手段12は、上側加算手段21a 下側加算手段21b、上側スイッチ22a、下側ス ッチ22b、ロールギャップ修正量演算手段23か ら構成される。ここで、上側加算手段21aと下 側加算手段21b、並びに、上側スイッチ22aと下 側スイッチ22bとはそれぞれ同様の構成を有し ている。例えば、上側加算手段21aには、リミ ット24a、スイッチ25a、加算器26aが備えられて いる。ここで、リミット24aは、各偏差演算手 段20aから入力される偏差δP Tj の上下限をチェックする。スイッチ25aは、バ ックアップロール4が一回転する毎に、即ち 平均値演算手段19aでの平均値の演算が終了 る毎にオンされて、リミット24aから入力さ る偏差δP Tj を同時に出力する。加算器26aは、バックアッ プロール4の各回転角度番号に対応して設け れ、スイッチ25aから出力される偏差を回転 度番号毎に加算する。

 次に、圧延荷重変動抽出手段11及び操作量 算手段12の動作について説明する。
 荷重検出器6では、1スタンド分の圧延荷重 して1つの値しか採取することができない。 こで、荷重分配手段15は、例えば、次式に り、荷重検出器6によって検出された圧延荷 Pを、上バックアップロール4aに発生する圧 荷重P T と下バックアップロール4bに発生する圧延荷 P B とに分離する。

 ここで、Pは圧延荷重実績値(荷重検出器6に る検出値)、αは重み係数(一般に、0≦α≦1) k 1 及びk 2 は調整係数(一般に、0≦k 1 ≦1、0≦k 2 ≦1)を示している。上記重み係数αは、0.5等 固定値としても良いしか、次式によって求 ても良い。

 なお、上下バックアップロール4a及び4bの 直径差が小さい場合には、上側荷重変動抽出 部16と下側荷重変動抽出部17との何れか一方 みを使用するように構成したり、荷重検出 6によって検出された圧延荷重Pを所定の比率 に分離するように構成しても良い。例えば、 次式によって算出される比率rが、ある閾値 りも小さい場合に、上下バックアップロー 4a及び4bの直径差が小さいと判断するように 成する。

 ここで、D TOP は上バックアップロール4aの直径、D BOT は下バックアップロール4bの直径を示してい 。なお、上記閾値としては、例えば、2~3%程 度の値が使用される。そして、比率rが所定 閾値よりも小さく、上側荷重変動抽出部16の みを使用する場合には、上記式3において、α =1、k 1 =0とするとともに、k 2 =0又は下側荷重変動抽出部17の機能を不使用 すれば良い。

 そして、上側荷重変動抽出部16では、バッ アップロール4の回転角度番号が0の場合に荷 重検出器6によって検出されて、荷重分配手 15によって分離された圧延荷重P T0 、回転角度番号が1の場合の圧延荷重P T1 、回転角度番号が2の場合の圧延荷重P T2 が、バックアップロール4の回転とともに、 次対応する圧延荷重記録手段18aに記憶され 。各圧延荷重記録手段18aでは、バックアッ ロール4が1回転する間、即ち、バックアップ ロール4の回転角度番号が再び0となるまで、 力された圧延荷重P Tj を保持する。平均値演算手段19aは、バックア ップロール4の回転角度番号が(n-1)に達した時 点で、n個の圧延荷重P T0 ~P T(n-1) に基づいて平均値を演算する。偏差演算手段 20aは、圧延荷重P Tj と平均値演算手段19aによって演算された上記 平均値との差δP Tj をロール偏芯による圧延荷重の変動成分とし て出力する。そして、上側荷重変動抽出部16 、上記動作をバックアップロール4の各回転 毎に実施して、回転角度番号毎に偏差δP Tj 、即ち、ロール偏芯による圧延荷重の変動成 分を出力する。

 なお、上記は、ロール偏芯による変動成分 除いた圧延荷重を、n個の圧延荷重P T0 ~P T(n-1) の平均値とみなした場合の演算方法であるが 、図4に基づいて上述したように、バックア プロール4の回転角度番号が0の場合における 圧延荷重P T0 及びP Tn を結んだ直線を、圧延荷重P Tj のロール偏芯に起因する変動成分を除いたも のとみなしても良い。かかる場合には、各圧 延荷重P Tj と上記直線との差が、偏差δP Tj 、即ち、圧延荷重P Tj のロール偏芯に起因する変動成分となる。

 そして、上側加算手段21aでは、リミット24a よって各偏差演算手段20aの出力値が上下限 ェックされた後、加算器26aによって、スイ チ25aの出力に基づき次式に示す処理が実施 れ、偏差δP Tj が加算される。

 ここで、Z j は加算器σ j の値、kは加算回数(一般に、バックアップロ ル4の回転数に一致)、j=0~(n-1)を示している なお、加算器26aは圧延材1が圧延される前に ロクリアされており、バックアップロール4 が一回転して上記平均値演算手段19aによる平 均値の演算が終了する毎に、一回ずつ偏差δP Tj の加算が実施される。

 また、加算器26aにおいて実施される処理 は、過去に積算した値の影響を縮小して現 点に近い圧延荷重の変動成分の影響を大き 評価することも有効である。かかる場合に 、上記式7に代え、次式に示す処理が実施さ れる。

 ここで、bは忘却係数を示している。なお、 回転角度番号毎に偏差δP Tj を加算することは、一般的な制御則から簡単 に説明することができる。即ち、本制御対象 のように、制御対象に積分系がない場合、制 御器側に積分器を入れて定常偏差を除去する ことは制御則上からも妥当である。本発明で は、制御対象が連続値系ではなく離散値系で あるため、積分器ではなく加算器としている 。

 上記上側スイッチ22aは、各加算器26aによっ 加算された偏差δP ATj を、バックアップロール4の回転位置に応じ ロールギャップ修理量演算手段23に対して出 力する。例えば、バックアップロール4の基 位置4cが位置目盛14の基準位置14a、即ち目盛0 を通過した時点で上側スイッチ22aのうちSW 0 のみがオンされ、加算器26aのσ 0 からδP AT0 が取り出される。また、バックアップロール 4の基準位置4cが位置目盛14の目盛1に達した時 点でSW 1 のみがオンされ、σ 1 からδP AT1 のみが取り出される。そして、このような動 作をバックアップロール4の各回転位置に対 して繰り返し実施する。

 なお、上記はバックアップロール4の回転角 度番号毎に、ロール偏芯による圧延荷重の全 体の変動成分から上バックアップロール4aが 転することによって生じる変動成分を取り す動作である。一方、全体の変動成分から バックアップロール4bが回転することによ て生じる変動成分も、上記と同様の方法に って取り出すことが可能である。即ち、下 荷重変動抽出部17により、下バックアップロ ール4bに発生する圧延荷重P B に基づいて、回転角度番号毎にロール偏芯に よる圧延荷重の変動成分が出力される。そし て、この出力値に基づいて、下側加算手段21b 及び下側スイッチ22bを介して、バックアップ ロール4の回転位置に応じた偏差δP AB がロールギャップ修理量演算手段23に対して 力される。

 ロールギャップ修正量演算手段23は、上側 イッチ22a及び下側スイッチ22bから入力され 偏差δP AT 及びδP AB に基づいて、次式により、ロール偏芯による 圧延荷重の変動成分を補償するロールギャッ プ修正量δS(mm)を演算する。

 また、ロールギャップも上下別々に操作す ことはできないため、上下分を加算して出 する必要がある。

 ここで、Mはミル定数、Qは圧延材1の塑性係 、K TUNE は調整係数、δS T は上バックアップロール4a用のロールギャッ 修正量、δS B は下バックアップロール4b用のロールギャッ 修正量、δP AT は上バックアップロール4aによる圧延荷重の 差(上側スイッチ22aの出力)、δP AB は下バックアップロール4bによる圧延荷重の 差(下側スイッチ22bの出力)である。そして ロールギャップ操作手段13は、MMCやGM-AGCによ って得られたロールギャップ量に、上記操作 量演算手段12によって演算されたロールギャ プ修正量δSを加えて、圧下装置5に与える。

 なお、上記構成によって圧下装置5を制御 した場合、圧下装置5の応答によっては、時 遅れを無視できない場合がある。例えば、 圧圧下の応答が、遮断周波数60rad/secである 合、応答完了を100%とすると、95%に達する時 は0.05secとなる。また、この遅れに演算時間 の遅れ等が加わることも考えられる。そして 、バックアップロール4の1回転に要する時間 0.5~1秒程度であるとすると、上記0.05secの時 遅れは、バックアップロール4の1回転に要 る時間の1/10~1/20に相当し、高精度の板厚制 が困難になる場合がある。

 かかる場合には、操作量演算手段12のロ ルギャップ修正量δSを出力するタイミング 早めることにより、上記課題を解決するこ が可能となる。例えば、図3において、分割 n=40、バックアップロール4の1回転に要する 間を0.8秒とすると、バックアップロール4が 位置目盛14の1目盛分を進む時間は0.02秒とな 。したがって、上記0.05秒の時間遅れが発生 ているとすれば、位置目盛14の2.5目盛分先 じてロールギャップ修正量δSをロールギャ プ操作手段13に与えれば良い。

 なお、上記説明においては、バックアッ ロール4の回転を基準として各種計測、演算 を実施したが、ワークロール3の回転を基準 しても同様の制御は可能である。

 また、図6において、圧延開始時に加算器26a 及び26bをゼロクリアすると、圧延開始後バッ クアップロール4が一回転する間は圧延荷重 実績値の採取が必要となって、上記制御を 施することができない。そこで、次式に示 計算を実施してδP AT 及びδP AB を算出する。なお、以下においては、図6に いて上側スイッチ22a及び下側スイッチ22bが じられた場合におけるδP AT の算出方法についてのみ記述し、δP AB については同様の算出方法であるためその記 載を省略する。

 又は

 ここで、Z j [k]は当該材の制御のための加算器26aの値、k 加算回数(一般に、バックアップロール4の回 転数に一致)、Z j [n:previous]は当該材の直前に圧延された材料の 加算器26aの最終値、p TOPj は上バックアップロール4aによるキスロール 荷重変動のバックアップロール4の回転角度 位置jにおける値、βは重み係数(0≦β≦1)であ る。

 なお、上記式12を適用するのは、上下バ クアップロール4a及び4bの直径差が小さい時 ある。また、重み係数βは、圧延開始から 時間又は圧延開始からのバックアップロー 4の回転数に依存して変更するものとし、一 に初期値は0で、圧延が進むにつれて1に近 けるものとする。β=1とすると、当該材の圧 荷重を100%使用することとなる。このため、 β=1とするタイミングは、圧延荷重変動抽出 段11による圧延荷重変動の精度が十分高くな った時点とする。また、β=1とするタイミン の最小値は、上バックアップロール4a又は下 バックアップロール4bが一回転した時のタイ ングである。

 この発明の実施の形態1によれば、ロール 偏芯による圧延荷重変動がある場合に、圧延 荷重変動を抑え、その変動による板厚変動を 抑えることができる。また、上下バックアッ プロール4a及び4bの直径差が大きい場合にも 用できるため、ロールの管理の自由度が向 する。また、従来からの方法である周波数 析によりロール偏芯の圧延荷重変動を抑制 る方法においては分析できない変動成分も 出、制御できる。更に、設備構造上、板厚 も不要で、トラッキング誤差による精度低 も生じない。

実施の形態2.
 図7はこの発明の実施の形態2における板厚 御装置を示す全体構成図である。図7に示す 厚制御装置では、実施の形態1におけるロー ル基準位置検出器8が備えられていない。即 、実施の形態1におけるキスロール時荷重変 抽出手段10の説明において、特許文献1にお るマークパルスの発生装置が無い場合に相 する。

 ロール基準位置検出器8は近接スイッチで 構成されることが多く、1つ1つのバックアッ ロール4に取り付ける必要がありコストが掛 かる。また、圧延機に組み込んだ後、そのセ ンサからの信号を取り出すための配線が必要 であり、保守作業に手間が掛かるといった問 題もある。このため、ロール基準位置検出器 8は無い方が設備維持の上では良い。

 一般に、ワークロール3については、ワー クロール3の組み換え時等にロールを装入す 必要がある。そのため、正確に回転角度を るためのセンサも取り付けられている。そ て、ワークロール3とバックアップロール4と の直径は既知であるため、ワークロール3の 転角度からバックアップロール4の回転角度 知ることはできる。したがって、上記方法 よれば、ロール基準位置検出器8は、必ずし も必要ではない。

 但し、圧延中等に、ワークロール3とバック アップロール4との間で滑りが発生し、両ロ ル間の位置関係がずれるようなことも考え れる。この場合のために、式8において忘却 数を導入して時間の経過に従って過去の情 の影響を小さくしたり、式1及び式2による スロール時荷重変動の同定に関して、ロー 組み換え時のみならず圧延していない時間 頻繁に行うようにしたり、式3及び式4におけ る調整係数k 1 及びk 2 の値を小さくしたりするような工夫が必要と なる。このような工夫を行うことにより、バ ックアップロール4の位置ずれに対しても対 することが可能となる。

 以上のように、この発明にかかる板厚制 装置によれば、周波数分析により分析でき い変動成分も抽出及び制御でき、板厚制御 より高精度に実施することが可能となる。 た、設備構造上、板厚計も不要で、トラッ ング誤差による精度低下を生じることもな 。