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Title:
LUBRICANT COMPOSITION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2018/033785
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a lubricant composition capable of reducing friction while ensuring abrasion resistance, even when the viscosity is reduced. The lubricant composition contains a lubricant base oil, (A) a detergent containing magnesium, (B) a compound containing boron, and (C) a zinc dialkyl dithiophosphate, wherein the lubricant composition is characterized in that: the amount of component (A) is in the range of 200 to 1200 mass ppm in terms of the concentration of [Mg] according to the mass ppm with respect to the mass of the lubricant composition; the amount of component (C) is in the range of 300 to 1000 mass ppm terms of the concentration of [P] according to the mass ppm of phosphate by mass with respect to the mass of the lubricant composition; the component (C) comprises at least one selected from a zinc dialkyl dithiophosphate having a primary alkyl group and/or a secondary alkyl group; the lubricant composition includes at least one zinc dialkyl dithiophosphate having a secondary alkyl group; the ratio (mass ratio) of the zinc dialkyl dithiophosphate having a primary alkyl group and the zinc dialkyl dithiophosphate having a secondary alkyl group is in the range of 70:30 to 0:100; and the concentration of [B] according to the mass ppm of boron with respect to the mass of the lubricant composition is in the range of 100 to 300 mass ppm.

Inventors:
SUZUKI HIROYUKI (JP)
ONODERA KO (JP)
HONDA TAKASHI (JP)
KANEKO TOYOHARU (JP)
YAMAMORI KAZUO (JP)
Application Number:
PCT/IB2017/000897
Publication Date:
February 22, 2018
Filing Date:
August 02, 2017
Export Citation:
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Assignee:
EXXONMOBIL RES & ENG CO (US)
International Classes:
C10M163/00
Foreign References:
US20150322369A12015-11-12
EP0277729A11988-08-10
Other References:
None
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Claims:
請求の範囲

[請求項 1] 潤滑油基油、 (A) マグネシウムを有する清浄剤、 (B) ホウ素を 有する化合物、 及び (C) ジアルキルジチ才リン酸亜鉛を含有する潤 滑油組成物であって、

(A) 成分の量が、 該潤滑油組成物の質量に対するマグネシウムの質 量 p pmによる濃度 [Mg] として 200~ 1 200質量 p pmの範 囲であり、

(C) 成分の量が、 該潤滑油組成物の質量に対するリンの質量 p pm による濃度 [P] として 300〜1 000質量 p pmの範囲であり、 前記 (C) 成分は、 第 1級アルキル基及び/又は第 2級アルキル基を 有するジアルキルジチオリン酸亜鉛から選ばれる 1以上であり、 但し 、 該潤滑油組成物は第 2級アルキル基を有するジアルキルジチオリン 酸亜鉛を少なくとも 1つ含み、 第 1級アルキル基を有するジアルキル ジチオリン酸亜鉛と第 2級アルキル基を有するジアルキルジチオリン 酸亜鉛の比 (質量比) が 70 : 30~0 : 1 00の範囲であり、 潤滑油組成物の質量に対するホウ素の質量 P pmによる濃度 [B] が 1 00〜300質量 p pmの範囲にあることを特徴とする潤滑油組成 物。

[請求項 2] (B) ホウ素を有する化合物として、 ホウ素を有する無灰分散剤の

1以上を含む、 請求項 1に記載の潤滑油組成物。

[請求項 3] カルシウムを有する清浄剤 (Α' ) をさらに含み、 下記式 ( 1 ) :

{ [Mg] / ( [Mg] + [C a] ) } X 1 00≥ 5

( [C a] は、 潤滑油組成物の質量に対するカルシウムの質量 p pm による濃度を示す)

を満たすことを特徴とする、 請求項 1又は 2に記載の潤滑油組成物。

[請求項 4] さらにモリブデンを有する摩擦調整剤を含み、 下記式 (2) : ( [Mo] は、 潤滑油組成物の質量に対するモリブデンの質量 p pm による濃度を示す)

を満たすことを特徴とする、 請求項 1 ~3のいずれか 1項記載の潤滑 油組成物。

[請求項 5] 一 35°Cでの CCS粘度が 6. 2 P a · s以下である、 請求項 1〜

4のいずれか 1項記載の潤滑油組成物。

[請求項 6] 1 50°Cでの高温高せん断粘度 (HTHS粘度) が 1. 5〜2. 9 m P a ■ sである、 請求項 1〜 5のいずれか 1項記載の潤滑油組成物

[請求項 7] 1 00°Cにおける動粘度が 9. 3mm2/s未満である、 請求項 1 • 6のいずれか 1項記載の潤滑油組成物。

[請求項 8] 内燃機関用である、 請求項 1 ~ 7のいずれか 1項記載の潤滑油組成

Description:
明 細 書

発明の名称 : 潤滑油組成物

技術分野

[0001 ] 本発明は潤滑油組成物に関し、 詳細には、 内燃機関用の潤滑油組成物、 特 にガソリンエンジン用の潤滑油組成物に関す る。

背景技術

[0002] 潤滑油組成物は、 内燃機関用、 自動変速機用、 ギヤ油用など自動車分野で 幅広く使用されている。 近年、 燃費を向上させるために低粘度化が求められ ているが、 低粘度化により油膜が薄くなり、 摩擦を十分に低減することがで きない。 そこで、 境界潤滑条件で二硫化モリブデンを生成する ことにより摩 擦を低減することができるモリブデンジチ才 力一バメ一ト (M o D T C ) が 従来用いられている。 この際、 カルシウム系清浄剤を組み合わせて用いるの が通常である (例えば、 特開 2 0 1 3— 1 9 9 5 9 4号公報 (特許文献 1 ) ) 。 しかし、 この組み合わせでは、 摩擦の低減に限界があり、 燃費を十分に 向上させることができない。

[0003] 清浄剤としてマグネシウム系清浄剤を使用す ることも知られている (例え ば、 特開 2 0 1 1 - 1 8 4 5 6 6号公報 (特許文献 2 ) および特開 2 0 0 6 一 3 2 8 2 6 5号公報 (特許文献 3 ) ) 。 マグネシウム系清浄剤の使用は、 カルシゥム系清浄剤よりも摩擦をより低減す ることができるが、 摩耗が発生 しゃすいという問題がある。

先行技術文献

特許文献

[0004] 特許文献 1 :特開 2 0 1 3— 1 9 9 5 9 4号公報

特許文献 2:特開 2 0 1 1 - 1 8 4 5 6 6号公報

特許文献 3:特開 2 0 0 6— 3 2 8 2 6 5号公報

発明の概要

発明が解決しょうとする課題 [0005] 本発明の目的は、 低粘度化しても、 摩耗防止性を確保しつつ摩擦を低減す ることができる潤滑油組成物、 好適な態様としては内燃機関用の潤滑油組成 物、 さらに好適には過給ガソリンェンジン用の潤 滑油組成物を提供すること である。 ·

課題を解決するための手段

[0006] 本発明者らは鋭意検討した結果、 潤滑油基油に特定量のマグネシゥム系清 浄剤および特定構造を有するジアルキルジチ オリン酸亜鉛を特定量にて添加 し、 且つ、 組成物中に含まれるホウ素含有量を特定する ことにより、 上記目 的が達成されることを見出した。

[0007] すなわち、 本発明は、

潤滑油基油、 (A) マグネシウムを有する清浄剤、 (B) ホウ素を有する化 合物、 及び (C) ジアルキルジチ才リン酸亜鉛を含有する潤滑 油組成物であ つて、

(A) 成分の量が、 該潤滑油組成物の質量に対するマグネシウム の質量 p p mによる濃度 [Mg] として 200〜1 200質量 p p mの範囲であり、

(C) 成分の量が、 該潤滑油組成物の質量に対するリンの質量 p pmによる 濃度 [P] として 300〜 1 000質量 p pmの範囲であり、

前記 (C) 成分は、 第 1級アルキル基及びノ又は第 2級アルキル基を有する ジアルキルジチ才リン酸亜鉛から選ばれる 1以上であり、 但し、 該潤滑油組 成物は第 2級アルキル基を有するジアルキルジチ才リ 酸亜鉛を少なくとも 1つ含み、 第 1級アルキル基を有するジアルキルジチ才リ 酸亜鉛と第 2級 アルキル基を有するジアルキルジチ才リン酸 亜鉛の比 (質量比) が 70 : 3 0〜0 : 1 00の範囲であり、

潤滑油組成物の質量に対するホウ素の質量 P pmによる濃度 [B] が 1 00 ~300質量 p pmの範囲にあることを特徴とする潤滑油組成 である。

[0008] 本発明の好ましい実施態様は、 潤滑油組成物が、 以下に示す (1 ) 〜 (7 ) の少なくとも 1の特徴をさらに有する。

(1 ) (B) ホウ素を有する化合物として、 ホウ素を有する無灰分散剤の 1 以上を含む。

(2) カルシウムを有する清浄剤 (Α' ) をさらに含み、 { [Mg] / ( [ Mg] + [Ca] ) } X 1 00≥5 ( [C a] は、 潤滑油組成物の質量に 対するカルシウムの質量 P p mによる濃度を示す) を満たす。

(3) モリブデンを有する摩擦調整剤をさらに含み 、 [Mg] / [Mo] < 2. 5 ( [Mo] は、 潤滑油組成物の質量に対するモリブデンの質 量 p p mによる濃度を示す) を満たす。

(4) 一 35°Cでの CCS粘度が 6. 2 P a ■ s以下である。

(5) 1 50°Cでの高温高せん断粘度 (HTHS粘度) が 1. 5〜2. 9m P a ' sである。

(6) 1 00°Cにおける動粘度が 9. 3mm 2 /s未満である。

(7) 内燃機関用である。

さらに本発明は、 当該潤滑油組成物あるいは上記 (1 ) 〜 (7) の実施態 様の潤滑油組成物を使用することにより、 低摩耗性を維持しつつ摩擦を低減 する方法に関する。

発明の効果

[0009] 本発明の潤滑油組成物は、 低粘度化しても、 摩耗防止性を確保しつつ摩擦 を低減することができ、 特に内燃機関用の潤滑油組成物、 さらに過給ガソリ ンェンジン用の潤滑油組成物として好適に使 用できる。

発明を実施するための形態

[0010] 潤滑油基油

本発明における潤滑油基油は特に制限されな い。 鉱油及び合成油のいずれ であってもよく、 これらを単独で、 または混合して使用することができる。

[0011] 鉱油としては、 例えば、 原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧 蒸留 して得られた潤滑油留分を、 溶剤脱れき、 溶剤抽出、 水素化分解、 溶剤脱ろ う、 および水素化精製等の処理の 1つ以上に付して精製したもの、 或いは、 ヮックス異性化鉱油、 GTL (Ga s t o L i q u i d) 基油、 A T L (A s p h a l t t o L i q u i d) 基油、 植物油系基油またはこれら の混合基油を挙げることができる。

[0012] 合成油としては、 例えば、 ポリブテン又はその水素化物; 1一才クテン才 リゴマ一、 1ーデセンオリゴマー等のポリ一 α—才レフイン又はその水素化 物;ラウリン酸 2—ェチルへキシル、 パルミチン酸 2—ェチルへキシル、 ス テアリン酸 2—ェチルへキシル等のモノエステル;ジ卜 デシルグルタレー 卜、 ジ一 2—ェチルへキシルアジペート、 ジイソデシルアジペート、 ジ卜リ デシルアジペート、 ジー 2—ェチルへキシルセバケ一卜等のジエステ ;ネ ォペンチルグリコールジ一 2—ェチルへキサノエ一卜、 ネオペンチルグリコ —ルジー η—才クタノエ一ト、 ネオペンチルグリコ一ルジー η—デカノエー ト、 トリメチロールプロパントリー η—才クタノエ一卜、 卜リメチロールプ 口パントリー η—デカノエ一卜、 ペンタエリスリ 卜一ルテトラー η—ペンタ ノエ一卜、 ペンタエリスリ 卜一ルテトラー η—へキサノエート、 ペンタエリ スリ トールテトラー 2—ェチルへキサノエ一ト等のポリオールエ テル;ァ ルキルナフタレン、 アルキルベンゼン、 芳香族エステル等の芳香族系合成油 又はこれらの混合物等が例示できる。

[0013] 潤滑油基油の 1 0 0 °Cにおける動粘度 (m n^ Z s ) は特に制限されないが 、 好ましくは 2〜 1 5 m m 2 / sであり、 より好ましくは 3〜 1 0 m m 2 / s であり、 さらに好ましくは 3〜8 m m 2 / sであり、 最も好ましくは 3〜6 m m 2 / sである。 これにより、 油膜形成が十分であり、 潤滑性に優れ、 かつ、 蒸発損失がよリ小さい潤滑油組成物を得るこ とができる。

[0014] 潤滑油基油の粘度指数 (V I ) は特に制限されないが、 好ましくは 1 0 0 以上であり、 より好ましくは 1 2 0以上、 最も好ましくは 1 3 0以上である 。 これにより、 高温での油膜を確保しつつ、 低温での粘度を低減することが できる。

[0015] ( A ) マグネシウム系清浄剤

本発明の潤滑油組成物はマグネシウムを有す る清浄剤 (以下、 マグネシゥ ム系清浄剤という) が必須である。 マグネシウム系清浄剤とはマグネシウム を有する化合物であり、 従来金属系清浄剤として潤滑油組成物に使用 されて いたものを使用することができ、 特に制限されるものでない。 例えば、 マグ ネシゥムスルホネート、 マグネシゥムフエネー卜およびマグネシゥム サリシ レート等である。 これらの中で、 特にマグネシウムサリシレート若しくはマ グネシゥムスルホネートが好ましい。 マグネシウム系清浄剤は、 1種を単独 で使用してもよいし、 2種以上を混合して使用してもよい。

[0016] 成分 (A) としてマグネシウム系清浄剤を含有すること により、 潤滑油と して必要な高温清浄性および防銪性を確保す ることができる。 また、 摩擦を 低減し、 したがって、 トルクを低減させることができる。 これは、 特に燃費 特性の点で有利である。

[0017] マグネシウム系清浄剤は、 該潤滑油組成物の質量に対するマグネシウム の 質量 p pmによる濃度 [Mg] が 200〜1 200質量 p pm、 好ましくは 300〜 1 1 00質量 p pm、 より好ましくは 400〜 1 000質量 p pm の範囲となるような量で添加される。 マグネシゥム系清浄剤の量が上記上限 を超えると摩耗が大きくなり過ぎ、 上記下限を下回ると摩擦の低減効果が低 い。

[0018] マグネシウム系清浄剤は、 特に、 過塩基性であるのが好ましい。 これによ り、 潤滑油に必要な酸中和性を確保できる。 過塩基性のマグネシウム系清浄 剤を使用した場合には、 中性のマグネシウムまたはカルシウム系清浄 剤を混 合してもよい。

[0019] マグネシウム系清浄剤の全塩基価は、 限定的ではないが、 好ましくは 20 〜600m g KOH/g、 より好ましくは 50~500mg KOH g、 最 も好ましくは 1 00〜45 Om g KOH/gである。 これにより、 潤滑油に 必要な酸中和性、 高温清浄性および防銪性を確保できる。 なお、 2種以上の 金属清浄剤を混合して使用する場合は、 混合して得られた塩基価が、 前記の 範囲となることが好ましい。

[0020] マグネシウム系清浄剤中のマグネシウム含有 量は、 好ましくは 0. 5〜2 0質量%であり、 より好ましくは 1〜 1 6質量%、 最も好ましくは 2〜 1 4 質量%であるが、 潤滑油組成物中に上記範囲の量のマグネシゥ ムが含まれる ように添加されれば良い。

[0021] 本発明の潤滑油組成物が後述するモリブデン 系摩擦調整剤を含む場合、 マ グネシゥム系清浄剤の量は、 好ましくは、 下記式 (2) :

[Mg] / [Mo] <2. 5 (2) ( [Mo] は、 潤滑油組成物の質量に対するモリブデンの質 量 p pmによる ミ展度 ¾:示す)

を満たす。

[Mg] / [Mo] の値は、 より好ましくは 2. 0以下、 さらに好ましく は 1. 8以下、 さらにより好ましくは 1. 5以下である。 上記式 (2) の値 が上記上限値以上では、 摩耗が大きくなり過ぎる場合がある。 [Mg] / [ Mo] の下限値は好ましくは 0. 1、 より好ましくは 0. 2、 さらに好まし くは 0. 3である。

[0022] 本発明の潤滑油組成物は、 上記マグネシウム系清浄剤に併せて、 その他の 金属系清浄剤を含んでいてよい。 該金属系清浄剤は従来潤滑油組成物に使用 されていた慣用のものであればよい。 好ましくは、 カルシウムを有する清浄 剤 (Α' ) を併用するのがよい (以下、 カルシウム系清浄剤という) 。 潤滑 油組成物がカルシウム系清浄剤をさらに含む ことにより、 潤滑油として必要 な高温清浄性、 及び防銪性を更に確保することができる。

[0023] カルシウム系清浄剤 (Α' ) はカルシウムを有する化合物であり、 従来潤 滑油組成物にて金属系清浄剤として使用され ていたものを使用することがで き、 特に制限されるものでない。 例えば、 カルシウムスルホネート、 カルシ ゥムフエネー卜およびカルシウムサリシレー トが挙げられる。 これらのカル シゥム系清浄剤は、 1種を使用してもよいし、 2種以上を混合して使用して もよい。

[0024] (Α' ) 成分の量は、 好ましくは、 下記式 (1 ) を満たす。

{ [Mg] / ( [Mg] + [C a] ) } X 1 00≥5 ( 1

)

ここで、 [C a] は、 潤滑油組成物の質量に対するカルシウムの質 量 p p mによる濃度を示す。

{ [Mg] / ( [Mg] + [C a] ) } X 1 00の値は、 より好ましくは 1 0以上、 さらに好ましくは 1 5以上である。 当該値が上記下限未満だと、 摩擦の低減効果が小さい。 { [Mg] / ( [Mg] + [Ca] ) } X 1 00 の上限値は好ましくは 1 00、 より好ましくは 80、 更に好ましくは 60、 最も好ましくは 50である。

[0025] さらに、 本発明の潤滑油組成物が後述するモリブデン 含有摩擦調整剤を含 む場合、 下記式 (3) を満たすことが好ましい。

( [Mg] + [C a] ) / [Mo] ≤3. 0 (3) ここで、 [Mo] は、 潤滑油組成物の質量に対するモリブデンの質 量 p p mによる濃度を示す。

( [Mg] + [C a] ) / [Mo] の値は、 より好ましくは 2. 8以下で あり、 さらに好ましくは 2. 6以下、 特に好ましくは 2. 5以下である。 上 記値が上記上限を超えると、 トルク低減効果が低い場合がある。 ( [Mg] + [C a] ) / [Mo] の下限値は、 好ましくは 0. 2、 より好ましくは 0 . 5、 さらに好ましくは 1. 0である。

[0026] カルシウム系清浄剤 (Α' ) は、 過塩基性であるのが好ましい。 これによ リ、 潤滑油に必要な酸中和性を確保できる。 過塩基性のカルシウム含有清浄 剤を使用する場合には、 中性のカルシゥム系清浄剤を併用してもよい 。

[0027] カルシウム系清浄剤 (Α' ) の全塩基価は、 限定的ではないが、 好ましく は 20〜500m g KOH/g、 より好ましくは 50~400mg KOH/ 9、 最も好ましくは1 00~350m g KOH/ g でぁる。 これにより、 潤 滑油に必要な酸中和性、 高温清浄性および防銪性を確保できる。 なお、 2種 以上の金属清浄剤を混合して使用する場合は 、 混合して得られた塩基価が前 記範囲内となることが好ましい。

[0028] カルシウム系清浄剤 (Α' ) 中のカルシウム含有量は、 好ましくは 0. 5 〜20質量%でぁり、 より好ましくは 1〜 1 6質量%、 最も好ましくは 2〜 1 4質量%である。 [0029] 本発明の潤滑油組成物は、 本発明の効果を損なわない範囲で、 上記以外の 金属系清浄剤として、 ナトリウム系清浄剤を含んでいてもよい。 ナトリウム 系清浄剤とは、 ナトリウムを有する化合物であり、 例えば、 ナトリウムスル ホネ一卜、 ナトリウムフエネートおよびナトリゥムザリ シレートが好ましい 。 これらのナトリウム系清浄剤は、 1種を単独で使用してもよいし、 2種以 上を混合して使用してもよい。 ナトリウム系清浄剤を含むことにより、 潤滑 油として必要な高温清浄性および防錡性を確 保することができる。 ナトリウ ム系清浄剤は、 上述したマグネシウム系清浄剤および任意的 なカルシウム系 清浄剤と併用することができる。

[0030] 本発明の潤滑油組成物中の金属系清浄剤の合 計量は、 上記組成物中に含ま れるマグネシウム量が、 上述した特定範囲を満たすような量であれば よい。 マグネシウム系清浄剤の量に応じて、 カルシウム系清浄剤及びナ卜リゥム系 清浄剤の添加量は制限され得る。

[0031 ] ( B ) ホウ素を有する化合物

本発明の潤滑油組成物は、 ホウ素を有する化合物を含む。 ホウ素を有する 化合物は、 従来よリ潤滑油組成物に配合されていた公知 の化合物であればよ い。 代表的なホウ素含有化合物はホウ素含有無灰 分散剤である。 また、 その 他のホウ素含有する化合物として、 後述するホウ酸アルカリ系添加剤等が挙 げられる。 中でもホウ素含有無灰分散剤が好ましく、 本発明の潤滑油組成物 は、 特には、 ホウ素を有する化合物としてホウ素含有無灰 分散剤の 1以上を 含む。

[0032] 本発明の潤滑油組成物は、 組成物中に含まれるホウ素の量が、 組成物全体 の質量に対するホウ素の質量 P p mによる濃度として 1 0 0 ~ 3 0 0質量 p p mであることを特徴とする。 ホウ素含有量は、 より好ましくは 1 2 0〜2 8 0質量 p p m、 最も好ましくは 1 5 0〜2 5 0質量 p p mである。 従って 、 上記ホウ素含有化合物、 特にホウ素含有無灰分散剤は、 組成物中に含まれ るホウ素量が上記範囲を満たすような量で配 合される。 ホウ素含有無灰分散 剤とその他のホウ素含有化合物とを併用する 場合は、 組成物中に含まれるホ ゥ素量の合計が上記範囲を満たすように調整 される。 特には、 ホウ素含有無 灰分散剤の配合量が、 組成物全量基準で 0 . 1 〜5質量%、 好ましくは 0 . 3〜4質量 0 / 0 、 より好ましくは 0 . 5〜 3質量 0 / 0 であるのがよい。

[0033] ホウ素含有無灰分散剤は従来公知のものであ ればよく、 1種単独であって も 2種以上の併用であってもよい。 例えば、 コハク酸イミ ド化合物をホウ酸 又はホウ酸塩等のホウ素化合物で変性した (ホウ素化した) ものが挙げられ る。 また、 本発明の潤滑油組成物はさらにホウ素を含ま ない無灰分散剤を併 用してもよい。 ホウ素含有無灰分散剤とホウ素を含有しない 無灰分散剤とを 併用する場合は、 組成物全量基準で無灰分散剤の合計量が 2 0質量%以下、 好ましくは 1 5質量%以下、 さらに好ましくは 1 0質量%以下、 最も好まし くは 5質量 0 / 0 以下であればよい。

[0034] 公知の無灰分散剤としては、 例えば、 炭素数 4 0〜5 0 0、 好ましくは 6 0 - 3 5 0の直鎖若しくは分枝状のアルキル基又はア ケニル基を分子中に 少なくとも 1個有する含窒素化合物又はその誘導体、 マンニッヒ系分散剤、 或いはモノタイプ又はビスタイプのコハク酸 イミ ドの誘導体 (例えば、 アル ケニルコハク酸イミドの構造を有する化合物 ) 、 炭素数 4 0〜5 0 0のアル キル基又はアルケニル基を分子中に少なくと も 1個有するベンジルァミン、 或いは炭素数 4 0〜4 0 0のアルキル基又はアルケニル基を分子中に なく とも 1個有するポリアミン、 或いはこれらのホウ素化合物、 カルボン酸、 リ ン酸等による変成品等が挙げられる。 これらの中から任意に選ばれる 1種類 又は 2種類以上を配合することができる。 ホウ素含有無灰分散剤とは、 上記 した化合物をホウ素化合物により変性した化 合物である。 特に、 モノタイプ 又はビスタイプのコハク酸イミ ドの誘導体、 さらに特にはァルケニルコハク 酸イミ ド化合物を、 ホウ酸又はホウ酸塩等のホウ素化合物で変性 した (ホウ 素化した) 化合物が好ましい。

[0035] ホウ素化されたコハク酸ィミ ド誘導体は公知の方法で製造されるものであ リ、 特に制限されない。 例えば、 モノタイプ又はビスタイプのコハク酸イミ ド誘導体は、 炭素数 4 0〜5 0 0のアルキル基又はアルケニル基を有する化 合物を、 無水マレイン酸と 1 0 0〜2 0 0 °Cで反応させてアルキルコハク酸 又はアルケニルコハク酸を製造し、 該アルキルコハク酸又はアルケニルコハ ク酸とポリアミンとを反応させることにより 得られる。 ここで、 ポリアミン としては、 ジエチレン卜リアミン、 トリエチレンテトラミン、 テトラエチレ ンペンタミン、 ペンタエチレンへキサミンが例示できる。 モノタイプのコハ ク酸イミド誘導体は例えば下記式 (a ) で表すことができる。 ビスタイプの コハク酸イミド誘導体は例えば下記式 (b ) で表すことができる。

[0036] [化 1 ]

[0037] [化 2]

上記式において、 R 1 は互いに独立に炭素数 4 0 ~ 4 0 0のアルキル基また はアルケニル基であり、 mは 1 〜2 0の整数であり、 nは 0〜2 0の整数で ある。 特にはビスタイプのコハク酸イミ ド化合物が好ましい。 コハク酸イミ ド誘導体は、 モノタイプ及びビスタイプの併用、 2種以上のモノタイプの併 用、 2種以上のビスタイプの併用であってもよい

上記コハク酸ィミ ド誘導体とホウ素化合物とを反応させること により、 ホ ゥ素化されたコハク酸イミ ド誘導体が得られる。 ホウ素化合物とは、 ホウ酸 、 ホウ酸無水物、 ホウ酸エステル、 酸化ホウ素、 及びハロゲン化ホウ素など である。 ホウ素化コハク酸イミド誘導体は 1種単独であっても、 2種以上の 組合せであってもよい。

[0039] また他の無灰分散剤として含窒素化合物の誘 導体が知られている。 例えば 、 前述の含窒素化合物 (すなわち、 炭素数 4 0〜 5 0 0、 好ましくは 6 0〜 3 5 0の直鎖若しくは分枝状のアルキル基又はア ケニル基を分子中に少な くとも 1個有する含窒素化合物) に、 炭素数 1 〜3 0の、 脂肪酸等のモノ力 ルボン酸や、 シユウ酸、 フタル酸、 トリメリッ ト酸、 ピロメリット酸等の炭 素数 2〜3 0のポリカルボン酸若しくはこれらの無水物 又はエステル化合 物、 炭素数 2〜6のアルキレンオキサイ ド、 ヒドロキシ (ポリ) ォキシアル キレンカーボネ一トを反応させて、 残存するァミノ基及び/又はィミノ基の 一部又は全部を中和したり、 アミド化した、 いわゆる含酸素有機化合物によ る変性化合物;前述の含窒素化合物にホウ酸 を作用させて、 残存するアミノ 基及び/又はィミノ基の一部又は全部を中和 たり、 アミド化した、 いわゆ るホウ素変性化合物;前述の含窒素化合物に リン酸を作用させて、 残存する アミノ基及び/又はィミノ基の一部又は全部 中和したり、 アミ ド化した、 いわゆるリン酸変性化合物;前述の含窒素化 合物に硫黄化合物を作用させた 硫黄変性化合物;及び前述の含窒素化合物に 含酸素有機化合物による変性、 ホウ素変性、 リン酸変性、 硫黄変性から選ばれた 2種以上の変性を組み合わ せた変性化合物が挙げられる。

[0040] 公知の無灰分散剤の中でも、 上記アルケニルコハク酸イミ ド誘導体のホウ 酸変性化合物、 特にビスタイプのアルケニルコハク酸イミド 誘導体のホウ酸 変性化合物は、 上述の基油と併用することで耐熱性を更に向 上させることが できるため好ましい。

[0041 ] 無灰分散剤の数平均分子量 (M n ) は、 限定的ではないが 2 0 0 0以上で あることが好ましく、 より好ましくは 2 5 0 0以上、 より一層好ましくは 3 0 0 0以上、 最も好ましくは 5 0 0 0以上であり、 また、 1 5 0 0 0以下で あることが好ましい。 無灰分散剤の数平均分子量が上記下限値未満 では、 分 散性が十分でない可能性がある。 一方、 無灰分散剤の数平均分子量が上記上 限値を超えると、 粘度が高すぎ、 流動性が不十分となり、 デポジット増加の 原因となるおそれがある。

[0042] その他のホウ素含有化合物として、 ホウ酸アルカリ系添加剤を添加するこ とができる。 ホウ酸アルカリ系添加剤は、 アルカリ金属ホウ酸塩水和物を含 有するものであり、 下記一般式で表すことができる。

M 2 0 ■ X B 2 0 3 · y H 2 0

上記式中、 Mはアルカリ金属であり、 Xは 2. 5〜4. 5、 yは 1. 0~ 4. 8である。

例えば、 ホウ酸リチウム水和物、 ホウ酸ナトリウム水和物、 ホウ酸力リウ ム水和物、 ホゥ酸ルビジゥム水和物及びホゥ酸セシゥム 水和物等を挙げるこ とができるが、 ホウ酸力リゥム水和物及びホウ酸ナ卜リゥム 水和物が好まし く、 特に、 ホウ酸カリウム水和物が好ましい。 アルカリ金属ホウ酸塩水和物 粒子の平均粒径は、 一般に〗 ミクロン ( xm) 以下である。 本発明に用いら れるアル力リ金属ホウ酸塩水和物において、 ホウ素とアル力リ金属の比は約 2. 5 : 1〜4. 5 : 1の範囲にあることが好ましい。 ホウ酸アルカリ系添 加剤の添加量は、 ホウ素量として潤滑油組成物全量基準で 2〜 300質量 p p mである。

[0043] 更に他のホウ素含有化合物として、 メタホウ酸カリウム、 四ホウ酸力リウ ム、 五ホウ酸カリウム、 六ホウ酸カリウム、 八ホウ酸カリウム等のホウ酸力 リウム、 ホウ酸カルシウムスルホネート、 及びホウ酸カルシウムサリシレー 卜等が挙げられる。

[0044] (C) ジアルキルジチォリン酸亜鉛

本発明の潤滑油組成物はジアルキルジチ才リ ン酸亜鉛 (Z n D T P (ZD DPともいう) ) を含む。 該化合物は摩耗防止剤として機能するもので あり 、 下記式 (4) で表される。

[0045] [化 3]

上記式 (4 ) において、 2 及び 3 は、 各々、 互いに同一であっても異な つていてもよく、 水素原子または炭素数 1 〜2 6の一価炭化水素基である。 一価炭化水素基としては、 炭素数 1 〜2 6の第 1級 (プライマリ一) または 第 2級 (セカンダリ一) アルキル基;炭素数 2〜2 6のアルケニル基;炭素 数 6〜 2 6のシクロアルキル基;炭素数 6〜 2 6のァリ一ル基、 アルキルァ リール基またはァリールアルキル基; またはエステル結合、 エーテル結合、 アルコール基またはカルボキシル基を含む炭 化水素基である。 ここで、 1級 アルキル基とは、 置換基 R 2 及び R 3 において、 ジアルキルジチォリン酸亜鉛 中の酸素原子に直接結合する炭素原子が 1級炭素原子であるという意味であ る。 同様に 2級アルキル基とは、 置換基 R 2 、 R 3 において、 ジアルキルジチ オリン酸亜鉛中の酸素原子に直接結合する炭 素原子が 2級炭素原子であると いう意味である。 2 及び(^ 3 は、 好ましくは、 互いに独立に、 炭素数 3 ~ 1 2の、 第 1級または第 2級アルキル基、 炭素数 8〜 1 8のシクロアルキル基 、 又は炭素数 8 ~ 1 8のアルキルァリール基である。 ただし、 本発明におい て、 R 2 及び R 3 の少なくとも 1は第 1級または第 2級アルキル基である。 第 1級アルキル基は、 炭素数 3〜 1 2を有することが好ましく、 より好ましく は炭素数 4〜 1 0を有する。 例えば、 プロピル基、 ブチル基、 ペンチル基、 へキシル基、 才クチル基、 ノニル基、 デシル基、 ドデシル基、 2—ェチルー へキシル基、 及び 2, 5—ジメチルへキシル基等が挙げられる。 第 2級アル キル基は、 炭素数 3〜 1 2を有することが好ましく、 より好ましくは炭素数 3〜 1 0を有する。 例えば、 イソプロピル基、 セカンダリーブチル基、 イソ ペンチル基、 及びィソへキシル基等が挙げられる。 [0047] 本発明の潤滑油組成物は、 第 1級アルキル基及び/又は第 2級アルキル基 を有するジアルキルジチオリン酸亜鉛から選 ばれる 1以上を含む。 但し、 第 2級アルキル基を有するジアルキルジチオリ 酸亜鉛を必ず含む。 すなわち 、 本発明の潤滑油組成物は、 第 1級アルキル基を有するジアルキルジチオリ ン酸亜鉛と第 2級アルキル基を有するジアルキルジチ才リ 酸亜鉛とを併せ て含む第 1態様、 第 1級アルキル基と第 2級アルキル基を共に有するジアル キルジチォリン酸亜鉛を含む第 2態様、 あるいは、 第 2級アルキル基を有す るジアルキルジチオリン酸亜鉛を含み第 1級アルキル基を有するジアルキル ジチオリン酸亜鉛を含まない第 3態様である。 好ましくは第 1態様及び第 3 態様であり、 特に好ましくは、 第 1級アルキル基を有するジアルキルジチ才 リン酸亜鉛と第 2級アルキル基を有するジアルキルジチオリ 酸亜鉛とを併 用する第 1態様である。 第 2級アルキル基を有するジアルキルジチオリ 酸 亜鉛を含まないと良好な摩耗防止性を確保す ることができない。 本発明の潤 滑油組成物は、 第 1級アルキル基を有するジアルキルジチ才リ 酸亜鉛と第 2級アルキル基を有するジアルキルジチオリ 酸亜鉛をこれらの比 (質量) が 70 : 30〜0 : 1 00の範囲を満たすように含有することを特徴 する 。 好ましくは 65 : 35〜 5 : 95、 より好ましくは 60 : 40〜 1 0 : 9 0、 特に好ましくは 50 : 50〜20 : 80の範囲である。 上記上限を超え て第 1級アルキル基を有するジアルキルジチオリ 酸亜鉛の含有割合が多く なると耐摩耗性が悪化することがあり、 好ましくない。

[0048] 潤滑油組成物中のジアルキルジチオリン酸亜 鉛の含有量は、 潤滑油組成物 の全質量に対し、 ジアルキルジチ才リン酸亜鉛が有するリンの 質量 p pmに よる濃度 [P] として、 300〜 1 000質量 p pmとなる量であり、 好ま しくは 400〜1, 000質量 p pmであり、 より好ましくは 500 ~ 1, 000質量 p pmであり、 特に好ましくは 600〜900質量 p pmである

[0049] 本発明は、 潤滑油組成物中に含まれる、 ホウ素の量と、 第 1級アルキル基 を有するジアルキルジチォリン酸亜鉛 (以下、 単に第 1級と称す) と第 2級 アルキル基を有するジアルキルジチ才リン酸 亜鉛 (以下、 単に第 2級と称す ) の質量比との関係 (組合せ) を調整することで、 トルク低減率を向上する 。 該組合せは、 組成物全量に対するホウ素量が 1 00〜300質量 、 好ましくは 1 20〜280質量 p pm、 特に好ましくは 1 50〜250質量 p pmとなる範囲内であり、 且つ、 ジアルキルジチォリン酸亜鉛の構成が、 第 1級と第 2級の質量比 70 : 30〜 0 : 1 00、 好ましくは 65 : 35〜 5 : 95、 より好ましくは 60 : 40〜 1 0 : 90、 特に好ましくは 50 : 50〜20 : 80を満たす範囲で、 適宜調整されればよい。 尚、 ジアルキル ジチォリン酸亜鉛の総量はリンの総質量 p p mとして上記範囲を満たせばよ い。 これにより得られる潤滑油組成物は、 低粘度化しても、 良好な摩擦防止 性と摩耗防止性を両立することができる。

[0050] 本発明の潤滑油組成物は、 ジアルキルジチ才リン酸亜鉛以外の摩耗防止 剤 をさらに含んでもよい。 例えば、 上記式で表され、 2 及び8 3 が、 互いに独 立に、 水素原子、 または炭素数〗〜 26の、 アルキル基でない一価炭化水素 基である化合物が挙げられる。 該一価炭化水素基としては、 炭素数 2〜26 のアルケニル基;炭素数 6〜26のシクロアルキル基;炭素数 6〜26のァ リ一ル基、 アルキルァリール基またはァリールアルキル 基; またはエステル 結合、 エーテル結合、 アルコール基またはカルボキシル基を含む炭 化水素基 である。 R 2 及び R 3 は、 好ましくは炭素数 8〜 1 8のシクロアルキル基、 炭 素数 8〜1 8のアルキルァリール基であり、 各々、 互いに同一であっても異 なっていてもよい。 また、 ジチ才力ルバミン酸亜鉛 (Z n DTC) を組合せ て使用してもよい。

[0051] また、 下記式 (5) 及び (6) で示されるホスフェート、 ホスフアイ ト系 のリン化合物、 並びにそれらの金属塩及びアミン塩から選ば れる少なくとも 1種の化合物を併用することもできる。

[0052] [化 4]

RHo— p 一 o— R 5

[0053] 上記一般式 (5) 中、 R 6 は炭素数〗〜 30の一価炭化水素基であり、 R 4 及び R 5 は互いに独立に、 水素原子又は炭素数 1〜30の一価炭化水素基であ り、 kは 0又は 1である。

[0054] [化 5]

0

R 9 -(-0 j ~ P一 0一 R 8

0一 (6)

[0055] 上記一般式 (6) 中、 R 9 は炭素数〗〜 30の一価炭化水素基であり、 R 7 及び R 8 は互いに独立に水素原子又は炭素数 1〜 30の一価炭化水素基であり 、 tは 0又は 1である。

[0056] 上記一般式 (5) 及び (6) 中、 R 4 ~R 9 で表される炭素数 1〜30の一 価炭化水素基としては、 例えば、 アルキル基、 シクロアルキル基、 アルケニ ル基、 アルキル置換シクロアルキル基、 ァリール基、 アルキル置換ァリール 基、 及びァリールアルキル基を挙げることができ る。 特には、 炭素数 1〜3 0のアルキル基、 又は炭素数 6〜 24のァリール基であることが好ましく、 より好ましくは炭素数 3〜 1 8のアルキル基、 最も好ましくは炭素数 4〜 1 5のアルキル基である。

[0057] 上記一般式 (5) で表されるリン化合物としては、 例えば、 上記炭素数 1 ~ 30の炭化水素基を 1つ有する亜リン酸モノエステル及び (ヒドロカルビ ル) 亜ホスホン酸;上記炭素数 1〜30の炭化水素基を 2つ有する亜リン酸 ジエステル、 モノチ才亜リン酸ジエステル、 及び (ヒドロカルビル) 亜ホス ホン酸モノエステル;上記炭素数 1 〜 3 0の炭化水素基を 3つ有する亜リン 酸トリエステル、 及び (ヒドロカルビル) 亜ホスホン酸ジエステル;及びこ れらの混合物等が挙げられる。

[0058] 上記一般式 (5 ) 又は (6 ) で表されるリン化合物の金属塩又はアミン塩 は、 一般式 (5 ) 又は (6 ) で表されるリン化合物に、 金属酸化物、 金属水 酸化物、 金属炭酸塩、 金属塩化物等の金属塩基、 アンモニア、 炭素数 1 〜3 0の炭化水素基又はヒドロキシル基含有炭化 素基のみを分子中に有するァ ミン化合物等の窒素化合物等を作用させて、 残存する酸性水素の一部又は全 部を中和することにより得ることができる。 上記金属塩基における金属とし ては、 例えば、 リチウム、 ナトリウム、 カリウム、 セシウム等のアルカリ金 属、 カルシウム、 マグネシウム、 バリウム等のアルカリ土類金属、 亜鉛、 銅 、 鉄、 鉛、 ニッケル、 銀、 マンガン等の重金属 (但し、 モリブデンは除く) 等が挙げられる。 これらの中でも、 カルシウム、 マグネシウム等のアルカリ 土類金属及び亜鉛が好ましく、 亜鉛が特に好ましい。

[0059] ジアルキルジチォリン酸亜鉛の添加量は上記 したようにジアルキルジチォ リン酸亜鉛に由来するリン含有量が上述した 特定の範囲内になるように添加 されれば良い。 その他の摩耗防止剤を含む場合には、 ジアルキルジチ才リン 酸亜鉛を含めた摩耗防止剤全量として、 潤滑油組成物中に、 通常 0 . 1 〜5 質量%で、 好ましくは 0 . 2〜3質量。 / 0 で配合されればよい。

[0060] 本発明の潤滑油組成物は、 上述した成分以外に、 任意成分として、 従来公 知の各種添加剤を含んでいてもよい。 例えば、 モリブデン系摩擦調整剤、 又 は粘度指数向上剤を含むことができる。

[0061 ] モリブデン系摩擦調整剤

モリブデンを有する摩擦調整剤 (以下、 モリブデン系摩擦調整剤という) は特に制限されず、 従来公知のものを使用することができる。 モリブデン系 摩擦調整剤とはモリブデンを有する化合物で あり、 例えば、 モリブデンジチ 才ホスフェート (M o D T P ) およびモリブデンジチ才力一バメ一卜 (M o D T C ) 等の硫黄を含有する有機モリブデン化合物、 モリブデン化合物と硫 黄含有有機化合物又はその他の有機化合物と の錯体、 ならびに硫化モリブデ ンおよび硫化モリブデン酸等の硫黄含有モリ ブデン化合物とアルケニルコハ ク酸イミ ドとの錯体等を挙げることができる。 上記モリブデン化合物として は、 例えば、 二酸化モリブデンおよび三酸化モリブデン等 の酸化モリブデン 、 オルトモリブデン酸、 パラモリブデン酸および (ポリ) 硫化モリブデン酸 等のモリブデン酸、 これらモリブデン酸の金属塩およびアンモニ ゥム塩等の モリブデン酸塩、 二硫化モリブデン、 三硫化モリブデン、 五硫化モリブデン およびポリ硫化モリブデン等の硫化モリブデ ン、 硫化モリブデン酸、 硫化モ リブデン酸の金属塩又はアミン塩、 塩化モリブデン等のハロゲン化モリブデ ン等が挙げられる。 上記硫黄含有有機化合物としては、 例えば、 アルキル ( チ才) キサンテート、 チアジアゾ一ル、 メルカプトチアジアゾ一ル、 チ才力 ーボネート、 テトラハイ ドロカルビルチウラムジスルフィ ド、 ビス (ジ (チ 才) ハイドロカルビルジチォホスホネ一卜) ジスルフィ ド、 有機 (ポリ) サ ルファイ ドおよび硫化エステル等が挙げられる。 特に、 モリブデンジチ才ホ スフェート (Mo DTP) およびモリブデンジチ才力一バメート (Mo DT

C) 等の有機モリブデン化合物が好ましい。

[C062] モリブデンジチ才力一バメート (Mo DTC) は下記式 [ I ] で表される 化合物であり、 モリブデンジチォホスフェート (Mo DTP) は下記 [ I I

] で表される化合物である。

[0063] [化 6]

[0064] [化 7]

[0065] 上記一般式 [门 および [ I 门 において、 R,~ R 8 は、 互いに同一であ つても異なっていてもよく、 炭素数 1 ~ 3 0の一価炭化水素基である。 炭化 水素基は直鎖状でも分岐状でもよい。 該ー価炭化水素基としては、 炭素数 1 〜3 0の直鎖状または分岐状アルキル基;炭素数 2〜3 0のアルケニル基; 炭素数 4〜 3 0のシクロアルキル基;炭素数 6〜 3 0のァリ一ル基、 アルキ ルァリ一ル基またはァリールアルキル基等を 挙げることができる。 ァリール アルキル基において、 アルキル基の結合位置は任意である。 より詳細には、 アルキル基としては、 例えば、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 ブチル基 、 ペンチル基、 へキシル基、 ヘプチル基、 才クチル基、 ノニル基、 デシル基 、 ゥンデシル基、 ドデシル基、 トリデシル基、 テトラデシル基、 ペンタデシ ル基、 へキサデシル基、 ヘプタデシル基およびォクタデシル基等、 およびこ れらの分岐状アルキル基を挙げることができ 、 特に炭素数 3 ~ 8のアルキル 基が好ましい。 また、 X,および X 2 は酸素原子または硫黄原子であり、 お よび Y 2 は酸素原子または硫黄原子である。

[0066] 摩擦調整剤として、 硫黄を含まない有機モリブデン化合物も使用 できる。

このような化合物としては、 例えば、 モリブデン一アミン錯体、 モリブデン ーコハク酸イミ ド錯体、 有機酸のモリブデン塩、 およびアルコールのモリブ デン塩等が挙げられる。

[0067] さらに本発明における摩擦調整剤として、 米国特許第 5, 9 0 6 , 9 6 8 号に記載されている三核モリブデン化合物を 用いることもできる。

[0068] 摩擦調整剤は、 潤滑油組成物の質量に対するモリブデンの質 量 p p mとし ての濃度 [M o ] が 5 0 0〜1 5 0 0質量卩卩01、 好ましくは 6 0 0〜1 2 00質量 p pmの範囲となるような量で添加される。 摩擦調整剤の量が上記 上限を超えると、 清浄性が悪化する場合があり、 上記下限未満であると、 摩 擦を十分に低減することができなかつたり、 清浄性が悪化したりする場合が ある。

[0069] (A) 成分について上述したように、 摩擦調整剤は、 好ましくは下記式 (

2) :

[Mg] / [Mo] く 2. 5 (2)

を満たす量で含まれる。 [Mo] は潤滑油組成物の質量に対するモリブデン の質量 P pmによる濃度である。

[Mg] [Mo] の値は、 より好ましくは 2. 0以下、 さらに好ましく は 1. 8以下、 さらにより好ましくは 1. 5以下である。 [Mg] / [Mo :] の下限値は好ましくは 0. 1、 より好ましくは 0. 2、 さらに好ましくは 0. 3である。

[0070] 粘度指数向上剤

粘度指数向上剤として、 例えば、 ポリメタァクリレート、 分散型ポリメタ ァクリレート、 ォレフィンコポリマ一 (ポリイソプチレン、 エチレン一プロ ピレン共重合体) 、 分散型才レフィンコポリマ一、 ポリアルキルスチレン、 スチレン一ブタジエン水添共重合体、 スチレン一無水マレイン酸エステル共 重合体、 星状イソプレン等を含むものが挙げられる。 さらに、 少なくともポ リオレフィンマクロマ一に基づく繰返し単位 と炭素数 1〜30のアルキル基 を有するアルキル (メタ) ァクリレートに基づく繰返し単位とを主鎖に 含む 櫛形ポリマ一を用いることもできる。

[0071] 粘度指数向上剤は通常、 上記ポリマーと希釈油とから成る。 粘度指数向上 剤の含有量は、 組成物全量基準で、 ポリマー量として好ましくは 0. 01〜 20質量%であり、 より好ましくは 0. 02〜 1 0質量%、 最も好ましくは 0. 05〜5質量%でぁる。 粘度指数向上剤の含有量が上記下限値より少 な くなると、 粘度温度特性や低温粘度特性が悪化する恐れ がある。 一方、 上記 上限値よりも多くなると、 粘度温度特性や低温粘度特性が悪化する恐れ があ リ、 更には、 製品コストが大幅に上昇する。

[0072] 本発明の潤滑油組成物は、 その性能を向上させるために、 目的に応じてそ の他の添加剤をさらに含有することができる 。 その他の添加剤としては一般 的に潤滑油組成物に使用されているものを使 用できるが、 例えば、 酸化防止 剤、 上記以外の摩擦調整剤、 腐食防止剤、 防銪剤、 流動点降下剤、 抗乳化剤 、 金属不活性化剤および消泡剤等の添加剤等を 挙げることができる。

[0073] 上記酸化防止剤としては、 フエノール系、 アミン系等の無灰酸化防止剤、 銅系、 モリブデン系等の金属系酸化防止剤が挙げら れる。 例えば、 フエノー ル系無灰酸化防止剤としては、 4, 4 ' ーメチレンビス (2, 6—ジー t e r t一ブチルフエノール) 、 4, 4 ' 一ビス (2, 6—ジー t e r t—プチ ルフエノール) 、 イソォクチルー 3— (3, 5—ジー t一プチルー 4—ヒド ロキシフエニル) プロピオネート等が、 アミン系無灰酸化防止剤としては、 フエ二ルー α—ナフチルァミン、 アルキルフエ二ルー α—ナフチルァミン、 ジアルキルジフエ二ルァミン等が挙げられる 。 酸化防止剤は、 通常、 潤滑油 組成物中に 0 . 1〜5質量%で配合される。

[0074] 上記以外の摩擦調整剤としては、 例えばエステル、 ァミン、 アミド、 硫化 エステルなどが挙げられる。 上記摩擦調整剤は、 通常、 潤滑油組成物中に 0 . 0 1〜 3質量%で配合される。

[0075] 上記腐食防止剤としては、 例えば、 ベンゾ卜リアゾ一ル系、 卜リル卜リア ゾ一ル系、 チアジアゾ一ル系、 イミダゾール系化合物等が挙げられる。 上記 防銷剤としては、 例えば、 石油スルホネート、 アルキルベンゼンスルホネ一 卜、 ジノニルナフタレンスルホネート、 アルケニルコハク酸エステル、 多価 アルコールエステル等が挙げられる。 腐食防止剤及び防錡剤は、 通常、 潤滑 油組成物中にそれぞれ 0 . 0 1〜5質量%で配合される。

[0076] 上記流動点降下剤としては、 例えば、 使用する潤滑油基油に適合するポリ メタクリレ一ト系のポリマー等が使用できる 。 流動点降下剤は、 通常、 潤滑 油組成物中に 0 . 0 1〜3質量%で配される。

[0077] 上記抗乳化剤としては、 例えば、 ポリオキシエチレンアルキルエーテル、 ポリ才キシエチレンアルキルフエニルエーテ ル、 ポリ才キシエチレンアルキ ルナフチルエーテル等のポリアルキレングリ コール系非イオン系界面活性剤 等が挙げられる。 抗乳化剤は、 通常、 潤滑油組成物中に 0. 0 1 ~5質量% で配合される。

[0078] 上記金属不活性化剤としては、 例えば、 イミダゾリン、 ピリミジン誘導体 、 アルキルチアジアゾ一ル、 メルカプトべンゾチアゾ一ル、 ベンゾ卜リアゾ ール又はその誘導体、 1, 3, 4—チアジアゾ一ルポリスルフイ ド、 1, 3 , 4ーチアジアゾリルー 2, 5—ビスジアルキルジチォカーバメート、 2— (アルキルジチ才) ベンゾイミダゾ一ル、 /3— (o—カルボキシベンジルチ 才) プロピオンニトリル等が挙げられる。 金属不活性化剤は、 通常、 潤滑油 組成物中に 0. 0 1〜3質量%で配合される。

[0079] 上記消泡剤としては、 例えば、 25 Cにおける動粘度が 1 000〜 1 0万 mm 2 /sのシリコーンオイル、 アルケニルコハク酸誘導体、 ポリヒドロキシ 脂肪族アルコールと長鎖脂肪酸のエステル、 メチルサリチレ一卜と o—ヒド ロキシベンジルアルコール等が挙げられる。 消泡剤は、 通常、 潤滑油組成物 中に 0. 00 1〜 1質量 0 / 0 で配合される。

[0080] 本発明の潤滑油組成物の— 35°Cでの CCS粘度は制限されないが、 好ま しくは 6. 2 P a · s以下、 より好ましくは 5. 0 P a ■ s以下、 更に好ま しくは 4. 0 P a · s以下、 最も好ましくは 3. 5 P a ' s以下である。

[0081] 本発明の潤滑油組成物は、 モリブデンが含まれる場合は、 潤滑油組成物中 に含まれるモリブデン量と一 35°Cでの CC S粘度が、 以下の式 (7) を満 たすことが好ましい。

[CCS粘度] / [Mo] O. 0 1 (7)

( [CCS粘度] は潤滑油組成物の一 35°Cにおける CCS粘度の値 (P a - s) を示し、 [Mo] は潤滑油組成物の質量に対するモリブデンの 質量 p pmによる濃度を示す。 )

[CCS粘度] / [Mo] の値は、 より好ましくは 0. 008以下、 さら に好ましくは 0. 005以下である。 上記値が 0. 0 1を超えるとトルク低 減率が小さくなつたり、 清浄性が悪化したりすることがある。 [CCS粘度 ] / [Mo] の下限値は限定的でないが、 好ましくは 0. 002、 より好ま しくは 0. 003である。

[0082] 本発明の潤滑油組成物の 1 50°Cでの高温高せん断粘度 (H T H S粘度) は制限されないが、 1. 5~2. 9mP a ' s、 好ましくは 1. 7〜2. 8 m P a ' s、 より好ましくは 2. 0〜2. 6 m P a ■ sである。

[0083] 本発明の潤滑油組成物の 1 00°Cでの動粘度は制限されないが、 好ましく は 9. 3 mm 2 / s未満、 より好ましくは 8. 2 mm 2 / s未満である。

[0084] 本発明の潤滑油組成物は、 低粘度であっても、 十分な摩擦特性および摩耗 特性を有し、 かつ高いトルク低減率が得られるという効果 を奏し、 内燃機関 用として、 さらに過給ガソリンエンジン用として好適に 用いることができる

実施例

[0085] 以下、 本発明を、 実施例及び比較例によってより詳細に示すが 、 本発明は 下記実施例に限定されない。

[0086] 実施例および比較例で使用した材料は以下の 通りである。

潤滑油基油

GT L由来基油 ( 1 00°Cでの動粘度 =4. 1 mm 2 /s V I = 1 27)

[0087] (A) マグネシウム系清浄剤

マグネシウムスルホネート (全塩基価 400 m g KO HZg、 マグネシゥ ム含有量 9. 4質量%)

(Α' ) カルシウム系清浄剤

カルシウムサリシレート (全塩基価 230 m g KO H/g、 カルシウム含 有量 5. 5質量%)

[0088] (B) ホウ素を有する無灰分散剤

ホウ素化コハク酸イミ ド化合物 (上記した式 (b) で表され、 R 1 がポリブ テニルであり、 n=4〜1 2の混合物、 ホウ素含有量 0. 7質量%、 窒素含 有量 2. 0質量%) [0089] (Β' ) ホウ素を有さない無灰分散剤

コハク酸イミ ド化合物 (上記した式 (b) で表され、 R 1 がポリブテニルで あり、 n =4〜 1 2の混合物、 ホウ素含有量 0質量%、 窒素含有量 1. 0質 量 0 / 0 )

[0090] (C) 摩耗防止剤 1

P r i — Z n DT P (下記式 (4) で表され R 2 及び R 3 が共に炭素数 8の 第一級アルキル基である化合物)

[0091] [化 8]

[0092] (C) 摩耗防止剤 2

S e c -Z n DT P (上記式 (4) で表され、 R 2 が炭素数 4の第二級アル キル基であり、 R 3 が炭素数 6の第二級アルキル基である化合物)

[0093] (D) 摩擦調整剤

モリブデン系摩擦調整剤: Mo DTC (モリブデン含有量 1 0質量%)

[0094] (E) 粘度指数向上剤

ポリメタクリレート

[0095] その他の添加剤

酸化防止剤: フ: ノール系酸化防止剤

消泡剤:ジメチルシリコーン

[0096] 実施例 1〜 8および比較例 1 〜 6

表 1及び 3に示す量の各成分を混合して潤滑油組成物 調製した。 表に記 載の質量部は、 潤滑油組成物の総量 (1 00質量部) に対する質量部である 。 表に記載の (A) マグネシウム系清浄剤、 (Α' ) カルシウム系清浄剤、 及び (D) モリブデン系摩擦調整剤の量は、 それぞれマグネシウム、 カルシ ゥム及びモリブデンの含有量に換算した潤滑 油組成物の総量に対する質量 P pm (順に [Mg]、 [C a] 、 及び [Mo] ) である。 表に記載の [B] とは、 潤滑油組成物の総量に対するホウ素の質量 P pmである。 (C) 摩耗 防止剤は、 潤滑油組成物の総量 (1 00質量部) に対して合計 1質量部を配 合した。 表に、 該 1質量部中の摩耗防止剤 1 (第 1級アルキル基を有するジ アルキルジチ才リン酸亜鉛) と摩耗防止剤 2 (第 2級アルキル基を有するジ アルキルジチォリン酸亜鉛) の質量割合 (第 1級 第 2級 (質量割合) ) を 記載した。 また、 表に記載の [P] とは潤滑油組成物の総量に対するリンの 質量 p pmである。 なお、 マグネシウム系清浄剤とカルシウム系清浄剤 の量 は、 これらの清浄剤に含まれるマグネシウムとカ ルシゥムの合計モル量が全 ての実施例および比較例においてなるべく同 一であるようにした。

[0097] 得られた組成物について、 以下の試験を行った。 結果を表 2及び 4に示す

[0098] (1 ) 1 50°Cでの高温高せん断粘度 (HTHS 1 50)

ASTMD4683に準拠して測定した。

[0099] (2) 一 35°Cでの CCS粘度 (CCS粘度)

A S TMD 5293に準拠して測定した。

[0100] (3) 1 00°Cでの動粘度 (K V 1 00)

ASTMD445に準拠し、 1 00 °Cで測定した。

[0101] (4) トルク低減率

実施例および比較例で得られた潤滑油組成物 を試験組成物とし、 ガソリン エンジンを用いたモータリング試験にてトル クを測定した。 エンジンは、 ト ョタ 2ZR— F E 1. 8 L直列 4気筒エンジンを用い、 モータ一とエンジン との間にトルク計を設置し、 油温 80°Cおよび 700 R PMのエンジン速度 におけるトルクを測定した。 標準油として市販の G F— 5 0W— 20油を 用い、 同様にトルクを測定した。 試験組成物のトルク (T) を標準油のトル ク (T 0 ) と比較し、 標準油のトルクからの低減率 ( { (T。一 T) /T Q } X 1 00) (%) を計算した。 低減率が大きいほど、 燃費が良好であることを 示す。 低減率が 9. 0%以上のものを合格とした。

[0102] (5) シェル摩耗痕径

回転数を 1 800 r pm、 荷重を 40 k g f、 試験温度を 90 °C及び試験 時間を 30分とした以外はシェル四球試験 (ASTMD4 1 72) に準拠し て測定した。 摩耗痕径が 0. 7 mm以下であるものを合格とした。

[0103] (6) ホッ卜チューブ試験 (高温清浄性の評価)

内径 2 m mのガラス管中に、 潤滑油組成物を 0. 3ミリリットル Z時で、 空気を 1 0ミリリツトルノ秒で、 ガラス管の温度を 270°Cに保ちながら 1 6時間流し続けた。 ガラス管中に付着したラッカ一と色見本とを 比較し、 透 明の場合は 1 0点、 黒の場合は 0点として評点を付けた。 評点が高いほど高 温清浄性が良いことを示す。 評点が 4. 5以上のものを合格とした。

[0104]

組成 実施例 1 実施例 2 実施例 3 実施例 4 実施例 5 実 〕 〔 潤滑油基油 残部 残部 残部 残郁 残部

[A] Mg系淸浄剤 [Mg] 400 500 600 400 400

[Α·〕 Ca系清浄剤 [Ca] 1400 L400 1100 1400 1400 ホウ素含有 質!:部 3 3 3 1.5 4.5

[Β]

無灰分散剤 [B] 200 200 200 100 300 ホウ素非含有

[ΒΊ 質量部 0 0 0 1.6 0

無灰分散剤

第 1級アルキル基

含有 質量部 0.5 0 0.5 0.5 0 摩耗防止剤 1

第 2級アルキル基

[C] 含有 質量部 0.5 1 0.5 0.5 1

摩耗防止剤 2

第 1級/第 2級

50/50 0/100 50/50 50/50 0/100 5 (質量割合)

合計 [P] 800 800 800 800 800

[D] 摩擦調翻 [ o] 800 800 800 800 800

[Ε] 粘度指数向上剤 質量部 8 8 8 8 8

その他の添加剤 質量部 2 2 2 2 2

([Mg]/ ([Mg] + [Ca]) } XIOO 22 26 35 22 22.

( [Mg] + [Ca] )/ [Mo] 2.3 2.4 2.1 2.3 2.3

[Mg] 1 [Mo] 0.50 0.63 0.75 0.50 0.50

〔〕

表 2

表 〕 〔

[0108] 表 2に示される通り、 本発明の潤滑油組成物は 1 0 0 °Cでの動粘度が低い にもかかわらず、 摩耗が少なぐ、 且つ、 トルク低減率および高温清浄性が高 い。

産業上の利用可能性

[01 09] 本発明の潤滑油組成物は、 低粘度化した場合においても、 摩耗防止性を確 保しつつ摩擦を低減することができ、 かつ高いトルク低減率が得られるとい う効果を奏し、 好適な態様としては内燃機関用の潤滑油組成 物、 さらには過 給ガソリンェンジン用の潤滑油組成物として 好適である。