Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
HYDROPHILIC COMPOSITION HAVING MILDEWPROOFING EFFECT AND HYDROPHILIC MEMBER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/093688
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a hydrophilic composition containing not less than 50% by mass of a hydrophilic polymer of a specific structure having a hydrolyzable silyl group in a side chain relative to the solid content. The hydrophilic composition also contains an additive having mildewproofing effect. The hydrophilic composition has excellent water resistance, and maintains high hydrophilicity without deteriorating mildewproofing effect even after long-term storage under high temperature high humidity conditions. A hydrophilic member is also disclosed.

Inventors:
MURAYAMA YUICHIRO
KONDO YOSHIAKI
Application Number:
PCT/JP2009/051076
Publication Date:
July 30, 2009
Filing Date:
January 23, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
FUJIFILM CORP (JP)
MURAYAMA YUICHIRO
KONDO YOSHIAKI
International Classes:
C08L33/24; B32B27/18; C08F220/58; C08F246/00; C08L57/06; C09D5/14; C09D7/12; C09D143/04
Foreign References:
JP2001253919A2001-09-18
JP2008221201A2008-09-25
JP2000171191A2000-06-23
JP2000329497A2000-11-30
JPH11246579A1999-09-14
JPH11279187A1999-10-12
JP2003003068A2003-01-08
JP2007230920A2007-09-13
JP2006281580A2006-10-19
JPH11277672A1999-10-12
JP2000171191A2000-06-23
JP2000273401A2000-10-03
JP2007269932A2007-10-18
JPS62170950A1987-07-28
JPS62226143A1987-10-05
JPS60168144A1985-08-31
EP0223739A11987-05-27
EP0309401A11989-03-29
EP0309402A11989-03-29
EP0310551A21989-04-05
EP0310552A11989-04-05
EP0459416A21991-12-04
DE3435443A11986-04-03
JPS5448535A1979-04-17
JPS62262047A1987-11-14
JPS63113536A1988-05-18
JPS63163351A1988-07-06
JPH02262654A1990-10-25
JPH0271262A1990-03-09
JPH03121449A1991-05-23
JPH0561166A1993-03-12
JPH05119449A1993-05-18
US4814262A1989-03-21
US4980275A1990-12-25
JP2001049200A2001-02-20
JP2001253181A2001-09-18
JP2001322365A2001-11-20
US2714066A1955-07-26
US3181461A1965-05-04
US3280734A1966-10-25
US3902734A1975-09-02
JPS3622063B11961-11-15
US3276868A1966-10-04
US4153461A1979-05-08
US4689272A1987-08-25
JP2002106882A2002-04-10
JP2002156135A2002-05-31
Other References:
MACROMOLECULES, MACROMOLECULES, vol. 19, 1986, pages 287
J. SOL-GEL, SCI. AND TEC., vol. 16, 1999, pages 209
See also references of EP 2236557A4
Attorney, Agent or Firm:
TAKAMATSU, Takeshi (Kawabe Bldg. 7-9, Shimbashi 3-chome, Minato-k, Tokyo 04, JP)
Download PDF:
Claims:
 下記一般式(I-a)で表される構造単位と下記一般式(I-b)で表される構造単位とを少なくとも有する親水性ポリマーを固形分に対して50質量%以上含有し、さらに防かび作用を有する添加剤を含有することを特徴とする親水性組成物。

 一般式(I-a)及び(I-b)中、R 1 ~R 8 は、それぞれ独立に、水素原子又は炭化水素基を表す。L 1 は単結合又は多価の有機連結基を表す。L 2 は単結合又は-CONH-、-NHCONH-、-OCONH-、-SO 2 NH-、-SO 3 -からなる群より選択される構造を1つ以上有する多価の有機連結基を表す。mは1~3の整数を表す。x、yは共重合比を表し、0<x<100、0<y<100である。Xは-OH、-OR a 、-COR a 、-CO 2 R e 、-CON(R a )(R b )、-N(R a )(R b )、-NHCOR d 、-NHCO 2 R a 、-OCON(R a )(R b )、-NHCON(R a )(R b )、-SO 3 R e 、-OSO 3 R e 、-SO 2 R d 、-NHSO 2 R d 、-SO 2 N(R a )(R b )、-N(R a )(R b )(R c )、-N(R a )(R b )(R c )(R g )、-PO 3 (R e )(R f )、-OPO 3 (R e )(R f )、または-PO 3 (R d )(R e )を表す。ここで、R a 、R b 及びR c は、それぞれ独立に、水素原子または直鎖、分岐または環状のアルキル基を表し、R d は、直鎖、分岐または環状のアルキル基を表し、R e 及びR f は、それぞれ独立に、水素原子または直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはオニウムを表し、R g は、ハロゲンイオン、無機アニオン、または有機アニオンを表す。
 前記防かび作用を有する添加剤が水溶性有機化合物および銀系無機化合物から選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1に記載の親水性組成物。
 前記防かび作用を有する添加剤が2-(4-チアゾリル)ベンズイミダゾール、2-ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル、10,10'-オキシビスフェノキシアルシン、ビス(2-ピリジルチオ-1-オキシド)亜鉛、及びケイ酸塩系銀ゼオライトから選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1または2に記載の親水性組成物。
 さらに、下記一般式(II)で表される構造を有する親水性ポリマーを含有することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の親水性組成物。

 一般式(II)中、R 1 およびR 2 はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基を表し、Xは反応性基を表し、AおよびL 1 は、それぞれ独立に単結合または連結基を表し、Yは-NHCOR 9 、-CONH 2 、-CON(R 9 ) 2 、-COR 9 、-OH、-CO 2 M、-SO 3 M、-PO 3 M、-OPO 3 M又は-N(R 9 ) 3 Z 1 を表し、ここで、R 9 はアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はオニウムを表し、Z 1 はハロゲンイオンを表す。
 {一般式(I-a)で表される構造単位と一般式(I-b)で表される構造単位とを少なくとも有する親水性ポリマー}/{一般式(II)で表される構造を有する親水性ポリマー}の質量比率が50/50~95/5であることを特徴とする請求項4に記載の親水性組成物。
 さらに、界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の親水性組成物。
 前記界面活性剤がアニオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項6に記載の親水性組成物。
 前記防かび作用を有する添加剤の分子量が200~1000であることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の親水性組成物。
 前記防かび作用を有する添加剤の分子量が300~700であることを特徴とする請求項8に記載の親水性組成物。
 アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ステンレス、およびアルミニウムから選ばれた少なくとも1種からなる基材上に、請求項1~9のいずれかに記載の親水性組成物を用いて形成した親水性層を有することを特徴とする親水性部材。
 アルミニウム製のフィン本体と、該フィン本体の表面の少なくとも一部に設けられた親水性層とを具備するフィン材であって、前記親水性層は、請求項1~9のいずれかに記載の親水性組成物が塗設されたものであることを特徴とするフィン材。
 請求項11に記載のフィン材を有することを特徴とする熱交換器。
 請求項12に記載の熱交換器を有することを特徴とするエアコン。
Description:
防かび作用を有する親水性組成 及び親水性部材

 本発明は防かび作用を有する親水性組成 及び親水性部材に係わり、とくに高い親水 を長期にわたり維持するとともに防かび機 を低下させない親水性組成物、該親水性組 物を用いて形成した親水性層を有する親水 部材、フィン材、該フィン材を有する熱交 器、及びエアコンに関する。

 各種基材表面に親水処理を施すことで防 性やセルフクリーニング性を付与させるこ が知られている。例えば建材、外壁や屋根 ような建物外装、建物内装、窓枠、窓ガラ 、構造部材、自動車、鉄道車両、航空機、 舶、自転車、オートバイのような乗物の外 及び塗装、機械装置や物品の外装、防塵カ ー及び塗装、交通標識、各種表示装置、広 塔、道路用防音壁、鉄道用防音壁、橋梁、 ードレールの外装及び塗装、トンネル内装 び塗装、碍子、太陽電池カバー、太陽熱温 器集熱カバー、ビニールハウス、車両用照 灯のカバー、丑、住宅設備、便器、浴槽、 面台、照明器具、照明カバー、台所用品、 器、食器洗浄器、食器乾燥器、流し、調理 ンジ、キッチンフード、換気扇、ルームエ コ用アルミフィン材などが知られている。 でも浴槽、洗面台、台所用品、ルームエア ン用フィン材などは部材表面に付着した水 により種々のかびが発生し、異臭を放つな の問題を抱えていた。

 かびの発生を抑制するとともに親水化す 技術が種々知られている。例としては、親 性を有する天然物由来の抗菌抗かび剤の使 (例えば、特許文献1参照)、PVA系親水ポリマ 層と親水性有機防かび剤を含む水性エマル ョン接着剤の層を有する多層フィルムによ 基体の防かび、親水化(例えば、特許文献2 照)、ホスホニウム塩基を主鎖または側鎖に 合した高分子及び親水性物質を含有する抗 、抗かび層による金属表面の防かび、親水 (例えば、特許文献3参照)、防菌、防かび性 付与し、親水性を持たせたアルミフィン材( 例えば、特許文献4参照)、親水性無機酸化物 び抗菌剤を担持させたプラスチック浴槽(例 えば、特許文献5参照)などを挙げることがで る。

 上述の例は防かび剤を添加した従来技術で るが、防かび効果はあるものの十分な親水 が得られずセルフクリーニング性が不足し り、親水層表面に付着した結露水により長 使用において親水層が流れ落ちたり、防か 剤が流れ出てしまうことで親水性だけでな 、防かび機能の持続性も十分ではなかった
 文献に記載されているような従来技術は親 性組成物として親水性基を有する熱可塑性 リマーが用いられている。例えば文献2には 親水性基として水酸基を有するポリビニルア ルコール、文献3にはホスホニウム塩基を有 るポリエステル樹脂、文献4にはスルホン酸 を有するアクリル系樹脂が記載されている これらの樹脂は塗膜に架橋構造をもたない めに耐水性に乏しいので親水層だけでなく かび剤も溶け出してしまうために前述の欠 を生じる。また耐水性を付与するための架 構造を有する親水性塗膜で防かび機能が持 できるものがのぞまれていると考えた。
 また、防汚性、防曇性と耐摩擦性の膜を形 しうる親水性組成物についての技術も開示 れている(例えば、特許文献6参照)。しかし がら、この組成物には、防かび剤が添加さ ていないため、高温、高湿環境下で長期間 存すると、かびが発生することがある。

特開2007-230920号公報

特開2006-281580号公報

特開平11-277672号公報

特開2000-171191号公報

特開2000-273401号公報

特開2007-269932号公報

 本発明は、耐水性に優れ、高温高湿環境 における長期保存後においても高い親水性 維持するとともに、防かび効果も低下しな 親水性組成物及び親水性部材の提供を目的 する。

 本発明者は、鋭意検討の結果、以下に示す 定構造の親水性ポリマーと防かび作用を有 る添加剤を含有した親水性組成物および親 性部材により、上記目的を達成できること 見出した。
1. 下記一般式(I-a)で表される構造単位と下記 一般式(I-b)で表される構造単位とを少なくと 有する親水性ポリマーを固形分に対して50 量%以上含有し、さらに防かび作用を有する 加剤を含有することを特徴とする親水性組 物。

 一般式(I-a)及び(I-b)中、R 1 ~R 8 は、それぞれ独立に、水素原子又は炭化水素 基を表す。L 1 は単結合又は多価の有機連結基を表す。L 2 は単結合又は-CONH-、-NHCONH-、-OCONH-、-SO 2 NH-、-SO 3 -からなる群より選択される構造を1つ以上有 る多価の有機連結基を表す。mは1~3の整数を 表す。x、yは共重合比を表し、0<x<100、0&l t;y<100である。Xは-OH、-OR a 、-COR a 、-CO 2 R e 、-CON(R a )(R b )、-N(R a )(R b )、-NHCOR d 、-NHCO 2 R a 、-OCON(R a )(R b )、-NHCON(R a )(R b )、-SO 3 R e 、-OSO 3 R e 、-SO 2 R d 、-NHSO 2 R d 、-SO 2 N(R a )(R b )、-N(R a )(R b )(R c )、-N(R a )(R b )(R c )(R g )、-PO 3 (R e )(R f )、-OPO 3 (R e )(R f )、または-PO 3 (R d )(R e )を表す。ここで、R a 、R b 及びR c は、それぞれ独立に、水素原子または直鎖、 分岐または環状のアルキル基を表し、R d は、直鎖、分岐または環状のアルキル基を表 し、R e 及びR f は、それぞれ独立に、水素原子または直鎖、 分岐または環状のアルキル基、アルカリ金属 、アルカリ土類金属、またはオニウムを表し 、R g は、ハロゲンイオン、無機アニオン、または 有機アニオンを表す。
2. 前記防かび作用を有する添加剤が水溶性 機化合物および銀系無機化合物から選ばれ 少なくとも1種からなることを特徴とする上 1に記載の親水性組成物。
3. 前記防かび作用を有する添加剤が2-(4-チア ゾリル)ベンズイミダゾール、2-ベンズイミダ ゾールカルバミン酸メチル、10,10'-オキシビ フェノキシアルシン、ビス(2-ピリジルチオ-1 -オキシド)亜鉛、及びケイ酸塩系銀ゼオライ から選ばれた少なくとも1種からなることを 特徴とする上記1または2に記載の親水性組成 。
4. さらに、下記一般式(II)で表される構造を する親水性ポリマーを含有することを特徴 する上記1~3のいずれかに記載の親水性組成 。

 一般式(II)中、R 1 およびR 2 はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基を 表し、Xは反応性基を表し、AおよびL 1 は、それぞれ独立に単結合または連結基を表 し、Yは-NHCOR 9 、-CONH 2 、-CON(R 9 ) 2 、-COR 9 、-OH、-CO 2 M、-SO 3 M、-PO 3 M、-OPO 3 M又は-N(R 9 ) 3 Z 1 を表し、ここで、R 9 はアルキル基、アリール基、又はアラルキル 基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、ア カリ土類金属又はオニウムを表し、Z 1 はハロゲンイオンを表す。
5. {一般式(I-a)で表される構造単位と一般式(I -b)で表される構造単位とを少なくとも有する 親水性ポリマー}/{一般式(II)で表される構造 有する親水性ポリマー}の質量比率が50/50~95/5 であることを特徴とする上記4に記載の親水 組成物。
6. さらに、界面活性剤を含有することを特 とする上記1~5のいずれかに記載の親水性組 物。
7. 前記界面活性剤がアニオン性界面活性剤 あることを特徴とする上記6に記載の親水性 成物。
8. 前記防かび作用を有する添加剤の分子量 200~1000であることを特徴とする上記1~7のいず れかに記載の親水性組成物。
9. 前記防かび作用を有する添加剤の分子量 300~700であることを特徴とする上記8に記載の 親水性組成物。
10.アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂 、ポリエステル系樹脂、ステンレス、および アルミニウムから選ばれた少なくとも1種か なる基材上に、上記1~9のいずれかに記載の 水性組成物を用いて形成した親水性層を有 ることを特徴とする親水性部材。
11.アルミニウム製のフィン本体と、該フィン 本体の表面の少なくとも一部に設けられた親 水性層とを具備するフィン材であって、前記 親水性層は、上記1~9のいずれかに記載の親水 性組成物が塗設されたものであることを特徴 とするフィン材。
12.上記11に記載のフィン材を有することを特 とする熱交換器。
13.上記12に記載の熱交換器を有することを特 とするエアコン。

 本発明の親水性組成物は水の接触角が従来 ない高い親水性を発揮する親水性組成物で り、高温高湿環境下に長期間保存した後、 た水に長期間浸漬させた後でも高い親水性 防かび効果を維持できるといった持続性に れる特徴もある。
 これは親水性を付与する組成物としてポリ クリルアミドに代表される親水性構造を有 るポリマーやアルコキシシリル基を含有す 化合物を用いることで高い親水性を維持で ることに加えて架橋構造も有するために親 性表面に付着した水により親水層が溶け出 ことがなく長期にわたり耐水性にも優れる めと考えられる。
 また、架橋構造を有することでジンクピリ オンや銀ゼオライトなどの防かび剤が3次元 網目構造にトラップされるために溶け出さず に長期に効果を持続できる特徴も有する。

 以下、本発明を詳細に説明する。
 本発明の親水性組成物は、下記一般式(I-a) 表される構造単位と下記一般式(I-b)で表され る構造単位とを少なくとも有する親水性ポリ マーを固形分に対して50質量%以上含有し、さ らに防かび作用を有する添加剤を含有するこ とを特徴とする。親水性組成物は、さらに(C) Si、Ti、Zr、Alから選択される金属元素や、(D) 化触媒を含むことが好ましく、更に必要に じて(E)その他の添加剤を含んでいてもよい
 また、本発明の親水性部材は、基板上に親 性層を有し、該親水性層は前記親水性組成 を塗布し、加熱、乾燥させることで形成さ る。
 本発明における親水性層とは、表面の水滴 触角が40°以下である表面を有する層であり 、好ましくは、30°以下であり、さらに好ま くは20°以下の層をいう。

〔(A)親水性ポリマー〕
 本発明の親水性組成物は、下記一般式(I-a) 表される構造単位と下記一般式(I-b)で表され る構造単位とを少なくとも有する親水性ポリ マーを固形分に対して50質量%以上含有する。
 本発明の親水性組成物は、一般式(I-a)で表 れる構造単位と一般式(I-b)で表される構造単 位とを少なくとも有する親水性ポリマーに加 えて、さらに、下記一般式(II)で表される構 を有する親水性ポリマーを含有することが ましい。

 一般式(I-a)、(I-b)中、R 1 ~R 8 は、それぞれ独立に、水素原子又は炭化水素 基を表す。L 1 は単結合又は多価の有機連結基を表す。L 2 は単結合又は-CONH-、-NHCONH-、-OCONH-、-SO 2 NH-、-SO 3 -からなる群より選択される構造を1つ以上有 る多価の有機連結基を表す。mは1~3の整数を 表す。x、yは共重合比を表し、0<x<100、0&l t;y<100であり、x+y=100となる数を表す。Xは-OH 、-OR a 、-COR a 、-CO 2 R e 、-CON(R a )(R b )、-N(R a )(R b )、-NHCOR d 、-NHCO 2 R a 、-OCON(R a )(R b )、-NHCON(R a )(R b )、-SO 3 R e 、-OSO 3 R e 、-SO 2 R d 、-NHSO 2 R d 、-SO 2 N(R a )(R b )、-N(R a )(R b )(R c )、-N(R a )(R b )(R c )(R g )、-PO 3 (R e )(R f )、-OPO 3 (R e )(R f )、または-PO 3 (R d )(R e )を表す。ここで、R a 、R b 及びR c は、それぞれ独立に、水素原子または直鎖、 分岐または環状のアルキル基を表し、R d は、直鎖、分岐または環状のアルキル基を表 し、R e 及びR f は、それぞれ独立に、水素原子または直鎖、 分岐または環状のアルキル基、アルカリ金属 、アルカリ土類金属、またはオニウムを表し 、R g は、ハロゲンイオン、無機アニオン、または 有機アニオンを表す。

 R 1 ~R 8 が炭化水素基を表す場合の炭化水素基として は炭素数1~8のものが好ましく、アルキル基、 アリール基などが挙げられ、炭素数1~8の直鎖 、分岐または環状のアルキル基が好ましい。 具体的には、メチル基、エチル基、プロピル 基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘ プチル基、オクチル基、イソプロピル基、イ ソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、イソ ンチル基、ネオペンチル基、1-メチルブチル 基、イソヘキシル基、2-エチルヘキシル基、2 -メチルヘキシル基、シクロペンチル基等が げられる。
 R 1 ~R 8 は、効果および入手容易性の観点から、好ま しくは水素原子、メチル基またはエチル基で ある。

 これらの炭化水素基は更に置換基を有し いてもよい。アルキル基が置換基を有する き、置換アルキル基は置換基とアルキレン との結合により構成され、ここで、置換基 しては、水素を除く一価の非金属原子団が いられる。好ましい例としては、ハロゲン 子(-F、-Br、-Cl、-I)、ヒドロキシル基、アル キシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、 ルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル チオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N- ルキルアミノ基、N,N-ジアリールアミノ基、N -アルキル-N-アリールアミノ基、アシルオキ 基、カルバモイルオキシ基、ν-アルキルカ バモイルオキシ基、N-アリールカルバモイル オキシ基、N,N-ジアルキルカルバモイルオキ 基、N,N-ジアリールカルバモイルオキシ基、N -アルキル-N-アリールカルバモイルオキシ基 アルキルスルホキシ基、アリールスルホキ 基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N-アル キルアシルアミノ基、N-アリールアシルアミ 基、ウレイド基、N’-アルキルウレイド基 N’,N’-ジアルキルウレイド基、N’-アリー ウレイド基、N’,N’-ジアリールウレイド基 N’-アルキル-N’-アリールウレイド基、N-ア ルキルウレイド基、N-アリールウレイド基、N ’-アルキル-N-アルキルウレイド基、N’-アル キル-N-アリールウレイド基、N’,N’-ジアル ル-N-アルキルウレイト基、N’,N’-ジアルキ -N-アリールウレイド基、N’-アリール-ν-ア キルウレイド基、N’-アリール-N-アリール レイド基、N’,N’-ジアリール-N-アルキルウ イド基、N’,N’-ジアリール-N-アリールウレ イド基、N’-アルキル-N’-アリール-N-アルキ ウレイド基、N’-アルキル-N’-アリール-N- リールウレイド基、アルコキシカルボニル ミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基 N-アルキル-N-アルコキシカルボニルアミノ基 、N-アルキル-N-アリーロキシカルボニルアミ 基、N-アリール-N-アルコキシカルボニルア ノ基、N-アリール-N-アリーロキシカルボニル アミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキ シル基、アルコキシカルボニル基、

アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基 、N-アルキルカルバモイル基、N,N-ジアルキル カルバモイル基、N-アリールカルバモイル基 N,N-ジアリールカルバモイル基、N-アルキル- N-アリールカルバモイル基、アルキルスルフ ニル基、アリールスルフィニル基、アルキ スルホニル基、アリールスルホニル基、ス ホ基(-SO 3 H)およびその共役塩基基(以下、スルホナト基 と称す)、アルコキシスルホニル基、アリー キシスルホニル基、スルフィナモイル基、N- アルキルスルフィナモイル基、N,N-ジアルキ スルフィナモイル基、N-アリールスルフィナ モイル基、N,N-ジアリールスルフィナモイル 、N-アルキル-N-アリールスルフィナモイル基 、スルファモイル基、N-アルキルスルファモ ル基、N,N-ジアルキルスルファモイル基、N- リールスルファモイル基、N,N-ジアリールス ルファモイル基、N-アルキル-N-アリールスル ァモイル基、ホスフォノ基(-PO 3 H 2 )およびその共役塩基基(以下、ホスフォナト と称す)、ジアルキルホスフォノ基(-PO 3 (alkyl) 2 )、ジアリールホスフォノ基(-PO 3 (aryl) 2 )、アルキルアリールホスフォノ基(-PO 3 (alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(-PO 3 H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキ ホスフォナト基と称す)、モノアリールホス ォノ基(-PO 3 H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリール ホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ (-OPO 3 H 2 )およびその共役塩基基(以後、ホスフォナト キシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキ シ基(-OPO 3 (alkyl) 2 )、ジアリールホスフォノオキシ基(-OPO 3 (aryl) 2 )、アルキルアリールホスフォノオキシ基(-OPO (alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ (-OPO 3 H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキ ホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリー ホスフォノオキシ基(-OPO 3 H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリール フォスホナトオキシ基と称す)、モルホルノ 、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アル ニル基、アルキニル基が挙げられる。

 これらの置換基における、アルキル基の具 例としては、R 1 ~R 8 において挙げたアルキル基が同様に挙げられ 、アリール基の具体例としては、フェニル基 、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キ シリル基、メシチル基、クメニル基、クロロ フェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチ ルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メト キシフェニル基、エトキシフェニル基、フェ ノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、 ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェ ニル基、フェニルチオフェニル基、メチルア ミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基 、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフ ェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、 エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシ カルボニルフェニル基、N-フェニルカルバモ ルフェニル基、フェニル基、シアノフェニ 基、スルホフェニル基、スルホナトフェニ 基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナト ェニル基等を挙げることができる。また、 ルケニル基の例としては、ビニル基、1-プ ペニル基、1-ブテニル基、シンナミル基、2- ロロ-1-エテニル基等が挙げられ、アルキニ 基の例としては、エチニル基、1-プロピニ 基、1-ブチニル基、トリメチルシリルエチニ ル基等が挙げられる。アシル基(G 1 CO-)におけるG 1 としては、水素、ならびに上記のアルキル基 、アリール基を挙げることができる。

 これら置換基のうち、より好ましいもの してはハロゲン原子(-F、-Br、-Cl、-I)、アル キシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基 アリールチオ基、N-アルキルアミノ基、N,N- アルキルアミノ基、アシルオキシ基、N-ア キルカルバモイルオキシ基、N-アリールカバ モイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル 基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシ カルボニル基、アリーロキシカルボニル基、 カルバモイル基、N-アルキルカルバモイル基 N,N-ジアルキルカルバモイル基、N-アリール ルバモイル基、N-アルキル-N-アリールカル モイル基、スルホ基、スルホナト基、スル ァモイル基、N-アルキルスルファモイル基、 N,N-ジアルキルスルファモイル基、N-アリール スルファモイル基、N-アルキル-N-アリールス ファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォナ 基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリール スフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、 ルキルホスフォナト基、モノアリールホス ォノ基、アリールホスフォナト基、ホスフ ノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、アリ ル基、アルケニル基が挙げられる。

 一方、置換アルキル基におけるアルキレ 基としては好ましくは炭素数1から20までの ルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し 、2価の有機残基としたものを挙げることが き、より好ましくは炭素原子数1から12まで 直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状な びに炭素原子数5から10までの環状のアルキ ン基を挙げることができ、さらに好ましく 炭素原子数1から8までの直鎖状、炭素原子数 3から8までの分岐状ならびに炭素原子数5から 8までの環状のアルキレン基を挙げることが きる。該置換基とアルキレン基を組み合わ る事により得られる置換アルキル基の、好 しい具体例としては、クロロメチル基、ブ モメチル基、2-クロロエチル基、トリフルオ ロメチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシ メチル基、メトキシエトキシエチル基、アリ ルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メ チルチオメチル基、トリルチオメチル基、エ チルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピ ル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキ シメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N- クロヘキシルカルバモイルオキシエチル基 N-フェニルカルバモイルオキシエチル基、 セチルアミノエチル基、N-メチルベンゾイル アミノプロピル基、2-オキシエチル基、2-オ シプロピル基、カルボキシプロピル基、メ キシカルボニルエチル基、アリルオキシカ ボニルブチル基、

クロロフェノキシカルボニルメチル基、カ ルバモイルメチル基、N-メチルカルバモイル チル基、N,N-ジプロピルカルバモイルメチル 基、N-(メトキシフェニル)カルバモイルエチ 基、N-メチル-N-(スルホフェニル)カルバモイ メチル基、スルホブチル基、スルホナトブ ル基、スルファモイルブチル基、N-エチル ルファモイルメチル基、N,N-ジプロピルスル ァモイルプロピル基、N-トリルスルファモ ルプロピル基、N-メチル-N-(ホスフォノフェ ル)スルファモイルオクチル基、ホスフォノ チル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチ ホスフォノブチル基、ジフェニルホスフォ プロピル基、メチルホスフォノブチル基、 チルホスフォナトブチル基、トリルホスフ ノへキシル基、トリルホスフォナトヘキシ 基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフ ナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネ ル基、α-メチルベンジル基、1-メチル-1-フ ニルエチル基、p-メチルベンジル基、シンナ ミル基、アリル基、1-プロペニルメチル基、2 -ブテニル基、2-メチルアリル基、2-メチルプ ペニルメチル基、2-プロピニル基、2-ブチニ ル基、3-ブチニル基等を挙げることができる

 L 1 は単結合又は多価の有機連結基を表す。ここ で単結合とはポリマーの主鎖とXが連結鎖な に直接結合していることを表す。L 1 が有機連結基を表す場合、L 1 は非金属原子からなる多価の連結基を表し、 0個から60個までの炭素原子、0個から10個まで の窒素原子、0個から50個までの酸素原子、0 から100個までの水素原子、及び0個から20個 での硫黄原子から成り立つものである。具 的には、-N<、脂肪族基、芳香族基、複素 基、及びそれらの組合せから選ばれること 好ましく、-O-、-S-、-CO-、-NH-、あるいは、-O- または-S-または-CO-または-NH-を含む組合せで 2価の連結基であることが好ましい。
 より具体的な連結基としては下記の構造単 またはこれらが組合わされて構成されるも を挙げることができる。

 L 1 は、より好ましくは、-CH 2 CH 2 CH 2 S-、-CH 2 S-、-CONHCH(CH 3 )CH 2 -、-CONH-、-CO-、-CO 2 -、-CH 2 -である。
 また、L 1 はポリマー又はオリゴマーから形成されてい てもよく、具体的には不飽和二重結合系モノ マーからなるポリアクリレート、ポリメタク リレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニ ル、ポリスチレンなどを含むことが好ましく 、その他の好ましい例として、ポリ(オキシ ルキレン)、ポリウレタン、ポリウレア、ポ エステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリ ーボネート、ポリアミノ酸、ポリシロキサ 等が挙げられ、好ましくは、ポリアクリレ ト、ポリメタクリレート、ポリアクリロニ リル、ポリビニル、ポリスチレンが挙げら 、より好ましくは、ポリアクリレート、ポ メタクリレートである。
 これらポリマー及びオリゴマーに用いられ 構造単位は1種類でもよく、2種類以上であ てもよい。また、L 1 がポリマーまたはオリゴマーの場合は構成す る元素数に制限は特になく、分子量は1,000~1,0 00,000が好ましく、1,000~500,000がさらに好まし 、1,000~200,000が最も好ましい。

 L 2 は単結合又は-CONH-、-NHCONH-、-OCONH-、-SO 2 NH-、-SO 3 -からなる群より選択される構造を1つ以上有 る多価の有機連結基を表す。ここで、単結 とはポリマー主鎖とSi原子が連結基なしに 接結合していることを表す。また、L 2 中に、前記構造は2つ以上存在してもよく、 の場合には、互いに同じものでも、異なる のであってもよい。前記構造を1つ以上含む であれば、他の構造はL 1 で挙げられたものと同様の構造を有すること ができる。

 また、Xは親水性基であって、-OH、-OR a 、-COR a 、-CO 2 R e 、-CON(R a )(R b )、-N(R a )(R b )、-NHCOR d 、-NHCO 2 R a 、-OCON(R a )(R b )、-NHCON(R a )(R b )、-SO 3 R e 、-OSO 3 R e 、-SO 2 R d 、-NHSO 2 R d 、-SO 2 N(R a )(R b )、-N(R a )(R b )(R c )、-N(R a )(R b )(R c )(R g )、-PO 3 (R e )(R f )、-OPO 3 (R e )(R f )、または-PO 3 (R d )(R e )を表す。ここで、R a 、R b 及びR c は、それぞれ独立に、水素原子または直鎖( ましくは炭素数1~8)、分岐または環状のアル ル基を表し、R d は、直鎖(好ましくは炭素数1~8)、分岐または 状のアルキル基を表し、R e 、R f は、それぞれ独立に、水素原子または直鎖( ましくは炭素数1~8)、分岐または環状のアル ル基、アルカリ金属、アルカリ土類金属、 たはオニウムを表し、R g は、ハロゲンイオン、無機アニオン、または 有機アニオンを表す。また、-CON(R a )(R b )、-OCON(R a )(R b )、-NHCON(R a )(R b )、-SO 2 N(R a )(R b )-PO 3 (R e )(R f )、-OPO 3 (R e )(R f )、-PO 3 (R d )(R e )、-N(R a )(R b )(R c )又は-N(R a )(R b )(R c )(R g )についてR a ~R g がお互い結合して環を形成していてもよく、 また、形成された環は酸素原子、硫黄原子、 窒素原子などのヘテロ原子を含むヘテロ環で あってもよい。R a ~R g はさらに置換基を有していてもよく、ここで 導入可能な置換基としては、前記R 1 ~R 8 がアルキル基の場合に導入可能な置換基とし て挙げたものを同様に挙げることができる。

 R a 、R b 又はR c としては具体的には水素原子、メチル基、エ チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基 、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イ ソプロピル基、イソブチル基、s-ブチル基、t -ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル 、1-メチルブチル基、イソヘキシル基、2-エ ルヘキシル基、2-メチルヘキシル基、シク ペンチル基等が好適に挙げられる。
 R d としては具体的には、メチル基、エチル基、 プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシ ル基、ヘプチル基、オクチル基、イソプロピ ル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル 、イソペンチル基、ネオペンチル基、1-メチ ルブチル基、イソヘキシル基、2-エチルヘキ ル基、2-メチルヘキシル基、シクロペンチ 基等が好適に挙げられる。
 R e 、R f としては具体的には、R a ~R d で挙げられるアルキル基の他に、水素原子; チウム、ナトリウム、カリウム等のアルカ 金属;カルシウム、バリウム等のアルカリ土 金属、または、アンモニウム、ヨードニウ 、スルホニウムなどのオニウムが挙げられ 。
 R g のハロゲンイオンとしてはフッ素イオン、塩 素イオン、臭素イオンを挙げることでき、無 機アニオンとしては硝酸アニオン、硫酸アニ オン、テトラフルオロホウ酸アニオン、ヘキ サフルオロリン酸アニオン等が、有機アニオ ンとしてはメタンスルホン酸アニオン、トリ フルオロメタンスルホン酸アニオン、ノナフ ルオロブタンスルホン酸アニオン、p-トルエ スルホン酸アニオン等が好適に挙げられる
 また、このようなXとしては、-CO 2 - Na + 、-CONH 2 、-SO 3 - Na + 、-SO 2 NH 2 、-PO 3 H 2 等が好ましい。

 x及びyは(A)親水性ポリマーにおける、一般 (I-a)で表される構造単位と一般式(I-b)で表さ る構造単位の共重合比(組成比)を表す。xは0 <x<100、yは0<y<100であり、x+y=100となる 数を表す。x:yは、50:50~90:10の範囲であること 好ましく、70:30~90:10の範囲であることがさ に好ましい。一般式(I-a)で表される構造単位 を50%以上とすることにより、高い親水性が発 現され、一般式(I-b)で表される構造単位を50% 上とすることにより、架橋が強固になる。
 なお、ここで、ポリマー鎖を構成する構造 位である(I-a)及び(I-b)は、それぞれすべて同 じものであっても、異なる複数の構造単位を 含むものであってもよく、その場合、一般式 (I-a)に相当する構造単位と一般式(I-b)に相当 る構造単位の重合モル比が上記範囲である とが好ましい。

 以下に、一般式(I-a)及び(I-b)で表される構 造単位を含む親水性ポリマーの具体例をその 質量平均分子量(M.W.)とともに以下に示すが、 本発明はこれらに限定されるものではない。 なお、以下に示す具体例のポリマーは、記載 される各構造単位が記載のモル比で含まれる ランダム共重合体であることを意味する。

 特に下記化合物AおよびBが好ましい。

 一般式(I-a)及び(I-b)で表される構造単位を有 する親水性ポリマーを合成する各化合物は、 市販されており、また容易に合成することも できる。
 一般式(I-a)及び(I-b)で表される構造単位を有 する親水性ポリマーを合成するためのラジカ ル重合法としては、従来公知の方法の何れを も使用することができる。具体的には、一般 的なラジカル重合法は、例えば、新高分子実 験学3、高分子の合成と反応1(高分子学会編、 共立出版)、新実験化学講座19、高分子化学(I) (日本化学会編、丸善)、物質工学講座、高分 合成化学(東京電気大学出版局)等に記載さ ており、これらを適用することができる。

 また、一般式(I-a)で表される構造単位及 一般式(I-b)で表される構造単位を有する親水 性ポリマーは、後述するような他のモノマー との共重合体であってもよい。用いられる他 のモノマーとしては、例えば、アクリル酸エ ステル類、メタクリル酸エステル類、アクリ ルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエ ステル類、スチレン類、アクリル酸、メタク リル酸、アクリロニトリル、無水マレイン酸 、マレイン酸イミド等の公知のモノマーも挙 げられる。このようなモノマー類を共重合さ せることで、製膜性、膜強度、親水性、疎水 性、溶解性、反応性、安定性等の諸物性を改 善することができる。

 アクリル酸エステル類の具体例としては メチルアクリレート、エチルアクリレート (n-またはi-)プロピルアクリレート、(n-、i- sec-またはt-)ブチルアクリレート、アミルア リレート、2-エチルヘキシルアクリレート ドデシルアクリレート、クロロエチルアク レート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、 2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒド キシペンチルアクリレート、シクロヘキシ アクリレート、アリルアクリレート、トリ チロールプロパンモノアクリレート、ペン エリスリトールモノアクリレート、ベンジ アクリレート、メトキシベンジルアクリレ ト、クロロベンジルアクリレート、ヒドロ シベンジルアクリレート、ヒドロキシフェ チルアクリレート、ジヒドロキシフェネチ アクリレート、フルフリルアクリレート、 トラヒドロフルフリルアクリレート、フェ ルアクリレート、ヒドロキシフェニルアク レート、クロロフェニルアクリレート、ス ファモイルフェニルアクリレート、2-(ヒド キシフェニルカルボニルオキシ)エチルアク レート等が挙げられる。

 メタクリル酸エステル類の具体例として 、メチルメタクリレート、エチルメタクリ ート、(n-またはi-)プロピルメタクリレート (n-、i-、sec-またはt-)ブチルメタクリレート アミルメタクリレート、2-エチルヘキシル タクリレート、ドデシルメタクリレート、 ロロエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエ チルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピル タクリレート、2-ヒドロキシペンチルメタ リレート、シクロヘキシルメタクリレート アリルメタクリレート、トリメチロールプ パンモノメタクリレート、ペンタエリスリ ールモノメタクリレート、ベンジルメタク レート、メトキシベンジルメタクリレート クロロベンジルメタクリレート、ヒドロキ ベンジルメタクリレート、ヒドロキシフェ チルメタクリレート、ジヒドロキシフェネ ルメタクリレート、フルフリルメタクリレ ト、テトラヒドロフルフリルメタクリレー 、フェニルメタクリレート、ヒドロキシフ ニルメタクリレート、クロロフェニルメタ リレート、スルファモイルフェニルメタク レート、2-(ヒドロキシフェニルカルボニル キシ)エチルメタクリレート等が挙げられる

 アクリルアミド類の具体例としては、ア リルアミド、N-メチルアクリルアミド、N-エ チルアクリルアミド、N-プロピルアクリルア ド、N-ブチルアクリルアミド、N-ベンジルア クリルアミド、N-ヒドロキシエチルアクリル ミド、N-フェニルアクリルアミド、N-トリル アクリルアミド、N-(ヒドロキシフェニル)ア リルアミド、N-(スルファモイルフェニル)ア リルアミド、N-(フェニルスルホニル)アクリ ルアミド、N-(トリルスルホニル)アクリルア ド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-メチル-N -フェニルアクリルアミド、N-ヒドロキシエチ ル-N-メチルアクリルアミド等が挙げられる。

 メタクリルアミド類の具体例としては、 タクリルアミド、N-メチルメタクリルアミ 、N-エチルメタクリルアミド、N-プロピルメ クリルアミド、N-ブチルメタクリルアミド N-ベンジルメタクリルアミド、N-ヒドロキシ チルメタクリルアミド、N-フェニルメタク ルアミド、N-トリルメタクリルアミド、N-(ヒ ドロキシフェニル)メタクリルアミド、N-(ス ファモイルフェニル)メタクリルアミド、N-( ェニルスルホニル)メタクリルアミド、N-(ト リルスルホニル)メタクリルアミド、N,N-ジメ ルメタクリルアミド、N-メチル-N-フェニル タクリルアミド、N-ヒドロキシエチル-N-メチ ルメタクリルアミド等が挙げられる。

 ビニルエステル類の具体例としては、ビニ アセテート、ビニルブチレート、ビニルベ ゾエート等が挙げられる。
 スチレン類の具体例としては、スチレン、 チルスチレン、ジメチルスチレン、トリメ ルスチレン、エチルスチレン、プロピルス レン、シクロヘキシルスチレン、クロロメ ルスチレン、トリフルオロメチルスチレン エトキシメチルスチレン、アセトキシメチ スチレン、メトキシスチレン、ジメトキシ チレン、クロロスチレン、ジクロロスチレ 、ブロモスチレン、ヨードスチレン、フル ロスチレン、カルボキシスチレン等が挙げ れる。

 共重合体の合成に使用されるこれらの他 モノマーの割合は、諸物性の改良に十分な である必要があるが、親水性膜としての機 が十分であり、(A)親水性ポリマーを添加す 利点を十分得るために、割合は大きすぎな ほうが好ましい。従って、(A)親水性ポリマ 中の他のモノマーの好ましい総割合は80質 %以下であることが好ましく、さらに好まし は50質量%以下である。

 (A)親水性ポリマーの分子量としては、1,00 0~1,000,000が好ましく、1,000~500,000がさらに好ま しく、1,000~200,000が最も好ましい。

 本発明に係る親水性膜中の親水性ポリマ の含量は、本発明の親水性組成物の不揮発 成分に対して(固形分に対して)、硬化性と 水性の観点から、50質量%以上、好ましくは90 質量%以上である。含量を50質量%以上にする とにより、充分な親水性と架橋性を確保で る。これらは単独で用いても2種以上併用し もよい。

 本発明の親水性組成物は、前記一般式(I-a )で表される構造単位と前記一般式(I-b)で表さ れる構造単位とを少なくとも有する親水性ポ リマー以外に、その他の親水性ポリマーを含 んでもよい。該その他の親水性ポリマーとし ては下記一般式(II)で示される構造を有する のが好ましい。

 一般式(II)中、R 1 、R 2 はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基を 表し、Xは反応性基を表し、AおよびL 1 は、それぞれ独立に単結合または連結基を示 し、Yは-NHCOR 9 、-CONH 2 、-CON(R 9 ) 2 、-COR 9 、-OH、-CO 2 M、-SO 3 M、-PO 3 M、-OPO 3 M又は-N(R 9 ) 3 Z 1 を表し、ここで、R 9 はアルキル基、アリール基、又はアラルキル 基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、ア カリ土類金属又はオニウムを表し、Z 1 はハロゲンイオンを表す。

 「反応性基」は、金属アルコキシドの加水 解、重縮合物に反応して化学結合を形成で る官能基を意味する。また、反応性基同士 化学結合を形成してもよい。親水性ポリマ は、水溶性であることが好ましく、金属ア コキシドの加水分解、重縮合物と反応する とにより水不溶性になることが好ましい。
 化学結合は、通常の意味と同様に、共有結 、イオン結合、配位結合、水素結合を含む 化学結合は、共有結合であることが好まし 。
 反応性基は、一般には、ポリマーの架橋剤 含まれる反応性基と同様であり、熱または により架橋を形成できる化合物である。架 剤について、「架橋剤ハンドブック」山下 三、金子東助著、大成社刊(1981)に記載があ 。

 反応性基の例は、カルボキシル(HOOC-)、その 塩(MOOC-、Mはカチオン)、無水カルボン酸基(例 えば、無水コハク酸、無水フタル酸または無 水マレイン酸から誘導される一価の基)、ア ノ(H 2 N-)、ヒドロキシル(HO-)、エポキシ基(例、グリ シジル基)、メチロール(HO-CH 2 -)、メルカプト(HS-)、イソシアナート(OCN-)、 ロックイソシアナート基、アルコキシシリ 基、アルコキシチタネート基、アルコキシ ルミネート、アルコキシジルコネート基、 チレン性不飽和二重結合、エステル結合、 トラゾール基を含む。反応性基としては、 ルコキシシリル基が最も好ましい。片末端 は、2以上の反応性基を有していてもよい。2 以上の反応性基は、互いに異なっていてもよ い。

 連結基AおよびL 1 は、それぞれ独立に単結合または、-O-、-S-、 -CO-、-NH-、-N<、脂肪族基、芳香族基、複素 基、およびそれらの組合せから選ばれるこ が好ましい。連結基は、-O-、-S-、-CO-、-NH- あるいは、-O-、-S-、-CO-、-NH-を含む組合せで あることが好ましい。
 一般式(II)で表される構造を有する親水性ポ リマーは、片末端に反応性基を有する親水性 ポリマーであり、例えば、連鎖移動剤(ラジ ル重合ハンドブック(エヌ・ティー・エス、 池幹治、遠藤剛)に記載)やIniferter(Macromolecule s1986,19,p287-(Otsu)に記載)の存在下に、親水性モ ノマー(例、アクリルアミド、アクリル酸、 タクリル酸3-スルホプロピルのカリウム塩) ラジカル重合させることにより合成できる 連鎖移動剤の例は、3-メルカプトプロピオン 酸、2-アミノエタンチオール塩酸塩、3-メル プトプロパノール、2-ヒドロキシエチルジス ルフィド、3-メルカプトプロピルトリメトキ シランを含む。また、連鎖移動剤を使用せ 、反応性基(例、カルボキシル)を有するラ カル重合開始剤を用いて、親水性モノマー( 、アクリルアミド)をラジカル重合させても よい。

 一般式(II)で表される構造を有する親水性 ポリマーの質量平均分子量は、8000~10万が好 しく、1万~4万がより好ましい。

 上記一般式(II)において、R 1 、R 2 はそれぞれ独立に、水素原子又は炭化水素基 を表す。炭化水素基としては、炭素数1~8の炭 化水素基であることが好ましく、炭素数1~8の アルキル基、アリール基などが挙げられ、直 鎖、分岐又は環状のアルキル基が好ましい。 具体的には、メチル基、エチル基、プロピル 基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘ プチル基、オクチル基、イソプロピル基、イ ソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、イソ ンチル基、ネオペンチル基、1-メチルブチル 基、イソヘキシル基、2-エチルヘキシル基、2 -メチルヘキシル基、シクロペンチル基等が げられる。R 1 、R 2 は、効果及び入手容易性の観点から、好まし くは水素原子、メチル基又はエチル基である 。

 これらの炭化水素基は更に置換基を有し いてもよい。アルキル基が置換基を有する き、置換アルキル基は置換基とアルキレン との結合により構成され、ここで、置換基 しては、水素を除く一価の非金属原子団が いられる。好ましい例としては、ハロゲン 子(-F、-Br、-Cl、-I)、アルコキシ基、アリー キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基 N-アルキルアミノ基、N,N-ジアルキルアミノ 、アシルオキシ基、N-アルキルカルバモイ オキシ基、N-アリールカバモイルオキシ基、 アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カ ルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ア リーロキシカルボニル基、カルバモイル基、 N-アルキルカルバモイル基、N,N-ジアルキルカ ルバモイル基、N-アリールカルバモイル基、N -アルキル-N-アリールカルバモイル基、スル 基、スルホナト基、スルファモイル基、N-ア ルキルスルファモイル基、N,N-ジアルキルス ファモイル基、N-アリールスルファモイル基 、N-アルキル-N-アリールスルファモイル基、 スフォノ基、ホスフォナト基、ジアルキル スフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モ アルキルホスフォノ基、アルキルホスフォ ト基、モノアリールホスフォノ基、アリー ホスフォナト基、ホスフォノオキシ基、ホ フォナトオキシ基、アリール基、アルケニ 基が挙げられる。

 一方、置換アルキル基におけるアルキレ 基としては好ましくは炭素数1から20までの ルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し 、2価の有機残基としたものを挙げることが き、より好ましくは炭素原子数1から12まで 直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状な びに炭素原子数5から10までの環状のアルキ ン基を挙げることができ、さらに好ましく 炭素原子数1から8までの直鎖状、炭素原子数 3から8までの分岐状ならびに炭素原子数5から 8までの環状のアルキレン基を挙げることが きる。該置換基とアルキレン基を組み合わ る事により得られる置換アルキル基の、好 しい具体例としては、クロロメチル基、ブ モメチル基、2-クロロエチル基、トリフルオ ロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエ トキシエチル基、アリルオキシメチル基、フ ェノキシメチル基、メチルチオメチルと、ト リルチオメチル基、エチルアミノエチル基、 ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロ ピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイ ルオキシメチル基、N-シクロヘキシルカルバ イルオキシエチル基、N-フェニルカルバモ ルオキシエチルル基、アセチルアミノエチ 基、N-メチルベンゾイルアミノプロピル基、 2-オキシエチル基、2-オキシプロピル基、カ ボキシプロピル基、メトキシカルボニルエ ル基、アリルオキシカルボニルブチル基、

クロロフェノキシカルボニルメチル基、カ ルバモイルメチル基、N-メチルカルバモイル チル基、N,N-ジプロピルカルバモイルメチル 基、N-(メトキシフェニル)カルバモイルエチ 基、N-メチル-N-(スルホフェニル)カルアバモ ルメチル基、スルホブチル基、スルホナト チル基、スルファモイルブチル基、N-エチ スルファモイルメチル基、N,N-ジプロピルス ファモイルプロピル基、N-トリルスルファ イルプロピル基、N-メチル-N-(ホスフォノフ ニル)スルファモイルオクチル基、ホスフォ ブチル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエ ルホスフォノブチル基、ジフェニルホスフ ノプロピル基、メチルホスフォノブチル基 メチルホスフォナトブチル基、トリルホス ォノへキシル基、トリルホスフォナトヘキ ル基、ホスフォノオキシプロピル基、ホス ォナトオキシブチル基、ベンジル基、フェ チル基、α-メチルベンジル基、1-メチル-1- ェニルエチル基、p-メチルベンジル基、シン ナミル基、アリル基、1-プロペニルメチル基 2-ブテニル基、2-メチルアリル基、2-メチル ロペニルメチル基、2-プロピニル基、2-ブチ ニル基、3-ブチニル基等を挙げることができ 。

 AおよびL 1 は単結合又は有機連結基を表す。ここで、A よびL 1 が有機連結基を表す場合、AおよびL 1 は非金属原子からなる多価の連結基を示し、 具体的には、0個から60個までの炭素原子、0 から10個までの窒素原子、0個から50個までの 酸素原子、0個から100個までの水素原子、及 0個から20個までの硫黄原子から成り立つも である。より具体的な連結基としては下記 構造単位またはこれらが組合わされて構成 れるものを挙げることができる。

 AおよびL 1 は、より好ましくは、-CH 2 CH 2 CH 2 S-、-CH 2 S-、-CONHCH(CH 3 )CH 2 -、-CONH-、-CO-、-CO 2 -、-CH 2 -である。
 また、Yは-NHCOR 9 、-CONH 2 、-CON(R 9 ) 2 、-COR 9 、-OM、-CO 2 M、-SO 3 M、-PO 3 M、-OPO 3 M又は-N(R 9 ) 3 Z 1 を表し、ここで、R 9 は、直鎖、分岐又は環状のアルキル基、アリ ール基、アラルキル基を表し、Mは水素原子 アルカリ金属、アルカリ土類金属又はオニ ムを表し、Z 1 はハロゲンイオンを表す。また、-CON(R 9 ) 2 のように複数のR 9 を有する場合、R 9 同士が結合して環を形成していてもよく、ま た、形成された環は酸素原子、硫黄原子、窒 素原子などのヘテロ原子を含むヘテロ環であ ってもよい。R 9 はさらに置換基を有していてもよく、ここで 導入可能な置換基としては、前記R 1 、R 2 がアルキル基の場合に導入可能な置換基とし て挙げたものを同様に挙げることができる。

 R 9 としては、具体的には、メチル基、エチル基 、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキ シル基、ヘプチル基、オクチル基、イソプロ ピル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチ 基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1-メ チルブチル基、イソヘキシル基、2-エチルヘ シル基、2-メチルヘキシル基、シクロペン ル基等が好適に挙げられる。また、Mとして 、水素原子;リチウム、ナトリウム、カリウ ム等のアルカリ金属;カルシウム、バリウム のアルカリ土類金属、又は、アンモニウム ヨードニウム、スルホニウムなどのオニウ が挙げられる。Yとしては、具体的には、-NHC OCH 3 、-CONH 2 、-COOH、-SO 3 - NMe 4 + 、モルホリル基等が好ましい。

 本発明に好適に用い得ることができる一 式(II)で表される構造を有する親水性ポリマ ーの具体例を以下に示すが、本発明はこれら に限定されるものではない。

 上記に例示した親水性ポリマーは、例え 、下記一般式(i)で表されるラジカル重合可 なモノマーと、下記一般式(ii)で表されるラ ジカル重合において連鎖移動能を有するシラ ンカップリング剤を用いてラジカル重合する ことにより合成することができる。シランカ ップリング剤(ii)が連鎖移動能を有するため ラジカル重合においてポリマー主鎖末端に ランカップリング基が導入されたポリマー 合成することができる。

 上記式(i)及び(ii)において、A、R 1 ~R 2 、L 1 、Y、Xは、各々上記一般式(II)におけるものと 同義である。また、これらの化合物は、市販 されており、また容易に合成することもでき る。

 前記一般式(I-a)で表される構造単位と一般 (I-b)で表される構造単位とを少なくとも有す る親水性ポリマーを親水性ポリマーIとし、 記一般式(II)で表される構造を有する親水性 リマーを親水性ポリマーIIとすると、両者 比率は質量比(親水性ポリマーI/親水性ポリ ーII)が50/50~95/5であることが好ましい。
 一般式(I-a)で表される構造単位と一般式(I-b) で表される構造単位とを少なくとも有する親 水性ポリマーの含量が少ないと、すなわち一 般式(II)で表される構造を有する親水性ポリ ーの含量が多いと十分な耐水性が得られな 。なおここで、不揮発成分とは、揮発する 媒を除いた成分をいう。

〔(B)防かび作用を有する添加剤〕
 かびの種類としては青カビ、黒カビ、黄カ 、くもの巣カビ、赤カビ、粉状カビ、黒斑 が一般的に知られており、これらのカビ発 を抑制する添加剤としては以下のもがあり 本発明に用いることができる。例えば有機 、無機系、天然物系抗菌剤(防かび剤ともい う)が挙げられ、公知のものが使用でき、特 限定されるものではないが一例をあげると 記のようなものがある。親水性部材の親水 を低下させない化合物を用いることが好ま く、水溶性有機化合物および銀系無機化合 から選ばれた少なくとも1種からなるものが ましい。
 例えば本発明に用いることのできる防かび は(株)東レリサーチセンター発刊の抗菌・ かび技術に記載されているものを用いるこ ができる。
 以下の例を挙げる。

(有機系の抗菌剤)
 フェノールエーテル誘導体,イミダゾール誘 導体,スルホン誘導体,N・ハロアルキルチオ化 合物,アニリド誘導体,ピロール誘導体,第4ア モニウム塩、ピリジン系、トリアジン系、 ンゾイソチアゾリン系、イソチアゾリン系 どが挙げられる。
 具体的には、例えば2-(4-チオシアノメチル) ンズイミダゾール、1,2-ベンゾチアゾロン、 1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、N-フルオル ジクロロメチルチオ-フタルイミド、2,3,5,6-テ トラクロロイソフタロニトリル、N-トリクロ メチルチオ-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボ シイミド、8-キノリン酸銅、ビス(トリブチ 錫)オキシド、2-(4-チアゾリル)ベンズイミダ ール〈以後、TBZと表示〉、2-ベンズイミダ ールカルバミン酸メチル〈以後、BCMと表示 、10,10'-オキシビスフェノキシアルシン〈以 、OBPAと表示〉、2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチ ルスルフォン)ピリジン、ビス(2-ピリジルチ -1-オキシド)亜鉛〈以後、ZPTと表示〉、N,N-ジ メチル-N'-(フルオロジクロロメチルチオ)-N’- フェニルスルファミド〈ジクロルフルアニド 〉、ポリ-(ヘキサメチレンビグアニド)ハイド ロクロライド、ジチオ-2-2'-ビス(ベンズメチ アミド)、2-メチル-4,5-トリメチレン-4-イソチ アゾリン-3-オン、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロ ンジオール、ヘキサヒドロ-1,3-トリス-(2-ヒ ロキシエチル)-S-トリアジン、p-クロロ-m-キ レノール、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン メチルフェノール等が挙げられる。
 これら抗菌剤は親水性、耐水性、昇華性、 全性等を考慮し、適宜選択して使用するこ ができる。有機系では、親水性、抗菌効果 コストの点から2-(4-チオシアノメチル)ベン イミダゾール、1,2-ベンゾチアゾロン、メチ ルフェノール、TBZ、BCM、OBPA、ZPTが好ましい

(無機系抗菌剤)
 殺菌作用の高い順に、水銀、銀、銅、亜鉛 鉄、鉛、ビスマスなどが挙げられる。例え 、銀、銅、亜鉛、ニッケル等の金属や金属 オンをケイ酸塩系担体、リン酸塩系担体、 化物、ガラスやチタン酸カリウム、アミノ 等に担持させたものが挙げられる。たとえ ゼオライト系抗菌剤、ケイ酸カルシウム系 菌剤、リン酸ジルコニウム系抗菌剤、リン カルシウム抗菌剤、酸化亜鉛系抗菌剤、溶 性ガラス系抗菌剤、シリカゲル系抗菌剤、 性炭系抗菌剤、酸化チタン系抗菌剤、チタ ア系抗菌剤、有機金属系抗菌剤、イオン交 体セラミックス系抗菌剤、層状リン酸塩-四 級アンモニウム塩系抗菌剤、抗菌ステンレス 等が挙げられる。銀系無機抗菌剤と水溶性有 機抗菌剤が最も好ましい。特にケイ酸塩系担 体であるゼオライトに銀を担持させたケイ酸 塩銀ゼオライトやシリカゲルに銀を担持させ たものが好ましい。

(天然系抗菌剤)
 カニやエビの甲殻等に含まれるキチンを加 分解して得られる塩基性多糖類のキトサン ある。アミノ酸の両側に金属を複合させた ミノメタルから成る日鉱の「商品名ホロン ラービースセラ」が好ましい。

 前述した有機、無機、天然系抗菌剤のうち に好ましいものはメチルフェノール、TBZ、B CM、OBPA、ZPT、及びケイ酸塩銀ゼオライトから 選ばれた少なくとも1種であり、最も好まし ものは、TBZ、BCM、OBPA、ZPT、及びケイ酸塩銀 オライトから選ばれた少なくとも1種である 。
 これらは本発明の親水性組成物との相溶性 高く、親水性塗膜中に均一に分散されるた に耐水試験により防カビ剤が水中に溶け出 ことなく耐水試験後も優れた防カビ性を得 ことができる。
 また一般的に比較的低分子量化合物である 菌剤と、後述する界面活性剤とを併用する とで、抗菌剤と界面活性剤をともにマイグ ートすることで親水性を大幅に低下させる となく表面に有効的に抗菌作用を付与する 果もあると考えられる。抗菌剤の分子量と ては200~1000が好ましく、300~700がより好まし 。抗菌剤の分子量が200以上であれば膜乾燥 にブリードアウトすることがなく、好まし 。また分子量が1000以下であれば膜中に均一 に分散するため効果が大きく、好ましい。

 防かび作用を有する添加剤の含有量は、一 的には親水性組成物の全体の固形分に対し 0.001~10質量%であるが、0.005~5質量%が好まし 、0.01~3質量%がより好ましく、0.02~1.5質量%が に好ましく、0.05~1質量%が最も好ましい。含 有量が0.001質量%以上であれば優れた抗菌効果 を得ることができる。また、含有量が10質量% 以下であれば親水性も低下せず、十分な防か び機能を発揮する。また親水性組成物に含有 される防かび作用を有する添加剤は1種でも2 以上でもよい。
 このような防かび剤を用いた防カビ効果の 価方法としては、本明細書実施例に記載の 視判断のほかJIS-Z2911の防かび抵抗試験方法 用いることもできる。

〔(C)Si、Ti、Zr、Alから選択される金属元素〕
 本発明で好ましく用いられる(C)Si、Ti、Zr、A lから選択される金属元素は、Si、Ti、Zr、Alか ら選択される金属元素のアルコキシド化合物 (以下(C)金属アルコキシド化合物または(C)ア コキシド化合物と称する場合がある)を親水 組成物に添加することにより用いることが ましい。
 金属アルコキシド化合物はその構造中に重 性の官能基を有し、架橋剤としての機能を たす加水分解重合性化合物であり、(A)親水 ポリマーと縮重合することで、架橋構造を する強固な被膜を形成する。
 また、金属アルコキシド化合物を加水分解 縮重合した架橋構造は、架橋密度の高い硬 膜であり、強度に優れた耐久性の良い皮膜 形成する。そのため、ガラス基板またはプ スチック基板等の基材上に設けた親水性層 、製造時などのハンドリング時における曲 に対して、ひび割れなどの故障を起こすこ なく、常に、正常な親水層表面を提供でき 。

 本発明で用いられる(C)金属アルコキシド化 物は、その構造中に加水分解して重縮合可 な官能基を有し、架橋剤としての機能を果 す加水分解重合性化合物であり、金属アル キシド同士が重縮合することにより架橋構 を有する強固な架橋皮膜を形成し、さらに 前記親水性ポリマーとも化学結合する。金 アルコキシドは下記一般式(I-1)または下記 般式(I-2)で表すことができ、式中、R 10 は水素原子、アルキル基又はアリール基を表 し、R 11 はアルキル基又はアリール基を表し、ZはSi、 Ti又はZrを表し、mは0~2の整数を表す。R 10 及びR 11 がアルキル基を表す場合の炭素数は好ましく は1から4である。アルキル基又はアリール基 置換基を有していてもよく、導入可能な置 基としては、ハロゲン原子、アミノ基、メ カプト基などが挙げられる。なお、この化 物は低分子化合物であり、分子量2000以下で あることが好ましい。

 (R 10 ) m -Z-(OR 11 ) 4-m         (I-1)
  Al-(OR 11 ) 3              (I-2)

 以下に、一般式(I-1)および一般式(I-2)で表さ れる加水分解性化合物の具体例を挙げるが、 本発明はこれに限定されるものではない。
 ZがSiの場合、即ち、加水分解性化合物中に イ素を含むものとしては、例えば、トリメ キシシラン、テトラメトキシシラン、テト エトキシシン、テトラプロポキシシラン、 チルトリメトキシシラン、ジメチルジメト シシラン、γ-クロロプリピルトリエトキシ ラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシ ラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラ 、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニ ジメトキシシラン、等を挙げることができ 。これらのうち特に好ましいものとしては トリメトキシシラン、テトラメトキシシラ 、テトラエトキシシラン、メチルトリメト シシラン、ジメチルジメトキシシラン、フ ニルトリメトキシシラン、等を挙げること できる。

 ZがTiである場合、即ち、チタンを含むもの しては、例えば、トリメトキシチタネート テトラメトキシチタネート、トリエトキシ タネート、テトラエトキシチタネート、テ ラプロポキシタネート、クロロトリメトキ チタネート、クロロトリエトキシチタネー 、エチルトリメトキシチタネート、メチル リエトキシチタネート、エチルトリエトキ チタネート、ジエチルジエトキシチタネー 、フェニルトリメトキシチタネート、フェ ルトリエトキシチタネート等を挙げること できる。ZがZrである場合、即ち、ジルコニ ムを含むものとしては、例えば、前記チタ を含むものとして例示した化合物に対応す ジルコネートを挙げることができる。
 また、中心金属がAlである場合、即ち、加 分解性化合物中にアルミニウムを含むもの しては、例えば、トリメトキシアルミネー 、トリエトキシアルミネート、トリプロポ シアルミネート、トリイソプロポキシアル ネート等を挙げることができる。
 金属アルコキシドのなかでも、反応性、入 の容易性、被膜性の観点からSiのアルコキ ドが好ましく、具体的には、シランカップ ング剤に用いる化合物を好適に使用するこ ができる。

 本発明に係る(C)金属アルコキシド化合物は 単独で用いても2種以上併用してもよい。
 (C)金属アルコキシド化合物は、親水性組成 中、固形分に対して50質量%以下含有される とが好ましく、より好ましくは20質量%以下 ある。
 金属アルコキシド化合物は市販品が容易に 手できるし、公知の合成方法、たとえば各 属塩化物とアルコールとの反応によっても られる。

〔(D)硬化触媒〕
 本発明の親水性組成物においては、(A)親水 ポリマー、(B)防かび作用を有する添加剤、 ましくはさらに(C)金属アルコキシド化合物 どの架橋成分を溶媒に溶解し、よく攪拌す ことで、これらの成分が加水分解、重縮合 、有機-無機複合体ゾル液が形成され、この ゾル溶液によって、高い親水性と高い膜強度 を有する親水性膜が形成される。有機無機複 合体ゾル液の調製において、加水分解及び重 縮合反応を促進するために(D)触媒を用いるこ とが好ましい。触媒を使用することにより、 親水性層皮膜形成するための乾燥温度を低く 設定することが可能であり、抗菌剤や基材板 上での熱変形を抑制できる。

 本発明で用いることができる(D)触媒とし は、前記(C)アルコキシド化合物を加水分解 重縮合し、(A)親水性ポリマーと結合を生起 せる反応を促進する触媒が選択され、酸、 るいは塩基性化合物をそのまま用いるか、 は、酸、あるいは塩基性化合物を水または ルコールなどの溶媒に溶解させた状態のも (以下、これらを包括してそれぞれ酸性触媒 、塩基性触媒とも称する)を用いる。酸、あ いは塩基性化合物を溶媒に溶解させる際の 度については特に限定はなく、用いる酸、 いは塩基性化合物の特性、触媒の所望の含 量などに応じて適宜選択すればよい。ここ 、触媒を構成する酸或いは塩基性化合物の 度が高い場合は、加水分解、重縮合速度が くなる傾向がある。但し、濃度の高い塩基 触媒を用いると、ゾル溶液中で沈殿物が生 する場合があるため、塩基性触媒を用いる 合、その濃度は水溶液での濃度換算で1N以下 であることが望ましい。

 酸性触媒あるいは塩基性触媒の種類は特 限定されないが、濃度の濃い触媒を用いる 要がある場合には乾燥後に塗膜中にほとん 残留しないような元素から構成される触媒 よい。具体的には、酸性触媒としては、塩 などのハロゲン化水素、硝酸、硫酸、亜硫 、硫化水素、過塩素酸、過酸化水素、炭酸 蟻酸や酢酸などのカルボン酸、そのRCOOHで される構造式のRを他元素または置換基によ て置換した置換カルボン酸、ベンゼンスル ン酸などのスルホン酸などが挙げられ、塩 性触媒としては、アンモニア水などのアン ニア性塩基、エチルアミンやアニリンなど アミン類などが挙げられる。

 また、前記の触媒の他に金属錯体からなる イス酸触媒もまた好ましく使用できる。特 好ましい触媒は、金属錯体触媒であり、周 律表の2A、3B、4A及び5A族から選ばれる金属 素とβ-ジケトン、ケトエステル、ヒドロキ カルボン酸又はそのエステル、アミノアル ール、エノール性活性水素化合物の中から ばれるオキソ又はヒドロキシ酸素含有化合 から構成される金属錯体である。
 構成金属元素の中では、Mg、Ca、Sr、Baなど 2A族元素、Al、Gaなどの3B族元素、Ti、Zrなど 4A族元素及びV、Nb及びTaなどの5A族元素が好 しく、それぞれ触媒効果の優れた錯体を形 する。その中でもZr、Al及びTiから得られる 体が優れており、好ましい。

 上記金属錯体の配位子を構成するオキソ はヒドロキシ酸素含有化合物は、本発明に いては、アセチルアセトン(2,4-ペンタンジ ン)、2,4-ヘプタンジオンなどのβジケトン、 セト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセ 酢酸ブチルなどのケトエステル類、乳酸、 酸メチル、サリチル酸、サリチル酸エチル サリチル酸フェニル、リンゴ酸,酒石酸、酒 石酸メチルなどのヒドロキシカルボン酸及び そのエステル、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペン ノン、4-ヒドロキシ-2-ペンタノン、4-ヒドロ キシ-4-メチル-2-ヘプタノン、4-ヒドロキシ-2- プタノンなどのケトアルコール類、モノエ ノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミ ン、N-メチル-モノエタノールアミン、ジエタ ノールアミン、トリエタノールアミンなどの アミノアルコール類、メチロールメラミン、 メチロール尿素、メチロールアクリルアミド 、マロン酸ジエチルエステルなどのエノール 性活性化合物、アセチルアセトン(2,4-ペンタ ジオン)のメチル基、メチレン基またはカル ボニル炭素に置換基を有する化合物が挙げら れる。

 好ましい配位子はアセチルアセトンまた アセチルアセトン誘導体であり、アセチル セトン誘導体は、本発明においては、アセ ルアセトンのメチル基、メチレン基または ルボニル炭素に置換基を有する化合物を指 。アセチルアセトンのメチル基に置換する 換基としては、いずれも炭素数が1~3の直鎖 は分岐のアルキル基、アシル基、ヒドロキ アルキル基、カルボキシアルキル基、アル キシ基、アルコキシアルキル基であり、ア チルアセトンのメチレン基に置換する置換 としてはカルボキシル基、いずれも炭素数 1~3の直鎖又は分岐のカルボキシアルキル基 びヒドロキシアルキル基であり、アセチル セトンのカルボニル炭素に置換する置換基 しては炭素数が1~3のアルキル基であってこ 場合はカルボニル酸素には水素原子が付加 て水酸基となる。

 好ましいアセチルアセトン誘導体の具体 としては、エチルカルボニルアセトン、n- ロピルカルボニルアセトン、i-プロピルカル ボニルアセトン、ジアセチルアセトン、1― セチル-1-プロピオニル-アセチルアセトン、 ドロキシエチルカルボニルアセトン、ヒド キシプロピルカルボニルアセトン、アセト 酸、アセトプロピオン酸、ジアセト酢酸、3 ,3-ジアセトプロピオン酸、4,4-ジアセト酪酸 カルボキシエチルカルボニルアセトン、カ ボキシプロピルカルボニルアセトン、ジア トンアルコールが挙げられる。

 中でも、アセチルアセトン及びジアセチ アセトンがとくに好ましい。上記のアセチ アセトン誘導体と上記金属元素の錯体は、 属元素1個当たりにアセチルアセトン誘導体 が1~4分子配位する単核錯体であり、金属元素 の配位可能の手がアセチルアセトン誘導体の 配位可能結合手の数の総和よりも多い場合に は、水分子、ハロゲンイオン、ニトロ基、ア ンモニオ基など通常の錯体に汎用される配位 子が配位してもよい。

 好ましい金属錯体の例としては、トリス( アセチルアセトナト)アルミニウム錯塩、ジ( セチルアセトナト)アルミニウム・アコ錯塩 、モノ(アセチルアセトナト)アルミニウム・ ロロ錯塩、ジ(ジアセチルアセトナト)アル ニウム錯塩、エチルアセトアセテートアル ニウムジイソプロピレート、アルミニウム リス(エチルアセトアセテート)、環状アルミ ニウムオキサイドイソプロピレート、トリス (アセチルアセトナト)バリウム錯塩、ジ(アセ チルアセトナト)チタニウム錯塩、トリス(ア チルアセトナト)チタニウム錯塩、ジ-i-プロ ポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタニウ 錯塩、ジルコニウムトリス(エチルアセトア セテート)、ジルコニウムトリス(安息香酸)錯 塩、等が挙げられる。これらは水系塗布液で の安定性及び、加熱乾燥時のゾルゲル反応で のゲル化促進効果に優れているが、中でも、 特にエチルアセトアセテートアルミニウムジ イソプロピレート、アルミニウムトリス(エ ルアセトアセテート)、ジ(アセチルアセトナ ト)チタニウム錯塩、ジルコニウムトリス(エ ルアセトアセテート)が好ましい。

 上記した金属錯体の対塩の記載を本明細書 おいては省略しているが、対塩の種類は、 体化合物としての電荷の中性を保つ水溶性 である限り任意であり、例えば硝酸塩、ハ ゲン酸塩、硫酸塩、燐酸塩などの化学量論 中性が確保される塩の形が用いられる。
 金属錯体のシリカゾルゲル反応での挙動に いては、J.Sol-Gel.Sci.and Tec.16.209(1999)に詳細 記載がある。反応メカニズムとしては以下 スキームを推定している。すなわち、塗布 中では、金属錯体は、配位構造を取って安 であり、塗布後の加熱乾燥過程に始まる脱 縮合反応では、酸触媒に似た機構で架橋を 進させるものと考えられる。いずれにして 、この金属錯体を用いたことにより塗布液 時安定性及び皮膜面質の改善と、高親水性 高耐久性の、いずれも満足させるに至った

 (D)触媒は、本発明の親水性組成物中に、 揮発性成分として、好ましくは0~50質量%、 に好ましくは5~25質量%の範囲で使用される。 また、(D)触媒は、単独で用いても2種以上併 してもよい。

 本発明に用いられる親水性組成物は前記( A)親水性ポリマー、(B)防カビ剤を含有し、(C) 属アルコキシド、(D)触媒を含有することが ましく、更に目的に応じて種々の化合物を 本発明の効果を損なわない限りにおいて併 することができる。以下、併用しうる成分( (E)その他の添加剤)について説明する。

〔(E)その他の添加剤〕
(界面活性剤)
 本発明においては、前記親水性組成物の被 面状を向上させるために界面活性剤を用い のが好ましい。界面活性剤としては、ノニ ン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、 チオン性界面活性剤、両性界面活性剤、フ 素系界面活性剤等が挙げられる。

 本発明に用いられるノニオン性界面活性 は、特に限定されず、従来公知のものを用 ることができる。例えば、ポリオキシエチ ンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレ アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシ チレンポリスチリルフェニルエーテル類、 リオキシエチレンポリオキシプロピレンア キルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エ テル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類 ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル 、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステ 類、ショ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオ シエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル 、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸 分エステル類、ポリエチレングリコール脂 酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分 ステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油 、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部 エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類 N,N-ビス-2-ヒドロキシアルキルアミン類、ポ リオキシエチレンアルキルアミン、トリエタ ノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキル アミンオキシド、ポリエチレングリコール、 ポリエチレングリコールとポリプロピレング リコールの共重合体が挙げられる。

 本発明に用いられるアニオン性界面活性 は、特に限定されず、従来公知のものを用 ることができる。例えば、脂肪酸塩類、ア エチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホ 酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアル ルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキ ベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキル ンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレ スルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリ キシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポ オキシエチレンアルキルスルホフェニルエ テル塩類、N-メチル-N-オレイルタウリンナ リウム塩、N-アルキルスルホコハク酸モノア ミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、 硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫 酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類 、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸 エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エ ステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフ ェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキ シエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エ ステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、 ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸 エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキル フェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチ レン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化 類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の 分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホ マリン縮合物類が挙げられる。

 本発明に用いられるカチオン性界面活性剤 、特に限定されず、従来公知のものを用い ことができる。例えば、アルキルアミン塩 、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエ レンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポ アミン誘導体が挙げられる。
 本発明に用いられる両性界面活性剤は、特 限定されず、従来公知のものを用いること できる。例えば、カルボキシベタイン類、 ミノカルボン酸類、スルホベタイン類、ア ノ硫酸エステル類、イミタゾリン類が挙げ れる。
 なお、上記界面活性剤の中で、「ポリオキ エチレン」とあるものは、ポリオキシメチ ン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブ レン等の「ポリオキシアルキレン」に読み えることもでき、本発明においては、それ の界面活性剤も用いることができる。

 本発明に用いられるフッ素系界面活性剤と ては、分子内にパーフルオロアルキル基を 有するフッ素系界面活性剤が挙げられる。 のようなフッ素系界面活性剤としては、例 ば、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、 ーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフ オロアルキルリン酸エステル等のアニオン ;パーフルオロアルキルベタイン等の両性型 ;パーフルオロアルキルトリメチルアンモニ ム塩等のカチオン型;パーフルオロアルキル ミンオキサイド、パーフルオロアルキルエ レンオキシド付加物、パーフルオロアルキ 基及び親水性基を含有するオリゴマー、パ フルオロアルキル基及び親油性基を含有す オリゴマー、パーフルオロアルキル基、親 性基及び親油性基を含有するオリゴマー、 ーフルオロアルキル基及び親油性基を含有 るウレタン等のノニオン型が挙げられる。 た、特開昭62-170950号、同62-226143号及び同60-1 68144号の各公報に記載されているフッ素系界 活性剤も好適に挙げられる。
 界面活性剤は、アニオン性界面活性剤であ ことがより好ましい。
 界面活性剤は、本発明の親水性組成物中に 不揮発性成分として、好ましくは0.001~10質 %、更に好ましくは0.01~5質量%の範囲で使用さ れる。また、界面活性剤は、単独で又は2種 上を組み合わせて用いることができる。

 好ましい界面活性剤の具体例を以下に示 が、本発明はこれらに限定されない。

 界面活性剤と前記一般式(I-a)で表される 造単位と前記一般式(I-b)で表される構造単位 とを少なくとも有する親水性ポリマーを併用 することでより高い親水性表面を形成するこ とができる。十分にメカニズムは解明されて いないが、これは塗膜が乾燥する過程で低分 子量化合物である界面活性剤が塗膜表層にマ イグレートする作用に伴いポリマーセグメン ト中の親水性セグメントが界面活性剤の親水 性部位に引き寄せられることで高い親水性が 得られたと推測する。

(無機微粒子)
 本発明の親水性組成物には、形成される親 性膜の硬化被膜強度向上及び親水性向上の めに無機微粒子を含有してもよい。無機微 子としては、例えば、シリカ、アルミナ、 化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネ ウム、アルギン酸カルシウムまたはこれら 混合物が好適に挙げられる。
 無機微粒子は、平均粒径が、好ましくは5nm~ 10μm、より好ましくは0.5~3μmであるのがよい 上記範囲であると、親水層中に安定に分散 て、親水層の膜強度を十分に保持し、親水 に優れる膜を形成することができる。上述 たような無機微粒子はコロイダルシリカ分 物等の市販品として容易に入手することが きる。

 本発明に係る無機微粒子は、本発明の親 性組成物中に、不揮発性成分として、好ま くは20質量%以下、より好ましくは10質量%以 の範囲で使用される。また、無機微粒子は 単独で又は2種以上を組み合わせて用いるこ とができる。

(酸化防止剤)
 本発明の親水性部材の安定性向上のため、 水性層形成用塗布液に酸化防止剤を添加す ことができる。酸化防止剤としては、ヨー ッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号 報、同第309402号公報、同第310551号公報、同 310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開 許第3435443号公報、特開昭54-48535号公報、同6 2-262047号公報、同63-113536号公報、同63-163351号 報、特開平2-262654号公報、特開平2-71262号公 、特開平3-121449号公報、特開平5-61166号公報 特開平5-119449号公報、米国特許第4814262号明 書、米国特許第4980275号明細書等に記載のも のを挙げることができる。
 添加量は目的に応じて適宜選択されるが、 形分換算で0.1~8質量%であることが好ましい

(高分子化合物)
 本発明の親水性部材の親水性層形成用塗布 には、親水性層の膜物性を調整するため、 水性を阻害しない範囲で各種高分子化合物 添加することができる。高分子化合物とし は、アクリル系重合体、ポリビニルアルコ ル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ レタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステ 樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポ カーボネート樹脂、ポリビニルホルマール 脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル 樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の 然樹脂等が使用できる。また、これらは2種 以上併用してもかまわない。これらのうち、 アクリル系のモノマーの共重合によって得ら れるビニル系共重合体が好ましい。更に、高 分子結合材の共重合組成として、「カルボキ シル基含有モノマー」、「メタクリル酸アル キルエステル」、又は「アクリル酸アルキル エステル」を構造単位として含む共重合体も 好ましく用いられる。

 この他にも、必要に応じて、例えば、レベ ング添加剤、マット剤、膜物性を調整する めのワックス類、基板への密着性を改善す ために、親水性を阻害しない範囲でタッキ ァイヤーなどを含有させることができる。
 タッキファイヤーとしては、具体的には、 開2001-49200号公報の5~6pに記載されている高 子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アク ル酸と炭素数1~20のアルキル基を有するアル ールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭 数3~14の脂環族アルコールとのエステル、(メ タ)アクリル酸と炭素数6~14の芳香族アルコー とのエステルからなる共重合物)や、重合性 不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂 などである。

〔親水性組成物の調製〕
 親水性組成物の調製は、(A)親水性ポリマー (B)防かび作用を有する添加剤、好ましくは( C)金属アルコキシド化合物及び(D)触媒、適宜( E)添加剤を溶媒に溶解後、攪拌することで実 できる。(D)触媒を基材に塗設する直前に混 することが好ましい。具体的には(D)触媒の 合直後~1時間以内で塗設することが好まし 。
 (D)触媒を混合し、長時間放置したのちに塗 すると親水性組成物の粘度があがり、塗布 ら等の欠陥を生じることがある。
 その他の成分も塗設直前に混合することが ましいが混合後、長時間保存してもかまわ い。
 調製における反応温度は室温~80℃であり、 応時間、即ち攪拌を継続する時間は1~72時間 の範囲であることが好ましく、この攪拌によ り(A)親水性ポリマー及び(C)金属アルコキシド 化合物の加水分解・重縮合を進行させて、有 機無機複合体ゾル液を得ることができる。

 前記親水性組成物を調製する際に用いる 媒としては、これらを均一に、溶解、分散 得るものであれば特に制限はないが、例え 、メタノール、エタノール、水等の水系溶 が好ましい。

 以上述べたように、親水性組成物により親 性膜を形成するための有機無機複合体ゾル (親水性組成物)の調製は、ゾルゲル法を利 している。ゾルゲル法については、作花済 「ゾル-ゲル法の科学」(株)アグネ承風社(刊) (1988年)、平島硯「最新ゾル-ゲル法による機 性薄膜作成技術」総合技術センター(刊)(1992 )等の成書等に詳細に記述され、それらに記 載の方法を本発明において親水性組成物の調 製に適用することができる。
 このような親水性組成物を含む溶液を、適 な支持体上に被膜し、乾燥することで、本 明の親水性部材を得ることができる。即ち 本発明の親水性部材は、支持体上に、前記 発明の親水性組成物を被膜し、加熱、乾燥 ることにより形成された親水性膜を有する のである。
 親水性膜の形成において、親水性組成物を む溶液を被膜した後の加熱、乾燥条件とし は、高密度の架橋構造を効率よく形成する いった観点からは、乾燥温度を10~150℃とす ことが好ましく、25~100℃とすることがさら 好ましい。乾燥温度が低いと十分な架橋反 が進まず塗膜強度が低くなり、温度が高す ると塗膜のひび割れを生じやすく部分的に 曇性が不十分になる。乾燥時間は5分~1時間 好ましい。更に好ましくは10分~30分間であ 。乾燥時間が短いと乾燥不十分により塗膜 度が低下することがある。必要以上に乾燥 間を長くしすぎると基材が劣化したりする

 本発明の親水性部材は、公知の塗布方法 作製することが可能であり、特に限定がな 、例えばスプレーコーティング法、ディッ コーティング法、フローコーティング法、 ピンコーティング法、ロールコーティング 、フィルムアプリケーター法、スクリーン 刷法、バーコーター法、刷毛塗り、スポン 塗り等の方法が適用できる。

 親水性層の厚さは、0.1μm~10μmが好ましく さらに好ましくは0.5μm~2μmである。膜厚が0. 1μm以上の場合は、十分な親水性、耐久性が られ好ましく、膜厚が10μm以下の場合は、乾 燥むらなど製膜性に問題を来たすことがなく 、好ましい。

 親水性層の表面の中心平均粗さRaは、10nm~100 nmであることが好ましい。
 また、親水性層のTgは、塗膜強度の観点か 、40℃~150℃が好ましい。また、親水性層の 性率は1GPa~7GPaが好ましい。
 なお、上記の親水性層の表面性状は、使用 る無機微粒子の粒子サイズ、含有量、基材 体の表面粗さ、親水性層形成用塗布液組成 の粘度、親水性被膜の加熱温度、速度など 調節することによって制御できるが、本発 はこれに限定されるものではない。

 支持体基板と親水性層との間には、密着性 向上などのため、必要に応じて中間層を設 てもよい。
 例えば、基板がアルミニウム板の場合、防 性、基板との密着性を向上させることなど 目的とし、アルミニウム板と親水性層との に中間層を設けてもよい。中間層は特に限 されない。組成の異なる親水性層を設けて よいし、クロメート系に代表される公知の 食防止層を付与してもよい。

〔表面自由エネルギー〕
 親水性層表面の親水性度は、汎用的に、水 接触角で測定される。しかし、本発明のよ な非常に親水性の高い表面においては、水 接触角が10°以下、さらには5°以下になるこ とがあり、親水性度の相互比較を行うには、 限界がある。一方、固体表面の親水性度をよ り詳細に評価する方法として、表面自由エネ ルギーの測定がある。種々の方法が提案され ているが、本発明では、一例として、Zismanプ ロット法を用いて表面自由エネルギーを測定 した。具体的には、塩化マグネシウムなどの 無機電解質の水溶液が濃度とともに表面張力 が大きくなる性質を利用し、その水溶液を用 いて空中、室温条件で接触角を測定した後、 横軸にその水溶液の表面張力、縦軸に接触角 をcosθに換算した値をとり、種々の濃度の水 液の点をプロットして直線関係を得、cosθ=1 すなわち、接触角=0°になるときの表面張力 、固体の表面自由エネルギーと定義する測 方法である。水の表面張力は72mN/mであり、 面自由エネルギーの値が大きいほど親水性 高いといえる。
 このような方法で測定した表面自由エネル ーが、70mN/m~95mN/m、好ましくは72mN/m~93mN/m、 らに好ましくは75mN/m~90mN/mの範囲にある親水 が、親水性に優れ、良好な性能を示す。

 本発明の親水性組成物を用いて形成され 親水性層は、高温高湿環境下において長期 保存された後でも親水性および防かび性に れる。すなわち、高温高湿保存性に優れる

〔基材〕
 本発明に用いられる基材は、特に限定され いが、ガラス、プラスチック、金属、セラ ックス、木、石、セメント、コンクリート 繊維、布帛、紙、皮革、タイル、ゴム、ラ ックス、それらの組合せ、それらの積層体 、いずれも好適に利用できる。特に好まし 基材は、プラスチック、金属等の柔軟性の るフレキシブルな基板である。フレキシブ な基板を用いることで、物品の変形などが 由に可能になり、取り付け作業や取り付け 所の自由度が増すばかりでなく、耐久性も すことができる。
 本発明に用いられるプラスチック基板とし は、特に制限はないが、例えば、光学部材 して使用される基板は、透明性、屈折率、 散性などの光学特性を考慮して選択され、 用目的により、種々の物性、例えば、耐衝 性、可撓性など強度をはじめとする物理的 性や、耐熱性、耐候性、耐久性などを考慮 て選択される。プラスチック基板としては ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピ ン、セロファン、トリアセチルセルロース ジアセチルセルロース、アセチルセルロー ブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ リデン、ポリビニルアルコール、ポリエチ ンビニルアルコール、ポリスチレン、ポリ ーボネート、ポリメチルペンテン、ポリス フォン、ポリエーテルケトン、アクリル、 イロン、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリエ テルイミド、ポリエーテルスルフォン等の ィルムもしくはシートを挙げることができ 。アクリル、ポリカーボネート、ポリエス ルから選ばれた少なくとも1種であることが より好ましい。これらは、使用目的に応じて 、単独で用いられてもよく、或いは、2種以 を混合物、共重合体、積層体などの形態で み合わせて用いることもできる。プラスチ ク基板の厚みは、使用目的、使用環境、積 する相手など、場合によって様々である。 えば曲面の多い部分では、薄いものが好ま 、6~50μm程度のものが用いられる。また平面 用いられ、あるいは、強度を要求されると ろでは50~400μmが用いられる。

 基板とその上の層の密着性を向上させる 的で、所望により基板の片面又は両面に、 化法や粗面化法等により表面親水化処理を すことができる。上記酸化法としては、例 ばコロナ放電処理、グロー放電処理、クロ 酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾ ・紫外線照射処理等が挙げられる。粗面化 としては、サンドブラスト、ブラシ研磨等 より機械的に粗面化することもできる。

 プラスチック基板として、下記のガラス の説明において記載される無機化合物層を ラスチック板上に形成したものを用いるこ もできる。この場合、無機化合物層は反射 止層として作用させることもできる。無機 合物層をプラスチック板上に形成する場合 、前述した無機基板におけるのと同様の手 で形成することができる。

 透明プラスチック基板に無機化合物層を 成する場合、両層の間には、ハードコート を形成してもよい。ハードコート層を設け ことにより、基板表面の硬度が向上すると に、基板表面が平滑になるので、透明プラ チック基板と無機化合物層との密着性が向 し、耐引っ掻き強度の向上と、基板の屈曲 起因する無機化合物層へのクラックの発生 抑制することができる。このような基板を いることで親水性部材の機械的強度を改善 きる。ハードコート層の材質は、透明性、 度な強度、及び機械的強度を有するもので れば、特に限定されない。例えば、電離放 線や紫外線の照射による硬化樹脂や熱硬化 の樹脂が使用でき、特に紫外線照射硬化型 クリル系樹脂、有機ケイ素系樹脂、熱硬化 ポリシロキサン樹脂が好ましい。これらの 脂の屈折率は、透明プラスチック基板の屈 率と同等、もしくはこれに近似しているこ がより好ましい。

 このようなハードコート層の被膜方法は 特に限定されず、均一に塗布されるのであ ば任意の方法を採用することができる。ま 、ハードコート層の膜厚は3μm以上であれば 十分な強度となるが、透明性、塗工精度、取 り扱いの点から5~7μmの範囲が好ましい。さら にハードコート層に平均粒子径0.01~3μmの無機 あるいは有機物粒子を混合分散させることに よって、一般的にアンチグレアと呼ばれる光 拡散性処理を施すことができる。これらの粒 子は透明であれば特に限定されないが、低屈 折率材料が好ましく、酸化ケイ素、フッ化マ グネシウムが安定性、耐熱性等の点で特に好 ましい。光拡散性処理は、ハードコート層の 表面に凹凸を設けることによっても達成でき る。

 金属からなる基材としては、ステンレスま はアルミニウムからなるものが好ましく、 くにアルミニウム板が好ましい。
 アルミニウム板は、純アルミニウム板、ア ミニウムを主成分とし、微量の異元素を含 合金板、または、アルミニウムもしくはア ミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミ ートされているものである。アルミニウム 金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マ ガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、 スマス、ニッケル、チタン等がある。合金 の異元素の含有量は10質量%以下であるのが ましい。本発明においては、純アルミニウ 板が好ましいが、完全に純粋なアルミニウ は精錬技術上製造が困難であるので、わず に異元素を含有するものでもよい。アルミ ウム板は、その組成が特定されるものでは く、公知公用の素材のものを適宜利用する とができる。

 基板の厚さは0.05~0.6mmであるのが好ましく 、0.08~0.2mmであるのがより好ましい。

 アルミニウム板を使用するに先立ち、粗 化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施す が好ましい。アルミニウム板を粗面化処理 るに先立ち、所望により、表面の圧延油を 去するための界面活性剤、有機溶剤、アル リ性水溶液等による脱脂処理が行われる。 ルミ基板の処理方法は公知の方法で行うこ ができる。

 本発明で用いられる基板としては、上記の うな表面処理をされ陽極酸化皮膜を有する 板そのままでも良いが、上層との接着性の 層改良のため、必要に応じて、特開2001-25318 1号公報や特開2001-322365号公報に記載されてい る陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理や 封孔処理および親水性化合物を含有する水溶 液に浸漬する表面親水化処理などを適宜選択 して行うことができる。もちろんこれら拡大 処理、封孔処理はこれらに記載のものに限ら れたものではなく従来公知の何れも方法も行 うことができる。
 たとえば封孔処理としては、蒸気封孔のほ フッ化ジルコン酸の単独処理、フッ化ナト ウムによる処理、塩化リチウムを添加した 気封孔でも可能である。

<封孔処理>
 本発明に用いられる封孔処理は、特に限定 れず、従来公知の方法を用いることができ が、中でも、無機フッ素化合物を含有する 溶液による封孔処理、水蒸気による封孔処 および熱水による封孔処理が好ましい。以 にそれぞれ説明する。

<無機フッ素化合物を含有する水溶液によ 封孔処理>
 無機フッ素化合物を含有する水溶液による 孔処理に用いられる無機フッ素化合物とし は、金属フッ化物が好適に挙げられる。
 具体的には、例えば、フッ化ナトリウム、 ッ化カリウム、フッ化カルシウム、フッ化 グネシウム、フッ化ジルコン酸ナトリウム フッ化ジルコン酸カリウム、フッ化チタン ナトリウム、フッ化チタン酸カリウム、フ 化ジルコン酸アンモニウム、フッ化チタン アンモニウム、フッ化チタン酸カリウム、 ッ化ジルコン酸、フッ化チタン酸、ヘキサ ルオロケイ酸、フッ化ニッケル、フッ化鉄 フッ化リン酸、フッ化リン酸アンモニウム 挙げられる。中でも、フッ化ジルコン酸ナ リウム、フッ化チタン酸ナトリウム、フッ ジルコン酸、フッ化チタン酸が好ましい。

 水溶液中の無機フッ素化合物の濃度は、 極酸化皮膜のマイクロポアの封孔を十分に う点で、0.01質量%以上であるのが好ましく 0.05質量%以上であるのがより好ましく、また 、耐汚れ性の点で、1質量%以下であるのが好 しく、0.5質量%以下であるのがより好ましい 。

 無機フッ素化合物を含有する水溶液は、更 、リン酸塩化合物を含有するのが好ましい リン酸塩化合物としては、例えば、アルカ 金属、アルカリ土類金属等の金属のリン酸 が好適に挙げられる。
 具体的には、例えば、リン酸亜鉛、リン酸 ルミニウム、リン酸アンモニウム、リン酸 素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニ ム、リン酸一アンモニウム、リン酸一カリ ム、リン酸一ナトリウム、リン酸二水素カ ウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カル ウム、リン酸水素アンモニウムナトリウム リン酸水素マグネシウム、リン酸マグネシ ム、リン酸第一鉄、リン酸第二鉄、リン酸 水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン 水素二ナトリウム、リン酸鉛、リン酸二ア モニウム、リン酸二水素カルシウム、リン リチウム、リンタングステン酸、リンタン ステン酸アンモニウム、リンタングステン ナトリウム、リンモリブデン酸アンモニウ 、リンモリブデン酸ナトリウム、亜リン酸 トリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピ リン酸ナトリウムが挙げられる。中でも、 ン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナト ウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素 カリウムが好ましい。
 無機フッ素化合物とリン酸塩化合物の組合 は、特に限定されないが、水溶液が、無機 ッ素化合物として、少なくともフッ化ジル ン酸ナトリウムを含有し、リン酸塩化合物 して、少なくともリン酸二水素ナトリウム 含有するのが好ましい。

 水溶液中のリン酸塩化合物の濃度は、耐 れ性の向上の点で、0.01質量%以上であるの 好ましく、0.1質量%以上であるのがより好ま く、また、溶解性の点で、20質量%以下であ のが好ましく、5質量%以下であるのがより ましい。

 水溶液中の各化合物の割合は、特に限定さ ないが、無機フッ素化合物とリン酸塩化合 の質量比が、1/200~10/1であるのが好ましく、 1/30~2/1であるのがより好ましい。
 また、水溶液の温度は、20℃以上であるの 好ましく、40℃以上であるのがより好ましく 、また、100℃以下であるのが好ましく、80℃ 下であるのがより好ましい。
 また、水溶液は、pH1以上であるのが好まし 、pH2以上であるのがより好ましく、また、p H11以下であるのが好ましく、pH5以下であるの がより好ましい。
 無機フッ素化合物を含有する水溶液による 孔処理の方法は、特に限定されず、例えば 浸漬法、スプレー法が挙げられる。これら 単独で1回または複数回用いてもよく、2種 上を組み合わせて用いてもよい。
 中でも、浸漬法が好ましい。浸漬法を用い 処理する場合、処理時間は、1秒以上である のが好ましく、3秒以上であるのがより好ま く、また、100秒以下であるのが好ましく、20 秒以下であるのがより好ましい。

<水蒸気による封孔処理>
 水蒸気による封孔処理は、例えば、加圧ま は常圧の水蒸気を連続的にまたは非連続的 、陽極酸化皮膜に接触させる方法が挙げら る。
 水蒸気の温度は、80℃以上であるのが好ま く、95℃以上であるのがより好ましく、また 、105℃以下であるのが好ましい。
 水蒸気の圧力は、(大気圧-50mmAq)から(大気圧 +300mmAq)までの範囲(1.00×10 5 ~1.043×10 5 Pa)であるのが好ましい。
 また、水蒸気を接触させる時間は、1秒以上 であるのが好ましく、3秒以上であるのがよ 好ましく、また、100秒以下であるのが好ま く、20秒以下であるのがより好ましい。

<熱水による封孔処理>
 水蒸気による封孔処理は、例えば、陽極酸 皮膜を形成させたアルミニウム板を熱水に 漬させる方法が挙げられる。
 熱水は、無機塩(例えば、リン酸塩)または 機塩を含有していてもよい。
 熱水の温度は、80℃以上であるのが好まし 、95℃以上であるのがより好ましく、また、 100℃以下であるのが好ましい。
 また、熱水に浸漬させる時間は、1秒以上で あるのが好ましく、3秒以上であるのがより ましく、また、100秒以下であるのが好まし 、20秒以下であるのがより好ましい。

<親水化処理>
 親水化処理としては、米国特許第2,714,066号 同第3,181,461号、同第3,280,734号および同第3,90 2,734号の各明細書に記載されているようなア カリ金属シリケート法がある。この方法に いては、支持体をケイ酸ナトリウム等の水 液で浸漬処理し、または電解処理する。そ ほかに、特公昭36-22063号公報に記載されて るフッ化ジルコン酸カリウムで処理する方 、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号およ 同第4,689,272号の各明細書に記載されている うなポリビニルホスホン酸で処理する方法 が挙げられる。

 基板は、中心線平均粗さが0.10~1.2μmであ のが好ましい。この範囲で、上層との良好 密着性と良好な汚れ難さが得られる。

 本発明で用いられるガラス板としては、 化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネ ウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコ ウム、酸化ナトリウム、酸化アンチモン、 化インジウム、酸化ビスマス、酸化イット ウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、ITO(Indium T in Oxide)等の金属性酸化物;フッ化マグネシウ 、フッ化カルシウム、フッ化ランタン、フ 化セリウム、フッ化リチウム、フッ化トリ ム等の金属ハロゲン化物;などで形成した無 機化合物層を備えたガラス板を挙げることが できる。また目的に応じ、フロート板ガラス 、型板ガラス、スリ板ガラス、網入ガラス、 線入ガラス、強化ガラス、合わせガラス、複 層ガラス、真空ガラス、防犯ガラス、高断熱 Low-E複層ガラスを使用することができる。ま 素板ガラスのまま、親水性層等を塗設でき が、必要に応じ、密着性を向上させる目的 、片面又は両面に、酸化法や粗面化法等に り表面親水化処理を施すことができる。上 酸化法としては、例えばコロナ放電処理、 ロー放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎 理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等 挙げられる。粗面化法としては、サンドブ スト、ブラシ研磨等により機械的に粗面化 ることもできる。

 無機化合物層は、単層あるいは多層構成 することができる。無機化合物層はその厚 によって、光透過性を維持させることもで 、また、反射防止層として作用させること できる。無機化合物層の形成方法としては 例えば、ディップコーティング法、スピン ーティング法、フローコーティング法、ス レーコーティング法、ロールコーティング 、グラビアコーティング法などの塗布法、 空蒸着法、反応性蒸着法、イオンビームア スト法、スパッタリング法、イオンプレー ィング法等の物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(C VD)をはじめとする気相法など公知の方法を適 用することができる。

 基板と親水性層の間に一層以上の下塗り層 設けることができる。
 下塗り層の素材としては、例えば、親水性 脂や水分散性ラテックスを用いることがで る。
 親水性樹脂としては、たとえば、ポリビニ アルコール(PVA)、セルロース系樹脂〔メチ セルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロー (HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、等 〕、キチン類、キトサン類、デンプン、エー テル結合を有する樹脂〔ポリエチレンオキサ イド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポ ビニルエーテル(PVE)等〕、カルバモイル基を 有する樹脂〔ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリ ビニルピロリドン(PVP)、等〕等が挙げられる また、カルボキシル基を有するポリアクリ 酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼ チン類等も挙げることができる。
 上記の中でも、ポリビニルアルコール系樹 、セルロース系樹脂、エーテル結合を有す 樹脂、カルバモイル基を有する樹脂、カル キシル基を有する樹脂、及びゼラチン類か 選ばれる少なくとも1種が好ましく、特に、 ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂、ゼラチン が好ましい。

 水分散性ラテックスとしては、アクリル系 テックス、ポリエステル系ラテックス、NBR 脂、ポリウレタン系ラテックス、ポリ酢酸 ニル系ラテックス、SBR樹脂、ポリアミド系 テックス等が挙げられる。中でも、アクリ 系ラテックスが好ましい。
 上記の親水性樹脂及び水分散性ラテックス 、各々一種単独で用いるほか二種以上を併 してもよく、親水性樹脂と水分散性ラテッ スとを併用してもよい。
 また、上記親水性樹脂や水分散性ラテック を架橋する架橋剤を用いても良い。
 本発明に適応可能な架橋剤としては、公知 熱により架橋を形成する架橋剤を用いるこ ができる。一般的な熱架橋剤としては、「 橋剤ハンドブック」山下晋三、金子東助著 大成社刊(1981)に記載されているものがある 本発明に用いられる架橋剤の官能基数は2個 以上で、且つ、親水性樹脂や水分散性ラテッ クスと有効に架橋可能ならば特に制限はない 。具体的な熱架橋剤としては、ポリアクリル 酸等のポリカルボン酸、ポリエチレンイミン 等のアミン化合物、エチレンまたはプロピレ ングリコールジグリシジルエーテル、テトラ エチレングリコールジグリシジルエーテル、 ノナエチレンチレングリコールジグリシジル エーテル、ポリエチレンまたはポリプロピレ ングリコールグリシジルエーテル、ネオペン チルグリコールジグリシジルエーテル、1,6- キサンジオールジグリシジルエーテル、ト メチロールプロパントリグリシジルエーテ 、ソルビトールポリグリシジルエーテル等 ポリエポキシ化合物、グリオキザル、テレ タルアルデヒドなどのポリアルデヒド化合 、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチ ンジイソシアネート、ジフェニルメタンイ シアネート、キシリレンジイソシアネート ポリメチレンポリフェニルイソシアネート シクロヘキシルジイソシアネート、シクロ キサンフェニレンジイソシアネート、ナフ レン-1,5-ジイソシアネート、イソプロピルベ ンゼン-2,4-ジイソシアネート、ポリプロピレ グリコール/トリレンジイソシアネート付加 反応物などのポリイソシアネート化合物、ブ ロックポリイソシアネート化合物、テトラア ルコキンシランなどのシランカップリング剤 、アルミニウム、銅、鉄(III)のアセチルアセ ナートなどの金属架橋剤、トリメチロール ラミン、ペンタエリスリトールなどのポリ チロール化合物、などが挙げられる。これ の熱架橋剤のなかでも、塗布溶液の調液の やすさ、作製した親水性層の親水性低下を 止するという観点から水溶性の架橋剤であ ことが好ましい。
 前記親水性樹脂及び/又は水分散性ラテック スの、下塗り層中における総量としては、0.0 1~20g/m が好ましく、0.1~10g/m がより好ましい。

〔親水性部材使用時の層構成〕
 本発明の親水性部材を使用する場合、その 的、形態、使用場所に応じ、適宜別の層を 加して使用することができる。以下に必要 応じ付加される層構成について述べる。

1)接着層
 本発明の親水性部材を、別の基板上に貼り けて使用する場合、基板の裏面に、接着層 して、感圧接着剤である粘着剤が好ましく いられる。粘着剤としては、ゴム系粘着剤 アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、 ニルエーテル系、スチレン系粘着剤などの 般的に粘着シートに用いられるものが使用 きる。
 光学的に透明なものが必要な場合は光学用 向けの粘着剤が選ばれる。着色、半透明、 ット調などの模様が必要な場合は、基板に ける模様付けのほかに粘着剤に、染料、有 や無機の微粒子を添加して効果を出すこと 行うことができる。
 粘着付与剤が必要な場合、樹脂、例えば、 ジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂 スチレン系樹脂およびこれらの水素添加物 どの接着付与樹脂を1種類または混合して用 いることができる。
 本発明で用いられる粘着剤の粘着力は一般 言われる強粘着であり、200g/25mm以上、好ま くは300g/25mm以上、さらに好ましくは400g/25mm 上である。なお、ここでいう粘着力はJIS Z 0237 に準拠し、180度剥離試験によって測定 た値である。

2)離型層
 本発明の親水性部材が前記の接着層を有す 場合には、さらに離型層を付加することが きる。離型層には、離型性をもたせるため 、離型剤を含有させることが好ましい。離 剤しては、一般的に、ポリオルガノシロキ ンからなるシリコーン系離型剤、フッ素系 合物、ポリビニルアルコールの長鎖アルキ 変性物、ポリエチレンイミンの長鎖アルキ 変性物等が用いることができる。また、ホ トメルト型離型剤、ラジカル重合、カチオ 重合、重縮合反応等により離型性モノマー 硬化させるモノマー型離型剤などの各種の 型剤や、この他、アクリル-シリコーン系共 重合樹脂、アクリル-フッ素系共重合樹脂、 びウレタン-シリコーン-フッ素系共重合樹脂 などの共重合系樹脂、並びに、シリコーン系 樹脂とアクリル系樹脂との樹脂ブレンド、フ ッ素系樹脂とアクリル系樹脂との樹脂ブレン ドが用いられる。また、フッ素原子及び/又 ケイ素原子のいずれかの原子と、活性エネ ギー線重合性基含有化合物を含む硬化性組 物を、硬化して得られるハードコート離型 としてもよい。

3)その他の層
 親水性層の上に、保護層を設けてもよい。 護層は、ハンドリング時や輸送時、保管時 どの親水性表面の傷つきや、汚れ物質の付 による親水性の低下を防止する機能を有す 。保護層としては、上記離型層に用いた親 性ポリマー層を使用することができる。保 層は、親水性部材を適切な基板へ貼り付け 後には剥がされる。

〔親水性部材の形態〕
 親水性部材は、シート状、ロール状あるい リボン状の形態で供給されてもよく、適切 基板に貼り付けるために、あらかじめカッ されたもとして供給することもできる。

 親水性部材は、窓ガラス等に適用(使用、貼 り付け)する場合、視界確保の観点から透明 が重要である。本発明の親水性層は、透明 に優れ、膜厚が厚くても透明度が損なわれ 、耐久性との両立が可能である。本発明の 水性層の厚さは、0.01μm~100μmが好ましく、0.0 5μm~50μmがさらに好ましく、0.1μm~20μmが最も ましい。膜厚が0.01μm以上の場合は、十分な 水性、耐久性が得ら好ましく、膜厚が100μm 下の場合は、クラックが入るなど製膜性に 題を来たすことがなく、好ましい。
 本発明の親水性層の乾燥塗布量を好ましく 0.01g/m 2 ~100g/m 2 、より好ましくは0.02g/m 2 ~80g/m 2 、特に好ましくは0.05g/m 2 ~50g/m 2 とすることで、上記の膜厚を得ることができ る。
 また、下塗り層の厚さは、0.01μm~100μmが好 しく、0.02μm~80μmがさらに好ましく、0.05μm~50 μmが特に好ましい。
 下塗り層組成物の乾燥塗布量を好ましくは0 .01g/m 2 ~100g/m 2 、より好ましくは0.02g/m 2 ~80g/m 2 、特に好ましくは0.05g/m 2 ~50g/m 2 とすることで、上記の膜厚を得ることができ る。
 透明性は、分光光度計で可視光領域(400nm~800 nm)の光透過率を測定し評価する。光透過率が 100%~70%が好ましく、95%~75%がより好ましく、95% ~80%の範囲にあることが最も好ましい。この 囲にあることによって、視界をさえぎるこ なく、親水性部材を各種用途に適用するこ ができる。

 本発明の親水性部材は、上記のように、親 性組成物を、適切な基板上に塗布し、加熱 乾燥して親水性層を形成することで得るこ ができる。
 下塗り層用組成物および親水性組成物の塗 方法は、公知の塗布方法を採用でき、例え スプレーコーティング法、ディップコーテ ング法、フローコーティング法、スピンコ ティング法、ロールコーティング法、フィ ムアプリケーター法、スクリーン印刷法、 ーコーター法、刷毛塗り、スポンジ塗り等 方法が適用できる。

 本発明の親水性部材が適用可能なものとし は、例えば、防曇効果を期待する場合には 明なものであり、透明なガラス基板または 明なプラスチック基板、レンズ、プリズム 鏡等である。
 ガラスとしては、ソーダガラス、鉛ガラス 硼珪酸ガラスなどの何れのガラスを使用し も良い。また目的に応じ、フロート板ガラ 、型板ガラス、スリ板ガラス、網入ガラス 線入ガラス、強化ガラス、合わせガラス、 層ガラス、真空ガラス、防犯ガラス、高断 Low-E複層ガラスを使用することができる。
 防曇効果を有する部材が適用可能な用途と ては、車両用バックミラー、浴室用鏡、洗 所用鏡、歯科用鏡、道路鏡のような鏡;眼鏡 レンズ、光学レンズ、写真機レンズ、内視鏡 レンズ、照明用レンズ、半導体用レンズ、複 写機用レンズのようなレンズ;プリズム;建物 監視塔の窓ガラス;その他建材用ガラス;自 車、鉄道車両、航空機、船舶、潜水艇、雪 車、ロープウエイのゴンドラ、遊園地のゴ ドラ、種々の乗物の窓ガラス;自動車、鉄道 両、航空機、船舶、潜水艇、雪上車、スノ モービル、オートバイ、ロープウエイのゴ ドラ、遊園地のゴンドラ、種々の乗物の風 ガラス;防護用ゴーグル、スポーツ用ゴーグ ル、防護用マスクのシールド、スポーツ用マ スクのシールド、ヘルメットのシールド、冷 凍食品陳列ケースのガラス;計測機器のカバ ガラス、及び上記物品表面に貼付させるた のフィルムを含む。最も好ましい用途は、 動車用及び建材用のガラスである。

 また、本発明の表面親水性部材に防汚効果 期待する場合には、その基板は、例えば、 ラス、プラスチック以外にも、金属、セラ ックス、木、石、セメント、コンクリート 繊維、布帛、紙、それらの組合せ、それら 積層体が、いずれも好適に利用できる。
 防汚効果を有する部材が適用可能な用途と ては、建材、外壁や屋根のような建物外装 建物内装、窓枠、窓ガラス、構造部材、自 車、鉄道車両、航空機、船舶、自転車、オ トバイのような乗物の外装及び塗装、機械 置や物品の外装、防塵カバー及び塗装、交 標識、各種表示装置、広告塔、道路用防音 、鉄道用防音壁、橋梁、ガードレールの外 及び塗装、トンネル内装及び塗装、碍子、 陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カバー、 ニールハウス、車両用照明灯のカバー、住 設備、便器、浴槽、洗面台、照明器具、照 カバー、台所用品、食器、食器洗浄器、食 乾燥器、流し、調理レンジ、キッチンフー 、換気扇、及び上記物品表面に貼付させる めのフィルムを含む。
 看板、交通標識、防音壁、ビニールハウス 碍子、乗物用カバー、テント材、反射板、 戸、網戸、太陽電池用カバー、太陽熱温水 等の集熱器用カバー、街灯、舗道、屋外照 、人工滝・人工噴水用石材・タイル、橋、 室、外壁材、壁間や硝子間のシーラー、ガ ドレール、ベランダ、自動販売機、エアコ 室外機、屋外ベンチ、各種表示装置、シャ ター、料金所、料金ボックス、屋根樋、車 用ランプ保護カバー、防塵カバー及び塗装 機械装置や物品の塗装、広告塔の外装及び 装、構造部材、住宅設備、便器、浴槽、洗 台、照明器具、台所用品、食器、食器乾燥 、流し、調理レンジ、キッチンフード、換 扇、窓レール、窓枠、トンネル内壁、トン ル内照明、窓サッシ、熱交換器用放熱フィ 、舗道、浴室用洗面所用鏡、ビニールハウ 天井、洗面化粧台、自動車ボディ、及びそ ら物品に貼着可能なフィルム、ワッペン等 含む。
 雪国用屋根材、アンテナ、送電線等への適 も可能であり、その際は、着雪防止性にも れた特性が得られる。

 また本発明の表面親水性部材に水等の速乾 を期待する場合にも、その基材は、例えば ガラス、プラスチック以外にも、金属、セ ミックス、木、石、セメント、コンクリー 、繊維、布帛、紙、それらの組合せ、それ の積層体が、いずれも好適に利用できる。 等の速乾性効果を有する部材が適用可能な 途としては、建材、外壁や屋根のような建 外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、構造部 、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、自転 、オートバイのような乗物の外装及び塗装 機械装置や物品の外装、防塵カバー及び塗 、交通標識、各種表示装置、広告塔、道路 防音壁、鉄道用防音壁、橋梁、ガードレー の外装及び塗装、トンネル内装及び塗装、 子、太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カ ー、ビニールハウス、車両用照明灯のカバ 、住宅設備、便器、浴槽、洗面台、照明器 、照明カバー、台所用品、食器、食器洗浄 、食器乾燥器、流し、調理レンジ、キッチ フード、換気扇、及び上記物品表面に貼付 せるためのフィルムを含む。
 看板、交通標識、防音壁、ビニールハウス 碍子、乗物用カバー、テント材、反射板、 戸、網戸、太陽電池用カバー、太陽熱温水 等の集熱器用カバー、街灯、舗道、屋外照 、人工滝・人工噴水用石材・タイル、橋、 室、外壁材、壁間や硝子間のシーラー、ガ ドレール、ベランダ、自動販売機、エアコ 室外機、屋外ベンチ、各種表示装置、シャ ター、料金所、料金ボックス、屋根樋、車 用ランプ保護カバー、防塵カバー及び塗装 機械装置や物品の塗装、広告塔の外装及び 装、構造部材、住宅設備、便器、浴槽、洗 台、照明器具、台所用品、食器、食器乾燥 、流し、調理レンジ、キッチンフード、換 扇、窓レール、窓枠、トンネル内壁、トン ル内照明、窓サッシ、熱交換器用放熱フィ 、舗道、浴室用洗面所用鏡、ビニールハウ 天井、洗面化粧台、自動車ボディ、医療用 断装置の各部材、医療用のカテーテル、パ コンやテレビのディスプレイ、化粧品の容 、フィルター、自動車用アルミホイール、 メラのファインダー、CCDのカバーガラス、 刷装置の各部材及びそれら物品に貼着可能 フィルム、ワッペン等を含む。またこれら 用途に使用される製品を製造する工程にお て乾燥工程を有する場合は乾燥時間が短縮 き生産性が向上する効果も期待できる。

 上記用途の中でも、本発明に係る親水性部 は、フィン材であることが好ましく、アル ニウム製フィン本体を有するフィン材であ ことが好ましい。すなわち、本発明のフィ 材は、フィン本体(好ましくはアルミニウム 製フィン本体)と、フィン本体の表面の少な とも一部に設けられた親水性層とを具備す フィン材であって、前記親水性層は、本発 に係る親水性膜形成用組成物が塗設された のであることが好ましい。
 室内エアコンや自動車エアコン等の熱交換 等に用いられるアルミニウム製フィン材(ア ルミニウム製フィン本体そのもの)は、冷房 に発生する凝集水が水滴となりフィン間に どまることで水のブリッジが発生し、冷房 力が低下する。またフィン間に埃などが付 することでも、同様に冷房能力が低下する これらの問題に対し、本発明の親水性膜形 用組成物がフィン本体に塗設されてなるフ ン材によれば、親水性、防汚性、及びそれ の持続性に優れたフィン材が得られる。
 本発明に係るフィン材は、パルミチン酸に1 時間曝気、30分水洗、30分乾燥を5サイクル繰 した後の水接触角が40°以下であることが好 ましい。

 フィン材のフィン本体に用いられるアル ニウムとしては、表面が脱脂されたもの、 要に応じて化成処理されたアルミニウム板 挙げることができる。アルミニウム製のフ ン本体は、表面が化成処理されていること 親水化処理皮膜の付着性、耐食性などの点 ら好適である。上記化成処理としては、例 ば、クロメート処理を挙げることができ、 の代表例として、アルカリ塩-クロム酸塩法 (B.V.法、M.B.V.法、E.W.法、アルロック法、ピル ミン法)、クロム酸法、クロメート法、リン クロム酸法などの処理法、及びクロム酸ク ムを主体とした組成物による無水洗塗布型 理法などが挙げられる。

 例えば、熱交換器用フィン材のフィン本 に用いられるアルミニウム等薄板としては JIS規格で、1100、1050、1200、1N30等の純アルミ ニウム板、2017、2014等のAl-Cu系合金板、3003、3 004等のAl-Mn系合金板、5052、5083等のAl-Mg系合金 板、さらには6061等のAl-Mg-Si系合金板等のいず れを用いても良く、またその形状はシートお よびコイルのいずれでも良い。

 また、本発明に係るフィン材は、熱交換器 用いることが好ましい。本発明に係るフィ 材を有する熱交換器は、優れた親水性、防 性及びそれらの持続性を有しているので、 ィン間に水滴や埃などが付着するのを防止 ることができる。熱交換器としては、例え 、室内用クーラーやエアコン、建設機械用 イルクーラー、自動車のラジエーター、キ パシタ等に使用される熱交換器が挙げられ 。
 また、本発明に係るフィン材を用いた熱交 器をエアコンに使用することが好ましい。 発明に係るフィン材は、優れた親水性、防 性及びそれらの持続性を有しているので、 述のような冷房能力の低下等の問題が改善 れたエアコンを提供することができる。エ コンとしては、ルームエアコン、パッケー エアコン、カーエアコン等、いずれのもの もよい。
 その他、本発明の熱交換器、エアコンには 知の技術(例えば特開2002-106882号公報、特開2 002-156135号公報など)を用いることができ、特 制限されない。

 以下本発明を実施例によって詳細に説明す が、本発明はこれらに限定されるものでは い。なお、部とあるのは質量部を意味する
〔実施例1〕
 下記表1記載の種類および量の親水性ポリマ ーと防かび剤とその他の成分とからなる固形 分総量100部に対し、蒸留水400部、エタノール 70部、下記構造のアニオン性界面活性剤の5質 量%水溶液10部を加え25℃で30分間攪拌し親水 組成物を得た。なお、表1では、各成分の含 量は総固形分に対する各成分の質量%で表し てある。
 次いで表1に記載の基材をアルカリ性洗浄液 (横浜油脂製セミクリーンA-1を3%水溶液に希釈 したもの)に5分間浸漬させたのち水洗し、脱 処理を行った。脱脂した基材に乾燥後の厚 が1μmになるように親水性組成物を塗布し、 100℃10分間加熱乾燥を行った。こうして得ら た親水性部材を下記方法で評価した。

 実施例で使用した化合物Eと化合物Bの合 方法を示す。その他の親水性ポリマーも同 にして合成することができる。

化合物E
 三口フラスコにアクリルアミド100部、3-メ カプトプロピルトリメトキシシラン10部、ジ メチルアセトアミド200部を加え、窒素気流下 にて80℃で加熱混合した。ついで2,2’アゾビ (2,4ジメチルバレロニトリル)0.1部を加えて5 間反応を行った。得られた反応液をメタノ ル3L中に滴下し、固形物を析出させた。ろ にて固形物を取り出したあと60℃で12時間乾 を行い化合物Eを得た。得られた化合物Eの 子量はGPCにて測定し標準ポリスチレン換算 より求めた。

化合物B
 三口フラスコにアクリルアミド100部、アク ルアミド-プロピルトリエトキシシラン20部 ジメチルホルムアミド500部を加え窒素気流 にて80℃で混合した。ついで2,2’アゾビス(2 ,4ジメチルバレロニトリル)0.1部を加えて5時 反応を行った。得られた反応液をn-ヘキサン 3L中に滴下し、固形物を析出させた。ろ過に 固形物を取り出したあと60℃で12時間乾燥を 行い化合物Bを得た。得られた化合物Bの分子 はGPCにて測定し標準ポリスチレン換算値よ 求めた。

<親水性部材の評価法>
(耐水性)
 60℃に温調した水道水中に500時間浸漬させ のち90℃5分間乾燥させた。その後、親水性 材表面を目視にて観察し以下のランクで評 した。評価結果は表1に示した。
 優秀:塗膜表面に変化なし
 良好:塗膜が溶け流れた跡が観察されるが塗 膜は透明
 不良:塗膜が溶け流れた跡が観察され、塗膜 が白濁したもの

(水の接触角)
 協和界面科学(株)製 接触角計DropMaster500を いて超純水を用いて親水性部材表面の水滴 触角を求めた。評価結果は表1に示した。

(高温高湿保存性)
 得られた親水性部材を60℃90%RH環境下で5時 暴露したのち60℃dry(20%RH)環境に1時間暴露し 。
 上記暴露試験を100サイクル行ったのち、上 方法で接触角を評価し、塗膜表面を目視観 し、かびの発生を評価した。評価結果は表1 に示した。
 かび発生は以下のランクで評価した。
 優秀:かびの発生がないもの
 良好:かびが発生したが塗膜表面積の5%未満 あるもの
 不良:かびの発生が塗膜表面積の5%以上のも

〔実施例2~22、比較例1~15〕
 親性水ポリマー、防かび剤、その他の成分 基材を表1に記載のものにした以外は実施例 1と同様にして親水性部材を作製した。
 これらについて実施例1と同様の方法によっ て評価した結果も表1に示した。

 表1における親水性ポリマーは下記のとおり である。
 化合物A:成分a/bの共重合比=80/20モル比(Mw42000 )
 化合物B:成分a/bの共重合比=70/30モル比(Mw45000 )
 化合物C:ポリビニルアルコール(Mw40000)
 化合物D:ポリアクリル酸(Mw45000)

 上記質量平均分子量(Mw)は、いずれもGPC( 準ポリスチレン換算による)測定によるもの ある。

 防かび剤は下記のとおりである。いずれも 販の試薬を用いた。
 ZPT:ビス(2-ピリジルチオ-1-オキシド)亜鉛
 TBZ:2-(4-チアゾリル)ベンズイミダゾール
 BCM:2-ベンズイミダゾールカルバミン酸メチ
 OBPA:10,10'-オキシビスフェノキシアルシン
 AGZ:ケイ酸塩系銀ゼオライト
 TCMTB:2(4チオシアノメチル)ベンゾイミダゾー ル
 BIT:1,2ベンゾチアゾロン
 クレゾール:メチルフェノール
 また、その他の成分のTMOSはテトラメトキシ シラン(市販の試薬)である。

 基材は下記のとおりである。
 アルミ:A1050 厚み0.1mm
 PC:ポリカーボネート基材 厚み6mm
 AC:アクリル基材 厚み6mm
 SUS:SUS301基材 厚み3mm
 PET:PE樹脂 厚み6mm

 表1から明らかなように、本発明の親水性 組成物を用いた親水性部材は親水性、高温高 湿保存性、防かび性、耐水性に優れる。

 本発明の親水性組成物は、従来にない高い 水性を有し、高温高湿環境下に長期間保存 た後、また水に長期間浸漬させた後でも高 親水性と防かび効果を維持できるといった 続性に優れる親水性層を形成することがで る。例えばエアコン用の熱交換器に含まれ アルミニウム製フィン材に塗設するなど様 な用途がある。
 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照 て説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱 ることなく様々な変更や修正を加えること できることは当業者にとって明らかである
 本出願は、2008年1月25日出願の日本特許出願 (特願2008-15141)、2008年3月25日出願の日本特許 願(特願2008-79319)及び2008年8月18日出願の日本 許出願(特願2008-210083)に基づくものであり、 それらの内容はここに参照して組み込まれる 。