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Title:
MODEL WITH HEADLIGHT AND LIGHT GUIDE MECHANISM FOR THE HEADLIGHT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/088045
Kind Code:
A1
Abstract:
A novel model expression method is applied to a model with a headlight, whereby the hue when headlight is turned off may have a reality substantially same as an actual object while its lighting performance being maintained. A rear light guide part (8c) guides an outgoing light from a light-emitting element (7b) installed near the rear light guide part itself according to the shape thereof. A front light guide part (8d) has a surface opposing to the rear light guide part (8c) and a front end surface (8a) which is exposed when inserted into a through hole. The portion between these surfaces is formed in a linear shape. A half-mirror (8b) is interposed between the front and rear light guide parts (8d, 8c).

Inventors:
KUMEGAWA MASAMITSU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050614
Publication Date:
July 24, 2008
Filing Date:
January 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KUMEGAWA MASAMITSU (JP)
International Classes:
A63H19/20; A63H17/28
Foreign References:
JPS391780Y1
JPS61145401U1986-09-08
JP3078475U2001-07-10
JPS293826Y1
JPS575291U1982-01-12
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Claims:
 前照灯付模型において、
 前照灯に相当する部位に貫通孔が形成された模型本体と、
 前記模型本体内に設けられ、発光状態を制御可能な発光体と、
 一部が前記貫通孔に挿入されているとともに、前記発光体から出射された光を自己の形状に応じて導き、前記貫通孔より露出した先端面から外部に向かって光を放射する導光機構と、
 前記先端面よりも内側の前記導光機構中であって、かつ、前記先端面から見通すことができる位置に介在するハーフミラーと
を有することを特徴とする前照灯付模型。
 前照灯付模型において、
 前照灯に相当する部位に貫通孔が形成された模型本体と、
 前記模型本体内に設けられ、発光状態を制御可能な発光体と、
 前記貫通孔に挿入される直線状の挿入部位を有するとともに、前記発光体から出射された光を自己の形状に応じて導き、前記貫通孔より露出した先端面から外部に向かって光を放射する導光機構と、
 前記先端面よりも内側で、かつ、前記模型本体の内面よりも外側である前記挿入部位中に介在するハーフミラーと
を有することを特徴とする前照灯付模型。
 前照灯付模型において、
 前照灯に相当する部位に貫通孔が形成された模型本体と、
 前記模型本体内に設けられ、発光状態を制御可能な発光体と、
 前記発光体の近傍に設けられ、前記発光体から出射された光を自己の形状に応じて導く第1の導光部と、
 前記第1の導光部と対向する対向面と、前記貫通孔に挿入された際に露出する先端面とを有し、前記対向面と前記先端面との間で直線状の形状を有する第2の導光部と、
 前記第1の導光部と前記第2の導光部との間に介在するハーフミラーと
を有することを特徴とする前照灯付模型。
 前照灯付模型において、
 前照灯に相当する部位に設けられた開口部と、
 発光状態を制御可能な発光体と、
 前記開口部に挿入されているとともに、前記発光体から出射された光を導いて、前記開口部より露出した先端面から外部に向かって光を放射する導光機構と、
 前記先端面よりも内側の前記導光機構中であって、前記先端面から見通すことができる位置に介在するハーフミラーと、
 前記開口部より前記ハーフミラーを介して入射する外光を除いて、前記ハーフミラーの前記後面側への外光の入射を遮断する遮光手段と
を有することを特徴とする前照灯付模型。
 前照灯付模型において、
 前照灯に相当する部位に設けられた開口部と、
 発光状態を制御可能な発光体と、
 前記開口部に挿入されているとともに、前記発光体から出射された光を導いて、前記開口部より露出した先端面から外部に向かって光を放射する導光機構と、
 前記先端面よりも内側の前記導光機構中であって、前記先端面から見通すことができる位置に介在するハーフミラーとを有し、
 前記ハーフミラーは、前記先端面からの奥行きが連続的に変化する非平面形状を有することを特徴とする前照灯付模型。
 前照灯付模型において、
 前照灯に相当する部位に設けられた開口部と、
 発光状態を制御可能な発光体と、
 前記開口部から見通すことができる位置に設けられたハーフミラーと、
 前記発光体から出射された光を前記ハーフミラーの後面側に導く第1の導光部と、
 前記開口部における前記ハーフミラーの前面側に設けられた第2の導光部とを有し、
 前記第1の導光部および前記第2の導光部は、互いに嵌合可能な非平面状の部位を嵌合することによって、前記ハーフミラーが介在した状態で一体化されていることを特徴とする前照灯付模型。
 発光体から出射された光によって前照灯を点灯させる前照灯付模型の前照灯導光機構において、
 前記発光体から出射された光を自己の形状に応じて導く第1の導光部と、
 前記第1の導光部と対向する対向面と、前記前照灯付模型における前記前照灯に相当する部位に形成された貫通孔に挿入された際に露出する先端面とを有するとともに、前記対向面と前記先端面との間で直線状の形状を有する第2の導光部と、
 前記第1の導光部と前記第2の導光部との間に介在するハーフミラーと
を有することを特徴とする前照灯導光機構。
 発光体から出射された光によって前照灯を点灯させる前照灯付模型の前照灯導光機構において、
 ハーフミラーと、
 前記発光体から出射された光を前記ハーフミラーの後面側に導く第1の導光部と、
 前記前照灯付模型における前記前照灯に相当する部位に設けられた開口部における前記ハーフミラーの前面側に設けられた第2の導光部とを有し、
 前記第1の導光部および前記第2の導光部は、互いに嵌合可能な非平面状の部位を嵌合することによって、前記ハーフミラーが介在した状態で一体化されていることを特徴とする前照灯導光機構。
Description:
前照灯付模型およびその前照灯 光機構

 本発明は、前照灯付模型およびその前照 導光機構に係り、特に、点灯式前照灯にお る消灯時の色味改善に関する。

 鉄道模型には、左右のレールの間隔(ゲー ジ)の相違に応じて、Nゲージ、HOゲージおよ Oゲージといった各種の規格が存在する。近 、特にNゲージのリアリティ(実車再現性)の 上には目を見張るものがある。何と言って 超センセーショナルだったのは、TNカプラ (登録商標)と呼ばれる連結器の登場である。 この連結器は、実車同様のリアルな外観を有 しながらも車両同士の連結・解放が可能で、 しかも、わずか数ミリ四方の連結面で列車牽 引時の牽引加重にも十分に耐え得るという優 れモノである。それ以前は、アーノルドカプ ラーと呼ばれる略コの字状の極めて玩具然と した連結器が一般的だったので、TNカプラー 出現は、まさに当時のユーザの”度肝を抜 た”といっても過言ではない。今にして思 ば、TNカプラーこそが近年のリアル化トレ ドの先鞭だったのではなかろうか。なお、 談になるが、本発明者は、小学生の頃に始 たNゲージを大学生になったのをきっかけに 印したが、TNカプラーに出会ったのをきっ けに押し入れの奥に眠っていた段ボール箱 開封し、こちらの世界に舞い戻ってしまっ という経緯がある(汗)。それはさておき、連 結器以外にも、信号炎管やベンチレータとい った各種機器の別パーツ化、床下機器の細密 化、新幹線(400系やE2系等)用の格納式伸縮密 形TNカプラーの出現といった如く、リアル化 のための改良は枚挙にいとまがなく、最近で は、機関車の前面手摺りや解放テコといった ものまで線状パーツとして別パーツ化される に至り、まさにオタク的な様相を呈しつつあ る。

 このように、Nゲージのリアリティは確実 に向上しているものの、発明者個人の主観と して”絶対に許せない”玩具然とした部分が 依然として残されている。それは、点灯式前 照灯における消灯時の色味である。実車通り であれば、消灯時であっても前照灯は白みが かった銀色に見えなければならないのに、模 型では、あろうことか真っ黒に見えるのであ る。例えば、非特許文献1の140頁に掲載され 455系(475系)電車の実物写真を見てもわかるよ うに、消灯時における実車の前照灯は白みが かった銀色に見える。これは、特許文献5,6に 開示された自動車用前照灯の光源系(ランプ 湾曲した反射板との一体構造)からも明らか ように、前照灯内で鏡面反射した外光が前 ガラスを介して人の目に入射することに起 している。これに対して、模型の場合には 非特許文献1の同頁に掲載された消灯時の模 型写真を見てもわかるように、前照灯は真っ 黒、言ってみれば”黒い目玉”のような状態 である。Nゲージ等の小型模型では、サイズ コストまたは生産性等の理由から、反射板 用いた実物同様の光学的構造は採用し難く 内蔵発光体(豆球やLEDのように、その大半は 射板を備えない)からの出射光を導光材で導 くといった単純な構造が採用されている。こ のような構造では、光学系からの不要な光漏 れを防止すべく、外部に露出した先端面を除 いて、導光材の大半を遮光してしまうことが 多い。遮光手法としては、遮光壁によって遮 光されたスペース内に導光材を配置するとい った手法や、導光材の周囲を黒色や銀色に着 色して遮光するといった手法が挙げられる。 しかしながら、いずれの手法であっても導光 材に外光が殆ど入射しない状態になるので、 外部から目視した際、導光材が黒っぽく見え るのである。現在、日本国内におけるNゲー の車両製品は、関水金属(KATO)、トミーテッ (トミックス)、マイクロエース、グリーンマ ックス、モデモを含む多くメーカによって量 産されている。消灯時における黒目玉化は、 市販品の全てに共通する現象であるが、これ に対する改善は何らなされていないのが現状 である。

 ここで、本発明に関連すると思われる先 技術として、本発明者が現時点で把握して るものを以下に挙げる。まず、特許文献1に は、前照灯や標識灯を備える鉄道模型を想定 した小型模型車両用の標識灯装置が開示され ている。この装置は、前照灯や標識灯を備え る車両前後部分を車体ボディとは別パーツ化 し、これをアクリル樹脂等の透明物質にて成 形する。このパーツの内部には、前照灯や標 識灯の光源となる豆電球が収容される。外部 に露出するパーツの表面は、不要な部分から の光漏れを防止すべく、前照灯や標識灯のレ ンズ部分を除いて、不導体メッキ、銀色塗装 、車体外部色等の塗装被膜で覆われている。 つぎに、特許文献2には、光源が発光してい かのような外観上の光彩を光源を用いずに 現する玩具自動車のライトが開示されてい 。ライト前方の開口部には湾曲した着色透 板を設けられており、その後方には乱反射 が配置されている。湾曲した着色透明板を 過した外光は、乱反射板によって反射して 着色透明板を介して外部に出射される。こ により、外部より目視した際、この乱反射 た出射光によってライトが光彩を発してい ように見える。また、特許文献3には、鏡面 絵や文字等が突然現れる手鏡玩具が開示さ ている。この手鏡玩具は、均一に面発光す 発光パネル体を内蔵しており、外部に露出 た鏡面をハーフミラー層にて形成する。発 体パネルとハーフミラー層との間には、絵 文字といった表示内容を印刷したフィルム 材が設けられている。発光パネル体の消灯 には、ハーフミラー層自身による外光の反 によって、手鏡玩具が純粋な手鏡として機 する。一方、発光体パネル体の点灯時にお て、内部の発光パネル体より出射された光 、印刷された表示内容に応じてフィルム部 を部分的に通過し、ハーフミラー層を介し 外部に出射される。これにより、鏡面に投 された表示内容を外部より目視できる。さ に、特許文献4には、ヤスリ輪および発火石 との摩擦によって、前後灯に色彩を表現する 発火玩具が開示されている。

 一方、模型玩具とは異なる技術分野に属 るものであるが、特許文献5,6には、それぞ がランプおよび反射板(反射鏡)よりなる複 の光源系と、ハーフミラーとを有する自動 用前照灯が開示されている。具体的には、 許文献5には、前照灯光源系と、フォグラン 光源系とを一体化した構成が開示されてい 。フォグランプ光源系は、前照灯光源系が える大型反射板の後方に設けられている。 の際、大型反射板の一部であって、フォグ ンプ光源系の前方に対応する部分に窓を形 し、この窓にハーフミラーを設ける。これ より、フォグランプ光源系からの出射光は その前方の大型反射板によって遮断される となく、窓状のハーフミラーを介して外部 向かって放射される。その結果、前照灯と ての本来の機能を損なうことなく、かつ、 体の設置スペースの制約を受けることなく フォグランプ光源系を前照灯に内蔵できる また、特許文献6には、夜間における歩行者 等にとっての視認性を向上させるべく、主光 源系と、2つの副光源系とを有する構成が開 されている。主光源系はランプボディの前 開口部の中心に配置されており、その左右 は副光源系がそれぞれ配置されている。主 源系からの出射光を投影する投影レンズの 囲には、ハーフミラーが面一で設けられて るとともに、このハーフミラーの後方に副 源系が位置する。これにより、見栄えを損 うことなくランプボディの前面開口部全体 光輝させることができ、先行車両のドライ や歩行者が後続車両を錯覚してしまうこと 防止する。

 これらの特許文献5,6では、実物の前照灯に する一般常識どおり、反射板が個々の光源 での必須の構成部材となっており、複数の 源系を組み合わせる際、その一般常識の枠 でハーフミラーを追加しているにすぎない すなわち、実物同様の構成を採り難い模型 おいて、点灯性を阻害することなく消灯色 を簡易な構成で擬似的に表現するといった 型的表現手法を開示・示唆するものではな 。

実開昭57-5291号公報

実公昭39-1780号公報

実用新案登録第3078475号公報

実公昭29-3826号公報

実開昭61-145401号公報

特開平2-192602号公報 「TOMIX CATALOG 2004-2005     (トミックス 総合カタログ7027)」発売元 株式会社トミー

 言うまでもなく、模型のリアリティは全 のバランスが重要である。したがって、あ 部分のリアリティの向上に応じて、今まで にならなかった他の部分のリアリティが気 なりだすということは、ユーザの極自然な 理といえる。従来、消灯時における前照灯 色味は、それ以前に気になる部分が残され いたために、殆ど問題にされず半ば許容さ ていた。しかしながら、Nゲージのリアリテ ィがここまで向上した今日、模型全体のバラ ンスを考慮すると、この色味改善に関する潜 在的なニーズは極めて高いものと本発明者は 確信している。このような確信の下、本発明 者は、本業に勤しむ傍ら2年程前からこの問 に取り組み、筆舌に尽くし難い困難を経て 遂に画期的かつ実用的な解決策を見い出す 至った次第である。

 本発明は、かかる事情に鑑みてなされた のであり、その目的は、前照灯付模型にお る点灯性を維持しつつ、消灯時の色味に実 同様のリアリティを持たせる新規な模型的 現手法を提供することである。

 かかる課題を解決するために、第1の発明 は、模型本体と、発光体と、導光機構と、ハ ーフミラーとを有する前照灯付模型を提供す る。模型本体には、前照灯に相当する部位に 貫通孔が形成されている。発光体は、模型本 体内に設けられており、発光状態を制御可能 である。導光機構は、その一部が貫通孔に挿 入されている。また、導光機構は、発光体か ら出射された光を自己の形状に応じて導き、 貫通孔より露出した先端面から外部に向かっ て光を放射する。ハーフミラーは、先端面よ りも内側の導光機構中であって、かつ、導光 機構の先端面から見通すことができる位置に 介在する。なお、第1の発明において、導光 構およびハーフミラーは、1パーツとして一 化された形態、および、別パーツ化されて て模型本体に個々に組み付ける形態のどち であってもよい。

 第2の発明は、前照灯に相当する部位に設 けられた開口部と、発光状態を制御可能な発 光体と、導光機構と、ハーフミラーと、遮光 手段とを有する前照灯付模型を提供する。導 光機構は、開口部に挿入されているとともに 、発光体から出射された光を導いて、開口部 より露出した先端面から外部に向かって光を 放射する。ハーフミラーは、先端面よりも内 側の導光機構中であって、先端面から見通す ことができる位置に介在する。遮光手段は、 開口部よりハーフミラーを介して入射する外 光を除いて、ハーフミラーの後面側への外光 の入射を遮断する。

 第3の発明は、前照灯に相当する部位に設 けられた開口部と、発光状態を制御可能な発 光体と、導光機構と、ハーフミラーとを有す る前照灯付模型を提供する。導光機構は、開 口部に挿入されているとともに、発光体から 出射された光を導いて、開口部より露出した 先端面から外部に向かって光を放射する。ハ ーフミラーは、先端面よりも内側の導光機構 中であって、先端面から見通すことができる 位置に介在する。また、ハーフミラーは、先 端面からの奥行きが連続的に変化する非平面 形状を有する。

 第4の発明は、前照灯に相当する部位に設 けられた開口部と、発光状態を制御可能な発 光体と、開口部から見通すことができる位置 に設けられたハーフミラーと、発光体から出 射された光をハーフミラーの後面側に導く第 1の導光部と、開口部におけるハーフミラー 前面側に設けられた第2の導光部とを有する 照灯付模型を提供する。ここで、第1の導光 部および第2の導光部は、互いに嵌合可能な 平面状の部位を嵌合することによって、ハ フミラーが介在した状態で一体化されてい 。

 第5の発明は、発光体から出射された光に よって前照灯を点灯させる前照灯付模型の前 照灯導光機構を提供する。この前照灯導光機 構は、ハーフミラーと、発光体から出射され た光をハーフミラーの後面側に導く第1の導 部と、前照灯付模型における前照灯に相当 る部位に設けられた開口部におけるハーフ ラーの前面側に設けられた第2の導光部とを する。第1の導光部および第2の導光部は、 いに嵌合可能な非平面状の部位を嵌合する とによって、ハーフミラーが介在した状態 一体化されている。

 第1の発明によれば、先端面より入射した 外光は、ハーフミラーの表面にて反射する。 そして、この反射光は、先端面より外部に放 射される。したがって、消灯状態の前照灯を 外部から目視した場合、ハーフミラー自体の 金属色と、導光機構のクリアな色合いとが相 俟って、白みがかった銀色に見え、実物同様 、リアリティに溢れる色味を再現できる。ま た、ハーフミラーの半透過性より、発光体か ら出射された光は、所定の透過率でハーフミ ラーを透過するので、実用上支障のないレベ ルの点灯性(光量)を確保できる。これにより 前照灯の点灯性と、消灯時における色味の アリティとを両立できるので、前照灯付模 の商品訴求力を高めることが可能になる。

 第2の発明によれば、遮光手段によって、 ハーフミラーの後面側への外光の入射を遮断 (完全な遮光および部分的な遮断の双方を含 )することで、一切遮光しない場合と比較し 、ハーフミラーの表裏に入射する光量差が きくなる。そして、発光体の消灯時には、 ーフミラーの前面側に入射する光量の方が ハーフミラーの後面側に入射する光量より 大きくなる。その結果、ハーフミラーにお て鏡面反射した外光が主体的に目視される で、ハーフミラーの色味と、その手前に位 する導光部のクリアな色合いとが相俟って 実車同様に輝いて見える。実物の消灯色味 、外光の鏡面反射と、前面ガラスのクリア 色合い(内部での拡散)とによって醸し出さ るが、第1の発明によれば、実物の前照灯と 様の光学的メカニズム(鏡面反射および拡散 )を採用することで、リアリティに溢れる消 色味を再現できる。一方、発光体の点灯時 は、ハーフミラーの後面側に入射する光量 方が、ハーフミラーの前面側に入射する光 よりも大きくなる。これによって、発光体 ら出射された光のうちのハーフミラーを透 した光が主体的に目視されるので、実用上 障のないレベルの点灯性(光量)を確保できる 。このような模型的表現手法を用いることで 、前照灯の点灯性と、消灯時における色味の リアリティとを高い次元で両立できるので、 前照灯付模型の商品訴求力を高めることが可 能になる。

 第3の発明によれば、非平面形状のハーフ ミラーを用いることで、先端面から入射した 外光が不均一に反射する。したがって、消灯 色味に実物同様のグラデーションが生じるの で、模型的表現手法としてのリアリティを一 層高めることができる。

 第4または第5の発明によれば、第1および 2の導光部をハーフミラーが介在した状態で 一体化する。この一体化は、互いに嵌合可能 な非平面状の部位を嵌合することによって行 われる。これにより、一体化した際の強度を 確保できるとともに、一体化する際のパーツ の位置合わせが容易になるので、生産性の向 上を図ることが可能になる。

図1は鉄道車両模型の外観斜視図である 。 図2は模型本体への点灯ユニットの取付 図である。 図3は点灯ユニットの展開斜視図である 。 図4は前照灯導光材の斜視図である。 図5は消灯時における前照灯導光材の光 学的メカニズムの説明図である。 図6は点灯時における前照灯導光材の光 学的メカニズムの説明図である。 図7は貫通孔に挿入された前照灯導光材 を示す図である。 図8は前照灯導光材に設けられた突起部 を示す図である。 図9は多段型サンドイッチ構造の説明図 である。 図10はキャップ接合型サンドイッチ構 の説明図である。 図11は非平面状ハーフミラーを用いた 照灯導光材の説明図である。 図12は消灯状態の鉄道車両模型を並べ 対比写真である。 図13は点灯状態の鉄道車両模型を並べ 対比写真である。 図14は比較例と実施例の目視による主 的性能表である。

符号の説明

 1 鉄道車両模型
 2 模型本体
 3 前照灯
 4 尾灯
 5 ネジ
 6 台車
 7 点灯ユニット
 7a プリント基板
 7b 発光体
 7c 接点バネ
 7d 下部ケース
 7e 上部ケース
 7f 前部ケース
 8 前照灯導光材
 8a 先端面
 8b ハーフミラー
 8c 後導光部
 8d 前導光部
 8e 対向面
 8f 係合部
 9 尾灯導光材

 図1は、鉄道車両模型の外観斜視図である 。この鉄道車両模型1は、JR(旧国鉄)の165系急 型電車、具体的には、その先頭車(正確には 制御車)であるクハ165またはクモハ165をモデ 化したものであり、HG(ハイグレード)仕様と てトミーテックによって製品化されている 165系は、その派生系列も含めて全国(特に本 州)の直流電化路線で広く活躍した人気の高 車種であり、関水金属およびマイクロエー でも製品化されている。なお、これも余談 なるが、本発明者は、高校生時代に165系(も かしたら当時はまだ153系だったかも?)の仕 による普通列車大垣行に乗って、旧型国電 博物館といわれた飯田線に鉄道写真を撮り 行ったことが数回あるが、当時の思い入れ あって、個人的にも大好きな車種である。

 さて、模型本体2の内部には、発光体、具 体的には、豆球またはLEDが2つ設けられてい 。これらの発光体は、外部から供給される 流によって発光状態(点灯・消灯)を制御可能 である。また、模型本体2の前面略中央には 前照灯3(ヘッドライト)が左右に設けられて る。具体的には、模型本体2における前照灯3 に相当する部位は、前方に円柱状に突出した 形状を有し、その内部には、内外を貫通する 貫通孔(開口部)が形成されている。この貫通 には、プラスチックやアクリルを主体とし 透明または半透明の導光材の一部が挿入さ る。一方、模型本体2の前面の下側には、尾 灯4(テールライト)が左右に設けられている。 尾灯4の模型上の構造は、基本的には前照灯3 それと同様である。ただし、前照灯3とは独 立して尾灯4を点灯させる関係上、プラスチ ク製の透明な赤色導光材が別個に用いられ その光源として、前照灯3用とは異なる発光 が使用される。模型本体2の底部には、ネジ 5によって台車6が取り付けられている。レー に供給された電流は、台車6が有する金属車 輪や集電スプリング等を介して、模型本体2 内蔵された発光体に供給される。

 図2に示すように、模型本体2には点灯ユ ット7が取り付けられている。この点灯ユニ ト7は、2つの発光体、前照灯導光材および 灯導光材等を一体化したものであり、これ を含む光学系からの光漏れが生じないよう 、遮光ケース内に収納されている。これに り、光学系は、前照灯導光材の先端面およ 尾灯導光材の先端面を介して前方より入射 る外光を除いて遮光される。なお、前照灯 光材等の遮光手法としては、このような遮 空間内への配置といった手法以外に、導光 の周囲を塗料(非透過性のもの)で着色すると いった手法、或いは、導光材の周囲を非透過 性の部材でコーティングするといった手法を 用いてもよい。

 図3は、点灯ユニット7の展開斜視図であ 。プリント基板7aの上面には、前照灯3を点 するための発光体7bが取り付けられており、 その下面には、尾灯4を点灯するための発光 (図示せず)が取り付けられている。また、プ リント基板7aの下面に取り付けられた接点バ 7cは、図示しない他の導電材を介して、台 6の金属車輪に電気的に接続されている。下 ケース7dの開口部に接点バネ7cが挿通された 状態で、プリント基板7aが下部ケース7d上に 置されている。下部ケース7dの上方には上部 ケース7eが、そして、その前方には前部ケー 7fがそれぞれ取り付けられている。プリン 基板7aの上下の発光体は、プリント基板7a自 が遮光壁となって、光学的に互いに分離さ ている。前部ケース7fには、前照灯導光材8 尾灯導光材9とが取り付けられている。前照 灯導光材8は、発光体7bから出射された光を模 型本体2の前照灯部位に導き、開口部に相当 る貫通孔より露出した先端面から外部に向 って光を放射する。また、尾灯導光材9は、 光体7bとは異なる発光体から出射された光 模型本体2の尾灯部位に導き、その貫通孔よ 露出した先端面から外部に向かって光を放 する。これらの導光材8,9は、前部ケース7f 形成された壁部によって光学的に互いに分 されているので、双方の間で光漏れが生じ ことはない。

 図4は、前照灯導光材8の斜視図である。 の前照灯導光材8の特徴は、特殊な光学特性 有するハーフミラー8bを介装した点にある このハーフミラー8bは、先端面8aよりも内側 導光材8中であって、かつ、この先端面8a(開 口部)からユーザが見通すことができる位置 介在している。具体的には、前照灯導光材8 、ハーフミラー8bと、ハーフミラー8bの後方 (後面側)に配置された後導光部8cと、その前 (前面側)に配置された前導光部8dとによって 成されている。

 後導光部8cは、略コの字状の透明プラス ック製の部材であり、模型本体2の横方向に 在する部位と、この部位の左右より前方に れぞれ突出した部位とを有する。そして、 の突出した部位の端部のそれぞれには、円 状の突出部が形成されている。この突出部 、前照灯3の貫通孔の内径と略同一の外径を 有し、この貫通孔に挿入される。一方、前導 光部8dは、上記突出部と同一の外径を有する 明プラスチック製の円柱部材であり、前照 3の貫通孔に挿入される。前照灯3の貫通孔 前導光部8dが挿入されている状態において、 前導光部8dの先端面8aは貫通孔から露出する この先端面8aは、点灯時には発光体7bから出 された光を外部に放射する放射面として、 た、消灯時には外光が入射する入射面とし 機能する。なお、同図に示した前照灯導光 8には、斜めの切り込みやコーナの面取りが 施されているが、これらを形成する理由は、 発光体7bの出射光を当該部位の面にて所定方 に反射して、先端面8aに光を効率的に導く めである。

 後導光部8cと、前導光部8dとの間には、前 導光部8dと同径にカットされたハーフミラー8 bが介装されている。このハーフミラー8bは、 銀色の金属光沢を有しており、例えば真空蒸 着にて蒸発させた金属を素材の表面に付着さ せることによって得ることができる。ハーフ ミラー8bは、以下の2つの特性を有しているが 、どちらの特性が主体的(支配的)となるかは ハーフミラー8bの前面側に入射する光量と 後面側に入射する光量との大小関係に依存 ている。

(1)鏡面反射性(ミラー性)
 ハーフミラー8bの表面に入射した光を鏡面 射する特性である。この性質は、消灯時に ける前照灯3の色味に影響を与えるファクタ となる。アルミニウムや銀を主な材料とし ものが入手容易である。

(2)半透過性(ハーフ性)
 光(可視光)の一部を透過し、それ以外を遮 する特性である。この特性は、透過率(可視 透過率)として表され、前照灯3の点灯性能 具体的には光量に影響を与えるファクター なる。透過率があまり低いと(例えば10%以下) 、点灯時の光量が著しく低下して、前照灯3 点灯性を損なうことになる。一方、透過率 あまり高いと(例えば90%以上)、十分な光量を 確保できる反面、鏡面の反射性が低下して、 消灯時の色味再現が困難になる。したがって 、これらの相反する事項を比較考量した上で 、適切な透過率(例えば10数%~50%程度)を有する 材料を選択すべきである。

 導光部8c,8dを別体で形成し、これらを接 して一体化する場合、導光部8c,8dの一方の接 合面(対向面)の全体にハーフミラー8bを予め 接形成しておけば、導光部8c,8dを一体化する だけで、導光部8c,8dによるハーフミラー8bの ンドイッチ構造を得ることができる。ハー ミラー8bの直接形成手法としては、例えば周 知のホットスタンプ(箔押)、すなわち、上記 方の接合面にハーフミラー箔(アルミ等の金 属蒸着膜)を熱圧着にて転写する印刷技術を いることができる。また、銀鏡メッキ等の 法を用いて、ハーフミラー8bを直接形成して もよい。本発明は、このような形態を排除す るものではないが、模型としてのコストや生 産性等を考慮すると、フィルム素材としての ハーフミラー8b(アルミ等の金属蒸着膜)を利 し、このフィルム素材を導光材8c,8dでサンド イッチする手法を採用することが好ましい。 このフィルム素材は、ガラスに施工して車内 や室内のプライバシー保護、または、遮光に よる省エネといった用途に供され、ミラーフ ィルムやマジックフィルムといった名称で市 販されている。透明なポリエステルフィルム 上にアルミニウムを真空蒸着した製品は、比 較的安価で入手も容易なので好ましい。例え ば、ミラリード社から発売されているシルバ ータイプの製品(製品型番:KM-211またはXM-11,XM-6 1,XMー71)を用いることができる。同様のフィ ムは、アイケーシーやイー・レボリューシ ンといった各社からも販売されている。な 、導光部8c,8dおよびハーフミラー8bは、1パー ツとして予め一体化しておく形態、および、 別パーツ化されていて模型本体2に個々に組 付ける形態のどちらであっても構わない。

 つぎに、図5および図6を参照しつつ、前 灯導光材8の光学的なメカニズムについて説 する。同図は、導光材8中を進行する光の経 路(光路)を模式的に示したものであり、実際 は、導光材8中の切り込みやの面取りによっ て形成された反射面での反射や、導光材8内 の拡散等によって、より複雑な光路となる に留意されたい。また、同図には、導光材8 構成する前後の導光部8c,8dおよびハーフミ ー8bが離間して示されているが、これは説明 の便宜上のものに過ぎず、これらの部材8b~9d 密着している形態を排除するものではない( もちろん、これらが離間していてもよい)。

 図5は、消灯時における前照灯導光材8の 学的メカニズムの説明図である。発光体7bの 消灯時には、先端面8aを介して前方より入射 る外光を除いて、導光部8c,8dに光は入射し い。前面から入射した外光は、先端面8aと、 後導光部8cと対向する対向面8eとの間におけ 直線状の導光形状に応じて導かれ、ハーフ ラー8bの前面側に入射する。この入射光のう ち、ハーフミラー8bの透過率相当の光は、後 光部8cに透過するが、それ以外の光の大半 鏡面反射して、上記直線状の導光形状内を 散しながら逆戻りして、先端面8aより外部に 放射される。その際、ハーフミラー8bの後面 、すなわち、後導光部8cへの外光の入射は 断(完全な遮光および部分的な遮光の双方を む)されているので、ハーフミラー8bの後面 に入射する光は殆ど存在しない。したがっ 、ハーフミラー8bの前面側に入射する光量 方が、ハーフミラー8bの後面側に入射する光 量よりも著しく大きくなる。その結果、外部 から目視した際、ハーフミラー8bにおいて鏡 反射した外光が主体的に目視され、ハーフ ラー8b自体の金属色と、その前方に位置す 前導光部8dのクリアな色合いとが相俟って、 白みがかった銀色に輝いて見え、実車の前照 灯と同様、リアリティに溢れる色味が再現さ れる。

 図6は、点灯時における前照灯導光材8の 学的メカニズムの説明図である。発光体7bの 点灯時には、発光体7bから出射された光は、 光体7bの近傍に設けられた後導光部8cに入射 し、後導光部8cの形状に応じて導かれ、ハー ミラー8bの後面側に入射する。ハーフミラ 8bの後面側に入射した光のうち、自己の透過 率相当の光がハーフミラー8bを透過する。そ て、前導光部8dの対向面8eに入射した光は、 前導光部8dの直線状の導光形状によって拡散 ながら前方に導かれ、先端面8aより外部に 射される。この場合、ハーフミラー8bの表裏 に入射する光の光量は、前方から入射する外 光よりも、後方から入射する発光体7bの出射 の方が大きくなる。その結果、ハーフミラ 8bの反射光よりも透過光が主体的(支配的)に なり、発光体7bから出射された光のうちのハ フミラー8bを透過した光が主体的に目視さ るので、前照灯3の点灯を確認できる。なお 発光体7bの元々の光量自体がかなり大きい で、ハーフミラー8bを介在させても、実用上 支障のないレベルの光量(照射量)を確保する とができる。

 図7は、車両本体2の前照灯部位の貫通孔 挿入された前照灯導光材8を示す図である。 図に示した符号bは、この導光材8の一部で り、貫通孔に挿入される直線状の挿入部位 示す。また、符号cは、模型本体2の内面を示 す。導光材8中に介装されるハーフミラー8bの 配置に関しては、(1)「外部から目視した際に 、先端面8aから見通すことができる位置であ こと(換言すれば、先端面8aから略直線上の 置に存在すること)」が要求される。ハーフ ミラー8bの反射面が外部より見通せなければ そもそも反射面の金属色を目視できないか である。したがって、例えば、先端面8aか 見通すことができない部位aにハーフミラー8 bを介在させても、色味改善の効果は得られ い。また、色味のリアリティを確保するた には、ハーフミラー8bの位置は、(2)「先端面 8aよりも内側であること」が重要である。先 面8aの内側ではなく、先端面8a自体にハーフ ミラー8bを設けた場合、ハーフミラー8bの金 色そのものが目視されることになり、実車 様の色味とはほど遠いもの(単なるベタな金 色)になってしまう。ハーフミラー8bの前面 、クリアな部材(導光材8の一部)が存在する とによって、はじめて実物同様のリアルな 味の再現が可能になる。なお、ハーフミラ 8bを先端面8aに近づけた方が明度が向上する が、近づけすぎるとハーフミラー8bの金属色 露骨になってしまう。逆に、先端面8aから すぎると、ハーフミラー8bの前面に外光が入 射しにくくなって黒ずんでしまう。したがっ て、貫通孔の開口面積や奥行き等も考慮して 、ハーフミラー8bの配置箇所を適切に設定す ことが重要である。

 また、部材の強度や取付後の安定性等を 慮すると、上記(1),(2)の要件に加えて、(3)「 模型本体2の内面cよりも外側であること」が ましい。ここで、前照灯導光材8を1パーツ した形態について考える。この一体化され 導光材8に外力dを加えると、模型本体2の内 cに相当する部位に負荷(ストレス)が集中す 。挿入部位b外にハーフミラー8bを設けた場 、この外力dによって、ハーフミラー8bと透 なプラスチック部材との接合面で導光材8が れて易く、結果的に、破損してしまう可能 が高くなる。ハーフミラー8bおよびプラス ック部材の接合には、接着剤等が用いられ が、その接合強度は、非接合部位の強度と べて弱いからである。これに対して、内面c りも外側の挿入部位b中にハーフミラー8bを けた場合、挿入部位bの周囲に存在する筒状 の前照灯部位(車両本体2の一部)が補強材とし て機能し、先のケースと比較して強度が高く なるので、導光材8の破損を有効に抑制する とができる。

 図5に示したように、前後の導光部8c,8dお びハーフミラー8bの3パーツ化し、これらを 型本体2に個々に組み付ける形態について考 える。この場合、以下に示す2つの組立手順 いずれかが採用される。

(組立手順1)
 まず、前導光部8dを貫通孔の前方に挿入し 接着剤等を用いて固定する。この状態にお て、ハーフミラー8bを後方より貫通孔に挿入 する。そして、後導光部8cの一部を後方より 通孔に挿入する。後導光部8c自体は、点灯 ニット7を介して模型本体2に固定される。し たがって、貫通孔内のハーフミラー8bは、前 の導光部8c,8dによって狭持(サンドイッチ)さ れ、脱落することなく貫通孔内に固定される ので、組付後における部材の取付安定性を確 保できる。

(組立手順2)
 まず、後導光部8cの一部を後方より貫通孔 挿入する。この状態において、ハーフミラ 8bを前方より貫通孔に挿入する。そして、前 導光部8dを前方より貫通孔に挿入し、接着剤 を用いて固定する。組立手順1の場合と同様 に、貫通孔内のハーフミラー8bは、前後の導 部8c,8dによって狭持(サンドイッチ)され、脱 落することなく貫通孔内に固定されるので、 組付後における部材の取付安定性を確保でき る。

 なお、組立手順1を採用する場合に限るが 、図8に示すように、貫通孔の一部(後方)の内 径を若干大きくし、この拡径した部位に、前 導光部8dの後端外周に形成された係号部8fを 方より係合させれば、接着剤を用いなくて 、前導光部8dを固定することができる。その 結果、生産性の向上を図ることが可能になる 。

 つぎに、前照灯導光材8を構成する個々の 部材を1パーツとして一体化する形態につい 説明する。前照灯導光材8を1パーツ化する場 合、一体化した際の強度確保や生産性(例え 、個々のパーツの位置合わせ)といった点を 慮する必要がある。これらの問題は、例え 、株式会社ネコ・バブリッシング発行の鉄 模型雑誌「RM MODELS 143(2007-7)」の第23頁に記 載されているような多色成型法(成型された 行部品を後工程部品用の金型に再度セット て後工程の部品を成型する手法)を用いるこ によって解決することができる。また、こ に代えて、前後の導光部8c,8dのそれぞれに 互いに嵌合可能な立体形状(非平面状)の部位 を形成し、これらの部位を嵌合することによ っても解決できる。この場合、前後の導光部 8c,8dは、ハーフミラー8bが介在した状態(サン イッチ構造)にて一体化(1パーツ化)される。 一体化に際しては、接着剤や係合爪といった 周知の接合手法を適宜用いることができる。 以下、1パーツ化された前照灯導光材8に関す 具体的な構成例を示す。

 図9は、多段型サンドイッチ構造の説明図 である。このタイプは、前後の導光材8c,8dと 2つのハーフミラー8b,8gとの4パーツで形成さ れる。後導光部8cの所定部位、具体的には、 導光部8dと対向する対向面の中央には、円 状に突出した凸部8hが設けられている。一方 、前導光部8dの対向面の中央には、円柱状に 没した凹部8iが設けられている。これらの 凸部8h,8iは互いに嵌合可能であり、嵌合した 状態では、前導光部8dの中心軸Xと、後導光部 8cのそれとが一致する。ハーフミラー8bは、 部8iと略同径の円形状を有し、凹部8iの底部 収納される。一方、ハーフミラー8gは、凸 8hと略同径に開口されたリング形状を有し、 凸部8hに嵌め込まれる。各パーツの一体化に しては、まず、後導光部8cの凸部8hにリング 状のハーフミラー8gを嵌め込むとともに、前 光部8dの凹部8iの底部に円状のハーフミラー 8bを収納する。そして、この状態を維持しな ら、前後の導光部8c,8dの中心軸Xが互いに一 するように位置合わせした上で、これらを 着剤等にて接合する。これにより、ハーフ ラー8b,8gが2段に形成された多段型サンドイ チ構造の前照灯導光材8が得られる。

 この構造では、ハーフミラー8b,8gの段差 境目が目立ってしまうおそれがある。この 差を低くすれば、段差の境目が目立たなく る反面、凹凸部8h,8iの接合強度が低下する。 したがって、サンプルの試作やシミュレーシ ョンを通じて、目視品質と接合強度との両立 を図り得る段差高を適切に設定することが重 要である。なお、段差の境目を目立たなくす るためには、凹凸部8h,8iの角を丸く面取りし り、或いは、耐水ペーパや紙ヤスリ等で凹 部8h,8iの表面を白化させることも有効であ う。逆に、必要な接合強度を確保できるこ を条件に、凹凸部8h,8iの径を可能な限り小さ くすることで、段差の境目(丸状)を前照灯の 球に見立てることも可能である。なお、前 の導光部8c,8dで、凹凸部8h,8iの形成を逆にし てもよい。

 図10は、キャップ型サンドイッチ構造の 明図である。このタイプは、上述した多段 サンドイッチ構造の変形ともいえ、凸部8hを 大きく形成したものである。凸部8hの大径化 伴い、図示したように、上述したリング状 ハーフミラー8gは省略しているが、これを いることも可能である。前後の導光材8c,8dは 、係合爪8jによって係合している。

 図11は、非平面状ハーフミラーを用いた 照灯導光材8の説明図である。同図(a)に示す ーフミラー8bは、上述した平面状の形態と 異なり、非平面形状を有する。この非平面 状によって、先端面8aからの奥行きDは連続 に変化し、本実施形態では外周から中心軸 向かうにつれて徐々に増大する。このハー ミラー8bを例えば平面状のフィルム素材で形 成する場合、同図(b)に示すように、前照灯導 光材8の断面に形状的に対応し、かつ、その 部を扇状に切り欠いた形状(切欠付の円形状) にフィルム素材を切り抜く。そして、扇状の 切り欠きに応じてフィルム素材を円周方向に 変形・立体化させれば、中心軸Xを頂点とし 漏斗形状、すなわち非平面形状のハーフミ ー8bを形成することができる。ハーフミラー 8bを非平面形状にした場合、先端面8aから入 した外光が実物により忠実な反射メカニズ で不均一に反射する。この不均一な反射に 因して、消灯色味に実車同様のグラデーシ ン(色味の連続的な変化)が生じるため、模型 的表現手法としてのリアリティを一層高める ことができる。なお、このような観点でいえ ば、ハーフミラー8bの全体が非平面形状であ 必要は必ずしもなく、少なくともその一部 非平面形状であれば足りる。

 本実施形態によれば、先端面8aより入射 る外光を除いて遮光された前照灯導光材8に いて、ハーフミラー8bの表裏に入射する光 は、発光体7bの点灯状態に応じて逆転する。 すなわち、発光体7bの消灯時には、ハーフミ ー8bの前面側に入射する光量の方が、ハー ミラー8bの後面側に入射する光量よりも大き くなる。これによって、実物で用いられるよ うな反射板を発光体7b自体が備えていなくて 、発光体7b前方のハーフミラー8bにおいて鏡 面反射した外光が主体的に目視される。ハー フミラー8bの金属光沢と、その前方に位置す 導光材8のクリアな色合いとが相俟って、白 みがかった銀色に輝いて見える。実物の前照 灯における消灯色味は、外光の鏡面反射と、 前面ガラスのクリアな色合い(内部での拡散) によって醸し出されるものであるが、本実 形態よれば、実物の前照灯と同様の光学的 カニズム(鏡面反射および拡散)を採用する とで、リアリティに溢れる消灯色味を再現 きる。一方、発光体7bの点灯時には、ハーフ ミラー8bの後面側に入射する光量の方が、ハ フミラー8bの前面側に入射する光量よりも きくなる。これによって、発光体7bから出射 された光のうちのハーフミラー8bを透過した が主体的に目視されるので、実用上支障の いレベルの点灯性(光量)を確保できる。こ ように、本実施形態は、実物同様の構成を り難い鉄道車両模型1において、点灯性を阻 することなく消灯色味を簡易な構成で擬似 に表現するという新規な模型的表現手法を 供するものである。そして、このような模 的表現手法を採用することで、前照灯3の点 灯性と、消灯時における色味のリアリティと を両立でき、鉄道車両模型1の商品訴求力を 躍的に高めることができる。

 また、本実施形態の一手法として、前後 導光部8c,8dをハーフミラー8bが介在した状態 で一体化する場合、この一体化を、互いに嵌 合可能な非平面状の部位を嵌合することによ って行うこともできる。これにより、一体化 した際の強度を確保できるとともに、一体化 する際のパーツの位置合わせが容易になるの で、生産性の向上を図ることが可能になる。

 以下の説明では、上述した実施形態に係 前照灯機構を「KMヘッド」(”きらっとミラ ・ヘッド”の略称)と便宜上称することにす る。図12は、消灯状態の鉄道車両模型を並べ 対比写真である。右側はKMヘッドを搭載し 試作品であり、左側は通常の市販品(従来品) である。本試作品では、ハーフミラー8bとし 、ミラリード社製のKM-211(可視光透過率16%) 使用している。従来品は、いわゆる”黒い 玉”の状態で極めて玩具然としているのに して、試作品は、実物同様のリアリティを っており、両者の違いは歴然としている。

 また、図13は、常点灯電圧の印加時にお る点灯状態の鉄道車両模型を並べた対比写 である。右側はKMヘッドを搭載した試作品で あり、左側は通常の市販品(従来品)である。 点灯状態における試作品の光量は、従来品 比較してやや低下している。しかしながら 市販品の元々の光量自体が非常に大きいの 、試作品であっても実用上支障がないレベ の光量を確保できる。発明者個人の主観的 意見ではあるが、試作品の前照灯の光量程 の方がギラついておらず上品で、”ぼわ~ん ”と光っている感じがむしろ好ましい(特に16 5系のような演歌的(古き良き日本を偲ばせる いう意味)な車両は、この”ぼわ~ん”がマ アのたまらない哀愁を誘うのである)。

 図14は、比較例と実施例(KMヘッド)の目視 よる主観的性能表である。比較例A~Cの加工 容は以下の通りである。

(比較例A)
 従来品の導光材の周囲(先端面を除く)を塗 にて銀に着色したもの。
(比較例B)
 従来品の導光材の前部を切断し、その切断 を耐水ペーパで白化させた上で接着したも 。
(比較例C)
 従来品の導光材の前部を切断し、銀箔(市販 のアルミフォイル)を介在させた上で接着し もの。なお、銀箔自体は光を通さないので 細い針を用いて銀箔に小穴を数個形成して く。

 同表に示したように、消灯時のリアリテ は、KMヘッド(本実施例)が圧倒的に優れてい る。比較例Cは、銀箔の小穴が黒ずんでしま 、明暗のムラが生じてしまう点で好ましく い。これに対して、KMヘッドは、ハーフミラ ー8b自体が半透過性を有するので、比較例Cの ような明暗のムラが生じることがなく、均一 性を確保できる点で非常に優れている。一方 、点灯時の光量については、比較例Aは別格 して、比較例Cは光量不足、比較例BおよびKM ッドは実用上支障がないレベルとなった。

 なお、上述した実施形態では、165系急行 電車を例に説明したが、Nゲージの前照灯導 光機構の基本的な構成は同一なので、他形式 および他メーカのNゲージ車両全般(電車・気 車の制御車や機関車等)にも適用可能なのは 当然である。また、安価かつ小型を商品特性 とするNゲージ車両に対する本発明の適用は 最も好ましい一例ではあるが、本発明はこ に限定されるものではなく、これよりも大 なHOゲージ車両等への適用も当然に可能であ る。さらに、自動車、バス、トラック、特殊 車両、飛行機、船舶、更にはアニメのロボッ ト等の各種模型(前照灯付のものに限る)に対 ても、本発明は広く適用可能である。

 また、上述した実施形態では、前導光部8 dおよびハーフミラー8bに加えて後導光部8cも するサンドイッチ構造について説明した。 かしながら、本発明は、後導光部8cを用い に、ハーフミラー8bの後面側に発光体7bの光 直接照射する形態であっても適用可能であ 。このような形態の一例として、最近、天 堂より発売されたNゲージ蒸気機関車(C59)が げられる。この模型では、ボイラー頂部の 照灯のハウジング内に小型のLEDチップを内 し、LEDチップからの光を前面の開口部より 接出射している。このような形態に本発明 適用する場合、ハウジング内のLEDチップと 前照灯の開口部に取り付けられた導光部と 間に、ハーフミラー8bを介在させればよい この場合、前照灯のハウジング自体が、ハ フミラー8bの後面側への外光の入射を遮断す る遮光手段として機能する。

 以上のように、本発明にかかる前照灯付 型および前照灯導光機構は、鉄道模型の用 に適用できる他、前照灯付模型の用途に対 ても広く適用できる。